「お待ちいただけますと幸いです」は正しい敬語?ビジネスメールでの使い方と例文集

ビジネスメールを書くとき、「お待ちいただけますと幸いです」という表現をよく使う方は多いのではないでしょうか。丁寧で柔らかい印象を与える一方で、「正しい敬語なのか」「失礼にならないのか」と不安に思う声も少なくありません。この記事では、この表現の意味や使い方を詳しく解説し、実際にメールや英語でどう活用できるのかまでを網羅的にまとめました。読み終えるころには、取引先や上司に安心して使える敬語表現を身につけられるはずですよ。


目次

「お待ちいただけますと幸いです」の意味と正しい使い方

「お待ちいただけますと幸いです」は、相手に待ってもらうお願いをするときに用いられる丁寧な依頼表現です。「幸いです」は「ありがたく思います」という意味で、相手の協力に対して感謝の気持ちを込めています。そのため、単なる指示ではなく「お願い」と「感謝」を同時に伝えられる点が特徴です。

  • 「お待ちいただけますと幸いです」=「待っていただけるとありがたいです」
  • 相手に強制するニュアンスを避け、柔らかい印象を与える
  • ビジネスメールや案内文でよく使われる

ただし、文脈によっては「回りくどい」と感じる相手もいます。例えば、上司への報告で急ぎの返答を求める場面では「至急ご確認いただけますと幸いです」よりも「恐れ入りますが、至急ご確認ください」とする方が適切です。つまり、この表現は「待つ時間に余裕がある依頼」に使うのがポイントです。


ビジネスメールで「お待ちいただけますと幸いです」を使うときのコツ

ビジネスメールでこの表現を使う際には、状況に応じて言葉を少し変えることでより自然になります。単に「お待ちいただけますと幸いです」と書くよりも、前後の文脈で「何を」「どのくらい」待ってほしいのかを明確にすると、相手に安心感を与えられます。

よくある使用例

  • 「ご回答まで少々お時間を頂戴いたします。お待ちいただけますと幸いです。」
  • 「ただいま確認を進めておりますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。」
  • 「資料を送付いたしましたので、ご査収のうえ、今週中までにご返信いただけますと幸いです。」

使うときの注意点

  • 相手が上司や取引先の場合は「恐れ入りますが」を前に添えると、より丁寧になる
  • 急ぎの案件では不適切。期限をはっきり伝える方がよい
  • 依頼内容が不明確だと「何を待てばいいの?」と相手を混乱させるので注意

特に社外向けのメールでは「お待ちいただけますと幸いです」だけで完結させず、「〜までに」「〜の件で」といった補足を添えることが重要ですよ。


「お待ちいただけますと幸いです」は失礼にあたるのか

よくある質問として、「この表現は失礼にならないのか?」があります。結論から言えば、適切に使えば失礼にはなりません。むしろ、直接的な命令を避けられるため、相手に配慮した表現といえます。

ただし、次のようなケースでは「やや違和感がある」と受け取られる可能性があります。

  • 緊急性が高い案件で「お待ちいただけますと幸いです」と伝えると、のんびりした印象になる
  • 返信を強く求める場面では「幸いです」だと弱すぎる
  • 上下関係がはっきりしている社内メールで多用すると「回りくどい」と感じられる

このため、「お待ちいただけますと幸いです」は「相手に余裕を持って待ってもらう場面」に限って使うのが無難です。もし相手の立場や状況を考えると急ぎが必要であれば、「恐れ入りますが至急ご対応いただけますと幸いです」や「大変恐縮ですが本日中にご確認ください」といった表現に切り替えることをおすすめします。


「恐れ入りますが、お待ちいただけますと幸いです」の使い方と例文

「恐れ入りますが」を冒頭につけることで、より柔らかく丁寧な依頼に変わります。「恐れ入りますが」は、相手に迷惑をかけることへの恐縮を表すクッション言葉です。これを使うと、相手に「待つこと」をお願いする心理的な負担を和らげる効果があります。

使用例

  • 「恐れ入りますが、ただいま混み合っておりますので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。」
  • 「恐れ入りますが、担当者の確認に時間を要しております。少々お待ちいただけますと幸いです。」

このように「恐れ入りますが」を添えることで、相手への敬意と配慮が伝わりやすくなります。特に取引先や顧客とのやり取りでは、トラブル防止にもつながりますよ。

「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」の意味と時間感覚

「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」という表現は、ビジネスメールで非常によく使われます。しかし、「今しばらく」と言われると、実際にはどれくらいの時間を指すのか気になる方も多いですよね。

「今しばらく」は明確な時間を示すものではなく、「少しの間」や「しばしの時間」という曖昧なニュアンスを持っています。ビジネスシーンでは、数分から数時間程度を意味することが一般的です。

注意すべきポイント

  • 短時間の遅れ(会議開始までの待機や電話の保留)には適切
  • 数日単位の待ち時間を伝える場合には「数日ほどお待ちください」と具体的に表現する方が親切
  • 相手が急ぎの場合には「今しばらく」だと不十分。具体的な時刻や日付を明示する必要がある

たとえば、社内での会議開始前に「担当者が到着するまで今しばらくお待ちいただけますと幸いです」と使うのは自然です。しかし、納期の連絡で「今しばらく」とすると不明確すぎて信頼性を損なうおそれがあるので注意しましょう。


「お待ちいただけますと幸いです」を英語で表現する方法

海外とのやり取りが増える中、「お待ちいただけますと幸いです」を英語でどう表現するか迷う方も多いと思います。直訳はできませんが、状況に応じて適切なフレーズを選ぶことが大切です。

よく使われる表現

  • We would appreciate your patience.
    (お待ちいただけますと幸いです)
  • Thank you for your patience.
    (お待ちいただきありがとうございます)
  • We would be grateful if you could wait a moment.
    (少々お待ちいただけますと幸いです)

場面別の使い方

  • 顧客対応:「We would appreciate your patience while we confirm the details.」
  • 会議開始前:「Thank you for your patience. We will begin shortly.」
  • メール対応:「We would be grateful if you could wait until tomorrow for our reply.」

英語では「patience(忍耐・辛抱)」という単語を用いることが多く、日本語の「幸いです」にあたる丁寧なニュアンスを出せますよ。


「お待ちいただけますと幸いです」と返信するときのマナー

ビジネスメールでは、自分が送るだけでなく、相手から「お待ちいただけますと幸いです」と言われた場合の返信にも気を配る必要があります。適切な返答をすることで、スムーズなやり取りにつながります。

よくある返信例

  • 「承知いたしました。お待ちしております。」
  • 「かしこまりました。ご連絡をお待ちいたします。」
  • 「了解いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。」

返信のポイントは、相手の依頼に対して快く了承したことを伝えることです。加えて、必要であれば「◯日までにご連絡いただければ助かります」と補足を入れると、やり取りが一層スムーズになります。


「少々お待ちいただけますと幸いです」の丁寧な使い方と英語表現

「少々お待ちいただけますと幸いです」は、短時間の待機をお願いするときに便利な表現です。電話応対や受付業務など、顧客に対して一時的に待ってもらう必要があるときによく使われます。

使用例

  • 電話対応:「ただいま担当者におつなぎいたしますので、少々お待ちいただけますと幸いです。」
  • 窓口対応:「受付が混み合っておりますので、少々お待ちいただけますと幸いです。」

英語表現

  • Please hold for a moment.(少々お待ちください)
  • We would appreciate your patience for a moment.(少々お待ちいただけますと幸いです)

英語では「hold」や「moment」を使うことで、短時間の待機を自然に伝えられます。日本語と同じように、相手の立場を思いやった表現にすることが大切ですよ。


「お待ちいただけますと幸いです」を正しく使いこなすためのまとめ

ここまで、「お待ちいただけますと幸いです」の意味や使い方、メールや英語での表現方法、返信の仕方までを解説してきました。このフレーズは、相手に待ってもらうお願いをする際にとても便利ですが、状況を見極めて使うことが重要です。

  • 余裕のある場面では「お待ちいただけますと幸いです」で丁寧に依頼できる
  • 急ぎの案件では「至急」「本日中」など具体的に伝える方が誤解を防げる
  • 英語では「We would appreciate your patience.」が自然
  • 返信時には了承の意思を示し、必要に応じて期限を確認する

正しく使えば、相手に不快感を与えることなく、ビジネスメールを円滑に進められる表現です。シーンごとの使い分けを意識して、信頼感のあるコミュニケーションを築いていきましょう。

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