「電気代、また上がったのか…」
請求書を見た瞬間、こう感じた経営者の方はかなり多いはずです。特に夏や冬の繁忙期は、売上が伸びても利益が残らない。しかも最近は、取引先や採用候補者から「環境配慮って何かやっていますか?」と聞かれる場面まで増えてきました。
ロロメディア編集部でも、オフィス移転後に電気代が月8万円以上増えた時期がありました。原因を調べると、古いエアコンを“なんとなく”使い続けていたことと、社員ごとのPC・照明の使い方がバラバラだったことが大きかったんです。正直、「節電って気合いで頑張るもの」だと思っていたので、かなり遠回りしていました。
でも実際は違いました。
この記事では、今日からできる電力節約術と、それを“利益につながる企業価値”へ変える具体策まで、実務レベルでわかりやすく解説します。
中小企業の電気代が下がらない原因と、最初に見直すべきポイント

電気代が高い会社には、ほぼ共通点があります。それは「どこで電気を使っているか把握していない」ということです。
特に多いのが、「節電しているつもり」状態です。昼休みに電気を消す、エアコン温度を上げる、使っていない部屋の照明を切る。もちろん大切ですが、それだけでは月数万円単位の削減にはなりません。
契約プランを放置している会社は想像以上に多い
特に創業時から同じ電力会社・同じ契約内容のままというケースは危険です。
事業規模が変わっているのに契約だけ昔のままになっていると、不要な基本料金を払い続けることになります。例えば、以前は大型プリンターやサーバーを使っていたけれど、今はクラウド化している場合、契約容量を落とせる可能性があります。
まず確認してほしいのは次の3つです。
| 確認項目 | 見る場所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 契約電力 | 検針票 | 現在の業務量に合っているか |
| 使用量推移 | 電力明細 | 季節ごとの差が異常に大きくないか |
| ピーク時間 | 電力会社の管理画面 | どの時間帯に電力が集中しているか |
ここを把握するだけでも、「どこを削ればいいか」が一気に見えます。
“古い設備を我慢して使う”が一番高くつく
「まだ使えるから」で古いエアコンを使い続けていませんか。
これ、本当に多いです。特に10年以上前の業務用エアコンは、最新機種と比較すると消費電力がかなり違います。しかも故障寸前の機器は効率が悪く、冷えるまで時間がかかるため、余計に電気を使います。
編集部でも、夏場にエアコンの効きが悪く、「設定温度を20度に下げればなんとかなる」とやっていました。でも実際は逆で、古い機器がフル稼働し続けていただけでした。
結果的に入れ替え後は、電気代が月2万円近く下がりました。しかも社員から「午後の集中力が違う」と言われるようになったんです。
設備投資は怖く感じるかもしれません。でも、“高い電気代を払い続けるコスト”まで含めて考える必要があります。
今すぐできる電力節約術と、効果が出やすい改善方法

節電で大切なのは、「社員の努力」より「仕組み」です。
なぜなら、人は忙しくなると忘れるからです。退勤時の消灯ルールを作っても、締切前には普通に抜けます。だからこそ、“自然と節電される状態”を作る必要があります。
エアコン設定は温度より風量を見直したほうが効果が出る
よく「28度設定にしましょう」と言われますが、実際のオフィスでは、それだけだと暑すぎて集中力が落ちるケースがあります。
特に営業資料の提出前や、経理締め作業のタイミング。室温が高いだけで集中が切れて、細かいミスが増えるんですよ。
そこで効果的だったのが、「自動運転+サーキュレーター」です。
冷気は下に溜まるので、空気を循環させるだけで体感温度が変わります。編集部でも導入後、「設定温度は変えてないのに涼しい」という状態になりました。
つまり、重要なのは“温度設定そのもの”ではなく、空気効率なんです。
パソコンの電源管理だけでも年間コストは変わる
意外と盲点なのがPCです。
特にデスクトップPCを使っている会社は、帰宅後もスリープ状態で放置されていることがあります。これ、積み重なるとかなりの電力になります。
おすすめなのは、Windows・Mac両方で「一定時間後に自動スリープ」を設定することです。
社員に毎回注意するより、設定で強制的に変えたほうが圧倒的にラクです。
LED化は“全部交換”しなくても効果が出る
LED化というと、「オフィス全体を工事しないといけない」と思われがちです。
でも実際は、人が長時間いる場所から優先すれば十分効果があります。
例えば、
- 会議室
- 執務スペース
- 受付
- 作業場
このあたりは点灯時間が長いので、先に変えると削減効果が見えやすいです。
逆に、倉庫や短時間しか使わない場所は後回しでも問題ありません。
最初から完璧を目指すより、「効果が数字で見える場所」を優先すると、社内理解も進みやすいですよ。
電力削減を“企業価値”に変えるブランディング戦略

ここ、かなり重要です。
電力削減は、単なるコストカットで終わらせるともったいないんです。最近は「どんな会社か」が採用・営業・取引に直結しています。
つまり、“環境配慮をしている会社”という見え方自体が価値になります。
採用で「この会社ちゃんとしてる」と思われやすくなる
今の求職者は、企業サイトをかなり見ています。
特に20代〜30代は、「利益だけ追っている会社」に敏感です。実際、採用面談で「SDGs的な取り組みありますか?」と聞かれるケースも増えています。
ここで強いのが、“実際にやっている節電施策”です。
例えば、
こういう具体性があると、単なるキレイごとに見えません。
逆に、「環境に配慮しています」だけだと、かなり薄く見えます。
営業資料やホームページに載せると信頼につながる
特にBtoB企業では、“企業姿勢”を見られています。
例えば、大手企業との取引では、環境配慮の有無を確認されるケースがあります。ここで「特に何もしていません」だと、実は地味に不利です。
でも、節電の取り組みを見える化しているだけで印象が変わります。
ロロメディア編集部でも、サイト内で業務効率化や環境配慮を発信するようになってから、「ちゃんと改善意識がある会社ですね」と言われることが増えました。
企業ブランディングって、派手なロゴ変更だけじゃないんです。こういう“日々の改善姿勢”の積み重ねが効きます。
中小企業が失敗しやすい節電施策と、現場で嫌がられるパターン

節電施策が失敗する会社には、ある特徴があります。
それは、「現場負担だけ増える」ことです。
“暑さ我慢大会”になると社員の不満が一気に増える
これ、本当に危険です。
電気代削減を急ぐあまり、エアコン温度を極端に上げる会社があります。でも、その結果どうなるかというと、集中力が下がり、作業効率が落ちます。
特に午後3時以降。
請求書処理や提案書作成で頭を使う時間帯に室温が高いと、細かいミスが増えるんです。すると結局、確認・修正時間が増えて、生産性が落ちます。
つまり、“節電したつもりで人件費ロスが増える”状態になります。
社員に丸投げすると続かない
「各自で節電を意識してください」
この運用、ほぼ続きません。
忙しい日に毎回コンセントを抜くかというと、現実的には無理です。だからこそ、“人の頑張り前提”にしないことが重要です。
例えば、
- 自動消灯
- タイマー設定
- スリープ強制
- 人感センサー
こういう“勝手に節電される仕組み”を増やしたほうが長続きします。
節電は根性論ではありません。運用設計です。
小さな会社ほど「節電×発信」で差別化しやすい理由

大企業は予算があります。でも、中小企業には“距離感”があります。
ここが強みです。
小さな改善でもリアルな発信になる
例えば、
「エアコンを変えたら社員の集中力が上がった」
「毎月の電気代を公開して改善している」
こういうリアルな話は、中小企業だからこそ説得力があります。
逆に、大企業の環境施策は規模が大きすぎて、読者にとって他人事になりやすいんです。
中小企業は、“リアルな改善ストーリー”を出したほうが共感されます。
SNSやブログとの相性がかなりいい
最近は「企業の中の人」が見られています。
だから、単に「節電しました」ではなく、
「請求書を見て焦って改善した」
「夏の電気代が高すぎて本気で見直した」
みたいな実体験ベースの発信が強いんです。
実際、数字だけの投稿より、“困った→改善した”という流れのほうが反応が出やすいです。
企業ブランディングって、完璧さではありません。「改善している姿勢」が見えるかどうかです。
電力削減を成功させる会社が必ずやっている運用ルール

最後に、実際に継続できる会社の特徴をお伝えします。
それは、“数字を見る習慣”を作っていることです。
毎月の電気代を共有するだけで意識が変わる
おすすめなのが、月1回だけでも「先月の電気代」を共有することです。
例えばチャットツールで、
「先月より12%削減できました」
「空調見直しで2万円改善しました」
と見える化するだけでも、社員の意識は変わります。
逆に、経営者しか数字を知らない状態だと、現場は実感を持てません。
“自分たちの行動で変わった”が見えると、人は自然に協力するようになります。
最初から完璧を目指さない会社ほど続く
ここ、かなり大事です。
最初から全設備を入れ替えようとすると、予算も負担も重くなります。結果、「やっぱり無理だった」で止まるケースが多いんです。
でも実際は、
「まずはエアコン」
「次は照明」
「その次に契約見直し」
という順番で十分です。
節電は、一発逆転ではありません。
でも、毎月数万円の固定費削減が積み上がると、1年後にはかなり大きな差になります。そして、その取り組みを発信できる会社は、採用でも営業でも信頼を得やすくなります。
それでも、いや、だからこそ、“地味な改善を積み上げられる会社”が強い時代なのかもしれません。
まとめ

中小企業の電力削減は、単なるコストカットではありません。
契約内容の見直し、設備改善、空調管理、PC設定。こうした積み重ねが利益改善につながります。そして、その取り組みを発信することで、「ちゃんとしている会社」という信頼まで得られます。
特に今は、“安い会社”より、“考えている会社”が選ばれる時代です。
電気代の削減は、すぐに始められます。しかも、小さな改善でも十分効果が出ます。まずは「どこで電気を使っているか」を知るところから始めてみてください。
その一歩が、利益にも、採用にも、企業ブランドにもつながっていきます。















