白ナンバートラックで仕事をしている個人事業主は、周囲から「儲かっていそう」「自由そう」と見られる一方で、「違法では?」「摘発されないの?」と不安視される存在でもあります。実際のところ、白ナンバートラックの仕事は本当に稼げるのでしょうか。本記事では、個人事業主として白ナンバートラックで働く場合の年収相場、業務委託の実態、抜け道と呼ばれる行為の危険性、罰則や通報リスク、そして2024年問題まで、感情論を排し現実ベースで整理します。これから始めようか迷っている人も、すでに関わっている人も、判断材料として使える内容です。
白ナンバートラックを個人事業主で使う仕事は合法なのか
白ナンバートラックの仕事を調べると、最初にぶつかるのが「そもそも合法なのか」という疑問です。結論から言えば、条件次第で合法にも違法にもなります。この境界を理解せずに始めると、後から大きなリスクを背負うことになります。
白ナンバートラックと営業用トラックの違い
トラックには大きく分けて、白ナンバーと緑ナンバーがあります。
白ナンバーは自家用車両として登録されたトラックで、原則として自分の荷物や自社の荷物を運ぶ用途に限定されます。一方、緑ナンバーは営業用で、運賃を受け取って他人の荷物を運ぶことができます。
ここで多くの人が誤解するのが、「業務委託なら白ナンバーでも大丈夫」という考え方です。実際には、業務委託かどうかに関わらず、運送の対価として報酬を得ているかどうかが判断基準になります。
個人事業主でも白ナンバーが許されるケース
白ナンバートラックでも問題にならないケースは存在します。たとえば以下のような場合です。
・自分が販売した商品を、自分で顧客に届ける
・建設業や設備業で、自社の資材や機材を現場に運ぶ
・請負契約で成果物を納品する過程の一部として運搬が付随する
これらは「運送そのものが仕事」ではなく、「本業に付随する行為」と見なされるため、白ナンバーでも成立します。
一方で、荷主から運賃相当の報酬を受け取って荷物を運ぶ場合は、形式上業務委託であっても営業行為と判断されやすくなります。
グレーゾーンが生まれやすい理由
白ナンバートラックの問題が複雑なのは、現場では契約書の書き方や報酬名目によって、グレーな状態が放置されてきた背景があるからです。
「配送協力費」「作業費」といった名目で実質的に運賃が支払われているケースも多く、本人は問題ないと思っていても、行政から見れば違反と判断されることがあります。
白ナンバートラックの仕事で得られる個人事業主の年収相場
次に、多くの人が気になる収入面について整理します。白ナンバートラックの仕事は、内容によって年収に大きな差が出ます。
白ナンバートラック個人事業主の年収レンジ
実態として多い年収帯は以下のようなイメージです。
・月商30万円前後、年収300万円台
・月商50万円前後、年収500万円台
・稼働日数を増やし、年収600万円前後
ただし、これは売上ベースであり、ここから燃料費、車両維持費、保険料、税金が引かれます。実際の手取りは年収換算で60〜70%程度になることが多いです。
大型トラック個人事業主との収入差
大型トラックを使う個人事業主は、単価が高いため年収も上がりやすい傾向があります。
大型トラック個人事業主の年収は、案件が安定していれば700万〜900万円程度に届くケースもあります。
ただし、その分リスクも大きくなります。
車両価格、修理費、燃料代、そして法令違反時の影響は小型や中型よりも重くなります。
トレーラー個人事業主年収の現実
トレーラーの場合、年収1000万円という話を見かけることもありますが、これはごく一部です。
実際には高稼働・長距離・過酷な労働条件が前提で、経費を差し引くと想像より残らないケースも多いです。
白ナンバートラック業務委託の仕組みと落とし穴
白ナンバートラックの仕事でよく使われるのが業務委託契約です。一見、雇われない自由な働き方に見えますが、注意点も多くあります。
業務委託という言葉に隠れた実態
業務委託と書かれていても、実態が次のような場合は問題になりやすいです。
・勤務時間やルートが厳密に指定されている
・他の仕事を自由に受けられない
・実質的に会社の指示命令下にある
この場合、労働者性が認められる可能性があり、白ナンバーでの運送がより厳しく見られます。
白ナンバートラック仕事の単価構造
白ナンバートラックの業務委託は、単価が低めに設定されることが多いです。
・日当1万円前後
・1件数千円のスポット配送
・月固定契約だが最低保証なし
これらは一見すると気軽ですが、事故やトラブル時の責任はすべて自己負担になるケースが多く、リスクと収入のバランスが崩れやすいです。
契約書を確認せずに始める危険性
業務委託契約書に、以下のような記載がないか注意が必要です。
・違反時の責任を全て委託者に押し付ける条項
・行政指導時の補償がない
・契約解除が一方的
これらを見落としたまま働くと、摘発時にすべて自己責任になります。
白ナンバートラックの抜け道と呼ばれる行為の実態
ネット上では「白ナンバートラックの抜け道」といった言葉がよく検索されます。しかし、実態を冷静に見ておく必要があります。
抜け道とされる代表的な考え方
よく挙げられるのは次のような内容です。
・運賃ではなく作業費としてもらう
・業務委託だから問題ない
・短距離なら大丈夫
・通報されなければ平気
これらはいずれも法的な根拠が弱く、行政判断では通用しないことがほとんどです。
なぜ摘発されるケースが増えているのか
近年、白ナンバートラックの摘発が増えている背景には、物流業界全体の是正があります。
特に2024年問題以降、運送業の法令遵守が強化され、白ナンバーの違法運送は見逃されにくくなっています。
通報によるリスクも現実的
白ナンバートラックの通報は、競合業者や元取引先、近隣住民などから行われるケースがあります。
一度調査が入ると、過去の業務実態まで遡られる可能性があり、軽い気持ちでは済まされません。
白ナンバートラック摘発事例と罰則の内容
実際に摘発された場合、どのような罰則があるのでしょうか。ここを軽視すると後悔します。
白ナンバートラック摘発事例で多いパターン
・定期配送を行っていた
・運送業者と同等の業務内容だった
・複数荷主から運賃を得ていた
これらは「反復継続性」があると判断されやすく、違反になりやすいです。
罰則の具体的な内容
白ナンバーでの無許可運送が認定されると、以下のような処分が想定されます。
・罰金刑
・行政指導
・車両使用停止
・今後の許可取得が困難になる
金銭的な罰だけでなく、事業継続そのものが難しくなる点が大きなリスクです。
個人事業主への影響
会社と違い、個人事業主はすべて自分に跳ね返ってきます。
罰金、仕事停止、信用失墜が同時に起きると、生活そのものが立ち行かなくなるケースもあります。
トラック個人事業主に影響する2024年問題との関係
2024年問題は、白ナンバートラックの問題とも密接に関係しています。
2024年問題とは何かを簡単に整理
2024年問題とは、ドライバーの時間外労働規制が強化されることで、物流業界全体に影響が出る問題です。
これにより、運送会社は人手不足やコスト増に直面しています。
白ナンバートラックに仕事が流れやすくなる理由
規制強化により、表向きはコンプライアンスを守りながら、裏で白ナンバーに仕事を回そうとする動きが一部で見られます。
しかし、これは短期的な対処であり、個人事業主側がリスクを背負う構図になりがちです。
長期的に見たときの判断基準
2024年問題以降は、法令を無視した働き方は持続しません。
個人事業主として続けるなら、緑ナンバー取得や業態転換も含めて考える必要があります。
白ナンバートラック個人事業主は続けるべきか
ここまでの情報を踏まえると、白ナンバートラックの仕事は「簡単に儲かる話」ではないことが見えてきます。
向いている人の特徴
・本業の付随作業として運搬がある
・短期間のつなぎとして割り切れる
・法的リスクを正しく理解している
こうした条件が揃っていれば、一時的な収入源として成立することもあります。
向いていない人の特徴
・運送そのものを主な収入源にしたい
・安定した長期収入を求めている
・リスク管理が苦手
この場合、白ナンバーに固執するほど危険が増します。
まとめ
白ナンバートラックの仕事は、一見すると手軽で儲かりそうに見えます。しかし、個人事業主として現実を見れば、年収は決して突出して高いわけではなく、常に法的リスクと隣り合わせです。
業務委託という言葉や抜け道に惑わされず、自分の仕事が「運送そのもの」なのか、「本業の付随行為」なのかを冷静に整理することが重要です。
2024年問題以降、違法運送はますます厳しく見られます。短期的な収入だけで判断せず、長く続けられる働き方かどうかを基準に、白ナンバートラックという選択肢を見直してみてください。





























