日々の業務で「考える力」が求められる場面は多くありますが、漠然と考えているだけでは成果にはつながりません。そこで注目されているのが、課題を分解し本質を突く「ロジカルシンキング」。本記事では、ビジネスパーソンが“仕事力”を底上げするために取り入れたいロジカルシンキングのトレーニング法と、実践的に役立つ例題を厳選して紹介します。繰り返し練習することで、思考のスピードと精度が高まり、より本質的な課題解決に導けるようになるはずです。
ロジカルシンキングとは?ビジネスに必要な理由
論理的思考(ロジカルシンキング)は、物事の因果関係を明確にし、感情に流されず合理的に判断するための考え方です。特にビジネスシーンでは、課題解決やプレゼン、チーム内の合意形成などでこの力が問われます。
- 無駄のない提案資料が作れる
- 説得力のある説明ができる
- 問題の本質に早くたどり着ける
これらはすべてロジカルシンキングの賜物です。
代表的なロジカルシンキングの型とフレームワーク
MECE(ミーシー)
重複や漏れなく、情報を網羅的に整理する考え方。たとえば、顧客層を年代別に分類する際に、10代・20代・30代…と分ければMECEですが、「若者」と「30代」では重複が生じます。
ロジックツリー
物事を要素分解しながら、構造的に掘り下げていくツール。課題の原因を特定したり、アイデアの幅出しに役立ちます。
ピラミッドストラクチャー
結論→理由→根拠の順で構成される伝え方。報告・提案書などでよく用いられます。
ロジカルシンキング 例題で力をつける
以下では、実際にロジカルシンキングの力を養うための例題を紹介します。
初級編:考えを整理する
例題1:新規プロジェクトがうまく進まない。考えられる原因をMECEで挙げよ。
考え方のヒント:
- 人の問題(スキル不足・モチベーション)
- プロセスの問題(役割の不明確・進捗管理)
- 環境の問題(リソース不足・外部環境)
中級編:因果関係を考える
例題2:売上が3ヶ月連続で減少している。原因とその裏付けデータをロジックツリーで示せ。
思考手順:
- 要因を売上構成(顧客数×客単価)に分解
- さらに顧客数→リピート率/新規数、客単価→価格設定/購入点数などへ展開
上級編:結論を導く
例題3:「テレワーク制度を継続すべきか?」をピラミッドストラクチャーで答えよ。
例の構成:
- 【結論】継続すべきである
- 【理由1】生産性が上がった
- 【根拠】業務時間あたりのアウトプット増
- 【理由2】社員満足度が向上
- 【根拠】社内アンケートで80%が満足と回答
- 【理由1】生産性が上がった
ロジカルシンキング 例題 面白い問題を紹介
ビジネス文脈以外でも思考トレーニングになる、少しユニークな問題を紹介します。
例題:あなたは密室で目隠しをされ、赤い帽子と青い帽子があることだけ知らされている。他の人の帽子は見えるが自分の帽子の色は見えない。どうすれば自分の帽子の色が分かるか?
考え方:他者の反応、数の推測などから、論理的に推理する訓練になります。
ロジカルシンキングの練習におすすめのツール・本・サイト
ロジカルシンキング 問題サイト
- 「ビジネスブレイクスルー大学」の演習問題
- 「BizHint」の無料コンテンツ
- 「スタディサプリ」などの社会人向け教材
ロジカルシンキング 例題 本
- 『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)
- 『ロジカル・シンキング』(照屋華子)
- 『問題解決プロフェッショナル』(斉藤広達)
ロジカルシンキング 練習 アプリ
- 『ロジカルシンキング思考トレ』:例題形式で出題
- 『Think!』:マッキンゼー式思考法を学べる
ロジックツリー 練習 アプリ
- 『Xmind』:ロジックツリーを図解で整理できる
- 『MindMeister』:マインドマップで視覚化
実務にどう活かすか?トレーニングのコツ
- 毎日のニュース記事をピラミッド構造で要約する
- 自社の課題をロジックツリーで洗い出す
- プレゼン資料はMECEとピラミッドで構成
こうした“習慣化”がロジカル思考を自然に身につける近道です。
まとめ:ロジカルシンキングで差がつく仕事力
感覚的な判断に頼らず、情報を正しく整理して的確な結論を導ける力は、ビジネスのあらゆる場面で役立ちます。本記事で紹介した例題やトレーニング法を活用し、ぜひ思考力を磨いてください。ロジカルシンキングは“センス”ではなく“習得可能なスキル”。今日から一歩踏み出せば、あなたの仕事力は確実にアップしていきます。