「売上を伸ばしたいけど、客数には限界がある…」そんなときに鍵を握るのが「客単価アップ」です。この記事では、飲食店・小売・アパレル・スーパーといった業種別に、今すぐ実践できる客単価アップの施策を具体例とともにわかりやすく紹介します。ロロント株式会社がマーケティングの視点から、店舗運営者の皆様に向けて実践的なヒントをお届けします。
目次
客単価とは?なぜ重要なのか
客単価の定義
客単価とは「1人のお客様が1回の来店で使う平均金額」のこと。計算式は以下の通りです。
客単価 = 総売上 ÷ 来店客数
客単価を上げるとどうなる?
客数を増やすのが難しい業種でも、客単価が上がれば売上を効率的に伸ばせます。
例:
- 1日の客数が100人 → 客単価1,000円 → 売上10万円
- 客単価を1,100円に上げる → 売上11万円(10%アップ)
「たった100円のアップ」でも、積み重ねれば大きなインパクトになります。
客単価アップの基本戦略3つ(どの業種にも応用可)
1. セット・追加提案で“ついで買い”を促す
- 「+100円でドリンクセット」「おすすめ商品はこちら」など
- 小さな追加を促す心理トリガーが効果的
2. 高単価商品の訴求を強化する
- メニュー・売場・導線で高単価商品に目が留まるようにする
- 限定感やプレミアム感を演出
3. 接客で“納得のアップセル”を実現
- 押し売りではなく「自然な提案」「選ぶ楽しさ」を与える接客がポイント
業種別:客単価を上げる具体的な方法
飲食店:客単価を上げるにはどうする?
・セットメニュー化
- 単品よりも「セットにするとお得感」があるように設計
- ランチ+ドリンク+ミニデザートで構成
・トッピング・サイズアップ提案
- ラーメン店で「大盛り無料」→ 通常サイズとの差額分を利益に
- ハンバーガーのポテトLサイズ化で+50円など
・季節限定・数量限定メニュー
- 高単価商品の「今だけ」訴求で購買意欲を刺激
・スタッフによる声かけ・おすすめトーク(客単価 上げる 接客)
- 「今日はこちらが人気です」などの一言が背中を押す
小売店:客単価を上げるには?
・クロスMD(関連商品を並べる)
- 例:靴売場に靴下、洋服売場に洗濯ネット・衣類用ハンガー
・ついで買いを促すレジ横商品
- 低価格帯の商品をレジ周辺に配置して会計時の追加購入を狙う
・3点まとめ買い割引
- 「3点以上で10%OFF」など、複数購入を促す
・顧客の購入履歴を活かした接客
- 「前回お買い上げの○○に合う新作ありますよ」と声かけする
アパレル:客単価上げるにはどうする?
・コーディネート提案によるセット販売
- 「トップス+パンツ+バッグ」でワンルック提案
- マネキンやスタッフ着用例で見せる
・スタイリングサービス
- お客様の悩みをヒアリングしながら商品を複数提案
・限定アイテムの訴求
- 「オンラインでは買えない」「ここだけ」の限定感で単価アップ
・VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)強化
- 高単価商品を入り口や目線の高さに配置する
スーパー:客単価を上げるには?
・バンドル販売(まとめ売り)
- 「3個で298円」「2パックで500円」など
・ついで買い導線の設計
- パン売場にコーヒー、鍋コーナーにスープの素など
・惣菜コーナーのセット化
- 単品弁当に「+副菜・汁物」のセット提案
・プライベートブランド(PB)の活用
- 高単価でも信頼感があるPBを戦略的に配置
心理学を使った客単価アップの施策事例
事例①:アンカリング効果を使った高単価メニュー誘導(飲食店)
- メニューの最初に「特選コース 4,980円」を記載し、その下に「定番コース 3,280円」を配置。
- 高額商品が“基準”として印象付けられることで、真ん中の価格が“お得に見える”ようになり、3,280円コースの注文比率が上昇。
事例②:選択肢の法則(ゴルディロックス効果)を活用(カフェ)
- S・M・Lの3サイズ展開を導入し、Mサイズを標準的な価格・量に設定。
- 「真ん中を選びやすい」という心理によりMサイズ比率が大幅に上がり、Lサイズ選択者も増加。
事例③:希少性・限定性で単価を引き上げる(アパレル)
- 「本日限定」「今週入荷分のみ」「再入荷なし」など、商品タグに“今だけ”を強調。
- 売場での購買決定スピードが上がり、高価格帯商品の販売比率が向上。
事例④:ディフォルト効果を応用したセット販売(スーパー)
- 惣菜コーナーで「弁当+サラダ+味噌汁セット 598円」を最初からセット表示。
- “セットになっている方が普通”という印象を与え、セット選択率が約40%上昇。
事例①:居酒屋で「声かけトッピング提案」で月商+15%
- 「ネギ増しできますよ」の声かけで平均100円アップ
事例②:アパレルで「1万円福袋企画」で購買単価が倍に
- 限定販売・スタッフの着用投稿と連動し完売
事例③:スーパーで「3個まとめ買い表示」で売上構成が変化
- バラ売りよりもまとめ表示にしただけで売上20%アップ
客単価アップの成功事例
事例①:居酒屋で「声かけトッピング提案」で月商+15%
- 「ネギ増しできますよ」の声かけで平均100円アップ
事例②:アパレルで「1万円福袋企画」で購買単価が倍に
- 限定販売・スタッフの着用投稿と連動し完売
事例③:スーパーで「3個まとめ買い表示」で売上構成が変化
- バラ売りよりもまとめ表示にしただけで売上20%アップ
客単価アップの注意点と落とし穴
値上げ=客単価アップではない
- 単価は上がっても来店頻度が落ちれば意味がない
無理な押し売りは逆効果
- 「納得感」がないとクレームや離反につながる
人によって提案の“温度”を変える
- 全員に同じ提案ではなく、リピーターと初回客で内容を変える
まとめ|小さな工夫で“100円アップ”が売上を変える
客単価を上げるには、大がかりな施策よりも「小さな改善」の積み重ねがカギです。
- セット販売、関連商品提案、声かけトーク
- 見せ方・並べ方・演出による高単価訴求
- 業種や客層に合った導線やイベント設計
ロロント株式会社では、客単価改善に向けた施策設計やスタッフ教育、売場改善支援を行っています。もっと利益率を高めたいと考える方は、お気軽にご相談ください。