仕事で資料や原稿を共有した際、「加筆修正等ございましたら」と伝えるのは定番の表現です。しかし、言い回しによってはぶっきらぼうに見えたり、逆に丁寧すぎて堅苦しくなってしまうこともありますよね。本記事では、ビジネスシーンで使える自然な依頼フレーズや言い換え例、状況別のメール例文まで詳しく解説します。読後には「加筆修正をお願いするメール」を安心して書けるようになりますよ。
加筆修正等ございましたらと伝える正しいビジネスメールの書き方
資料や提案書を共有する際、「必要に応じてご意見ください」というスタンスを伝えるのは大切です。その一方で、「加筆修正等ございましたら」というフレーズは、使い方次第で相手に委ねすぎる印象や、やや事務的な印象を与えることもあります。だからこそ、正しい敬語と適切な表現の選び方が重要になります。
基本フレーズの使い方
「加筆修正等ございましたら、お申し付けください」
この言い回しは最も一般的で、社内外どちらでも問題なく使える表現です。丁寧ですが過剰ではなく、ビジネスメールの定番フレーズといえます。
より柔らかい印象を与える言い換え
- 「加筆修正が必要な点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです」
- 「必要に応じて加筆修正いただけますと助かります」
このように「幸いです」「助かります」といった言葉を添えると、依頼しつつも相手に配慮する気持ちが伝わります。
実際のメール例文
件名：資料のご確認をお願いいたします
本文：
〇〇様
お世話になっております。△△株式会社の□□です。
先日ご依頼いただいた企画書をお送りいたします。
加筆修正等ございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
このように、本文中でシンプルに触れるだけでも十分丁寧な印象になります。
加筆修正があればお願いしますを自然に伝える方法
「加筆修正があればお願いします」という表現は、口語的で柔らかさがありますが、メールでそのまま使うと少し砕けすぎて見える場合があります。そこで、より自然かつ丁寧に言い換える工夫が必要です。
丁寧に依頼する言い換え例
- 「もし加筆修正が必要な箇所がございましたら、ご教示いただけますと幸いです」
- 「加筆修正が必要な部分がありましたら、お知らせいただけますでしょうか」
- 「必要に応じて加筆修正をお願いできればと存じます」
どれも相手に確認を促す表現ですが、「幸いです」「存じます」といった言葉を入れることでビジネスメールらしい丁寧さが加わります。
注意したいポイント
単に「加筆修正があればお願いします」と書くと、相手に丸投げする印象を与えることがあります。相手の負担を軽減するために「簡単なご指摘で結構です」「お気づきの点があれば」などを添えるとより配慮のある文章になります。
実際のメール例文
件名：原稿のご確認をお願いいたします
本文：
〇〇様
お世話になっております。□□です。
添付の原稿をご確認ください。もし加筆修正が必要な箇所がございましたら、簡単にご指摘いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
このように依頼することで、相手に柔らかい印象を与えつつ、行動を促すことができます。
加筆修正等ございましたらと伝えるときの敬語表現と注意点
敬語の選び方一つで、相手に伝わる印象は大きく変わります。特に「加筆修正等ございましたら」という表現は敬語を誤用すると不自然になりやすいため、注意が必要です。
正しい敬語の例
- 「加筆修正等ございましたらお申し付けください」
- 「加筆修正等がございましたら、ご連絡いただければ幸いです」
- 「必要な場合は加筆修正をお願いできますでしょうか」
いずれも相手を立てつつ、依頼する姿勢を示す表現です。
避けた方がよい表現
- 「加筆修正等ございましたらお願いします」
- 「加筆修正等ございましたら教えてください」
これらは丁寧さに欠け、上司や取引先への依頼としてはやや軽すぎる印象を与える可能性があります。
失礼にならないための工夫
相手との関係性によって言い換えることが大切です。社内の同僚であれば「加筆修正があればお願いします」でも問題ありませんが、取引先や目上の人には「ご指摘いただけますと幸いです」といった柔らかい敬語を選ぶのが安心です。
実際のメール例文
件名：ご確認のお願い
本文：
〇〇株式会社 △△様
平素よりお世話になっております。□□株式会社の◇◇です。
先日お打ち合わせした内容を反映した資料をお送りします。
加筆修正等がございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
このように「ご教示いただけますと幸いです」とすることで、相手の立場を尊重した依頼表現になります。
加筆修正等ございましたらメールの例文集
実際にどのようにメールで伝えるかをイメージできると安心ですよね。ここでは、シーン別に「加筆修正等ございましたら」を使ったメール例文を紹介します。依頼相手が上司か取引先かによって、表現の細やかさを調整するのがポイントです。
上司への依頼メール例
件名：企画書のご確認をお願いいたします
本文：
〇〇部長
お疲れさまです。□□です。
先日の打ち合わせをもとに企画書を作成しましたので、添付にてお送りいたします。
加筆修正等がございましたら、ご指導いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
ここでは「ご指導いただけますと幸いです」とすることで、目上の相手に敬意を示しています。
取引先への依頼メール例
件名：資料のご確認をお願いいたします
本文：
〇〇株式会社 △△様
平素より大変お世話になっております。□□株式会社の◇◇です。
ご依頼いただきました資料を添付いたしました。
加筆修正等ございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
取引先に対しては、シンプルかつ丁寧に依頼するのが基本です。
同僚への依頼メール例
件名：原稿の確認をお願いします
本文：
〇〇さん
お疲れさまです。□□です。
依頼されていた原稿を作成しました。
加筆修正があれば教えてもらえると助かります。
よろしくお願いします！
社内の同僚であれば、少しくだけた表現も自然に受け止められます。
加筆修正依頼後の返信方法とマナー
「加筆修正をお願いします」と依頼を受けたとき、どのように返信すべきか迷う人も少なくありません。返信メールは短くても丁寧に、相手への配慮を忘れないことが大切です。
修正を依頼されたときの返信例
件名：資料修正の件
本文：
〇〇様
お世話になっております。□□です。
資料について加筆修正のご指摘をいただき、ありがとうございます。
ご指摘いただいた内容を反映し、改めてお送りいたします。
引き続きよろしくお願いいたします。
このように「感謝→対応→次のアクション」を入れるとスムーズです。
修正が不要だった場合の返信例
件名：資料のご確認ありがとうございました
本文：
〇〇様
お世話になっております。□□です。
資料をご確認いただき、修正の必要はないとのこと、承知いたしました。
この内容で進めさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
相手の確認に対してきちんと感謝を伝えるのがポイントです。
加筆修正の言い換え表現と使い分け
「加筆修正」という言葉ばかり繰り返すと、やや事務的な印象になることもあります。そこで、状況に応じて柔らかい言い換えを使い分けると、より自然で印象のよいメールになります。
よく使われる言い換え例
- ご指摘（例：「ご指摘があれば幸いです」）
- ご意見（例：「ご意見をいただけますと助かります」）
- 修正点（例：「修正点がありましたらお知らせください」）
- ご確認（例：「ご確認のうえ、必要があれば修正いただければ幸いです」）
使い分けのコツ
- 具体的な修正を依頼したいとき → 「修正点」
- 相手の意見も含めたいとき → 「ご意見」
- 上司や取引先に柔らかく伝えたいとき → 「ご指摘」
例えば「加筆修正等ございましたら」ではなく「お気づきの点がありましたら」と言い換えるだけで、相手への配慮をより自然に伝えることができます。
依頼のシーン別メール文例集
加筆修正をお願いするメールは、依頼する相手や状況によって言い回しを変える必要があります。同じフレーズでも、上司・取引先・同僚に送るのではニュアンスが大きく異なります。ここでは具体的なシーンごとに文例を紹介します。
上司に依頼する場合
件名：報告書のご確認をお願いいたします
本文：
〇〇部長
お疲れさまです。□□です。
本日の会議用に作成した報告書を送付いたします。
恐れ入りますが、加筆修正等ございましたらご指導いただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
上司に対しては「ご指導」「恐れ入りますが」といった表現を入れると、丁寧さが増します。
取引先に依頼する場合
件名：ご確認のお願い
本文：
〇〇株式会社 △△様
平素より大変お世話になっております。□□株式会社の◇◇でございます。
お打ち合わせ内容を反映した提案資料を添付いたします。
加筆修正等がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
取引先には、過度に指導を仰ぐ表現ではなく「お知らせください」と柔らかい依頼が自然です。
同僚に依頼する場合
件名：企画案の確認をお願いします
本文：
〇〇さん
お疲れさまです。□□です。
企画案をまとめたので送ります。
加筆修正があれば教えてもらえると助かります。
よろしくお願いします！
社内のフラットな関係では、ビジネスの礼儀を守りつつもフランクな調子で構いません。
加筆修正依頼で失敗しないコツ
加筆修正をお願いするメールは、書き方次第で相手の受け止め方が大きく変わります。ちょっとした言葉の選び方で「配慮がある依頼」か「押し付けがましい依頼」かに分かれてしまいます。
具体的な修正点を明示する
「加筆修正等ございましたら」とだけ書くと、相手がどこを見ればよいのか分かりません。以下のように補足を添えると親切です。
例：「特に第3章の数値部分についてご確認いただけますと幸いです」
相手の負担を軽減する表現を入れる
「必ず修正してください」と受け取られると負担感を与えてしまいます。
例：「お気づきの点があれば」や「必要な場合は」の一言を添えるだけで柔らかくなります。
お礼の言葉を忘れない
修正をお願いするということは、相手に時間を割いてもらうことです。依頼の最後に「ご多忙のところ恐れ入りますが」や「お手数をおかけいたしますが」と感謝を添えるのがマナーです。
まとめと実践ポイント
「加筆修正等ございましたら」という表現は、ビジネスシーンで幅広く使える便利なフレーズです。しかし、相手や状況に合わせた言い換えや工夫をしないと、事務的で冷たい印象になりかねません。
今回のポイントを整理すると次の通りです。
- 上司には「ご指導いただけますと幸いです」と敬意を強調する
- 取引先には「お知らせください」と柔らかい依頼が適切
- 同僚には「教えてもらえると助かります」と自然体で伝える
- 具体的な確認ポイントを添えると相手が動きやすい
- 感謝や配慮の言葉を必ず添える
このように工夫することで、依頼メールが相手にとって負担ではなく「協力しやすい依頼」になりますよ。メールは一方的な文章ですが、言葉の選び方ひとつでコミュニケーションが大きく変わります。ぜひ日々の業務で実践してみてください。
