ビジネスの現場では、社外の取引先や社内の別部署に打合せの依頼をすることが日常的に発生します。しかし、「どんな言い回しが失礼にならないか」「初めての相手にはどう伝えたらいいか」「オンライン打ち合わせの連絡は?」といった悩みを持つ人は少なくありません。この記事では、打合せ依頼メールの基本的な書き方から、社外・社内・初めての相手別の文例、件名の付け方、オンライン対応まで、初心者にもわかりやすく、丁寧な言葉で解説します。メールのテンプレートや返信例も多数紹介しているので、明日からすぐ使える実践的な内容としてお役立てください。
打合せ依頼メールの基本構成とマナー
なぜ丁寧な依頼メールが重要なのか
打合せの依頼メールは、単に「打合せをしたい」と伝えるだけのものではありません。それは相手の貴重な時間を使ってもらうお願いであり、ビジネスマナーや信頼関係が表れる重要なコミュニケーション手段です。雑な文面や曖昧な言葉は、相手に不快感を与えるだけでなく、内容の意図が伝わらずに無視されてしまう可能性すらあります。
特に社外の関係者や初めての相手に対しては、礼儀正しく、わかりやすく、かつ具体的に伝える必要があります。形式的な部分を押さえることで、読み手も安心して返信できますし、業務もスムーズに進行します。打合せ依頼メールは、ビジネスにおける「信用づくりの第一歩」と言っても過言ではありません。
基本的な構成と書き方のポイント
- 件名:要件がすぐわかるように。あいまいな件名は避け、具体的にする
- 宛名:会社名・部署名・氏名を正しく記載
- あいさつ+自己紹介:初めての相手には自己紹介を忘れずに
- 依頼の目的と理由:なぜ打合せをお願いするのか、背景を簡潔に伝える
- 日程の提案(候補日を複数):選択肢を出すことで相手が返信しやすくなる
- 方法や場所の提案:オンラインか対面か、場所はどこか
- 返信のお願い・締めの言葉:相手に負担をかけない柔らかい表現で結ぶ
- 署名:社名・部署・氏名・連絡先を明記
この構成を押さえておけば、どんな状況でも落ち着いてメールが書けます。
社外への打ち合わせ依頼メールの書き方と例文
社外の方へメールを送るときは、丁寧さ・信頼感・読みやすさのバランスが重要です。特に初めてメールを送る相手や、役職が上の方への依頼には最大限の配慮が求められます。
社外宛てのメールの注意点
- ビジネス敬語を正しく使う(例:「ご査収ください」→「ご確認いただけますと幸いです」)
- 打合せの背景・目的を一文で説明する
- 複数の候補日を出す
- 書きすぎて長文にならないように注意
件名の例(相手が一目で内容を把握できるもの)
- 【打合せのご依頼】新サービス導入に関するご相談
- 【日程調整のお願い】○○件に関する打合せ
- 【ご相談】○○の進行に関する打合せの件
社外向けメール例文
件名:【打合せのご依頼】○○プロジェクトの件
株式会社○○ ご担当者様
いつもお世話になっております。 株式会社△△の□□と申します。
このたび、○○プロジェクトの進行にあたり、 いくつか確認させていただきたい事項がございます。 つきましては、30分ほどオンラインでお打合せの機会を頂戴できればと存じます。
以下の日時の中で、ご都合の良いお時間がありましたらご教示いただけますでしょうか。
・○月○日(火)10:00〜11:00 ・○月○日(水)14:00〜16:00 ・○月○日(木)終日可能
ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
――――――――― 株式会社△△ 営業部 □□ TEL:03-xxxx-xxxx Mail:xx@△△.co.jp
社内への打ち合わせ依頼メールの書き方と例文
社内へのメールは、ある程度カジュアルでも問題ありませんが、部署が異なる場合や初めて依頼する場合は丁寧さを忘れないようにしましょう。
社内宛ての書き方のポイント
- 同じ会社だからといって略語やフランクな言葉ばかり使わない
- 相手の業務状況を思いやる表現(例:「お忙しいところ恐れ入りますが」)
- ミーティングの目的を簡潔に書く
社内向けメール例文
件名:【打合せのお願い】○○システムの仕様確認について
△△部 〇〇さん
お疲れさまです。□□部の●●です。
○○システムに関して、仕様の確認と対応方針について一度お打合せをさせていただきたいと考えております。
以下、候補日時となります。ご都合の良いタイミングがあればお知らせいただけますと幸いです。
・○月○日(火)10:00〜11:00 ・○月○日(水)13:00〜14:00
打合せは会議室A、またはTeamsでも可能です。ご希望の形式をお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――― ●●(氏名)/□□部 内線:1234
初めての打ち合わせ依頼メールで意識すべきポイント
初めての相手には、信頼を得るために「誰からのメールか」「なぜ連絡を取ったのか」を明確に伝えることが非常に重要です。特に営業メールや紹介を受けた場合など、相手に安心してもらうための配慮が必要です。
初対面のメールで意識すること
- 名刺交換がないため、自己紹介を丁寧に
- 紹介者がいれば明記する
- わかりやすく簡潔に要件をまとめる
初めての相手向け例文
件名:【打合せのご提案】〇〇に関するご相談
株式会社〇〇 営業部 ○○様
突然のご連絡失礼いたします。 私、株式会社△△の□□と申します。
弊社では現在、〇〇の件で貴社と連携の可能性について検討しており、 一度詳しくお話を伺えればと考えております。
下記日時で、30分ほどお打合せの機会を頂けないでしょうか。
・○月○日(火)14:00〜15:00 ・○月○日(水)10:00〜11:00
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご検討いただけますと幸いです。
――――――――― 株式会社△△ 営業部 □□ TEL:03-xxxx-xxxx
オンライン打ち合わせの依頼メールと事前準備の注意点
コロナ以降、打合せはオンラインで行うことが増えました。ZoomやTeamsを使用する場合には、事前に接続方法・URL・資料の送付タイミングなども明記しておくとスムーズです。
オンライン依頼メールの例文
件名:【オンライン打合せのご案内】〇〇の進行に関して
株式会社〇〇 ○○様
いつもお世話になっております。 株式会社△△の□□です。
〇〇の進行について、以下の日程でオンラインミーティングをお願いできればと考えております。
・○月○日(水)14:00〜15:00 ・Zoom利用(URLは当日1時間前に送付予定) ・資料は事前にPDFでお送りします
ご都合が合いましたら、ご返信いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
打ち合わせ打診メールのスマートな伝え方
正式な依頼より前に「軽く相談したい」「まだ確定事項ではないが、時間をもらいたい」という場面では、“打診メール”という形でやんわりと伝える表現が効果的です。
打診メールの例文
件名:【ご相談】今後の進行についての打合せのお願い
○○株式会社 ○○様
いつもお世話になっております。 株式会社△△の□□でございます。
現在進めております〇〇案件について、今後のスケジュールや課題共有も兼ねて、 一度軽くお打合せできればと考えております。
正式なご相談ではなく、情報共有を目的とした内容となります。 下記日時で、オンライン・対面いずれかご希望に合わせます。
・○月○日(火)14:00〜15:00 ・○月○日(水)10:00〜11:00
ご都合はいかがでしょうか。
――――――――― 株式会社△△ □□(名前)
打合せ依頼メールへの返信の書き方と文例
メールを受け取った側も、丁寧な返信を心がけることでスムーズな日程調整が可能になります。
了承する場合
○○様
お世話になっております。 株式会社△△の□□でございます。
打合せのご依頼ありがとうございます。 いただいた日程のうち、○月○日(火)10:00〜で問題ございません。
当日はよろしくお願いいたします。
――――――――― □□(署名)
調整が必要な場合
○○様
お世話になっております。 株式会社△△の□□です。
ご連絡いただきありがとうございます。 大変恐縮ですが、いただいた候補日程は都合がつかず、 以下の日時で再調整いただくことは可能でしょうか。
・○月○日(金)13:00〜14:00 ・○月○日(月)11:00〜12:00
ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。
まとめ
打合せ依頼メールは、相手の立場や状況を踏まえて配慮ある言葉選びが求められます。特に社外の方や初めての相手に送る場合には、「誠実さ」と「わかりやすさ」が鍵です。
この記事で紹介した構成や例文を参考に、自分の業務に合ったメールの書き方を見つけていただければと思います。ちょっとした一文にも、あなたの人柄や信頼感がにじみ出るもの。丁寧で的確なメールが、円滑なコミュニケーションとビジネスの成功につながるはずです。