マージンの内掛け・外掛けをわかりやすく解説!使い分ける意味とメリットデメリット解説

日々の売上や取引を正確に管理するうえで、「マージン(利益)」の計算方法は非常に重要な要素です。とくにビジネス現場では、”内掛け”と”外掛け”という2種類の計算方法が使われていますが、この違いを正確に理解していないと、誤った利益率の算出や取引先とのトラブルにつながることも。この記事では、マージンの内掛け・外掛けの違いや使い分けの意味、計算方法から覚え方、実務上のメリット・デメリットまで、現場で役立つ視点でわかりやすく解説します。

目次

内掛けと外掛けの違いとは

定義とイメージの違い

内掛けと外掛けは、どちらも売上に対する利益(マージン)を計算する手法ですが、その考え方に明確な違いがあります。

  • 内掛けは、販売価格の中にマージンを含めた表現です。つまり「税込・手数料込み」的な考え方です。
  • 外掛けは、販売価格とは別にマージンを外から上乗せして計算する方法です。

たとえば、販売価格が100円でマージン20%の場合、

  • 内掛け:100円の中に20%(=約16.7円)の利益が含まれる
  • 外掛け:100円に対して20%(=20円)を上乗せし、販売価格は120円 という違いが生まれます。

なぜこの2種類があるのか

商慣習や業界によって、どちらを採用するかは異なります。例えば、小売業や広告代理店では内掛けが多く、BtoBの取引や業務委託契約などでは外掛けが多い傾向があります。それぞれの業界の“伝統的な見せ方”や“商習慣”によって自然に選ばれていることが多いため、どちらが正解というよりも「文脈次第」であることを理解しておくことが重要です。

内掛けと外掛けの使い分け方

業務上の使いどころ

一般的に、価格をあらかじめ決めておきたいケースでは内掛け後からマージンを加える自由度が欲しい場合は外掛けが使われます。

内掛けは「提示価格をそのまま伝えたい」「取引先との見積もりを簡潔にしたい」場合に有効です。一方で外掛けは、外注費や手数料を変動させやすいため、「原価に利益を加えて価格を決める」といった柔軟な価格設計が可能です。

交渉時の見せ方にも影響

たとえば、見積書の提示時に内掛けで出すと価格が安く見える効果があり、外掛けで出すと利益が明確化されて経営者目線では納得されやすいケースもあります。

内掛けと外掛けの計算方法

内掛けの計算式

売上価格に対して、含まれているマージンを求めるには以下の式を使います:

マージン額 = 販売価格 ×(マージン率 ÷(1 + マージン率))

たとえば、販売価格100円、マージン率20%の場合: 100 ×(0.2 ÷ 1.2)= 約16.67円(これが利益)

外掛けの計算式

原価に対してマージンを加えて販売価格を決める場合:

販売価格 = 原価 ×(1 + マージン率)

原価100円、マージン率20%なら: 100 × 1.2 = 120円(販売価格)

このように、内掛けは販売価格から利益を逆算、外掛けは原価から価格を積み上げる計算になります。

自動計算ツールの活用も有効

実務では、Excel関数やWeb上の無料計算ツールを使うことで、内掛け・外掛けの変換や確認が即座に可能になります。社内用のテンプレートとして作っておくと、担当者ごとの理解度差によるミスを防ぐことができます。

利益率と見た目のギャップ

なぜ混乱が起きやすいのか

内掛けと外掛けでは「同じマージン率」を使っても、利益額や表示価格が異なるため、特に価格交渉や請求書作成の場面で混乱が起きやすいです。

例えば、外掛けで20%上乗せして120円で販売したのに、内掛けで20%だと勘違いされると「利益が多すぎる」と誤解されることも。計算の立ち位置が違うだけで、印象が大きく変わるのです。

社内ルールの統一も重要

同じ社内でも、営業部は外掛け、経理は内掛けで計算している…というズレがあると、最終的な利益把握に大きな誤差が生じます。経営判断の正確性を保つには、どちらの手法でマージン管理をするかのルール統一が不可欠です。

内掛け・外掛けの覚え方と混同しないコツ

覚えやすい語呂合わせとイメージ

  • 内掛け=”価格に内包されたマージン” → お弁当の中におかずが入ってるイメージ
  • 外掛け=”価格の外にマージンを追加” → 外付けハードディスクのように外に足す

このような日常のモノに例えることで、意味の違いが記憶に定着しやすくなります。

現場での使い分けルールを明文化する

社内用のマニュアルやテンプレートに「この場合は内掛け」「この帳票では外掛け」など明記しておくことで、混乱やミスを減らすことができます。特に、取引先が複数ある場合には、相手企業の慣習に合わせる柔軟性も重要です。

メリット・デメリットを比較

内掛けのメリットとデメリット

【メリット】

  • 販売価格がスッキリ見える
  • 一律の価格表示で交渉がスムーズ

【デメリット】

  • 利益が見えづらい
  • 計算が複雑でミスしやすい

外掛けのメリットとデメリット

【メリット】

  • 利益が明確
  • 原価から逆算しやすい

【デメリット】

  • 顧客に高く見える可能性
  • 上乗せミスでトラブルになりやすい

まとめ|マージンの理解が利益を守る

マージンの内掛け・外掛けの違いは、単なる計算方法の話ではなく、価格交渉・見積作成・経営判断に直結する重要な知識です。どちらを使うかによって、利益の見え方や相手への印象も変わります。特に営業や経理・フリーランスの方は、使い分けの背景と計算ロジックをしっかり理解しておくことで、無駄な損失や信頼損壊を防ぐことができるでしょう。

「なんとなく」で選ぶのではなく、なぜ内掛け/外掛けを選ぶのか、その目的意識を持って使い分けることが、ビジネス効率と利益最大化のカギとなります。

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