ビジネスメールでよく使われる「確認でき次第連絡します」という表現。便利な言葉ですが、相手によっては「少し曖昧」「上から目線に感じる」と思われてしまうこともあります。この記事では、正しい使い方や敬語表現、自然な言い換えフレーズ、さらに具体的な例文を紹介します。読み終えるころには、取引先や上司、社内外の関係者に安心して使える表現が手に入りますよ。
「確認でき次第連絡します」をビジネスメールで使うときの基本
「確認でき次第連絡します」は、ビジネスシーンで非常によく使われる言い回しです。しかし、便利だからこそ誤解や失礼につながることもあります。まずはこのフレーズの意味と使い方を整理してみましょう。
「確認でき次第連絡します」の意味とニュアンス
「確認でき次第連絡します」とは、「確認できたタイミングで、すぐにご連絡します」という意味です。
「〜次第」という表現は、「〜が終わり次第」「〜の後すぐに」というニュアンスを持ちます。つまり、相手に「確認が終われば速やかに行動します」と約束する言葉なのです。
ただし、この表現は便利な一方で、相手によっては「本当にすぐに連絡をもらえるのか」「どれくらい待てばよいのか」が不透明に感じられることがあります。曖昧さが残る点には注意が必要です。
ビジネスメールでよく使われるシーン
- 取引先から資料確認を依頼されたとき
- 上司から指示を受けたあと、内容を確認する必要があるとき
- 社内で承認待ちの案件を抱えているとき
これらの場面で「確認でき次第連絡します」と伝えれば、相手は「確認後に返答が来る」と理解できます。ただし、相手が急いでいる場合には、より丁寧な言い換えや補足が必要です。
「確認でき次第連絡します」の言い換えと敬語表現
「確認でき次第連絡します」自体は失礼ではありませんが、使い方次第で印象が変わります。ここでは敬語の観点や言い換え表現を整理します。
より丁寧な言い換えフレーズ
- 「確認でき次第ご連絡申し上げます」
- 「確認次第、改めてご連絡差し上げます」
- 「確認のうえ、速やかにご連絡いたします」
- 「確認後に改めてご連絡いたします」
これらの表現は、相手が上司や取引先など目上の場合にも安心して使える言い方です。
「確認でき次第ご連絡ください」の違い
「確認でき次第ご連絡します」はこちらが相手に連絡する場合ですが、「確認でき次第ご連絡ください」は相手に行動をお願いする表現です。混同しやすいため、ビジネスメールで使うときは主体が誰なのかを意識しましょう。
言い換えで好印象を与えるコツ
「でき次第」という表現はやや事務的なので、相手によっては冷たい印象を与えます。そのため、「速やかに」「早急に」「すぐに」といった柔らかい副詞を添えると、誠意が伝わりやすくなりますよ。
「確認でき次第連絡します」を使ったビジネスメールの例文
ここからは、具体的なシーンごとに例文を紹介します。すぐに使える形にしてあるので、そのまま自分のメールに応用してみてください。
取引先への返信メール例文
件名:ご依頼の件について
本文:
〇〇株式会社
△△様
いつも大変お世話になっております。
ご依頼いただきました件、社内にて確認のうえ、明日中に改めてご連絡いたします。
お待たせし恐縮ではございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
———
このように、確認の期限を示すと相手も安心して待つことができます。
上司への報告メール例文
件名:案件進捗のご報告
本文:
部長
お疲れさまです。ご指示いただきました内容について、関連部署に確認中です。
確認でき次第、速やかにご報告いたします。
引き続きよろしくお願いいたします。
———
上司宛の場合は、過剰に丁寧すぎず、状況を明確に伝えることが重要です。
社内メンバーへの連絡メール例文
件名:会議資料について
本文:
皆さま
お疲れさまです。〇〇の会議資料については現在確認中です。
確認が取れ次第、ご共有いたしますので少々お待ちください。
———
社内向けでは簡潔さが求められるため、過度な敬語よりも分かりやすさを優先しましょう。
「確認でき次第連絡します」の返信や応答の仕方
相手から「確認でき次第ご連絡します」と言われたとき、自分がどう返信するか迷うことはありませんか。相手への配慮が見えるひと言を添えることで、やり取りがスムーズになります。
返信で使える表現例
- 「承知いたしました。ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
- 「ありがとうございます。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
- 「かしこまりました。ご確認いただければ幸いです。」
ただ「わかりました」だけで終わるより、相手に感謝や配慮を伝えることで、やわらかい印象を与えられます。
「確認後に改めてご連絡します」の使い方と例文
「確認でき次第連絡します」と似ていますが、「確認後に改めてご連絡します」はニュアンスが少し異なります。こちらは「確認が完了したあとに、丁寧に連絡をします」という意味合いで、より落ち着いた印象を与えます。
違いのポイント
- 「確認でき次第連絡します」:確認が取れたらすぐに連絡するイメージ。スピード感が強い。
- 「確認後に改めてご連絡します」:確認が済んだのち、正式にご連絡しますというニュアンス。丁寧さが強調される。
取引先への例文
件名:ご依頼の件について
本文:
〇〇株式会社
△△様
平素より大変お世話になっております。
ご依頼いただきました件につきまして、社内で確認を進めております。確認が整い次第、改めて正式にご連絡差し上げます。
恐れ入りますが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。
———
「改めて」という言葉を使うことで、形式ばった丁寧さを演出できます。
「作成でき次第お送りします」との違いと使い分け
「確認でき次第連絡します」と混同されやすいのが「作成でき次第お送りします」です。どちらも「〜でき次第」という言葉を使いますが、対象が異なります。
違いの整理
- 「確認でき次第連絡します」:確認という動作が終わったら、相手に連絡する。
- 「作成でき次第お送りします」:資料やファイルなどを作成したら、相手に送付する。
つまり、前者は確認作業が前提、後者は書類作成や資料準備が前提という違いがあります。
例文
件名:資料送付の件
本文:
〇〇株式会社
△△様
お世話になっております。ご依頼いただきました資料につきましては、現在作成中でございます。
作成でき次第、速やかにお送りいたしますので、しばらくお待ちくださいませ。
———
相手に「資料が完成次第送る」という安心感を与える言い方ですね。
「確認でき次第連絡します」を英語で表現する方法
国際的なビジネスシーンでは、同様の表現を英語で使うこともあります。直訳は避け、自然な言い回しを選ぶことが大切です。
よく使われる英語表現
- I will get back to you as soon as I confirm it.(確認でき次第、ご連絡いたします)
- I will contact you once it has been confirmed.(確認が済み次第、ご連絡いたします)
- I will inform you immediately after checking.(確認後すぐにお知らせします)
ビジネスメールでは「get back to you」が最もよく使われる表現で、日本語の「折り返しご連絡します」に近いニュアンスです。
避けるべきNG表現と注意点
最後に、相手に誤解や不快感を与えやすいNGフレーズを整理しておきましょう。
NG表現の例
- 「確認してから連絡します」
→ 一見問題ないですが、ややぶっきらぼうで事務的に聞こえるため、目上の人や取引先には不向きです。 - 「確認したら連絡します」
→ カジュアルすぎて、ビジネスメールでは失礼に感じられることがあります。 - 「確認後連絡する」
→ 主語が抜けているため、非常にぶっきらぼう。ビジネスには不適切。
注意点
「確認でき次第連絡します」を使うときは、できる限り「いつまでに」を添えることが望ましいです。例えば「明日中に」「今週中に」など具体的な期限を加えると、相手の安心感が高まります。
まとめ
「確認でき次第連絡します」は、ビジネスで非常によく使われる便利な表現です。ただしそのままでは曖昧に聞こえることもあるため、状況に応じて「確認後に改めてご連絡します」や「確認のうえ速やかにご連絡いたします」といった言い換えが効果的です。
また、資料送付が前提の場合には「作成でき次第お送りします」、英語では「I will get back to you as soon as I confirm it」が自然な言い方となります。
最後に大切なのは、相手が不安にならないように「期限を添える」「丁寧な敬語を使う」ことです。これを押さえれば、取引先や上司からの信頼度もぐっと高まりますよ。