目にした瞬間に「おっ」と注意を引き、心に残り、行動を促す──そんなキャッチコピーには、言葉以上の力があります。SNS時代においては、スクロールの手を止めさせるインパクト、広告においては売上を左右する説得力が求められます。本記事では、心を動かす名作コピーや、実際に成果を生んだ例を紹介しながら、人を惹きつける言葉の選び方や作り方のコツを解説します。
キャッチコピーが持つ“惹きつける力”とは
情報があふれる中で選ばれる言葉
日々無数の広告や投稿が流れるなか、人が立ち止まるかどうかを決めるのは、ほんの数秒。その第一関門を突破するのがキャッチコピーです。単なる「紹介文」ではなく、「行動を引き出す言葉」として設計する必要があります。
心に刺さる＝自分ごとになる
受け手にとって「自分に関係ある」「感情が動く」と感じさせることができるかどうか。それが“心に刺さる”という状態です。ターゲットの悩みや憧れ、共感ポイントをとらえることが、惹きつける言葉の核心です。
心に刺さるキャッチコピーの名作
自動車・交通
- 「愛は、見える。」（SUBARU）
- 「でっかいどお。北海道。」（JR北海道）
- 「モノより思い出。」（ホンダ）
- 「走りは、時代をつくる。」（トヨタ）
食品・飲料
- 「おいしい生活。」（西武百貨店）
- 「やめられない、とまらない。」（カルビーかっぱえびせん）
- 「キレてな〜い！」（キレートレモン）
- 「お口の恋人。」（ロッテ）
- 「ポリンキー 三角形の秘密はね♪」（湖池屋）
金融・保険
- 「そうだ 京都、行こう。」（JR東海）
- 「プライスレス。」（マスターカード）
- 「ひとに、力を。」（三井住友銀行）
小売・EC
- 「お、ねだん以上。ニトリ。」（ニトリ）
- 「無印良品、それが答え。」（無印良品）
- 「ユニクロで、人生変わる。」（ユニクロ）
化粧品・美容
- 「美しくなりたい、すべての人へ。」（資生堂）
- 「キレイの力。」（KOSE）
- 「肌が喜ぶ毎日へ。」（SK-II）
IT・通信
- 「想像以上が、動き出す。」（ソニー）
- 「未来を、今にする。」（NEC）
- 「人を想う力が、技術になる。」（富士通）
教育・資格・新聞
- 「読売新聞を読んでから死にたい。」（読売新聞）
- 「新聞って、面白いじゃん。」（朝日新聞）
- 「夢に、資格を。」（TAC）
飲食チェーン・外食
- 「今日は、ハンバーグにしませんか？」（びっくりドンキー）
- 「うまい、やすい、はやい。」（吉野家）
- 「この一杯に、感謝を。」（一風堂）
雑貨・日用品
- 「100人乗っても大丈夫。」（イナバ物置）
- 「水と生きる。」（サントリー）
- 「空気を洗う。」（シャープ プラズマクラスター）
住宅・インフラ・不動産
- 「地図に残る仕事。」（大成建設）
- 「人に、街に、やさしい住まい。」（積水ハウス）
- 「未来をつくる。」（東京ガス）
いずれも、言葉数は少ないながらも、ブランドの個性やベネフィットを端的に表現し、印象に残る名作です。
業界別キャッチコピーの例文集
集客系・サービス業向け
- 「集まる理由が、ここにある。」
- 「待ってたよ、って言われたい。」
- 「知らないままだと、もったいない」
- 「“ちょっと気になる”を本気に変える」
商品訴求・ECサイト向け
- 「売れてるには、理由がある」
- 「“あ、これ欲しかった”と言わせたい」
- 「買わない理由を探す方が難しい」
- 「これ以上ない“ちょうどいい”」
BtoB・コンサルティング業
- 「仕組みが変わると、結果が変わる」
- 「数字が語る“選ばれる理由”」
- 「“何をするか”より“誰とやるか”」
- 「判断の質が、未来の差になる」
人を惹きつける言葉を生むための視点
自社目線より、相手目線で
「私たちはこんなことができます」ではなく、「あなたが今困っていることはこれでは？」という視点で組み立てると、ぐっと惹きつけ力が上がります。
結論から始める
「だから、今すぐ使ってほしい」など、先に主張を出すことで関心を引き、その後に理由を補完する構成が効果的です。
人を惹きつけるキャッチコピーの作り方
感情を動かす言葉を使う
「嬉しい」「悔しい」「驚き」「焦り」といった感情を刺激する表現は、人の注意を引きます。例としては、「人生、変わるかもしれない3分」など、期待と不安の入り混じるワードが有効です。
ギャップをつくる
想定外の組み合わせや表現は、注目を集めやすくなります。「うまい話には裏がある。でも、これは本当。」といった具合に、疑念を逆手に取ったキャッチも刺さります。
リズム・語感を意識する
短く、テンポよく、口ずさめる言葉は記憶に残りやすくなります。「考えるな、感じろ」「走れ、未来へ」のように、簡潔でリズミカルなコピーは、ブランドの記憶と結びつきやすくなります。
キャッチコピーと“面白さ”の融合
ビジネス用であっても、ユーモアは強力な武器になります。
- 「朝から眠いあなたに、目覚ましより効くスプレー」
- 「“5分だけ寝かせて”が、3時間続いたあなたへ」
- 「会議の空気よりも薄い、軽やかさ」
面白さは、注意を引くだけでなく、共感や感情を生み出すきっかけになります。
まとめ｜キャッチコピーで記憶と感情を動かす
心に刺さるキャッチコピーは、「言葉の設計」と「感情の設計」の掛け算です。伝えるべき価値を、相手の心に届く“温度”で届けられるかどうかが勝負どころ。ロロント株式会社では、集客・広告における訴求構造の設計からキャッチコピー開発まで、ビジネス成果につながる表現設計を伴走支援しています。売れる言葉を、共につくりませんか？
