「マイクロ法人と個人事業主の二刀流は本当にお得なのか?」と考えている方は多いのではないでしょうか。マイクロ法人とは、法人を設立しながらも小規模経営を続けるスキームのことを指し、節税メリットや社会保険料の削減を狙って活用するケースが増えています。
しかし、「マイクロ法人を作ったけれど後悔した」「思ったより手続きが面倒だった」「節税になるはずが税負担が増えた」といった意見もあり、慎重な検討が必要です。
本記事では、マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリット・デメリットを解説し、節税シミュレーションや確定申告の方法を詳しく解説します。さらに、「住民税」「売上なしの場合」「おすすめの事業」など、検索需要の高いキーワードも織り交ぜながら、具体的な実践方法について説明していきます。
目次
- 1. マイクロ法人と個人事業主の二刀流とは?
- 2. マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリット
- 2.1 1. 社会保険料の削減
- 2.2 2. 法人の経費活用
- 2.3 3. 所得分散による節税
- 2.4 4. 住民税・健康保険料の調整
- 3. マイクロ法人と個人事業主の二刀流のデメリット・後悔ポイント
- 3.1 1. 法人運営の手間がかかる
- 3.2 2. 売上が少ないと法人維持費が負担になる
- 3.3 3. スキーム終了のリスク
- 4. マイクロ法人と個人事業主の確定申告・税務シミュレーション
- 4.1 事例:年収600万円のケース
- 5. マイクロ法人におすすめの事業とは?
- 5.1 おすすめの事業例
- 5.2 マイクロ法人の作り方
- 6. まとめ
マイクロ法人と個人事業主の二刀流とは?
マイクロ法人とは?
マイクロ法人とは、小規模の法人(主に1人社長)を設立し、節税や社会保険料削減を目的とする法人形態のことを指します。基本的には、法人としての利益を最小限に抑えながら、個人事業主の所得とバランスをとることで税負担を軽減することが目的です。
二刀流とは?
二刀流とは、個人事業主とマイクロ法人を並行して運営し、それぞれのメリットを活用する手法です。
例えば、
- 個人事業主として小規模事業の利益を確保
- 法人の給与を最適化し、社会保険料を抑える
- 法人経費を活用し、節税対策を行う
このように、個人事業と法人の両方を組み合わせることで、税金や社会保険料の負担を最小限にすることが可能になります。
マイクロ法人と個人事業主の二刀流のメリット
1. 社会保険料の削減
法人で自分に支払う給与を社会保険の加入義務が発生しない範囲(年収100万円以下など)に抑えることで、社会保険料の負担を軽減できます。
2. 法人の経費活用
法人を設立することで、法人名義で経費を計上できるようになります。例えば、
- オフィス賃料
- パソコンやソフトウェア
- 交通費や接待交際費 などを法人経費として計上することで、所得税・法人税の負担を減らせます。
3. 所得分散による節税
法人と個人の両方で所得を分散することで、所得税の累進課税の影響を軽減できます。たとえば、個人の所得を抑えながら法人で給与を支給することで、税率を最適化できます。
4. 住民税・健康保険料の調整
個人事業主の所得を低く抑えることで、住民税や健康保険料の負担を最小限に抑えることができます。
マイクロ法人と個人事業主の二刀流のデメリット・後悔ポイント
1. 法人運営の手間がかかる
法人を設立すると、
- 決算報告
- 法人税申告
- 社会保険関連の手続き などの業務が発生し、個人事業主よりも手間がかかります。
2. 売上が少ないと法人維持費が負担になる
マイクロ法人は、売上がほとんどない場合でも法人住民税(年間7万円程度)などの固定費が発生します。売上が不安定な場合は、法人を維持するメリットが少なくなる可能性があります。
3. スキーム終了のリスク
近年、「マイクロ法人のスキームは使えなくなるのでは?」という議論が増えているため、今後制度が厳格化される可能性があります。
マイクロ法人と個人事業主の確定申告・税務シミュレーション
事例:年収600万円のケース
【A: すべて個人事業主の場合】
- 所得税・住民税:約90万円
- 国民健康保険:約60万円
- 合計負担額:約150万円
【B: マイクロ法人+個人事業主の二刀流】
- 法人で役員報酬120万円支給
- 個人事業主として480万円の収入
- 法人経費として年間100万円計上
- 法人税・法人住民税:約10万円
- 所得税・住民税:約60万円
- 社会保険料:約20万円
- 合計負担額:約90万円
✅ 節税効果:約60万円
マイクロ法人におすすめの事業とは?
マイクロ法人を活用するなら、法人経費を最大限活用できる事業を選ぶことが重要です。
おすすめの事業例
- コンサルティング業(Webマーケティング、IT、ビジネス)
- コンテンツ制作(ライター、動画編集、YouTube運営)
- デザイン・開発系(Web制作、アプリ開発)
- EC・物販(Amazon、楽天、メルカリ販売)
マイクロ法人の作り方
1. 事業内容を決める
まず、マイクロ法人として何をするのかを明確にします。主に以下のような事業が適しています。
- コンサルティング業(Webマーケティング、IT、ビジネス)
- コンテンツ制作(ライター、動画編集、YouTube運営)
- デザイン・開発系(Web制作、アプリ開発)
- EC・物販(Amazon、楽天、メルカリ販売)
法人を設立する目的を明確にし、それに基づいた事業計画を作成しましょう。
2. 会社の基本情報を決める
法人を設立するには、以下の情報を決める必要があります。
- 会社名(商号):ユニークで覚えやすい名前を選ぶ
- 本店所在地:バーチャルオフィスも利用可能
- 資本金:1円でも設立可能だが、10万円程度が一般的
- 事業目的:登記に記載する業務内容
- 決算期:節税の観点から事業開始月に応じて調整
- 役員構成:1人で代表取締役を務めることが多い

3. 会社の設立手続きを行う
法人を設立するために、以下のステップを実施します。
① 定款の作成
定款とは、会社の基本ルールを定める書類です。公証役場で認証が必要です。
② 法人印鑑を作成する
会社設立後の手続きに必要な印鑑を作成します。
③ 資本金を振り込む
法人用の銀行口座がない場合は、代表者の個人口座に一時的に振り込む形でも可能。
④ 法務局に登記申請する
法務局に設立登記を申請します。通常1〜2週間程度で登記完了。
⑤ 法人用銀行口座を開設する
登記完了後、事業用の銀行口座を開設します。バーチャルオフィス利用時には銀行の審査に注意が必要です。
4. 税務署・自治体への届け出を行う
法人設立後、税務署や自治体に以下の届け出を行います。
- 法人設立届出書(税務署・都道府県税事務所)
- 青色申告承認申請書(節税対策として有効)
- 給与支払事務所の開設届出書(役員報酬を支払う場合)
- 法人住民税・事業税の申告書
これらの手続きを適切に行うことで、法人運営がスムーズになります。
まとめ
マイクロ法人と個人事業主の二刀流は、適切に運用すれば大きな節税効果を得られますが、事業規模や収入によってはデメリットが大きくなる可能性もあります。しっかりとシミュレーションし、メリット・デメリットを理解した上で選択するようにしましょう。