ビジネスシーンや日常のコミュニケーションにおいて、「謝罪」にまつわるやり取りは意外と頻繁に発生します。ミスや行き違いがあった際、相手が謝罪をしてきたら、まずは感情的にならず丁寧に返信することが大切です。しかし、その返信に対してさらに「ご丁寧なご返信ありがとうございました」などの再返信が来たとき、「もう一度返事をするべきなのか?」と迷う人も多いでしょう。
本記事では、そうした “謝罪に対する返信の返信” という少し踏み込んだテーマについて、どんなときに返事をすべきか、どんな言葉を使えばよいか、そしてどのように印象良くやり取りを締めくくるかを、初心者にもわかりやすく解説します。豊富な例文とともに、社内外のやり取りや、学生と教授、取引先やお客様など、さまざまなシチュエーション別の対応方法もご紹介します。
なぜ「返信の返信」まで意識すべきなのか?
ビジネスでは「最後の印象」が強く残る
メールのやりとりは、文面だけで完結するコミュニケーションです。つまり、「一通一通のやり取り」が相手の印象をつくる大事な要素になります。たとえば、相手がこちらの返信に対して丁寧に再返信してくれたのに、こちらが完全に無視をしたような形になってしまうと、気まずさが残ることもあります。
もちろん、すべてのやり取りに再返信する必要はありません。しかし、相手が恐縮した様子で「重ねて申し訳ありません」などと返信してきた場合には、「どうぞお気になさらず」と一言でも添えておくと、気遣いが伝わり、信頼関係が深まります。
メール文化の違いに配慮する
また、業種や年齢層、立場によっても、メールへの返し方の “文化” は違います。たとえば年配の方や教授などの目上の方は、やり取りの節目を丁寧に終えたいという意識が強い傾向があります。こうした相手には、ワンクッション置く形で再返信をすると、丁寧で配慮ある人物として印象づけられます。
謝罪された時の基本的な返事メールとは?
謝罪を受け取った際の初動が、相手との信頼関係に大きく関わります。まずは「お詫びに対する返信」そのものを丁寧に行いましょう。
ポイント1:謝罪の気持ちを受け止める
最初に相手が謝ってきたときには、事実確認よりもまず「気遣いに感謝する」姿勢が大切です。例え相手がミスをしたとしても、「ご丁寧にご連絡ありがとうございます」「ご配慮に感謝申し上げます」といった一文があるだけで、相手は安心できます。
ポイント2:責めるような文面は避ける
「ミスをされた側」だからといって、相手を責め立てるような文面では、関係がこじれるリスクがあります。重要なのは、「これからどうするか」。ビジネスでは感情よりも解決を優先しましょう。
ポイント3:気にしていないことを伝える表現例
- 「どうぞお気になさらず」
- 「大事には至っておりませんのでご安心ください」
- 「今後に活かしていただければと思います」
これらの表現を使うことで、相手が再び謝罪を重ねるのを防ぎ、やり取りを前向きに進めることができます。
実践!謝罪に対する返信の返信|シチュエーション別例文集
社外の取引先からの謝罪メールへの再返信
件名:RE: ご丁寧なご返信ありがとうございます
株式会社〇〇 営業部 〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは、先日の件につきまして、改めてご丁寧なご返信をいただき誠にありがとうございました。
お気を遣わせてしまい恐縮ですが、本件はすでに完了しておりますので、どうぞご安心くださいませ。
今後とも末永いお付き合いを賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
株式会社△△ 営業企画部 □□
社内の同僚・部下への気遣いを込めた返信
件名:RE: お詫びの件について
〇〇さん
お疲れさまです。△△です。
昨日の件、改めてご丁寧なご連絡をありがとうございました。
今回は些細な行き違いでしたので、どうぞ気にせず、今後も同じように協力して進めていきましょう。
いつも前向きに取り組んでくれていること、感謝しています。
これからもよろしくお願いします!
△△
教授や上司など目上の人への対応|返信の返信マナー
目上の方から謝罪や丁寧な返信を受けた場合、特に注意したいのは「謙虚な姿勢を保つこと」と「感謝を忘れないこと」です。
教授からのメールに対する例文
件名:RE: ご返信ありがとうございました
〇〇教授
お忙しい中、わざわざご丁寧なご返信をいただき、誠にありがとうございました。
恐縮ではございますが、すでにご配慮をいただいておりますので、どうぞお気になさらないでください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
△△大学△△学部 □□
お客様対応|謝罪された場合の返信文例とポイント
顧客対応では、「気遣いのある返信」がそのまま企業評価につながることも多いため、特に慎重に行うべきです。
メール例文(お客様からの謝罪への返信)
件名:RE: ご連絡ありがとうございます
〇〇様
このたびは、わざわざご丁寧なご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
ご不便をおかけした件につきましては、当方でも特に問題ございませんでしたので、どうぞお気になさらないでくださいませ。
今後とも〇〇サービスをご愛顧いただけますよう、心よりお願い申し上げます。
よく使われる謝罪受容の表現集|言い換えで印象を柔らかく
カジュアル表現 | ビジネスでの丁寧表現 |
---|---|
気にしないでください | どうぞお気になさらずご安心ください |
了解しました | 承知いたしました/かしこまりました |
ありがとう | ご丁寧にありがとうございます |
またお願いします | 今後ともどうぞよろしくお願いいたします |
相手の立場や文脈に応じて、言い換えを意識することで、より円滑なやり取りが可能になります。
まとめ|最後まで「誠意ある対応」が印象を決める
「謝罪に対する返信の返信」というやり取りは、対応を間違えると冷たい印象を与えてしまいかねません。しかし、丁寧に一言添えるだけで、誠実な人柄や配慮が伝わり、信頼関係を深めることができます。
一見小さなやり取りに見えても、その積み重ねがあなたや自社の印象を形作っていきます。相手の気持ちを尊重しつつ、やさしく言葉を返す──それだけで「感じのよい人」という印象を残すことができます。
今回ご紹介した例文やフレーズを、ぜひ日々のコミュニケーションに活かしてみてください。