「整形外科医になりたいけれど、何から始めればいいの?」「資格って医師免許だけでいいの?」という疑問を抱えている方も多いでしょう。整形外科医になるには、国家資格である医師免許の取得に加え、専門分野として整形外科の研修・認定も必要です。本記事では、整形外科医になるための具体的な資格、キャリア手順、必要な年数や難易度について、初心者にもわかりやすく解説します。
医師免許は整形外科医への第一歩|国家試験合格が最初の関門
医学部に入学する(6年間)
整形外科医を目指すには、まず大学の医学部(医学科)に入学し、6年間の専門教育を受ける必要があります。偏差値は高く、国立・私立問わず受験難易度はトップクラス。高校生の段階から強い学力と準備が求められます。
医師国家試験に合格する
6年制の医学部を卒業後、医師国家試験の受験資格が得られます。合格率は例年90%前後ですが、国家試験の範囲は広く、実技も含まれるため、簡単ではありません。この国家資格に合格することで、ようやく「医師」としてのスタート地点に立てます。
参考:
国試浪人から逆転合格へ!東大卒講師が教える国家試験成功戦略と対策 – 医師国家試験予備校MEDICINE
初期臨床研修(2年間)|整形外科を含む各科をローテーション
医師免許を取得しても、すぐに整形外科専門医にはなれません。卒業後は厚労省指定の医療機関で2年間の「初期研修医」として勤務する必要があります。
初期研修で整形外科を選べるかが重要
研修病院によっては整形外科の研修枠が少ないこともあるため、整形外科を早めに経験したい場合は、事前に病院のプログラム内容を確認しておくことが必須です。
専門医への道|整形外科専門研修(3年以上)と認定試験
初期臨床研修を終えた後、「整形外科専門研修プログラム」へ応募し、整形外科医としての専門的なスキルと知識を深めます。
整形外科学会認定の研修施設での研修
整形外科学会に認定された研修病院で3年以上の後期研修を行い、症例経験・手術実績を積むことが求められます。
整形外科専門医認定試験を受験
後期研修修了後、必要な実績と学会発表歴などを整えたうえで「整形外科専門医認定試験」を受けます。筆記試験に加え、口頭試問(症例発表など)もあり、形式的な勉強だけでなく臨床力が試されるのが特徴です。
整形外科医になるまでの年数と費用
整形外科医として認定を受けるまでの期間は、最短でも11年(医学部6年+初期研修2年+後期研修3年)。実際には浪人・留年・途中での進路変更を含めると、平均12〜14年程度かかることも珍しくありません。
必要な学費と金銭的負担
私立医学部では6年間で2,000万円以上かかることも。国立大学であれば600万円前後に収まるものの、受験倍率が高いため準備が不可欠です。
整形外科医としての仕事内容とキャリアの魅力
整形外科医の主な仕事内容
- 骨折や関節の外傷治療
- 脊椎や関節の手術(人工関節など)
- スポーツ外傷の診断と治療
- リハビリテーション計画の策定
整形外科は身体機能の回復に直結する分野であり、患者からの「ありがとう」が直接届くやりがいの大きな職種です。
専門性に応じてさらに分化できる
整形外科医はさらに細分化され、脊椎外科、関節外科、手の外科、小児整形、スポーツ整形などのサブスペシャリティを持つことも可能。学会認定のサブ専門医を取得することで、医師としてのブランド価値が高まります。
整形外科医になるために必要なスキルと適性とは?
手先の器用さ・空間認識力
整形外科は手術が中心となるため、ミリ単位の精密さが求められます。器用さや立体的な構造理解に長けていることが、臨床の質にも影響します。
体力と忍耐力
長時間にわたる手術や、肉体的負担の多い作業(ギプス固定など)も多いため、体力や精神力も重要な要素となります。
コミュニケーション能力
高齢者やスポーツ選手など、多様な患者との会話が求められるため、わかりやすく丁寧な説明ができる力も不可欠です。
整形外科医になるとどれくらい稼げる?年収と将来性
平均年収は1,200万円〜2,000万円程度。勤務医として病院に属するか、開業医として独立するかで収入に大きな差があります。
また、スポーツ整形や美容整形分野への参入により、自由診療の市場も広がっており、整形外科のキャリアは今後も多様化が期待されます。

整形外科医を目指すなら|早期準備と情報収集がカギ
整形外科医になるためには、医学部入試から始まり、国家試験、研修、専門医認定と長い道のりがあります。だからこそ、なるべく早い段階から具体的な将来像を描き、必要な手順と資格を逆算して動くことが大切です。
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