従業員エンゲージメントとは?測定方法から指標・質問例・スコアの見方まで解説

最近、多くの企業で注目されている従業員エンゲージメントという言葉をご存知でしょうか。これは単なる社員の仲の良さや満足度を指すものではなく、会社と従業員が共に成長しようとする強い信頼関係を意味しています。今の時代、優秀な人材に長く活躍してもらうためには、このエンゲージメントの理解と向上が欠かせません。この記事では、従業員エンゲージメントの定義から、具体的な測定方法、改善に繋がる質問例まで、明日から現場で使える知識を網羅的に分かりやすく解説します。この記事を読めば、組織の課題が明確になり、活気あるチーム作りの第一歩を踏み出せるようになりますよ。


目次

従業員エンゲージメントの意味とは?従業員満足度との違いを比較

従業員エンゲージメントという言葉を耳にすることが増えましたが、その正確な意味を説明できる方は意外と少ないかもしれませんね。日本語では、エンゲージメント(Engagement)は約束や婚約、あるいは絆といったニュアンスで使われることが多いですが、ビジネスシーンにおいては従業員が会社の掲げるビジョンや目標に共感し、自発的に貢献したいと思う意欲を指します。いわば、会社と従業員の相思相愛の度合いを表していると言えるでしょう。

会社への貢献意欲や愛着心を示す従業員エンゲージメントの定義

従業員エンゲージメントとは、従業員が組織に対して抱く愛着心や、組織の成功のために自らの力を発揮したいという自発的な意欲のことです。これは決して、会社から言われたことをただこなす従順さとは違います。従業員一人ひとりが、自分の仕事が会社の目標達成にどう繋がっているかを理解し、主体的に動いている状態を指すのです。

  • 会社が目指す方向性(ビジョンや理念)に深く共感している
  • 自分の役割に誇りを持ち、周囲と協力して価値を生み出そうとしている
  • 個人と会社の成長が同じベクトルに向かっている

例えば、あるIT企業で働くエンジニアが、単に給料のためにコードを書くのではなく、このプロダクトで世の中を便利にしたいという会社の思いに共感して、自ら技術的な提案を行うような状態です。このような状態の従業員が増えることで、組織全体の活気が高まり、イノベーションも生まれやすくなりますよ。

また、エンゲージメントは一方通行のものではありません。会社側も従業員の成長やキャリアを真剣に考え、支援する姿勢を見せることが重要です。お互いが信頼し合い、高め合える関係性こそが、真のエンゲージメントが育まれている状態だと言えます。今の2026年という時代において、個人の価値観が多様化する中で、こうした心の繋がりを重視する経営がますます求められています。

従業員満足度とエンゲージメントの決定的な違いを解説

よく混同されがちなのが、従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)との違いです。従業員満足度とは、福利厚生や給与、職場環境など、会社が提供するものに対して従業員がどれだけ満足しているかという、いわば受動的な指標を指します。一方でエンゲージメントは、先ほどもお伝えした通り、従業員が自ら会社に貢献しようとする能動的な姿勢のことです。

  • 従業員満足度は「居心地の良さ」を測るもので、必ずしも業績には直結しない
  • 従業員エンゲージメントは「貢献への熱量」を測るもので、生産性と高い相関がある
  • 満足度が高くても、会社のために頑張ろうという意欲(エンゲージメント)が低いケースもある

想像してみてください。お給料も良くてお休みもたっぷり、残業も一切ない職場があったとします。これだけ聞くと、従業員の満足度は非常に高そうですよね。しかし、もしその従業員が、会社の未来に全く興味がなく、ただ時間が過ぎるのを待っているだけだとしたら、それはエンゲージメントが高いとは言えません。

逆に、たとえ繁忙期で忙しくても、このプロジェクトを絶対に成功させてお客さんに喜んでもらいたいと奮闘しているチームは、エンゲージメントが高い状態です。もちろん、満足度を軽視していいわけではありません。適切な待遇や環境があってこそ、安心してエンゲージメントを高める土壌が整うからです。この両者の違いを正しく理解することが、組織改善の第一歩となります。


従業員エンゲージメントを向上させるメリットとは?生産性や離職率への影響

なぜ今、これほどまでに従業員エンゲージメントが重要視されているのでしょうか。それは、エンゲージメントの高さが企業の生存戦略に直結するからです。人口減少が進み、労働力の確保が難しくなっている2026年の日本において、今いるメンバーがいかに最高のパフォーマンスを発揮し、定着してくれるかは死活問題と言えるでしょう。ここでは、エンゲージメントを高めることで得られる具体的なメリットを深掘りしていきます。

組織の生産性を高めて業績を最大化させるメリット

エンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して非常に前向きで、主体的な姿勢を持っています。これが組織全体に広がることで、生産性は飛躍的に向上します。言われたこと以上の付加価値を生み出そうとする姿勢が、結果として顧客満足度を高め、企業の売上や利益という目に見える成果に繋がっていくのです。

  • 自発的な創意工夫が生まれ、業務プロセスの効率化が進む
  • 従業員同士の連携がスムーズになり、チームとしての遂行能力が上がる
  • サービスや製品の質が向上し、リピーターやファンの獲得に繋がる

例えば、店舗の接客スタッフが会社の理念に共感していれば、マニュアルにない気配りや提案をお客様に行うようになります。その結果、お客様はそのお店のファンになり、売上が伸びていくという好循環が生まれます。これは、単純な報酬による動機づけだけでは到達できない領域です。

さらに、エンゲージメントが高い組織では、社員同士がお互いを認め合い、高め合う文化が根付いています。困っている仲間がいれば自然と助けの手が差し伸べられ、プロジェクトの遅延やミスを未然に防ぐ力も強くなります。このように、個人の熱量が組織の力として結集されることで、競合他社には真似できない強力な競争優位性が築かれるのですね。

優秀な人材の離職率を低下させ定着率を安定させる効果

もう一つの大きなメリットは、離職の防止です。従業員が会社に愛着を持ち、ここで働くことに意味を感じていれば、他社から少し条件の良い誘いがあったとしても、簡単には揺らぎません。採用コストや教育コストが高騰している現代において、優秀な人材の流出を防ぐことは、経営上の大きなプラスになります。

  • 会社への帰属意識が高まり、長期的なキャリア形成を社内で考えるようになる
  • 心理的安全性が保たれることで、ストレスによる休職や離職が減少する
  • 辞めた従業員が会社の悪評を流すリスクが減り、逆にポジティブな口コミが広がる

最近は、SNSや転職サイトで会社の内部情報がすぐに広まる時代です。エンゲージメントが高い会社は、現役社員だけでなく退職者からも好意的に語られることが多く、それが採用ブランディング(採用力を高めるための活動)にも良い影響を及ぼします。いわゆるアルムナイ(退職者)ネットワークが機能し、一度辞めた人が戻ってきたり、優秀な人を紹介してくれたりすることもありますよ。

離職が減れば、社内にノウハウや経験が蓄積され、組織としての成熟度が増していきます。逆に離職率が高いと、常に新しい人の教育にリソースを割かれ、現場は疲弊し、さらに離職を招くという負のスパイラルに陥ってしまいます。エンゲージメントを高めることは、こうした負の連鎖を断ち切り、持続可能な組織を作るための最強の盾となるのです。


従業員エンゲージメントの測定方法とは?サーベイ実施の手順と注意点

エンゲージメントの重要性が分かったところで、次は「今の自社の状態はどうなのか」を正しく把握する必要があります。目に見えない従業員の心の内を数値化するのは難しく感じるかもしれませんが、現在は科学的な手法に基づいた測定方法が確立されています。ここでは、代表的な測定方法であるサーベイ(調査)の手順や、成功させるためのポイントを詳しく見ていきましょう。

eNPS(従業員推奨度)を活用して忠誠度を数値化する測定方法

eNPS(Employee Net Promoter Score)は、もともと顧客ロイヤリティを測るために開発されたNPSを、従業員向けに応用した指標です。質問は非常にシンプルで、「あなたは現在の職場を親しい知人や友人にどの程度おすすめしたいと思いますか?」という一問に対して、0から10の11段階で回答してもらいます。

  • 9点から10点をつけた人を「推奨者」、7点から8点を「中立者」、0点から6点を「批判者」と分類する
  • 推奨者の割合(%)から批判者の割合(%)を引いた数値がeNPSのスコアになる
  • スコアがプラスであれば良好、マイナスが大きければ改善が必要と判断する

この測定方法のメリットは、回答者の負担が非常に少なく、継続的に実施しやすい点にあります。また、単純な満足度ではなく「他人に勧めたいか」という究極の問いを立てることで、従業員の真の忠誠心や愛着を浮き彫りにできるのです。例えば、給与に満足していても、激務で友人に勧めたくないと思っている場合、このスコアは低くなります。

ただし、eNPSの結果だけで全てを判断するのは危険です。なぜその点数をつけたのかという理由をフリーコメント(自由記述欄)などで補足してもらうことで、具体的な課題が見えてきます。「人間関係は最高だが、評価制度に不満がある」といったリアルな声こそが、次の一手を考えるためのヒントになります。定期的に実施して、スコアの推移を追いかけることが、組織の変化をいち早く察知するコツですよ。

定期的なパルスサーベイで組織の状態をリアルタイムに把握する

パルスサーベイとは、その名の通り脈拍(パルス)を測るように、ごく短いアンケートを毎週や毎月といった短いスパンで繰り返し実施する調査方法です。年に一度の大きな調査(センサス)だけでは捉えきれない、組織の細かな体調の変化をリアルタイムで把握できるのが最大の特徴です。

  • 質問数は5問から10問程度に絞り、数分で答えられるようにする
  • メンタルヘルスの不調や、急激なエンゲージメントの低下を早期発見できる
  • 実施した施策がすぐに効果を発揮しているかを検証するツールとしても有効

例えば、新しいリーダーが着任した部署で、パルスサーベイのスコアが急落したとします。年一回の調査しかなければ気づくのが遅れますが、パルスサーベイなら「何かトラブルが起きているのでは?」とすぐに面談などの対策を打つことができます。病気と同じで、組織の課題も早期発見・早期治療が鉄則ですよね。

パルスサーベイを成功させるコツは、回答結果を必ず従業員にフィードバックし、具体的なアクションに繋げることです。「アンケートに答えても何も変わらない」と思われてしまうと、回答の質が下がり、形骸化してしまいます。「前回の調査で出た不満を受けて、オフィス環境を改善しました」といったフィードバックをセットで行うことで、調査自体が会社との信頼関係を深めるコミュニケーションの一部になっていきます。


従業員エンゲージメントの指標とは?スコアを構成する主要な要素一覧

従業員エンゲージメントを正しく理解し、改善につなげるためには、どのような要素がそのスコアを形作っているのかを知る必要があります。単に「やる気があるかないか」という精神論ではなく、論理的な指標に基づいて分析することが、精度の高い組織改善には欠かせません。ここでは、世界的に活用されている主要な指標や尺度について詳しく解説します。

ワーク・エンゲージメントを測るユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度

ワーク・エンゲージメントという言葉を提唱したシャウフェリ教授らによって開発されたのが、このユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)です。これは、仕事に対して従業員がいかにポジティブで充実した心理状態にあるかを測定するもので、以下の3つの構成要素から成り立っています。

  • 活力:仕事中にエネルギーに溢れ、粘り強く取り組んでいる状態
  • 熱意:仕事に誇りややりがいを感じ、熱中している状態
  • 没頭:仕事に深く集中し、時間が経つのを忘れるほど夢中になっている状態

例えば、朝からやる気に満ち溢れ、難しい課題にも「よし、やってやろう」と前向きに取り組めるなら、活力が高いと言えます。また、自分の仕事が社会の役に立っていると強く実感できているなら、それは熱意がある状態です。これらが高い数値を示している組織は、従業員が燃え尽きることなく、持続的に高いパフォーマンスを発揮できています。

この指標の優れた点は、仕事そのものに対する心理状態を浮き彫りにできることです。会社全体の仕組みも大事ですが、日々のタスクにどれだけワクワクできているかは、エンゲージメントの核となる部分です。UWESの結果を分析することで、職務内容の設計や役割分担が適切かどうかを判断する材料になります。現場のマネージャーがメンバーの様子を観察する際にも、この3要素を意識すると状況がよく見えてきますよ。

組織へのコミットメントを評価する主要な指標の見方

ワーク・エンゲージメントが「仕事そのもの」に焦点を当てるのに対し、組織コミットメントは「所属する組織」に対する愛着や絆を測る指標です。アレンとマイヤーという学者が提唱した3要素モデルが有名で、従業員がなぜその会社に留まり続けているのかを分析するのに役立ちます。

  • 情緒的コミットメント:会社が好きだから、会社と価値観が合うからという心理的な絆
  • 存続的コミットメント:辞めると経済的な損失が大きいから、他に行く場所がないからという打算的な理由
  • 規範的コミットメント:会社に恩義があるから、途中で辞めるのは道徳的に良くないからという義務感

理想的なのは、情緒的コミットメントが高い状態です。会社への愛着や共感に基づいて働いているため、最も高いパフォーマンスが期待できます。逆に、存続的コミットメントだけが高い場合は要注意です。「給料がいいから仕方なくいる」という状態なので、他に条件の良い会社が現れればすぐに流出してしまうか、社内に残っても最低限の仕事しかしない可能性があります。

これらの指標を複合的に見ることで、組織の健康状態がより正確に分かります。例えば、eNPSは高いのに、情緒的コミットメントが低いといった歪みが見つかるかもしれません。その場合は、会社のビジョン浸透が足りないのか、あるいは特定の待遇だけに依存した関係になっていないか、といった深掘りが可能になります。指標を正しく使い分け、多角的な視点を持つことが、的確な改善策を導き出すための鍵となります。


従業員エンゲージメント調査で使える質問例とは?効果的な設問の作り方

いざ調査を始めようと思っても、どのような質問を投げかければ本音が聞き出せるのか、悩んでしまうこともありますよね。質問の意図が曖昧だと、回答も曖昧になり、結局何が課題なのか分からないまま終わってしまいます。ここでは、従業員の心理を的確に捉え、具体的なアクションに繋げやすい質問例を、カテゴリー別に詳しくご紹介します。

会社や仕事への愛着を把握するための具体的な質問例

まずは、エンゲージメントの核となる会社への信頼や、自分の仕事への誇りを測るための質問です。これらの回答からは、従業員がどれだけ自社の将来に期待し、自分自身の貢献を肯定的に捉えているかが分かります。

  • 「今の会社が掲げるビジョンや目標に、自分も貢献したいと強く感じますか?」
  • 「今の仕事を通じて、自分自身の成長やスキルアップを実感できていますか?」
  • 「この会社の一員であることを、友人や家族に誇りを持って話せますか?」

例えば、1つ目の質問に対して否定的な回答が多い場合、トップのメッセージが現場まで届いていない、あるいは理念が形骸化している可能性があります。また、3つ目の質問は、個人のアイデンティティと会社の繋がりを測る非常に強力な問いです。会社での時間が、ただの切り売りではなく、自分の人生にとって価値あるものになっているかどうかを浮き彫りにします。

これらの質問を設計する際は、5段階評価(非常にそう思う、から、全くそう思わない)で答えてもらうのが一般的です。回答の平均値を見るだけでなく、「全くそう思わない」という強い否定派がどれくらいいるかにも注目してください。極端な不満を持っている層の声を無視せず、その背景にある真実を探ることが、組織の崩壊を防ぐための防波堤になりますよ。

職場環境や人間関係の満足度を深掘りする設問のテンプレート

次に、日々の働きやすさに直結する職場環境や人間関係についての質問です。どんなにビジョンに共感していても、現場でのギスギスした人間関係や、非効率な環境があれば、エンゲージメントは削られてしまいます。

  • 「職場で上司や同僚と、率直な意見交換ができる関係性が築かれていますか?」
  • 「あなたが成果を出したとき、正当に評価され、認められていると感じますか?」
  • 「仕事を進める上で必要な情報やツールが、適切に提供されていますか?」

人間関係についての質問では、特に心理的安全性が確保されているかどうかが重要です。「ミスをしても責められない」「違う意見を言っても無視されない」といった安心感があってこそ、エンゲージメントは高まります。また、評価に関する質問は非常にセンシティブですが、ここへの不満は離職の強力な引き金になります。評価の基準が不透明なのか、あるいはフィードバックの質が低いのか、具体的な原因を特定するためのヒントになります。

さらに、環境面については、「仕事に必要なリソースが足りているか」を問うことが大切です。やる気はあるのに、PCのスペックが低い、会議室が取れない、といった些細なストレスが積み重なると、徐々に熱意が奪われてしまいます。こうした現場のボトルネック(進行を妨げる要因)を特定し、一つずつ取り除いていくことも、エンゲージメント向上のための立派な施策になりますよ。


従業員エンゲージメントスコアの見方とは?分析結果を改善に活かすコツ

調査結果が手元に届いたら、次はその数字をどう読み解くかが勝負です。単に「前年より上がった、下がった」と一喜一憂するだけでは、本当の意味で組織を変えることはできません。データの裏側にある従業員の感情を推察し、効果的な打ち手を見つけるための「スコアの正しい見方」を身につけましょう。

業界平均や自社の過去データとスコアを比較して分析する方法

スコアを分析する際、最初に行うのが比較です。数字そのものに意味があるのではなく、何かと比較することで初めて「自社の立ち位置」が明らかになります。大きく分けて2つの比較視点を持つことが重要です。

  • 外部比較:同業他社や、似たような規模の企業(業界ベンチマーク)と比較する
  • 内部比較:自社の過去のスコアや、部署間、役職間での差を比較する

例えば、自社のeNPSがマイナス10だったとします。これだけ見ると悪そうに感じますが、もし業界平均がマイナス30であれば、自社は比較的検討していると言えます。一方で、営業部はプラス20なのに開発部がマイナス40というように、部署間で大きな乖離がある場合は、開発部のマネジメントや業務負荷に重大な課題が隠れている可能性が高いですよね。

また、属性別の分析(年齢層、勤続年数、中途/新卒など)も非常に有効です。入社3年目までの若手のスコアが急落しているなら、オンボーディング(新人が組織に馴染むための支援)に問題があるかもしれません。逆にベテラン層のスコアが低い場合は、キャリアパスの停滞や、新しい技術への適応に不安を感じている可能性があります。このように、データを切り分けて見ることで、改善すべきターゲットが明確になりますよ。

スコアの低い部署や項目から優先順位をつけて改善策を立てる手順

すべての課題を一度に解決しようとするのは無理があります。リソースは限られていますから、スコアから読み取れる課題に優先順位をつけ、インパクトの大きいものから着手するのが賢明です。

  • インパクト×実現性:解決した際の効果が大きく、かつ実行しやすいものから選ぶ
  • 根本原因の特定:スコアが低い原因が、制度なのか、人なのか、文化なのかを見極める
  • 短期施策と中長期施策:すぐに変えられることと、時間をかけて変えることを分ける

例えば、「上司とのコミュニケーション」のスコアが低い場合、すぐにできることとしては、1on1の実施ルールを決めるといった施策があります。一方で「給与体系への不満」などは、制度自体の見直しが必要になるため、中長期的なプロジェクトになります。まずは、現場で「会社が変わろうとしている」ことを実感してもらうために、手近な不満をスピーディーに解消することが信頼獲得のコツです。

また、スコアが良い項目にも注目してください。それは自社の「強み」です。強みをさらに伸ばすことで、弱みをカバーできることもあります。例えば、チームワークが非常に良いという強みがあれば、それを利用して部署横断のプロジェクトを立ち上げ、停滞している課題を突破するといったアプローチも考えられます。数字をネガティブに捉えるだけでなく、組織の可能性を信じるためのツールとして活用していきましょう。


2026年最新の従業員エンゲージメントを向上させる具体的な方法

2026年現在、働き方はさらに多様化し、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークが定着しています。このような環境下でエンゲージメントを高めるには、これまでの手法に加え、今の時代に合った新しいアプローチが必要です。ここでは、特に効果が高いとされる具体的な改善アクションをご紹介します。

1on1ミーティングの質を高めて心理的安全性を構築する方法

もはや当たり前となった1on1ミーティングですが、形骸化して「単なる進捗報告会」になってはいませんか。エンゲージメントを高めるための1on1は、上司が部下の話を聴き、その人のキャリアや価値観を深く理解するための時間です。

  • 業務の話は2割に抑え、残りの8割は本人の悩みや挑戦したいことに充てる
  • 否定せずに最後まで話を聴く「アクティブリスニング(積極的傾聴)」を徹底する
  • 本人の強みをフィードバックし、期待していることを明確に伝える

「自分のことを一人の人間として見てくれている」という実感が、上司への信頼、ひいては会社へのエンゲージメントに直結します。特に2026年は、AIツールを活用して1on1の対話を記録し、過去の傾向から部下のモチベーションの変化を察知するマネジメント支援も普及しています。テクノロジーを使いつつ、最後は「人としての温かい対話」を大切にすることが、心の距離を縮める一番の方法ですよ。

また、心理的安全性が高まると、部下から悪いニュースや率直な提言が上がってくるようになります。これは組織の危機管理能力が高まることでもあります。上司側も「自分も完璧ではない」と弱さを見せる(自己開示する)ことで、部下も本音を話しやすくなります。こうした質の高いコミュニケーションの積み重ねが、何物にも代えがたい組織の財産になります。

福利厚生やワークライフバランスを見直してエンゲージメントを高める

エンゲージメントの土台となるのは、やはり心身の健康と生活の安定です。特に多様なライフスタイルが尊重される今の時代、一律の福利厚生ではなく、個々の事情に寄り添った柔軟な仕組みが求められています。

  • パーソナライズド福利厚生:個人のニーズに合わせて、選べるメニューを増やす
  • 柔軟な働き方の追求:勤務時間や場所を自由に選べる裁量を広げる
  • ウェルビーイングへの投資:メンタルヘルスケアや、運動、学びの支援を強化する

例えば、子育て中の社員には時短勤務だけでなく、ベビーシッター費用の補助や、急な休みへの理解がある文化。スキルアップを望む若手には、高額な講座の受講費支援。このように、従業員が「この会社は私の人生を応援してくれている」と感じられるような仕組みは、強い情緒的コミットメントを生みます。

また、ワークライフバランスは、単に「仕事を減らす」ことではありません。仕事が充実しているからプライベートも楽しくなり、プライベートが充実しているから仕事にエネルギーを注げる。この相乗効果を会社としてどうサポートするかが重要です。2026年は、ウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)という視点が経営の柱になっています。従業員を単なる労働力としてではなく、一人の人間として尊重する姿勢こそが、最高の結果をもたらすのですね。


まとめ:従業員エンゲージメントを高めて強い組織を作るためのポイント

従業員エンゲージメントについて、その意味から測定方法、向上のコツまで詳しく解説してきました。いかがでしたでしょうか。エンゲージメントを高めることは、一筋縄ではいかない道のりかもしれませんが、その先に得られるメリットは計り知れません。生産性の向上、離職率の低下、そして何より、従業員一人ひとりが生き生きと輝く組織は、これからの時代において最強の競争力となります。

まずは、自社の今の状態をサーベイで正しく知ることから始めてみてください。そして、出た結果に対して誠実に向き合い、小さなことからでも改善のアクションを起こしていくこと。その真摯な姿勢こそが、従業員の心に届き、信頼の絆を深めていくはずです。この記事が、あなたの会社の素晴らしい未来を作るための一助となれば幸いです。ロロメディアは、より良い組織作りを目指す皆様をこれからも応援しています。

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