「久しぶりの連絡」は失礼にならない?ビジネスメール・電話・手紙での正しい伝え方と例文集

しばらく連絡を取っていない相手にメールを送るとき、「久しぶりに連絡しても大丈夫かな」「失礼に思われないだろうか」と不安になる人は多いですよね。特にビジネスの場では、関係が途絶えていた期間が長いほど、言葉選びや書き出しが印象を左右します。
しかし、正しい言葉と気遣いを添えれば、「久しぶりの連絡」はむしろ関係を再構築するチャンスにもなります。

この記事では、ビジネスでの「久しぶりの連絡」が失礼に見えない言葉選び、件名の付け方、メール・電話・手紙での正しい書き方を詳しく解説します。
読めばすぐに使える例文を通して、相手に誠実で好印象な再連絡ができるようになりますよ。


目次

久しぶりの連絡は失礼になる?相手との関係で変わる印象の違い

「久しぶりの連絡」が失礼になるかどうかは、連絡の目的よりも“相手との関係性”によって決まります。たとえ好意的な内容でも、唐突に送ると違和感を持たれることがあります。

「久しぶり」の一言が気を遣う理由

日頃からやり取りをしている関係なら、「お久しぶりです」で問題ありません。
しかし、半年以上やり取りがなかったり、前回のやり取りが業務の一区切りだった場合、「突然どうしたのだろう?」と相手が構えてしまうことがあります。

特にビジネスでは、連絡=目的や意図を伴うものです。だからこそ、再連絡の際は「間が空いてしまったこと」へのお詫びと、「相手への配慮」を最初に示すことで、失礼に感じさせずスムーズに話を進められます。

相手別で変わる印象と適切なトーン

  • 上司・目上の人
     → 「お久しぶりです」より「ご無沙汰しております」「以前はお世話になりました」の方が柔らかく丁寧。
     例:「ご無沙汰しております。〇〇部でお世話になっておりました△△です。」
  • 取引先・お客様
     → 感謝の気持ちを先に述べる。「以前はありがとうございました」「その節は大変お世話になりました」が効果的。
     例:「前回のプロジェクトでは多大なご協力を賜り、誠にありがとうございました。」
  • 社内の同僚や先輩
     → 適度にカジュアルでもOK。「お久しぶりです」「最近はいかがお過ごしですか?」などで温かみを出す。

「久しぶりの連絡」は決して悪いことではありません。むしろ、関係を再構築する良い機会です。大切なのは、連絡の目的よりも最初の2行で“気遣い”を伝えることです。


久しぶりの連絡メールで失礼にならない件名と書き出し方

ビジネスメールは、件名と冒頭文で印象が決まります。「久しぶりの連絡」であっても、誠実さが伝わる構成にすれば、相手は安心して本文を読んでくれます。

件名で印象を左右しないためのコツ

件名は「久しぶりのご連絡です」だけでは目的が伝わらず、相手によっては「営業かも?」と思われてしまうこともあります。
件名には“再連絡の目的”を明示しつつ、少し丁寧な語感を添えるのがポイントです。

件名例(目的別)

  • ご無沙汰しております|近況のご報告とご挨拶
  • 【以前お世話になりました】新規ご提案のご連絡
  • 【ご無沙汰しております】案件進捗の共有について
  • 【お礼】先日は貴重なお時間をいただきありがとうございました
  • 【ご連絡】今後の取引に関するご相談

このように、件名で「久しぶり」感を表す言葉と、「何の件か」を明確にしておくと、相手に誠意と目的の両方が伝わります。

書き出しは3ステップで構成する

  1. 久しぶりの挨拶+お詫び
     「ご無沙汰しております」「しばらくご連絡できず申し訳ございません」など。
  2. 相手を気遣う一文
     「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」「お変わりなくお過ごしでしょうか」など。
  3. 連絡の目的を伝える
     「本日はご提案の件でご連絡いたしました」「近況のご報告を差し上げたくご連絡しました」。

良い例文

「ご無沙汰しております。〇〇株式会社の△△でございます。
 しばらくご連絡できず申し訳ございません。貴社におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
 本日は、新製品のご案内を差し上げたくメールをお送りいたしました。」

この構成を守れば、どんな相手にも失礼になりません。

返信時のマナーと文例

久しぶりの連絡をもらった側も、返信の内容で印象が決まります。形式ばかりの返信は冷たい印象を与えるため、ひとこと気持ちを添えましょう。

返信文例

「ご無沙汰しております。ご連絡ありがとうございます。
 その後もご活躍とのこと、何よりでございます。
 いただいた件について、〇日にお打ち合わせの機会を頂戴できれば幸いです。」

相手の近況や連絡を喜ぶ気持ちを入れるだけで、再び温かい関係が生まれます。


目上の人・お客様に久しぶりの連絡をする際の注意点と文例

上司や取引先など、立場が上の相手に久しぶりの連絡をする場合は、特に“唐突さ”をなくす工夫が必要です。

目上の人に対しての正しい言葉遣い

「お久しぶりです」よりも「ご無沙汰しております」「その節は大変お世話になりました」が適しています。
相手への敬意と感謝を先に伝えることで、目的がスムーズに届きます。

文例(上司や恩師宛)

「ご無沙汰しております。以前は〇〇の件でご指導いただき、誠にありがとうございました。
 その後もお変わりなくお過ごしでしょうか。
 今回はご相談があり、ご連絡いたしました。」

このように、まず“過去のつながり”を思い出してもらう構成にすると、自然な流れで用件を伝えられます。

お客様に対しては“関係再開”の意図を明確に

営業目的であっても、関係維持を第一に考えたトーンが大切です。
いきなり新商品の紹介をするより、まずはお礼やお詫びを述べたほうが印象が良くなります。

文例(顧客宛)

「ご無沙汰しております。〇〇株式会社の△△です。
 以前は□□製品の件で大変お世話になりました。
 今回は、関連する新サービスのご案内を差し上げたくご連絡いたしました。
 ご多忙の中恐縮ですが、ご関心をお持ちいただけそうでしたらお打ち合わせの機会を頂戴できれば幸いです。」

営業色を抑えつつ「以前のご縁を大切にしている」姿勢を出すことで、信頼感を保てます。


久しぶりの電話でのビジネスマナーと話し方のポイント

メールよりも直接的な印象を与えるのが電話です。特に久しぶりの電話は、声のトーンや第一声が相手の印象を決めます。

電話のかけ方の基本マナー

  1. 時間帯を選ぶ
     朝一や昼休み直後は避け、業務の落ち着く時間帯(10時~11時半/14時~16時)を狙いましょう。
  2. 名乗りとお詫びを先に伝える
     「ご無沙汰しております。〇〇株式会社の△△です。しばらくご連絡できず申し訳ございません。」
  3. 用件は簡潔に
     「本日は、以前ご相談いただいた件のフォローでご連絡いたしました。」など、目的を明確に。

良い会話例

「お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。
 以前は□□の件でお世話になりました。
 少し間が空いてしまいましたが、その後の状況をお伺いしたくお電話いたしました。」

電話の場合、メールよりも“声の温度感”が伝わります。少し明るめのトーンで話すだけで、相手の警戒心を和らげられます。


久しぶりの連絡を英語で伝えるときの表現と注意点

グローバルな取引や海外の顧客に連絡する場合、「久しぶりの連絡」を英語でどう伝えるかも重要です。
カジュアルに使われがちな “Long time no see” はビジネスでは不適切です。

丁寧な英語表現の例

  • It has been a while since we last spoke.
  • I hope this email finds you well.
  • I apologize for the delay in getting back to you.
  • I wanted to reconnect regarding our previous discussion.

これらのフレーズを組み合わせると、自然でフォーマルな印象になります。

メール例(英語)

Subject: Reconnecting Regarding Our Previous Project

Dear Mr. Smith,

I hope this message finds you well.  
It has been quite some time since our last conversation, and I wanted to reconnect regarding our previous collaboration on Project A.  
Please let me know if you have time for a short meeting next week.

Best regards,  
Taro Yamada

日本語と同様に、「ご無沙汰してすみません」といった謝意+目的の明示が信頼につながります。


久しぶりの連絡を手紙で伝えるときの書き方と文例

メールが主流になった今でも、フォーマルな挨拶やお礼を伝える際には手紙が効果的です。特に長くご無沙汰している相手には、文字での温かみが伝わります。

手紙の構成と書き出し例

  1. 時候の挨拶
     例:「拝啓 新緑の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。」
  2. 久しぶりの連絡であることの説明とお詫び
     例:「長らくご無沙汰しており、失礼いたしました。」
  3. 相手への感謝や敬意
     例:「以前は多大なるご支援を賜り、心より御礼申し上げます。」
  4. 本題・目的
     例:「このたび新たな取り組みを開始いたしましたので、ご報告を申し上げたく存じます。」
  5. 結びの言葉
     例:「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。敬具」

実際の文例

「拝啓 秋涼の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 長らくご無沙汰いたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
 以前は□□の件で多大なご支援を賜り、誠にありがとうございました。
 このたび、新たなご提案を差し上げたくご連絡いたしました。
 お忙しい中恐縮ですが、ご検討賜りますようお願い申し上げます。
 貴社のご発展と皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
 敬具」

手紙では、冒頭と結びをしっかり整えることで誠実な印象を残せます。


久しぶりの連絡で失敗しない3つのコツ

  1. 「空白期間」に言及する勇気を持つ
     期間が空いた理由を曖昧にせず、ひとこと触れることで誠実さが伝わります。
     例:「すっかりご無沙汰してしまい恐縮ですが、変わらずお元気でいらっしゃいますか。」
  2. 用件を後回しにしない
     前置きが長くなりすぎると、相手は「で、何の用?」と感じてしまいます。2〜3行で本題へ入りましょう。
  3. 再連絡の“目的”をはっきりさせる
     「ご相談があり」「ご報告したく」「お礼を申し上げたく」など、連絡の動機を一文で明示することで信頼を得られます。

まとめ:久しぶりの連絡は「誠実さ」と「一言の気遣い」で印象が変わる

久しぶりの連絡は、相手に「どう思われるか」を意識するほど難しく感じますが、実は一言の心遣いで印象は大きく変わります。
大切なのは、

  • ご無沙汰のお詫びを丁寧に伝える
  • 相手を気遣う一文を添える
  • 目的を簡潔に明示する

この3点を意識するだけで、「久しぶりに連絡をもらって嬉しい」と思ってもらえるメールになります。

ビジネス関係は一度途切れても、丁寧な言葉と誠意をもって再びつなぐことができます。今日からは、“ためらい”を“再信頼のきっかけ”に変えてみましょう。

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