収支計画書の作り方を徹底解説|エクセルテンプレートから実務で使えるフォーマットまで

収支計画書を作ろうとして、エクセルを開いたまま手が止まること、ありますよね。売上、原価、人件費、広告費、家賃、借入返済。項目名はなんとなくわかるのに、「この数字って何を根拠に入れればいいの?」となった瞬間に、一気に難しく見えてきます。

特に創業融資、補助金申請、社内稟議、店舗開業、事業計画の提出前は焦ります。提出期限が近いのに、売上見込みがふわっとしていて、経費もざっくり。見直そうとしても、どこから直せばいいかわからない。ロロメディア編集部でも、事業計画の相談を受けると、文章より先に収支計画で止まっているケースをよく見ます。

収支計画書は、きれいな表を作るための書類ではありません。事業が本当に回るのか、いつ黒字になるのか、資金がいつ足りなくなるのかを確認するための実務資料です。日本政策金融公庫も創業計画書や月別収支計画書の様式・記入例を公開しており、創業時の資金計画や売上計画を整理する書類として使われています。

大事なのは、最初から完璧に作ろうとしないことです。まず売上の根拠を分解し、次に変動費と固定費を分け、最後に手元資金が足りるかを見る。この順番で作れば、エクセルが苦手でも実務で使える収支計画書になります。

目次

収支計画書とは売上・費用・利益・資金残高を見える化する表

収支計画書とは売上・費用・利益・資金残高を見える化する表

収支計画書とは、事業で入ってくるお金と出ていくお金を月別または年別に整理し、利益や資金残高を確認するための計画書です。簡単に言えば、「この事業は本当に続けられるのか」を数字で見るための表になります。

ここでつまずきやすいのは、収支計画書を「会計の専門書類」だと思ってしまうことです。もちろん融資や補助金で使う場合は一定の形式が必要ですが、最初の目的はもっと現実的です。売上が足りるのか、経費が重すぎないか、資金ショートしないかを確認するために作ります。

J-Net21では、損益計画について、売上高から利益がどれくらい出るかを計画するものとして説明しています。融資を依頼するときにも金融機関が注目する項目とされており、収支計画は単なる添付資料ではなく、事業の現実性を判断する材料になります。

収支計画書と損益計画書の違い

収支計画書と損益計画書は似ていますが、見ているポイントが少し違います。損益計画書は、売上から費用を差し引いて利益を見る表です。一方、収支計画書は、実際のお金の出入りや資金残高まで見ることが多くなります。

たとえば、売上が100万円あっても、入金が翌月なら今月の現金は増えません。逆に、借入返済は利益計算では費用として見えにくい部分がありますが、実際には毎月お金が出ていきます。ここを見落とすと、黒字なのにお金が足りない状態になります。

店舗開業や小規模事業では、このズレがかなり大きいです。売上は立っているのに、仕入れ、家賃、広告費、借入返済が先に出ていき、月末の口座残高を見て焦る。収支計画書は、そうなる前に危ない月を見つけるためのものです。

書類名主に見るもの実務での使い方
損益計画書売上、原価、経費、利益黒字化できるかを見る
収支計画書入金、支払い、資金残高お金が足りる月を確認する
資金繰り表現金の増減毎月の支払い管理に使う

この違いを押さえると、エクセルの項目が作りやすくなります。融資や補助金では損益の見通しも重要ですが、実務では資金残高の確認まで入れておくとかなり安心です。

収支計画書を作る前に決めるべき3つの前提

収支計画書を作る前に決めるべき3つの前提

収支計画書は、いきなりエクセルに数字を入れると失敗します。なぜなら、前提が決まっていない数字は、あとから説明できないからです。

提出直前に「この売上はどうやって出したんですか?」と聞かれて、なんとなくですとは言えませんよね。融資面談でも社内稟議でも、数字そのものより「なぜその数字になるのか」を見られます。

事業の売上モデルを先に決める

最初に決めるのは、売上モデルです。売上モデルとは、何を、誰に、いくらで、何回売るのかという収益の作り方です。

たとえばカフェなら、客単価、来店数、営業日数で売上を作ります。Web制作なら、案件単価、受注件数、継続保守費で見ます。スクール事業なら、月謝、入会数、継続率が重要になります。

ここを曖昧にしたまま「月商100万円」と入れると、計画が弱くなります。売上は気合いではなく、数量と単価に分解してください。数字を分解すると、計画が現実に近づきます。

固定費と変動費を分ける

次に、費用を固定費と変動費に分けます。固定費とは、売上に関係なく毎月かかる費用です。家賃、人件費、サブスク、通信費、リース料などが該当します。

変動費とは、売上に応じて増える費用です。仕入れ、材料費、外注費、決済手数料、配送費などですね。飲食店なら食材費、ECなら仕入れと送料、制作業なら外注費が代表例になります。

この分類をしないと、売上が増えたときに利益がどれくらい残るか見えません。売上が伸びても変動費が重い事業は、思ったほど利益が残らないことがあります。

計画期間は月次12か月で作る

実務で使うなら、まず月次12か月で作るのがおすすめです。月次とは、1か月ごとに数字を分けることです。

年単位だけで作ると、資金が足りない月が見えません。たとえば年末には黒字でも、開業3か月目に広告費と仕入れが重なって資金不足になることがあります。月次で見ると、この危険がわかります。

日本政策金融公庫の月別収支計画書の記入例でも、月ごとの売上や支出、資金繰りを確認する形になっています。創業直後は月ごとの変動が大きいため、12か月の推移で見るほうが現実的です。

エクセルで収支計画書を作る基本フォーマット

エクセルで収支計画書を作る基本フォーマット

エクセルで収支計画書を作るときは、難しい関数を使う必要はありません。むしろ、最初から複雑にしすぎると、自分でも直せない表になります。

操作の前につまずく場面として、テンプレートを開いた瞬間に項目が多すぎて、どこを消していいかわからなくなることがあります。そんなときは、まず最小構成から作ってください。

最低限入れるべき項目

収支計画書に最低限必要なのは、売上、売上原価、粗利益、固定費、営業利益、借入返済、月末資金残高です。補助金や融資用に細かい項目が必要な場合もありますが、最初の実務管理ではこれで十分に使えます。

具体的には、左側に項目、右側に1月から12月までの月を並べます。最後に年間合計を置くと、月別と年間の両方を確認できます。

項目1月2月3月年間合計
売上高
売上原価
粗利益
人件費
家賃
広告宣伝費
その他経費
営業利益
借入返済
月末資金残高

この表を作るだけでも、かなり見通しが立ちます。最初から勘定科目を細かく分けすぎるより、まず大きな項目で全体像をつかむほうが早いです。

エクセルでは色分けで入力欄と計算欄を分ける

エクセルテンプレートを実務で使うなら、入力するセルと自動計算するセルを分けてください。これをしないと、あとで数式を消してしまいます。

おすすめは、入力欄を薄い色にして、計算欄は白またはグレーにする方法です。売上単価、販売数、家賃、人件費などは手入力。粗利益、営業利益、年間合計、資金残高は計算式にします。

編集部でも、計画書のチェックをするときに、数式が壊れているエクセルをよく見ます。特に、前月残高を引き継ぐセルを手入力で上書きしているケースは危険です。月末資金残高がズレると、資金ショートの判断を間違えます。

売上計画の作り方は単価×数量×回数で考える

売上計画の作り方は単価×数量×回数で考える

収支計画書で一番見られるのは売上の根拠です。ここが弱いと、全体の信頼性が落ちます。

「初月50万円、2か月目80万円、3か月目100万円」と数字だけ並んでいても、なぜ増えるのかわかりません。融資担当者や上司が見たいのは、売上が上がる理由です。

店舗ビジネスの売上計画

店舗ビジネスでは、客単価、客数、営業日数で売上を出します。

たとえば客単価2,000円、1日20人、営業日25日なら、月商は100万円です。計算式はシンプルですが、この20人が現実的かを確認する必要があります。

ここで大切なのは、席数や営業時間と矛盾しないことです。10席しかない小さな店舗で、ランチだけ営業なのに1日100人を見込むと、かなり無理があります。計画書では、数字の整合性が見られます。

サービス業の売上計画

サービス業では、単価、契約数、継続率で見ます。

たとえば月額5万円のSNS運用代行を10社に提供すれば、月商50万円です。ただし、初月から10社契約は現実的ではないかもしれません。1か月目2社、3か月目4社、6か月目8社のように、営業活動と連動させる必要があります。

「営業すれば増える」では弱いです。毎月何件に提案し、何件が商談になり、何件が契約するのかまで分解すると、説得力が出ます。

ECや物販の売上計画

ECや物販では、販売単価、販売数量、リピート率が重要です。

たとえば販売単価3,000円の商品を月300個売れば、月商90万円です。ただし、仕入れ、送料、決済手数料、返品率まで見ないと利益はわかりません。

物販は売上が大きく見えやすい一方で、原価も重くなりがちです。収支計画書では、売上だけでなく粗利益を必ず確認してください。粗利益とは、売上から売上原価を引いた利益のことです。

経費計画の作り方は固定費から先に入れる

経費計画の作り方は固定費から先に入れる

経費計画は、固定費から入れると作りやすいです。なぜなら、固定費は売上に関係なく発生するため、事業の重さを決めるからです。

売上が伸びる前に固定費を高くしすぎると、毎月の赤字が大きくなります。開業初期は、売上より先に費用が出ていくことが多いので、ここはかなり重要です。

固定費は毎月必ず出ていくお金を入れる

固定費には、家賃、人件費、通信費、システム利用料、リース料、保険料、税理士費用などを入れます。毎月ほぼ同じ金額で出ていくものです。

ここでありがちなミスは、少額のサブスクを入れ忘れることです。月3,000円のツールでも、10個あれば月3万円になります。年間では36万円です。小さく見えても、固定費は積み上がると重くなります。

起業初期や新規事業では、「なくても始められる固定費」は削るのが基本です。オフィス、ツール、外注、広告を最初から全部そろえる必要はありません。まず売れる形を作ってから増やすほうが安全です。

変動費は売上に応じて増える費用として入れる

変動費は、売上に応じて増える費用です。仕入れ、材料費、外注費、決済手数料、配送費などが入ります。

たとえば売上100万円に対して原価率40%なら、売上原価は40万円です。売上が150万円になれば、原価も60万円に増えます。ここを固定額で入れてしまうと、利益計算がズレます。

エクセルでは、売上に原価率を掛ける式にしておくと便利です。たとえば売上セルがB3で原価率が40%なら、原価セルに「=B3*40%」と入れます。これだけで売上変更時に原価も連動します。

利益計画の見方は営業利益と資金残高を分ける

利益計画の見方は営業利益と資金残高を分ける

収支計画書を作るとき、利益だけ見て安心してはいけません。利益が出ていても、資金残高が足りないことがあります。

このズレが、実務ではかなり怖いです。会計上は黒字なのに、仕入れや返済が先に来て、支払い日に口座残高が足りない。これが資金繰りの問題です。

営業利益は本業で稼げているかを見る数字

営業利益とは、売上から原価と販売管理費を引いた利益です。販売管理費とは、人件費、家賃、広告費など、事業運営に必要な経費のことです。

営業利益が赤字なら、本業で稼げていない状態です。創業初期は赤字でも仕方ありませんが、いつ黒字化するのかを計画に入れる必要があります。

たとえば1か月目から3か月目は広告投資で赤字、4か月目から契約数が増えて黒字化、という説明なら現実味があります。ただ毎月赤字が続くだけの表だと、資金がどれだけあっても不安が残ります。

資金残高は事業を続けられるかを見る数字

資金残高は、月末に手元に残るお金です。ここがマイナスになる月があるなら、その月までに追加資金を用意する必要があります。

中小企業庁の事業計画書関連資料でも、月末現金残高の推移に着目する形式の資金繰り表が示されています。損益だけでなく、現金残高の推移を見ることは、実務上かなり重要です。

資金残高を見るときは、借入返済や設備投資も反映してください。利益計算には出にくい支出でも、実際には現金が減ります。エクセルでは、前月末残高に当月収支を足して、当月末残高を出す形にします。

融資で使う収支計画書の作り方

融資で使う収支計画書の作り方

融資で使う収支計画書は、希望的な売上ではなく、返済できる根拠を示す資料です。金融機関は、事業が伸びるかだけでなく、貸したお金が返ってくるかを見ます。

ここでつまずくのは、売上を大きく見せようとしてしまうことです。数字を盛ると、後で質問されたときに苦しくなります。融資では、控えめでも根拠のある計画のほうが信頼されます。

売上根拠は既存実績や営業予定とつなげる

融資用の収支計画では、売上の根拠を説明できるようにします。

すでに取引先があるなら、見込み契約数や既存顧客の売上を入れます。店舗なら、立地、人通り、席数、営業日数、客単価から計算します。サービス業なら、営業件数、商談化率、契約率から組み立てます。

日本政策金融公庫の創業計画書では、取扱商品・サービス、取引先、必要な資金、事業の見通しなどを書く形式になっています。つまり収支計画だけ単独で作るのではなく、事業内容や販売方法と数字をつなげることが大事です。

返済額を入れて資金が残るか確認する

融資を受ける場合は、毎月の返済額を収支計画に入れてください。

借入金は入金時には資金が増えますが、返済が始まると毎月お金が出ていきます。返済後にも資金残高が残る計画になっているかを確認します。

実務では、返済開始月を間違えるケースがあります。据置期間がある場合、元金返済が始まるタイミングを確認してください。据置期間とは、一定期間だけ元金返済を待ってもらえる期間のことです。利息だけ支払うケースもあるため、条件を見て表に反映します。

補助金申請で使う収支計画書の作り方

補助金申請で使う収支計画書の作り方

補助金申請で使う収支計画書は、事業の成長性と実行可能性を見せる資料です。融資と違い、返済能力だけではなく、補助事業によって売上や利益がどう変わるかを示す必要があります。

ミラサポplusでも、補助金の事業計画では企業概要、顧客ニーズ、市場動向、自社の強み、今後のプランなどを整理する考え方が紹介されています。数字だけではなく、事業内容と市場性を合わせて説明することが重要です。

補助事業前と補助事業後を分ける

補助金用の収支計画では、補助事業を実施する前と後で何が変わるのかを明確にします。

たとえば設備投資で生産数が増えるなら、販売数量の増加を売上計画に反映します。Webサイト制作で問い合わせを増やすなら、アクセス数、問い合わせ率、成約率を仮定して売上に落とし込みます。

「補助金を使えば売上が増える」だけでは弱いです。何に投資し、その結果どの数値が改善し、売上や利益がどう変わるのかまで書きます。

補助対象外の費用も忘れずに入れる

補助金は、すべての費用が補助されるわけではありません。対象外経費や自己負担分があります。

ここを見落とすと、採択されても資金繰りが苦しくなります。補助金は後払いになることも多いため、先に支払う資金を用意する必要があります。

収支計画書には、補助金が入るタイミングと支払いタイミングを分けて入れてください。補助金額だけ見て安心すると、入金前の支払いで詰まることがあります。

実務で使える収支計画書テンプレートの項目例

実務で使える収支計画書テンプレートの項目例

実務で使う収支計画書は、業種によって項目を変えたほうが使いやすくなります。テンプレートをそのまま使うより、自社の事業に合わせて項目を調整してください。

ただし、独自項目を増やしすぎると管理が大変です。最初は売上、原価、固定費、投資、借入返済、資金残高の6ブロックで十分です。

小規模事業向けの基本フォーマット

小規模事業なら、次の項目で始めると使いやすいです。

区分項目例
売上商品売上、サービス売上、月額売上
原価仕入、材料費、外注費、決済手数料
固定費家賃、人件費、通信費、システム費、広告費
投資設備、備品、Web制作、初期広告費
財務借入金、返済額、利息
資金月初残高、当月収支、月末残高

この形なら、融資、補助金、社内管理のどれにも応用できます。細かい勘定科目はあとから増やせます。

大切なのは、毎月更新できることです。作ったきり見ない収支計画書は意味がありません。実績が出たら、計画との差を確認して修正します。

エクセルで使う計算式の基本

エクセルでは、最低限の計算式だけ入れれば十分です。

売上合計は各売上項目の合計、粗利益は売上から原価を引いたもの、営業利益は粗利益から固定費を引いたものです。月末資金残高は、月初資金に当月の収支を足して計算します。

難しい関数より、見てすぐわかる式にすることが大切です。複雑なテンプレートは、作った本人以外が触れなくなります。実務では、誰が見ても直せる表のほうが強いです。

収支計画書を作るときの失敗例

収支計画書を作るときの失敗例

収支計画書で多い失敗は、数字がきれいすぎることです。毎月まっすぐ売上が伸び、経費は一定、資金残高もきれいに増える。見た目はよくても、現実味がありません。

事業はそんなに一直線には進みません。開業月は広告費がかかりますし、繁忙期と閑散期もあります。入金サイトが長ければ、売上があっても現金は遅れて入ります。

売上だけ伸ばして経費を増やしていない

よくあるのが、売上は増えているのに経費が増えていない計画です。

売上が増えれば、仕入れ、外注、人件費、決済手数料、広告費も増えることがあります。売上だけ右肩上がりで費用が横ばいだと、利益が不自然に大きく見えます。

提出先から見ると、「この売上をどうやって少人数で回すのか」と感じます。売上増加に合わせて、人員や外注費、広告費も必要に応じて増やしてください。

入金と支払いのタイミングを無視している

売上発生月と入金月が違う事業では、入金タイミングを必ず見ます。

法人向けサービスでは、月末締め翌月末払い、翌々月払いもあります。つまり、今月100万円売れても、入金は来月や再来月になることがあります。

一方で、外注費や広告費は先に支払うこともあります。このズレを入れないと、資金繰りの危険が見えません。収支計画書を実務で使うなら、入金予定月と支払予定月を分けて管理するのがおすすめです。

収支計画書を実務で見直すタイミング

収支計画書を実務で見直すタイミング

収支計画書は、作って終わりではありません。実績が出たら見直します。

特に創業初期や新規事業では、最初の計画通りに進むことのほうが少ないです。だからこそ、計画と実績の差を見て、早めに修正する必要があります。

月末に計画と実績を並べる

毎月末に、計画と実績を並べて確認します。売上が計画より低いのか、原価が高いのか、広告費が使いすぎなのか、原因を分けて見ます。

この作業をすると、改善点が具体的になります。「売上が足りない」だけでは何もできません。でも「客単価は計画通りだが、来店数が足りない」とわかれば、集客施策を見直せます。

ロロメディア編集部でも、事業計画を見るときは、計画表そのものより差分を重視します。ズレがあること自体は問題ではありません。ズレを放置することが問題です。

3か月ごとに前提を見直す

毎月の実績確認に加えて、3か月ごとに前提を見直します。

客単価、成約率、原価率、広告費、継続率など、最初に置いた仮定が現実と合っているかを確認してください。実績が見えてきたら、計画を現実に近づけます。

この見直しをしないと、古い計画を見ながら新しい判断をすることになります。事業環境は変わります。収支計画書も、事業に合わせて更新する資料だと考えてください。

収支計画書を見せる相手別に整えるコツ

収支計画書を見せる相手別に整えるコツ

収支計画書は、誰に見せるかで整え方が変わります。自分用、社内用、融資用、補助金用では、見せるべきポイントが違います。

同じ数字でも、説明の順番を変えるだけで伝わりやすくなります。

融資担当者に見せる場合

融資担当者に見せる場合は、返済可能性が伝わる形にします。

売上根拠、費用の妥当性、資金残高、返済後の余力を見せます。数字を大きく見せるより、堅実に返せる計画であることが大切です。

特に、売上が計画より下振れした場合でも返済できるかを見ておくと安心です。通常計画だけでなく、売上が80%になった場合の簡易シミュレーションを用意すると、説明に強くなります。

社内稟議で見せる場合

社内稟議では、投資に対してどれくらい回収できるかが見られます。

新規事業、広告投資、システム導入、人材採用などでは、投資額、回収期間、利益貢献を明確にします。回収期間とは、投資したお金を何か月で取り戻せるかという考え方です。

社内向けでは、細かい会計項目よりも、意思決定に必要な数字を前に出してください。初期投資、月間売上、月間利益、黒字化月、回収月。この5つが見えると判断しやすくなります。

収支計画書の作り方まとめ

収支計画書の作り方まとめ

収支計画書は、事業のお金の流れを見える化するための資料です。売上、費用、利益、資金残高を月別に整理することで、事業が本当に続けられるかを確認できます。

作り方で大切なのは、いきなりテンプレートを埋めようとしないことです。まず売上モデルを決め、固定費と変動費を分け、月次12か月で数字を入れます。そのうえで、営業利益と資金残高を分けて見てください。

実務で使うなら、次の順番で進めると迷いません。

  1. 売上モデルを決める
  2. 単価、数量、回数に分解する
  3. 固定費を入れる
  4. 変動費を売上と連動させる
  5. 営業利益を確認する
  6. 借入返済や投資を入れる
  7. 月末資金残高を見る
  8. 計画と実績を毎月比較する
  9. 3か月ごとに前提を見直す

収支計画書は、きれいなエクセルを作るためのものではありません。未来の不安を、先に数字で見つけるためのものです。

それでも、いや、だからこそ、最初の1枚を作る価値があります。頭の中でぼんやりしていた事業が、数字に変わる。数字になると、怖さも見えます。でも同時に、直す場所も見えてきます。

売上を増やすべきなのか、固定費を下げるべきなのか、入金サイトを短くすべきなのか、広告費をかけすぎなのか。収支計画書は、その判断を助けてくれる実務の地図です。

参考記事:
日本政策金融公庫|創業計画の書き方
日本政策金融公庫|月別収支計画書 記入例
J-Net21|事業計画書の作成手順
J-Net21|損益計画の書き方
ミラサポplus|小規模事業者持続化補助金「経営計画・補助事業計画」の書き方

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