Vivaldiブラウザは中国製？仕事で使う前に知っておきたい安全性

2025年12月19日

仕事の効率を上げるために、新しいブラウザを探していると必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「Vivaldi（ヴィヴァルディ）」ですよね。でも、いざ導入しようとすると「これって中国製なの？」「セキュリティは大丈夫？」と不安になる方も少なくありません。この記事を読むことで、Vivaldiブラウザの開発背景や安全性、具体的な使い方、さらには動作が重い時の対処法までを完璧に理解できます。結論から言うと、Vivaldiはノルウェー発のプライバシー重視ブラウザであり、ビジネスシーンでこそ真価を発揮する強力なツールです。その理由を、初心者の方にも分かりやすく丁寧に紐解いていきますね。

Vivaldiブラウザが中国製という噂の真相と実際の開発元

インターネット上で「Vivaldi ブラウザ中国」というキーワードを見かけることがありますが、これは大きな誤解です。Vivaldiを開発しているVivaldi Technologies社は、北欧のノルウェー（オスロ）に本拠地を置く企業です。かつて世界的に人気を博したブラウザ「Opera（オペラ）」の創設者であるヨン・フォン・テッツナー氏が、ユーザーの自由を尊重するために立ち上げたプロジェクトなんですよ。

なぜ中国製という噂が出たのか、その背景を整理してみましょう。

かつてヨン氏が率いていたOpera社が、後に中国企業のコンソーシアムに買収されたこと
アジア圏でもユーザーが多く、多言語対応が非常に進んでいること
他のブラウザと同様にChromium（クロミウム）というオープンソースを採用していること

これらが混同されて、Vivaldiも中国系なのではないかという疑問を持つ人が増えたようです。しかし、Vivaldi自身は買収されたOperaの現状に疑問を感じて作られた「アンチ体制派」とも言えるブラウザです。

データ収集をして広告主に売るというビジネスモデルを完全に否定しており、アイスランドにサーバーを置くなど、プライバシー保護の厳格さは業界でもトップクラスです。仕事で機密情報を扱うビジネスパーソンにとって、これほど信頼できる出自（どこの誰が作ったか）を持つブラウザは他にありませんよ。

Vivaldiブラウザの安全性とプライバシー保護の実力

Vivaldiが最も誇りにしているのが、ユーザーを追跡しないという強い姿勢です。多くのブラウザは、私たちがどのようなサイトを見ているかというプロファイル（個人の行動記録）を収集しようとしますが、Vivaldiはそれを拒否しています。

安全性を支える具体的な機能は以下の通りです。

広告ブロックとトラッカーブロック（追跡プログラムを遮断する機能）を標準搭載している
閲覧履歴やパスワードを同期する際、エンドツーエンドの暗号化（送信元と受信先以外は解読できない仕組み）を採用している
設定項目が豊富で、自分自身でプライバシーの強度を細かくコントロールできる

実際に使ってみると、余計な広告が消えるだけでなく、サイトの読み込みが目に見えて速くなることに驚くはずです。これは、裏側で動いている追跡プログラムをVivaldiが弾いてくれているからなんですね。

また、ブラウザの同期機能を使う場合も、Vivaldi専用のサーバーはアイスランドというプライバシー保護法が非常に厳しい国に置かれています。GoogleやMicrosoftといった巨大企業の傘下にいない「独立系」だからこそ、ユーザーのデータを人質に取られる心配がないのが最大のメリットといえます。

Vivaldiブラウザの評判と実際に使っているユーザーの本音

Vivaldiの評判を調べてみると、「多機能すぎて最高」という絶賛の声と、「設定が難しそう」という戸惑いの声が両立しているのが分かります。しかし、仕事で1日に何時間もブラウザを開いているプロフェッショナルな人々からは、圧倒的な支持を得ているのが特徴です。

ユーザーからのリアルな口コミをまとめました。

タブを二段にしたり、画面の横に配置したりできるのが便利すぎる
メモ機能やカレンダーがブラウザに内蔵されているので、アプリを切り替える手間が減った
日本人ユーザーのコミュニティが活発で、要望がすぐに反映される

Vivaldiは「ユーザー全員が満足する標準」を目指すのではなく、「一人ひとりが自分専用に作り変えられる」ことを目指しています。これが、特定のこだわりを持つ層から「神ブラウザ」と呼ばれる理由です。

一方で、機能が多いためにメモリ（PCの作業領域）を消費しやすいという意見もあります。しかし、最近のアップデートではメモリ節約機能も強化されており、古いPCでも快適に動くよう改善が進んでいます。まずは自分に必要な機能だけを使い始め、少しずつカスタマイズしていくのが、Vivaldiと長く付き合うコツですよ。

Vivaldiブラウザの基本的な使い方と業務効率化のテクニック

Vivaldiをインストールした直後は、そのボタンの多さに少し圧倒されるかもしれません。でも安心してください。基本的な使い方は他のブラウザと同じですが、特定の「仕事に役立つ機能」を覚えるだけで、あなたの業務スピードは劇的に変わります。

特におすすめしたい便利な使いどころを紹介します。

タブスタッキング（複数のタブを重ねてグループ化すること）で画面を整理する
サイドパネルにWebサイトを登録し、別ウィンドウを開かずにチャット等を確認する
コマンドチェイン（複数の操作を一回のキー入力で実行する機能）で作業を自動化する

例えば、プロジェクトごとにタブをスタック（重ねる）しておけば、100個近いタブを開いていてもどこに何があるか一瞬で分かります。また、サイドパネルにSlackやDeepL（翻訳ツール）を登録しておけば、メインの画面で資料を作りながら、視線を少し動かすだけでメッセージの返信や翻訳ができるようになります。

これらの機能は、一回あたり数秒の節約にしかならないかもしれません。しかし、一日に何百回と繰り返すブラウザ操作において、この数秒の積み重ねは、1ヶ月後には数時間分の余裕を生み出してくれるはずです。Vivaldiはまさに、忙しいあなたのための「デジタル秘書」のような存在になってくれますよ。

VivaldiブラウザでYouTubeを快適に視聴する設定

仕事の合間にYouTubeで学習動画を見たり、BGMを流したりする方も多いですよね。Vivaldiは、YouTube視聴をさらに便利にする機能を標準で備えています。

YouTubeを使いこなすための設定ポイントです。

標準の広告ブロック機能を使い、動画冒頭や途中の広告を自動でスキップする
ピクチャー・イン・ピクチャー（動画を小さな窓で常に最前面に表示する機能）を活用する
サイドパネルで動画を再生し、画面の大部分を別の作業に充てる

特に広告ブロック機能は、わざわざ拡張機能を入れなくても有効にできるため、動作が非常に安定しています。また、ピクチャー・イン・ピクチャーを使えば、エクセルで集計作業をしながら、隅っこで解説動画を流しっぱなしにするといった「ながら作業」が驚くほどスムーズになります。

さらに、Vivaldiは音声だけの再生にも強いのが特徴です。タブを休止状態にしても音声だけ流し続ける設定なども可能で、YouTubeを音楽プレイヤー代わりに使う際にもストレスを感じさせません。エンタメだけでなく、インプットの効率も上げてくれるのがVivaldi流のYouTube活用術です。

Vivaldiブラウザをスマホで活用してPCとシームレスに同期する方法

Vivaldiはパソコン版だけでなく、スマホ版（Android/iPhone）も提供されています。スマホ版Vivaldiの魅力は、単なる閲覧用アプリではなく、PC版の「相棒」として機能する点にあります。

スマホ版Vivaldiを導入するメリットは以下の通りです。

PCで見ていたタブをスマホでそのまま開き、移動中に続きを読む
PCで保存したパスワードやブックマークをスマホでも安全に使用できる
スマホ版でも強力な広告ブロックが効くため、ギガ（通信量）の節約になる

同期設定（シンク）は、Vivaldiアカウントを作成してログインするだけで完了します。ここで重要なのは、Vivaldiが同期データに対して「別の暗号化パスワード」を設定することを求めてくる点です。これにより、たとえVivaldi社が攻撃を受けても、あなたのデータの中身を誰かに見られることはありません。

スマホ版の画面下部には、PC版と同じようなパネルアイコンが並んでおり、操作感が統一されています。外回りの最中に気になった情報をスマホで保存し、会社に戻ってPCを開いた瞬間にその情報を整理する。この一連の流れが淀みなく行えるようになると、あなたの生産性はさらなる高みに到達することでしょう。

Vivaldiブラウザが重い時や起動しない時の解決策

多機能なVivaldiですが、長く使っていると「最近動作が重くなったな」「起動が遅い気がする」と感じることがあるかもしれません。また、稀に「アイコンをクリックしても起動しない」というトラブルに遭遇することもあります。そんな時に、慌てずに自分でできる解決策を知っておきましょう。

快適さを取り戻すためのチェックポイントをまとめました。

メモリ節約機能（一定時間使っていないタブを休止させる設定）をオンにする
増えすぎた拡張機能（アドオン）を見直し、不要なものを削除する
ブラウザのキャッシュ（一時的に保存されたデータ）を削除して中身をスッキリさせる

Vivaldiは一つひとつのタブに独自の機能を付加しているため、Chromeなどと比較するとメモリ消費が大きくなりがちです。しかし、設定画面から「タブの休止」を有効にすれば、今見ているタブ以外の動作を一時停止させ、PC全体の動作を劇的に軽くすることができます。

もし起動しない場合は、バックグラウンド（画面には出ていない裏側）で以前のプロセスが残っている可能性があります。タスクマネージャーを開いてVivaldiの項目を一度すべて終了させてから、再度アイコンをクリックしてみてください。また、セキュリティソフトがVivaldiのアップデートを「不審な動き」と勘違いしてブロックしていることもあるので、除外設定を確認してみるのも手ですよ。

Vivaldiブラウザをダウンロードして安全にインストールする手順

これからVivaldiを使い始めようという方は、必ず「公式サイト」からファイルをダウンロードするようにしてください。第三者が運営するソフト配布サイトなどには、古いバージョンや不正なプログラムが混じっているリスクがあるからです。

失敗しないための導入ステップは以下の通りです。

Vivaldiの公式サイト（vivaldi.com）にアクセスし、ダウンロードボタンを押す
インストーラーを実行する際、必要に応じて「高度な設定」からインストール先を選ぶ
起動後、画面の指示に従って「ようこそ」ツアーを進め、基本設定を行う

インストールの過程で、他のブラウザからブックマークや履歴を自動で移してくれる機能があります。これを使えば、乗り換えのハードルは驚くほど低くなりますよ。

また、Vivaldiには「ポータブル版」という選択肢もあります。これはUSBメモリなどに入れて持ち運べる形式で、PC本体を汚さずに（システムファイルを書き換えずに）使いたい場合に便利です。仕事用のPCで勝手にソフトを入れるのが難しい場合でも、IT部門の許可が得られればこのポータブル版でVivaldiの恩恵に預かれるかもしれません。自分に合った導入方法を選んで、まずは一歩を踏み出してみましょう。

Vivaldiブラウザがどうしても起動しない場合の高度な対処法

基本的な対策をしてもVivaldiが立ち上がらない、あるいは真っ白な画面のまま固まってしまうという場合は、もう少し踏み込んだ処置が必要です。これは、ブラウザの設定ファイルが何らかの原因で壊れてしまった時に有効な手段です。

以下の手順を試してみてください。

PCを一度完全にシャットダウンし、再起動してから試す
セーフモード（コマンドラインから–disable-extensionsを付けて起動する）で試す
最終手段として、プロファイル（設定情報が入ったフォルダ）をバックアップしてから再インストールする

多くの場合、拡張機能のどれかが最新のVivaldiと喧嘩をして起動を妨げています。セーフモードで起動できれば、原因となっている拡張機能を特定して削除するだけで元通りになります。

もし再インストールが必要になったとしても、前述の「同期機能」を使っていれば、新しい環境でログインするだけで以前の設定やブックマークが自動的に降ってきます。日頃から同期設定をオンにしておくことが、最大のトラブル対策になるわけですね。PCの操作に詳しくない方でも、Vivaldiは日本語のフォーラム（掲示板）が充実しているので、そこで質問すれば有志やスタッフが優しく教えてくれますよ。

Vivaldiブラウザを仕事で使い倒すための高度なカスタマイズ

Vivaldiに慣れてきたら、ぜひ挑戦してほしいのが「自分だけの最強のブラウザ」へのカスタマイズです。Vivaldiには「これってブラウザでできることなの？」と驚くような機能が満載です。

プロのビジネスパーソンが活用している高度なテクニックをいくつか紹介します。

タイリング機能：一つのウィンドウの中に、二つのサイトを左右（あるいは上下）に並べて表示する
ページアクション：ウェブサイトの見た目を自分好みに変える（例えば、フォントを読みやすくしたり、画像を消したりする）
クイックコマンド：F2キーを押して、コマンドを打ち込むだけでブラウザの全機能を呼び出す

「タイリング」は、左側にニュースサイト、右側に自分のブログ作成画面を開いて、資料を見ながら執筆するような場面で神がかった威力を発揮します。モニターを二台持っていなくても、ブラウザの中でマルチモニター環境を作れるようなものです。

また、「クイックコマンド」は、マウスに手を伸ばす時間すら惜しいというスピード狂（？）の方におすすめです。「タブを閉じる」「ブックマークを検索」「テーマを切り替える」といった操作が、キーボードから手を離さずに一瞬で完了します。Vivaldiを使いこなすほどに、あなたのPC作業は流れるようなリズムに満ちたものになっていくはずですよ。

VivaldiブラウザのWebパネル機能を活用したマルチタスク術

サイドバーに好きなサイトを固定できる「Webパネル」は、Vivaldiを象徴する最強の機能の一つです。これをどう使いこなすかで、仕事の密度が大きく変わります。

Webパネルに入れるべきおすすめのツールはこちらです。

Google翻訳やDeepL：文章をコピー＆ペーストして即座に翻訳結果を確認する
メモアプリやTodoリスト：思いついたタスクをその場で書き留める
Wikipediaや辞書サイト：専門用語をサッと調べて、すぐに元の作業に戻る

パネルに登録したサイトは、スマホ表示（モバイル表示）として読み込まれることが多いため、細長い画面でも非常に見やすいのが特徴です。これにより、作業中の画面を邪魔することなく、常に「サブの情報源」を確保しておくことができます。

さらに、パネルの幅を自由に調整したり、複数のパネルを重ねて表示したりすることも可能です。例えば、普段は細いパネルでチャットを確認し、必要な時だけグッと広げて内容を詳しく読む。この柔軟性こそが、固定された画面構成しか持たない他のブラウザには真似できない、Vivaldiだけの圧倒的な使い心地を生んでいるのです。