「合同会社はやばい」「後悔するからやめとけ」といった声をネットで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?設立コストが安く、手続きも簡単で人気のある法人形態である一方、「合同会社にしたせいで仕事が取れない」「社員の立場が不安定」「個人事業主と何が違うのか分かりにくい」といったネガティブな意見も存在します。本記事では、合同会社を設立して後悔する人の実例や、「やばい」と言われる理由を徹底解説。あわせて、合同会社のメリット・デメリットや、個人事業主との違い、働く立場から見た注意点もわかりやすくご紹介します。
合同会社とは?仕組みと特徴をおさらい
合同会社(LLC:Limited Liability Company)は、2006年の会社法改正によって導入された法人形態です。株式会社と比べて設立コストが低く、意思決定の柔軟性も高いのが特徴です。
主な特徴
- 設立費用が安い(株式会社の半分以下)
- 役員=出資者で、出資比率に関係なく運営可能
- 決算公告義務なし
- 利益配分の自由度が高い
こうした特性により、スタートアップや個人事業からの法人成り、フリーランスの信頼性向上目的で選ばれることが多くなっています。
合同会社はやばい・やめとけと言われる理由とは?
ネットや知恵袋などでよく見られる「合同会社 やめとけ」「やばい」といった意見には、以下のような不安やリスクが背景にあります。
社会的信用が低いと感じられることがある
「株式会社=ちゃんとした会社」「合同会社=小規模で怪しい」という誤解が一部に残っており、特にBtoBの商談や金融機関との取引においては、会社形態で先入観を持たれるケースがあります。
出資者トラブルや運営ルールの曖昧さ
株式会社と異なり、出資者全員が会社の業務執行権を持つため、意見が食い違うと経営に支障をきたすことも。また、明文化されていない取り決めが原因でトラブルに発展するケースもあります。
スタッフ側の不安定な雇用形態
「合同会社で働くと不安定」と言われる理由は、設立が簡単ゆえに資金的体力の少ない小規模企業が多く、待遇や雇用安定性に不安を持つ人が多い点です。
ネットでの「やめとけ」投稿が拡散されやすい
知恵袋や掲示板では、実際の体験談に基づかないネガティブ投稿が上位に表示されることもあり、実態以上に「やばい印象」が先行してしまう側面もあります。
合同会社で後悔したという失敗談
1. 銀行口座開設に時間がかかった
「会社名に“合同会社”が入っていたことで、融資担当に警戒された」「ネット銀行で審査に落ちた」といった体験談は少なくありません。
2. 大手との取引で不利に働いた
「見積書を出したら“株式会社じゃないんですか?”と聞かれ、信用を得るまで時間がかかった」など、ネームバリューの弱さを感じたという声も。
3. スタッフの採用が難航
「合同会社だと、求職者の応募率が低い」「福利厚生がしっかりしているイメージがない」など、雇用側としての悩みもあります。
合同会社で働くのはやばい?メリット・デメリットを解説
合同会社で「働く側」にとっても、不安の声が上がることがあります。
デメリット
- 小規模な職場が多く、業務負担が重い
- 福利厚生や教育制度が整っていないことが多い
- 退職金制度がない企業も多い
メリット
- 経営陣との距離が近く、自分の意見が通りやすい
- 成果に応じた報酬が得やすい
- 幅広い業務に関われる=スキルアップのチャンス
「合同会社で働く=やばい」とは一概に言えず、個々の企業文化や待遇に大きく依存します。
合同会社と個人事業主の違いと選び方
法人化を検討している方にとって、「合同会社にするか、個人事業主のままか」は重要なテーマです。
合同会社のメリット(個人事業主との比較)
- 信用力が上がる(契約や融資で有利)
- 節税効果が高い(所得の分散・経費処理)
- 社会保険への加入が前提になる=福利厚生の安定
個人事業主のメリット
- 開業手続きが簡単
- 会計処理が比較的楽
- 赤字でも住民税の均等割がかからない
節税や取引先の信用を重視するなら合同会社、柔軟な働き方や身軽さを重視するなら個人事業主、と選び方が分かれます。
合同会社が「やばい会社」にならないためにできること
明確な運営ルールを定める
- 合同会社では定款や業務執行権の取り決めが重要
- 万が一のトラブルを避けるためにも書面化を徹底
スタッフにとっての働きやすさを整備する
- 雇用契約や評価制度、福利厚生を明示することで不安感を軽減
- 求人票や採用面談で企業の安定性・ビジョンを伝える
株式会社への組織変更も視野に
- 信用度を高めたい場合は将来的な「株式会社化」も検討
- 合同会社から株式会社への変更は比較的スムーズ
まとめ:合同会社はやばい?本当のところは「運営次第」
合同会社が「やばい」と言われる背景には、手軽に設立できるがゆえのリスクや、まだまだ認知度が低いことによる誤解があります。しかし、実態としては多くの優良な合同会社も存在し、柔軟かつ効率的な経営ができるという利点も大きいのです。
これから合同会社を設立する人、または働こうとする人は、「合同会社=やばい」と単純に判断せず、自社の実態や方針を見極めた上で検討することが重要です。