仕事で企画を立てるときや、問題解決のアイデアを整理したいとき、「何から手をつければいいのか分からない」と立ち止まってしまうことはありませんか。そんな場面で役立つのが「6W2H」というフレームワークです。この記事では6W2Hの意味や順番、覚え方をわかりやすく紹介し、テンプレートや例文、企画書に応用できる方法まで徹底解説します。読むことで、あなたの提案や企画がより明確で説得力のあるものになりますよ。
6W2Hを理解する方法と基本の順番
まずは「6W2Hとは何か」を理解するところから始めましょう。6W2Hは、物事を整理したり企画を立てたりする際に用いられるフレームワークです。6つのWと2つのHで構成されていて、考えるべき要素を順番に整理することで、抜け漏れを防ぐことができます。
6W2Hの要素
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Whom(誰に)
- How(どのように)
- How much(いくらで、どれくらいの規模で)
この8つを網羅的に整理することで、企画や問題解決の全体像を見える化できます。
6W2Hの順番
6W2Hを使うときは「順番」に注意することが大切です。多くの場合は次のように進めるとスムーズです。
- Why(なぜ)目的や理由を最初に考える
- What(何を)具体的な内容を決める
- Who(誰が)役割や担当を明確にする
- Whom(誰に)対象となる人を決める
- When(いつ)タイミングを設定する
- Where(どこで)実施場所を決める
- How(どのように)進め方や手法を考える
- How much(いくらで)コストや規模を明確にする
最初に「なぜ(Why)」を押さえることで、全体がぶれずに進めやすくなるのがポイントです。
6W2Hを企画書に取り入れる方法
6W2Hは企画書を作るときに特に役立ちます。アイデアはあっても整理されていないと、読む人に伝わりにくいものです。6W2Hを使えば、説得力がある筋道を立てて書くことができます。
企画書に活かすステップ
- Why(なぜこの企画をやるのか)を冒頭で説明する
- What(何をするのか)を簡潔に示す
- Whom(誰に提供するのか)で対象を絞る
- How much(コストや必要リソース)を数字で見せる
例えば新しいサービスの導入企画書を書く場合、「なぜ導入が必要なのか」という理由を最初に提示することで、読み手は納得しやすくなります。さらに「誰が対象なのか」「どのように実施するのか」を具体的に書けば、単なるアイデアではなく実行可能な提案に変わります。
6W2Hテンプレートの活用
6W2Hを企画書で使うなら、あらかじめテンプレートを作っておくと便利です。ExcelやWordで表形式にまとめ、各項目に入力していく形です。たとえば以下のように整理できます。
要素 | 内容 |
---|---|
Why(なぜ) | 顧客満足度を上げるため |
What(何を) | 新しいサポート体制の導入 |
Who(誰が) | カスタマーサポートチーム |
Whom(誰に) | 既存顧客 |
When(いつ) | 来月から試験導入 |
Where(どこで) | オンライン対応中心 |
How(どのように) | チャットボットと有人対応を組み合わせる |
How much(いくらで) | 月額コスト50万円 |
このように一目で分かる形にすると、誰が見ても理解しやすい企画書になりますよ。
6W2Hの例文で実際の使い方をイメージする
理論だけではなかなか使いこなせないので、例文でイメージをつかんでみましょう。6W2Hは日常業務の中でも応用が効きます。
新商品の企画例
- Why:市場のニーズに応えるため
- What:健康志向のスナック菓子を発売する
- Who:商品開発チームが担当する
- Whom:20代から40代の健康志向の消費者
- When:来年4月に発売予定
- Where:全国のスーパーとコンビニ
- How:既存ラインの設備を活用して生産する
- How much:初期投資500万円、販売目標は年間1億円
この例文のように整理すれば、誰が見ても「なぜ」「何を」「どうやって」が明確になります。
社内研修の企画例
- Why:社員のスキルアップと定着率向上のため
- What:オンライン研修プログラムを導入する
- Who:人事部が中心となり運営する
- Whom:入社3年目までの社員
- When:毎月第2金曜日に実施
- Where:Teamsを利用したオンライン環境
- How:外部講師を招き、ケーススタディ形式で行う
- How much:年間予算300万円
このように「例文」を参考にすると、実際の企画書づくりや会議の場でも使いやすくなります。
6W2Hを使った問題解決の手順
問題解決の場面でも6W2Hは強力なツールになります。
問題を整理する流れ
- Why:なぜこの問題が発生したのか
- What:何が問題なのかを具体化する
- Who:誰が関与しているのか
- Whom:誰に影響があるのか
- When:いつ発生しているのか
- Where:どこで起きているのか
- How:どのような状況で発生するのか
- How much:どれくらいのコストや被害が出ているのか
こうした整理をするだけで、曖昧だった問題の輪郭がくっきり見えてきます。
事例で学ぶ問題解決
例えば「顧客からの問い合わせ対応が遅い」という課題があるとします。この場合、
- Why:サポート人員が不足している
- What:返信が遅いことで顧客満足度が下がっている
- Who:カスタマーサポート部門
- Whom:全ての既存顧客
- When:ピーク時の週末に発生しやすい
- Where:メール対応で特に問題が多い
- How:問い合わせが集中すると処理が追いつかない
- How much:解約率が1.5倍に増加
こう整理することで、課題解決の優先度や具体策(人員増加、チャットボット導入など)が明確になります。
6W2Hと5W1Hの違いを理解して使い分ける
6W2Hとよく比較されるのが「5W1H」です。どちらも物事を整理するフレームワークですが、違いを理解しておくと使い分けができます。
5W1Hとの違い
- 5W1H:Who、What、Why、When、Where、How
- 6W2H:上記にWhom(誰に)とHow much(いくらで)を追加したもの
つまり6W2Hは「対象」と「コスト」まで明確にする点が特徴です。企画書や問題解決をより実行可能な形にするために進化したフレームワークともいえます。
使い分けのポイント
- ざっくりと状況を整理したいときは5W1H
- 実際の企画や問題解決を具体化するときは6W2H
例えばプレゼン準備の段階では5W1Hで全体像を掴み、実際に行動計画を立てる段階で6W2Hを使うと効果的です。
6W2Hを覚えやすくする工夫
フレームワークは知っていても「要素をすぐに思い出せない」と困ることがあります。そこで覚え方の工夫を紹介します。
語呂合わせで覚える
「フー・ワット・ホワイ・ウェン・ウェア・フーム・ハウ・ハウマッチ」と声に出してリズムで覚えると記憶に残りやすいです。特にWhomとHow muchを忘れがちなので意識的に繰り返しましょう。
実際に使って覚える
会議メモやメール作成で「6W2Hを意識して書く」と自然に定着します。頭で覚えるよりも手を動かす方が効果的です。
テンプレートを使う
Excelやノートに6W2Hを表にしたテンプレートを常備し、何か考えるときに必ず書き込む習慣をつけるとすぐに思い出せるようになります。
まとめ
6W2Hは企画や問題解決を体系的に整理できるフレームワークです。テンプレートを活用すれば企画書づくりもスムーズになり、例文を参考にすれば現場ですぐ使えます。
5W1Hよりも実践的で、対象(Whom)とコスト(How much)まで押さえられるため、実行可能性が高いのが特徴です。覚え方の工夫を取り入れ、日常業務や会議で使い続ければ、あなたの思考整理力と提案力はぐっと高まりますよ。
今日から小さな企画やタスク管理でも6W2Hを試してみてください。それがやがて、大きな成果につながる第一歩になるはずです。