Google Public DNSとは?設定方法・安全性・他のパブリックDNSとの違いまで徹底解説

ネットが急に遅くなったり、特定のサイトだけ開けなかったりしたときに、「DNSを変えると直る」と聞いたことがある人は多いと思います。設定画面に出てくる「8.8.8.8」や「8.8.4.4」を見て、これを入れて大丈夫なのか、会社PCで触っていいのか、少し不安になりますよね。

Google Public DNSとは、Googleが無料で提供しているパブリックDNSサービスです。DNSとは、Webサイトの名前をIPアドレスに変換する仕組みのことです。たとえば、ブラウザにサイト名を入力したとき、裏側では「このサイトはどのサーバーにあるのか」をDNSが調べています。

結論から言うと、Google Public DNSは有名で安定性の高いDNSですが、万能ではありません。速度改善が期待できる場合もありますが、必ず速くなるとは限りません。安全性も高められますが、ウイルス対策ソフトの代わりにはなりません。大事なのは、何のためにDNSを変えるのかを理解して、自分の環境に合う設定を選ぶことです。

目次

Google Public DNSとは何かをわかりやすく言うと名前解決をGoogleに任せる仕組み

Google Public DNSとは何かをわかりやすく言うと名前解決をGoogleに任せる仕組み

Google Public DNSは、Googleが公開しているDNSサーバーです。代表的なIPv4アドレスは「8.8.8.8」と「8.8.4.4」です。これを端末やルーターに設定すると、Webサイトへアクセスするときの名前解決をGoogleのDNSに問い合わせるようになります。

名前解決とは、ドメイン名をIPアドレスに変換することです。たとえば、人間は「example.com」のような名前でサイトを覚えますが、コンピューターは数字の住所で通信します。その変換をしてくれるのがDNSです。

ロロメディア編集部でも、Wi-Fiはつながっているのに特定サイトだけ開けないことがありました。ブラウザを変えても直らず、スマホのテザリングでは開ける。こういうとき、原因の一つとしてDNSが疑われます。DNSを変えると、サイトにたどり着くための問い合わせ先が変わるため、表示トラブルが改善する場合があります。

Google Public DNSの基本アドレス

Google Public DNSでよく使うアドレスは、次の4つです。IPv4は昔から広く使われている形式で、IPv6は新しい形式のインターネットアドレスです。

種類優先DNS代替DNS
IPv48.8.8.88.8.4.4
IPv62001:4860:4860::88882001:4860:4860::8844

家庭や小規模オフィスなら、まずIPv4の「8.8.8.8」「8.8.4.4」を覚えておけば十分です。IPv6を使っている環境では、IPv6アドレスも設定できます。

ただし、会社のPCや社内Wi-Fiでは勝手に変更しないほうがいいです。社内システム、VPN、セキュリティ監視、社内ドメインの名前解決に影響することがあります。個人のスマホや自宅PCなら試しやすいですが、業務端末は管理者に確認しましょう。

DNSを変えてもインターネット契約は変わらない

DNSを変えると、プロバイダそのものを変えるような印象を持つ人がいます。でも、実際には契約先の回線は変わりません。変わるのは、サイト名を調べる問い合わせ先です。

たとえるなら、電話帳を別の会社のものに変えるようなイメージです。道路そのものが速くなるわけではありません。ただ、目的地の住所を調べる時間や、誤った案内を避ける効果が出ることがあります。

だから、動画のダウンロード速度やオンラインゲームの通信速度が必ず上がるわけではありません。改善しやすいのは、サイトを開く最初の反応、特定ページの表示失敗、プロバイダDNSの不調による接続トラブルです。

Google Public DNSを使うメリットは安定性と設定のわかりやすさにある

Google Public DNSを使うメリットは安定性と設定のわかりやすさにある

Google Public DNSの強みは、知名度、安定性、設定情報のわかりやすさです。DNSを初めて変更する人にとって、「8.8.8.8」は覚えやすく、公式情報も多いため、設定ミスを調べやすいという利点があります。

実務で見ると、DNS変更は「速くするため」だけではなく、「切り分けのため」に使うことも多いです。サイトが開けないとき、今使っているDNSが原因なのか、それ以外が原因なのかを確認するために、一時的にGoogle Public DNSへ変える。これはかなり現実的な使い方です。

たとえば、午前中にクライアントの管理画面へ入ろうとして、社内Wi-Fiだけエラーになる。スマホ回線では開ける。こういう場面では、DNSを一時的に変えて確認すると、問題の切り分けが早くなります。

Webサイトの表示トラブルを切り分けやすい

Google Public DNSを使うメリットの一つは、接続トラブルの原因を切り分けやすいことです。プロバイダのDNSに不具合がある場合、Google Public DNSに変えることでサイトが開けるようになることがあります。

ただし、何でもDNSで直るわけではありません。Wi-Fiの電波が弱い、ルーターが不調、サイト側が落ちている、会社のファイアウォールに制限されている。こうした原因なら、DNSを変えても改善しません。

実務では、DNS変更を「最終解決策」と考えるより、「原因を絞るための確認手段」として使うと安全です。変更前の設定をメモし、変えたあとに改善したかを確認する。この手順が大切です。

プロバイダDNSが不安定なときの代替先になる

普段はプロバイダが自動で指定するDNSを使っています。通常はそれで問題ありません。ただ、地域やタイミングによってDNSの応答が遅くなったり、特定のサイトで名前解決に失敗したりすることがあります。

そんなとき、Google Public DNSは代替先になります。設定がシンプルなので、家庭用ルーターやPCに入れやすいのも利点です。

ただし、自宅の家族全員に影響させるならルーター設定、1台だけ試すなら端末設定にしましょう。いきなりルーター側を変えると、家族の端末やスマート家電まで影響することがあります。まずは自分のPCやスマホだけで試すのが安全です。

Google Public DNSの安全性は高いがセキュリティ対策の代わりにはならない

Google Public DNSの安全性は高いがセキュリティ対策の代わりにはならない

Google Public DNSは、セキュリティとプライバシーに配慮した機能を提供しています。従来のDNSに加えて、DNS over HTTPSやDNS over TLSにも対応しています。DNS over HTTPSは、DNSの問い合わせをHTTPSで暗号化する仕組みです。DNS over TLSも、TLSという暗号化技術でDNS通信を守る仕組みになります。

ただし、ここで誤解してはいけません。Google Public DNSを使っても、危険なサイトを完全にブロックしてくれるわけではありません。ウイルス対策ソフトやブラウザの保護機能、OS更新の代わりにはなりません。

「DNSをGoogleにしたから安全」と思って、怪しいファイルを開いたり、偽ログインページにIDを入れたりすると危険です。DNSはあくまでサイト名を調べる仕組みです。セキュリティの一部ではありますが、全部を守るものではありません。

暗号化DNSを使うと通信の覗き見対策になる

通常のDNS通信は、暗号化されていないことがあります。つまり、どのドメインに問い合わせたかがネットワーク上で見える可能性があります。カフェのWi-Fiや公共ネットワークでは、ここが気になる人もいるでしょう。

Google Public DNSは、DoHやDoTに対応しています。DoHはDNS over HTTPS、DoTはDNS over TLSの略です。どちらもDNS問い合わせを暗号化し、途中で見られたり改ざんされたりするリスクを下げます。

ただし、暗号化DNSを使っても、アクセス先サイトとの通信全体が完全に匿名になるわけではありません。VPNとは違います。IPアドレスが隠れるわけでもありません。プライバシー対策としては有効ですが、匿名化ツールではないと理解しておくと安心です。

マルウェアブロック目的なら他のDNSも候補になる

Google Public DNSは、基本的に高速で安定した名前解決を重視するDNSです。一方で、悪意あるドメインのブロックを強く打ち出しているDNSもあります。

たとえばQuad9は、セキュリティ保護を前面に出したパブリックDNSです。Cloudflareにも、マルウェアブロックやファミリー向けフィルタリングのDNSがあります。

つまり、安全性を何と定義するかで選ぶDNSは変わります。安定性と知名度を重視するならGoogle Public DNS。プライバシー重視ならCloudflareやQuad9。マルウェアブロックを重視するならQuad9やCloudflareのフィルタリング版。こう考えると選びやすいです。

Google Public DNSの設定方法をWindowsで行う手順

Google Public DNSの設定方法をWindowsで行う手順

WindowsでDNSを変えるとき、設定画面の名前が少しわかりにくいです。ネットワーク設定、アダプター、プロパティ、IPv4。初めて触ると「どこまで進んでいいのか」と不安になりますよね。

作業前にやるべきことは、今の設定をメモすることです。特に会社PCや固定IP環境では、元に戻せないと困ります。自宅PCでも、変更前の画面をスクリーンショットで残しておくと安心です。

Windows 11の場合は、設定アプリから進める方法が比較的わかりやすいです。

Windows 11でGoogle Public DNSを設定する

設定を開いたあと、ネットワークとインターネットへ進みます。Wi-Fiを使っているならWi-Fi、有線LANならイーサネットを選びます。そこからDNSサーバーの割り当てを編集します。

手順は次の通りです。

・設定を開く
・ネットワークとインターネットを選ぶ
・Wi-Fiまたはイーサネットを選ぶ
・DNSサーバーの割り当てで編集を押す
・手動を選ぶ
・IPv4をオンにする
・優先DNSに8.8.8.8を入力する
・代替DNSに8.8.4.4を入力する
・保存する

設定後は、ブラウザを一度閉じて再度開きます。うまく反映されない場合は、PCを再起動するか、ネットワークを一度切断して再接続してください。

Windowsで設定後に確認する方法

設定したのに本当に変わったのか不安になることがあります。そういうときは、コマンドプロンプトで確認できます。

Windows検索で「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを開きます。そこで次のように入力します。

ipconfig /all

表示された中にDNSサーバーの項目があります。そこに8.8.8.8や8.8.4.4が表示されていれば、設定が反映されています。

ただし、会社PCでは管理者権限やポリシーによって変更できない場合があります。勝手に回避しようとせず、IT担当者に相談してください。社内ネットワークでは、社内専用システムの名前解決に社内DNSが必要なことがあります。

Google Public DNSの設定方法をMacで行う手順

Google Public DNSの設定方法をMacで行う手順

Macでは、システム設定からDNSを変更します。Windowsより画面はシンプルですが、Wi-Fiごとに設定が分かれる点に注意が必要です。

カフェWi-Fi、自宅Wi-Fi、会社Wi-Fiで設定が違う場合があります。自宅だけGoogle Public DNSにしたつもりが、会社Wi-Fiにも影響していた、という誤解が起きないように確認しましょう。

Macで作業するときも、変更前のDNS設定をスクリーンショットで残しておくと安全です。

macOSでGoogle Public DNSを設定する

macOSでは、システム設定からネットワークを開きます。現在使っているWi-Fiまたは有線接続を選び、詳細設定からDNSを追加します。

手順は次の通りです。

・システム設定を開く
・ネットワークを選ぶ
・利用中のWi-Fiまたは接続を選ぶ
・詳細を開く
・DNSを選ぶ
・DNSサーバーに8.8.8.8と8.8.4.4を追加する
・OKまたは完了を押す
・適用する

Macでは、DNSサーバーの一覧に複数の値が並びます。古いDNSが残っている場合、順番によっては先に別のDNSが使われることがあります。Google Public DNSを優先したいなら、8.8.8.8と8.8.4.4が上にあるか確認しましょう。

Macでサイトが開けない場合の戻し方

DNSを変えたあとに一部サイトが開かなくなった場合は、元の設定に戻してください。特に会社や学校のネットワークでは、内部サイトにアクセスできなくなることがあります。

戻すときは、追加した8.8.8.8と8.8.4.4を削除し、自動取得に戻します。変更前のスクリーンショットがあれば、その状態に戻せば大丈夫です。

DNS変更は、元に戻せる状態で試すのが鉄則です。調子が悪いときに焦って設定を触り、元の値がわからなくなると、原因調査が余計に難しくなります。

Google Public DNSをAndroidとiPhoneで設定する方法

Google Public DNSをAndroidとiPhoneで設定する方法

スマホでGoogle Public DNSを使いたい場合、AndroidとiPhoneで考え方が少し違います。Androidでは「プライベートDNS」という設定が使える機種があります。iPhoneではWi-FiごとにDNSを手動設定するのが一般的です。

外出先でスマホのネットが遅いとき、「DNSを変えれば速くなるかも」と思うことがありますよね。ただ、モバイル回線では自由にDNSを変えにくい場合もあります。まずは自宅Wi-Fiや職場以外の検証用Wi-Fiで試すのが現実的です。

スマホは決済や認証にも使うため、設定変更は慎重に進めてください。特に会社支給スマホでは、管理者設定が入っていることがあります。

AndroidでGoogle Public DNSを設定する

Android 9以降では、プライベートDNSを設定できます。プライベートDNSは、対応するDNSサービスへ暗号化された問い合わせを行う機能です。

Google Public DNSをプライベートDNSで使う場合は、IPアドレスではなくホスト名を入力します。Google Public DNSのホスト名は「dns.google」です。

一般的な手順は次の通りです。

・設定を開く
・ネットワークとインターネットを開く
・プライベートDNSを選ぶ
・プライベートDNSプロバイダのホスト名を選ぶ
・dns.google と入力する
・保存する

機種によって、設定名が「接続」「その他の接続設定」「プライベートDNS」など少し変わります。見つからない場合は、設定アプリ内で「DNS」と検索すると早いです。

iPhoneでGoogle Public DNSを設定する

iPhoneでは、Wi-FiごとにDNSを手動設定します。モバイル回線全体へ簡単に固定するというより、接続中のWi-Fiに対して設定する形です。

手順は次の通りです。

・設定を開く
・Wi-Fiを選ぶ
・接続中のWi-Fi名の右にある情報ボタンを押す
・DNSを構成を選ぶ
・手動を選ぶ
・既存のDNSを必要に応じて削除する
・8.8.8.8と8.8.4.4を追加する
・保存する

iPhoneでは、Wi-Fiを変えると設定も変わります。自宅Wi-Fiで設定しても、職場やカフェのWi-Fiでは別設定です。逆に言えば、自宅だけ試したい場合には扱いやすいとも言えます。

Google Public DNSをルーターに設定するメリットと注意点

Google Public DNSをルーターに設定するメリットと注意点

DNSは端末ごとに設定できますが、ルーターに設定する方法もあります。ルーターに入れると、そのWi-Fiにつながる端末全体に影響します。

家中のPC、スマホ、タブレット、ゲーム機、スマートテレビにまとめて適用したいなら便利です。ただし、影響範囲が広いため、設定ミスをすると家族全員のネットが不安定になります。

実務でいうと、個人のPCだけ試したい段階ではルーター設定は早すぎます。まず端末で試し、効果があり、問題がないと確認できてからルーターへ広げるのが安全です。

ルーターに設定すると家庭内の端末にまとめて反映できる

ルーターにGoogle Public DNSを設定すると、家庭内ネットワークで自動取得している端末は、そのDNSを使うようになります。端末ごとに設定する手間が減るのがメリットです。

ただし、端末側で別のDNSを手動設定している場合は、そちらが優先されることがあります。また、スマート家電やゲーム機で接続トラブルが起きた場合、DNS変更が原因かどうか切り分けが必要になります。

家庭で設定する場合は、ルーターの管理画面に入り、インターネット設定やDHCP設定のDNS欄を変更します。機種によって画面が大きく違うため、必ずルーターの説明書を確認してください。

会社や店舗のルーターでは勝手に変えない

会社、店舗、事務所のルーターでは、DNS変更を勝手に行わないでください。POSレジ、監視カメラ、社内サーバー、VPN、複合機、勤怠システムなどがDNS設定に依存していることがあります。

特に店舗では、レジがつながらない、決済端末が通信できない、予約システムが動かないといったトラブルになる可能性があります。ネットが少し速くなるかもしれない、という理由で触るにはリスクが大きいです。

事業用ネットワークでは、DNSはセキュリティ設計の一部です。変更するなら、管理会社、ネットワーク担当者、システム担当者に確認してから進めましょう。

Google Public DNSと他のパブリックDNSの違い

Google Public DNSと他のパブリックDNSの違い

パブリックDNSはGoogleだけではありません。代表的なものにCloudflare、Quad9、OpenDNSなどがあります。それぞれ重視しているポイントが違います。

Google Public DNSは、知名度、安定性、グローバルなインフラが強みです。Cloudflareの1.1.1.1は、プライバシーや速度を強く打ち出しています。Quad9は、悪意あるドメインのブロックを重視しています。OpenDNSは、フィルタリングや管理機能との相性がよいサービスです。

どれが絶対に一番という話ではありません。目的によって選ぶべきDNSは変わります。

DNSサービス主なアドレス向いている人
Google Public DNS8.8.8.8 / 8.8.4.4安定性と知名度を重視したい人
Cloudflare DNS1.1.1.1 / 1.0.0.1速度やプライバシーを重視したい人
Quad99.9.9.9マルウェアブロックを重視したい人
OpenDNS208.67.222.222 / 208.67.220.220フィルタリングや管理を使いたい人

最初に試すならGoogle Public DNSかCloudflareがわかりやすいです。セキュリティ寄りにしたいならQuad9も候補になります。

Google Public DNSとCloudflareの違い

Google Public DNSとCloudflare DNSは、どちらも有名なパブリックDNSです。Googleは8.8.8.8、Cloudflareは1.1.1.1として知られています。

体感速度は環境によります。住んでいる地域、回線、プロバイダ、接続先サイトによって変わるため、どちらが必ず速いとは言えません。実際に自分の環境で試すのが一番正確です。

プライバシー方針も比較対象になります。DNSは、どのドメインを問い合わせたかに関わるため、どの事業者に問い合わせを任せるかは重要です。Googleのサービスをすでに多く使っている人は設定しやすい一方、別事業者に分散したい人はCloudflareを選ぶこともあります。

Google Public DNSとQuad9の違い

Quad9は、悪意あるドメインへのアクセスをブロックする方向に強みがあります。フィッシングやマルウェア関連のドメイン対策をDNSレベルで行いたい人に向いています。

Google Public DNSは、基本的に名前解決の安定性や速度、標準的なセキュリティ技術への対応を重視するサービスです。危険サイトブロックを前面に出すタイプではありません。

家庭で子ども用端末を守りたい、会社で最低限のマルウェア対策をDNSでも入れたい。こういう目的なら、Quad9やフィルタリング対応DNSも検討できます。ただし、DNSブロックは万能ではないため、端末側のセキュリティ対策と併用することが前提です。

Google Public DNSを設定しても速くならない原因

Google Public DNSを設定しても速くならない原因

DNSを変えたのに速くならない。これは普通にあります。DNSはサイトにアクセスする最初の名前解決には関係しますが、動画データの転送速度やWi-Fi電波の強さそのものを改善するものではありません。

たとえば、YouTubeの動画が止まる、Zoomがカクつく、オンラインゲームでラグが出る。これらはDNSよりも回線速度、Wi-Fi環境、端末性能、サーバー混雑が原因のことが多いです。

DNS変更で改善しやすいのは、「サイトを開くまでの最初の反応」です。すでにページを開いた後のダウンロード速度や動画再生品質は、別要因の影響が大きくなります。

Wi-Fiやルーターが原因の場合はDNSでは直らない

自宅でネットが遅いとき、まず疑うべきはWi-Fi環境です。ルーターから遠い、電子レンジの近く、壁が多い、古いルーターを使っている。こうした原因なら、DNSを変えても根本解決にはなりません。

特に、スマホだけ遅い、特定の部屋だけ遅い、夜だけ遅いという場合は、DNS以外も確認してください。Wi-Fiの周波数帯、ルーター再起動、設置場所、接続台数の見直しが必要です。

DNS変更は手軽ですが、万能薬ではありません。ネットが遅いときは、DNS、Wi-Fi、回線、端末、サイト側のどこが原因かを分けて考えると、無駄な設定変更を減らせます。

キャッシュの影響で変化がわかりにくいことがある

DNSにはキャッシュがあります。キャッシュとは、一度調べた情報を一時的に保存して、次回の問い合わせを速くする仕組みです。

DNSを変えても、端末やブラウザに古い情報が残っていると、すぐに変化が見えないことがあります。WindowsならDNSキャッシュをクリアする、ブラウザを再起動する、端末を再起動することで確認しやすくなります。

Windowsでは、コマンドプロンプトで次のように入力するとDNSキャッシュを削除できます。

ipconfig /flushdns

設定変更後に動きが不安定な場合は、まず再起動やキャッシュクリアを試してください。いきなり別のDNSへ何度も変えると、どの変更が効いたのかわからなくなります。

Google Public DNSを使うときの注意点

Google Public DNSを使うときの注意点

Google Public DNSは便利ですが、設定する前に注意点もあります。特に、社内ネットワーク、学校、公共Wi-Fi、ペアレンタルコントロールを使っている家庭では、DNS変更が別の機能に影響することがあります。

DNSは裏側の仕組みなので、普段は意識されません。だからこそ、変更したあとに「なぜか社内サイトだけ開かない」「子ども向け制限が効かない」といったトラブルが起こることがあります。

設定前に、今のDNSが何のために使われているかを考えることが大切です。

社内システムやVPNで不具合が出ることがある

会社では、社内専用のDNSを使っていることがあります。社内システムやファイルサーバーにアクセスするとき、外部DNSでは名前解決できない場合があります。

たとえば、社内ポータルや勤怠システムが「portal.local」のような内部名で動いている場合、Google Public DNSでは解決できません。結果として、インターネットは使えるのに社内システムだけ開けない状態になります。

VPN利用時も注意が必要です。VPN接続中は会社指定のDNSを使う設計になっていることがあります。個人判断でGoogle Public DNSへ固定すると、社内リソースにアクセスできなくなる可能性があります。

フィルタリングや見守り機能を回避してしまう場合がある

家庭や学校で、特定サイトをブロックするためにDNSフィルタリングを使っていることがあります。その場合、Google Public DNSに変更すると、その制限を回避してしまう可能性があります。

子ども用端末や共有PCでは、勝手にDNSを変更しないほうがいいでしょう。安全のために設定しているフィルタリングが効かなくなることがあります。

逆に、フィルタリング目的でDNSを選びたいなら、Google Public DNSではなく、ファミリー向けやセキュリティブロック対応のDNSを検討するほうが目的に合います。

Google Public DNSが向いている人と向いていない人

Google Public DNSが向いている人と向いていない人

Google Public DNSは、多くの人にとって試しやすいDNSです。ただし、すべての人に最適というわけではありません。

向いているのは、プロバイダDNSの不調を切り分けたい人、設定がわかりやすいDNSを使いたい人、Google公式の安定したサービスを選びたい人です。反対に、細かいフィルタリング、強い匿名性、マルウェアブロックを主目的にする人には、別のDNSが合う場合があります。

DNS選びは、目的から決めたほうが失敗しません。速さだけで選ぶと、期待と違う結果になることがあります。

Google Public DNSが向いているケース

Google Public DNSが向いているのは、シンプルに安定したDNSへ変えたいケースです。特に、今使っているDNSが不安定で、サイト表示の初動に問題があるときは試す価値があります。

また、DNSの設定を初めて触る人にも向いています。公式ドキュメントがあり、利用者も多いため、トラブル時に情報を探しやすいからです。

自宅PCで特定サイトだけ開けない、スマホでは開けるのにWi-Fiでは開けない、プロバイダDNSが不調かもしれない。こういう場面では、まず端末単位でGoogle Public DNSを試すと切り分けやすいです。

Google Public DNSが向いていないケース

Google Public DNSが向いていないのは、社内DNSが必要な環境、細かいWebフィルタリングをしたい環境、マルウェアブロックをDNSに任せたい環境です。

また、プライバシー上の理由でGoogleにDNS問い合わせを集約したくない人もいるでしょう。その場合は、Cloudflare、Quad9、NextDNS、AdGuard DNSなどを比較するのが現実的です。

大事なのは、Googleだから安全、Googleだから速いと決めつけないことです。自分の回線、自分の端末、自分の目的に合うかで判断してください。

Google Public DNSの設定を戻す方法

Google Public DNSの設定を戻す方法

DNS変更で不具合が出たら、すぐ元に戻せるようにしておきましょう。これができないと、設定変更が怖くなります。

戻し方は簡単です。基本は「自動取得」に戻すだけです。Windows、Mac、スマホ、ルーターのどれでも、手動で入れた8.8.8.8や8.8.4.4を消し、自動設定に戻します。

ただし、元々会社指定のDNSやプロバイダ指定の値が入っていた場合は、その値に戻す必要があります。だから変更前のメモが大切です。

WindowsやMacでは自動取得へ戻す

Windowsなら、DNSサーバーの割り当てを自動に戻します。Macなら、追加したDNSを削除して自動設定へ戻します。

戻したあとも反映されない場合は、ネットワーク再接続や再起動を試してください。DNSキャッシュが残っている場合もあるため、Windowsならipconfig /flushdnsを実行すると確認しやすくなります。

元に戻しても改善しない場合、原因はDNSではない可能性が高いです。ルーター、回線、端末、サイト側の障害を確認しましょう。

ルーター設定は変更前の状態を必ず控えておく

ルーターでDNSを変更する場合は、変更前の画面を必ず保存してください。スクリーンショットで十分です。

ルーターの設定画面はメーカーによって違い、どこに何を入れたか忘れやすいです。特に、プロバイダ指定のDNSや自動取得設定が絡むと、戻すときに迷います。

家庭ならまだしも、事務所や店舗のルーターでは設定変更の影響が大きくなります。自信がない場合は、端末側だけで試しましょう。

まとめ:Google Public DNSは安定した選択肢だが目的に合わせて使うことが大切

まとめ:Google Public DNSは安定した選択肢だが目的に合わせて使うことが大切

Google Public DNSは、Googleが提供する無料のパブリックDNSです。代表的なアドレスは、IPv4なら8.8.8.8と8.8.4.4です。サイト名をIPアドレスに変換する問い合わせ先をGoogleへ変えることで、DNS不調の切り分けや表示トラブルの改善につながる場合があります。

ただし、Google Public DNSに変えれば必ず速くなるわけではありません。Wi-Fiの電波、ルーター、回線混雑、端末性能、サイト側の問題はDNSでは解決できません。改善しやすいのは、サイトを開く最初の反応やDNS由来の接続トラブルです。

安全性については、DNS over HTTPSやDNS over TLSに対応しており、暗号化DNSを使える環境ではプライバシー面の向上が期待できます。ただし、ウイルス対策ソフトやフィッシング対策の代わりにはなりません。マルウェアブロックを重視するなら、Quad9やCloudflareのフィルタリング版も候補になります。

設定するなら、まず自分の端末だけで試してください。Windows、Mac、Android、iPhoneで個別に設定できます。効果があり、問題がないと確認できてから、必要に応じてルーターへ広げるのが安全です。

会社PC、店舗ネットワーク、学校、VPN環境では勝手に変更しないほうがいいです。社内システムやフィルタリング、セキュリティ管理に影響することがあります。DNSは小さな設定に見えますが、ネットワーク全体の入口に関わる重要な設定です。

Google Public DNSは、安定した有力な選択肢です。でも、目的が速度なのか、安全性なのか、トラブル切り分けなのかで使い方は変わります。焦って設定を変えるより、元に戻せる状態を作り、自分の環境で効果を確認しながら使っていきましょう。

参考記事:

Google Public DNS 公式ページ

Google Public DNS の設定手順

今週のベストバイ

おすすめ一覧

資料ダウンロード

弊社のサービスについて詳しく知りたい方はこちらより
サービスご紹介資料をダウンロードしてください