メルカリで副業を行っている人や、在庫を抱える小規模事業者にとって、「同じ商品を複数出品していいのか？」という疑問は避けて通れません。実際に検索してみると、似たような商品を大量に出している出品者を見かける一方で、「同一商品の重複出品は禁止です」といった警告文も見かけます。このギャップに混乱している方も多いでしょう。本記事では、メルカリにおける同一商品の出品ルールとその背景、違反リスクを避けながら正しく複数出品する方法について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
メルカリで「同じ商品の複数出品」は可能なのか？
結論から言えば、メルカリでは「全く同じ内容・写真・タイトルの商品を複数同時に出品すること」はガイドライン違反となる可能性があります。これは、いわゆる”重複出品”に該当し、検索の公平性やユーザー体験を損ねる行為とみなされてしまうからです。
ただし、まったく不可能というわけではありません。たとえば以下のようなケースでは、同じ商品であっても違反とは見なされないことがあります。
- 出品時期をずらして1つずつ掲載する
- 写真の構図や背景を変える
- 商品説明をカスタマイズする
- 状態や付属品が微妙に異なる商品として出品する
これらは見た目や文面に差異があるため、メルカリのAI判定でも「別の商品」とみなされやすく、ユーザーにも誤解を与えにくいのです。
なぜ「同じ商品を出品したい」のか？背景にあるビジネスニーズ
副業や本業でメルカリを活用する人にとって、同一商品を複数所持していることは珍しくありません。たとえば、卸仕入れや海外輸入によって在庫が10個以上あるという状況もあるでしょう。
こうした場合、「1個ずつ出して、売れたらまた出品する」という作業を繰り返すのは、時間的にも精神的にも手間になります。だからこそ、多くの人が「まとめて出したい」「同時に出しておきたい」と考えるのです。
また、売れ行きの良い商品であれば、ユーザーの目に触れる頻度を高めたいという意図もあるでしょう。検索結果の上位に表示されるためには、アルゴリズムに認識されやすい形での継続出品が効果的とされているからです。
しかし、その一方で「出しすぎると違反？」「怪しいと思われる？」という不安がつきまとうのが実情です。
違反とされる具体的な出品パターンとは
メルカリのガイドラインで明記されているのは、以下のようなケースが違反と見なされやすいという点です。
- タイトル・写真・説明文が完全一致の出品を複数行う
- 売れる気のない商品を並べて、検索画面を独占する
- 明らかにアルゴリズム対策目的の無意味な差分出品
実際に、これらの行為を繰り返すと運営側に検知され、警告やアカウント停止といった処分を受けるケースが報告されています。特に同じ商品を短時間に連続で出す場合は、AIがスパム行為と認識する可能性が高まります。
出品履歴のチェックや、通報機能の活用によって発覚することもあるため、「自分だけはバレないだろう」という認識は極めて危険です。
「検索されない」「売れない」と感じたときに考えるべきこと
「同じ商品を出品しているのに検索に出てこない」「まったく売れない」という状況は、実は多くの出品者が経験しています。その原因の多くは、以下のようなアルゴリズム上の問題にあります。
- 重複出品によるインデックス除外（検索対象外）
- タイトル内のキーワード不足または過剰な類似表現
- 写真の同一性によるスパム判定
- 出品から時間が経過して掲載順位が低下している
こうした場合、単に「出品数を増やす」だけでは解決になりません。むしろ、出品の質を上げることで“検索されやすい状態”を作ることが重要になります。
具体的には、以下のような対応が有効です。
- 商品名に特徴語（色、型番、状態など）を入れる
- 説明文に検索されやすい自然なキーワードを含める
- 背景や光の当て方を変えた複数の写真を用意する
特に初心者は、「写真とタイトルを変えるだけで見え方がこんなに違うのか」と驚くケースも多いため、まずはそこから始めてみることをおすすめします。
「同じ商品をたくさん出品してる人」は違反じゃないの？
検索していると、明らかに同じ商品を10件以上並べているアカウントを見かけることがあります。これは一見違反のように思えるかもしれませんが、実際には必ずしもそうとは限りません。
出品者の中には、次のような工夫をしてAIの判定を避けているケースもあります。
- 写真をすべて撮り直して構図を変えている
- タイトルに微細な差分（例：「新品」→「未使用品」）を入れている
- 商品説明文に1文ずつ異なる要素を加えている
また、運営側も“売れる商品を継続して供給しているアカウント”に対しては、ある程度柔軟に対応していると見られています。これは売買成立件数や評価数などの信頼スコアが影響している可能性があるため、まったくの新規アカウントが同じことをしても同じように許容されるとは限りません。
同じ商品を2つだけ出したいときの正しいやり方
「たった2つ在庫があるだけなのに、連続出品したら違反なのか？」と不安になる人もいるでしょう。この場合は、以下のいずれかの方法を取ると安全です。
- 一度に数量「2」として出品する（同一ページで在庫管理）
- 日にちを空けて、商品内容を少し変えて別々に出品する
特に1つ目の方法は、メルカリの機能として正式に用意されているものであり、違反となるリスクはほぼありません。購入者側も「在庫がある」と認識できるため、安心して購入できます。
注意点としては、2つ目の方法を取る際に「違いがないのに連続で同じような内容を出す」とAIに重複とみなされやすいため、工夫が求められます。
メルカリでは「何個まで」同じ商品を出品していいのか？
明確な上限はメルカリ公式では示されていませんが、実務上の目安としては以下のようなガイドラインが存在しています。
- 同じ商品を一度に3件以上並べると検出されやすくなる
- 出品間隔を24時間以上空ければスパム認定リスクは下がる
- アカウントの実績や取引件数によりリスク判定の度合いが変わる
つまり、「何個までOK」というよりは、「どう見せるか」が問題なのです。商品ごとにきちんと個別性を持たせ、かつ急激に出品数を増やさないように注意することが大切です。
また、販売実績があるアカウントは信頼されやすく、多少の複数出品でも“常識の範囲内”と見なされることがあります。新規アカウントは特に慎重な運用が求められます。
同じ商品を安全に出品するための工夫とコツ
では、実際に同じ商品を複数出品したいときに、どのように工夫すれば安全に、かつ効率的に行えるのでしょうか？以下にいくつかの実践的な対策をご紹介します。
- 画像を変える：背景・撮影角度・照明条件を変えるだけでも違いを出せる
- タイトルに差分を出す：色や型番、用途など具体的なキーワードを追加する
- 説明文に独自性を加える：「◯月◯日に入荷」「個別で状態確認済み」など
- タイミングを分ける：1日1件ずつ出品するなどの間隔をあけた運用
これらの施策を組み合わせることで、AIによる自動判定にも引っかかりにくくなり、またユーザーからの信頼も得やすくなります。
まとめ：ルールを理解した上で、正しく効率的な出品を
メルカリでは同じ商品を複数出品すること自体が完全に禁止されているわけではありませんが、その出し方によっては違反と見なされるリスクがあります。
安全かつ効率的に複数在庫を扱うためには、以下の3点を意識しましょう。
- 出品ごとに個別性を持たせ、差分を明確にすること
- 出品のタイミングや頻度を工夫し、不自然な連続出品を避けること
- メルカリのルールやアルゴリズムの意図を理解して運用すること
これらを意識すれば、メルカリを通じて在庫処分や副収入の拡大を安定的に進めていくことが可能になります。ルールを“守る”のではなく、“活かす”という視点で取り組んでいきましょう。
