ネガティブプロンプトのおすすめテンプレ集!使い回せる定型文と設計ルール

画像生成AIを使って資料用の素材を作ろうとしたとき、「指の本数がおかしい」「謎の文字が入ってしまった」「なんとなく画質が粗い」といったトラブルに直面したことはありませんか?せっかく業務効率化のためにAIを導入しても、修正に時間がかかっては本末転倒ですよね。実は、こうした失敗の9割は「ネガティブプロンプト」を適切に設定することで防げます。

この記事では、忙しいビジネスパーソンのために、コピペしてそのまま使えるネガティブプロンプトのおすすめテンプレを厳選して紹介します。基本的な使い方から、PixAIなどの特定ツールでの活用法、さらには邪魔な文字を消すための具体的な書き方まで網羅しました。これを読めば、明日からの資料作成が劇的にスムーズになり、プロ顔負けの画像を瞬時に生成できるようになりますよ。

目次

ネガティブプロンプトの基本的な使い方とビジネスでの重要性

画像生成AIを業務で活用する際、多くの人が「どんな画像を出したいか(ポジティブプロンプト)」にはこだわりますが、「何を出したくないか(ネガティブプロンプト)」はおろそかにしがちです。しかし、ビジネスで使えるクオリティの画像を安定して出力するためには、このネガティブプロンプトこそが鍵を握っています。まずは、その仕組みと基本的な使い方について理解を深めましょう。

画像生成AIにおけるネガティブプロンプトの役割とは

ネガティブプロンプトとは、一言で言えば「AIに対する禁止命令」のことです。AIは膨大なデータを学習しているため、私たちが意図していない要素まで勝手に描画してしまうことがあります。たとえば、「オフィスで働く男性」と指示しただけなのに、なぜか背景が散らかっていたり、手が3本あったりすることがあるのです。

これを防ぐために、「低画質を描かないで」「奇形を描かないで」「文字を入れないで」といった指示を出すのがネガティブプロンプトの役割です。料理で例えるなら、ポジティブプロンプトが「カレーを作って」という注文だとすれば、ネガティブプロンプトは「激辛にしないで」「パクチーは入れないで」という補足オーダーのようなものです。

ビジネスシーンでは、特に以下の3つの役割が重要になります。

  1. 品質の担保 低解像度やぼやけた描写を除外し、プレゼン資料やWebサイトでも耐えうる高画質な画像を生成させます。
  2. 身体構造の修正 AIが苦手とする指の描写や、手足の数がおかしくなる現象(奇形)を抑制し、違和感のない人物像を作ります。
  3. 不要な要素の排除 ロゴ、署名、文字、あるいは不適切な表現など、ビジネス利用においてリスクとなる要素をあらかじめ取り除きます。

これらを適切に設定することで、生成ガチャ(何度も生成を繰り返すこと)の回数を減らし、業務時間を大幅に短縮できるのです。

仕事で使うなら知っておきたい品質向上のための基礎知識

「とりあえずネットで拾った長い呪文を全部入れればいい」と思っていませんか?実は、ネガティブプロンプトは詰め込みすぎるとAIの動きを制限しすぎてしまい、かえって画質が低下したり、指示した内容が無視されたりすることがあります。仕事で使うからこそ、意味のある単語を厳選して使う必要があります。

まず覚えておきたいのは、AIモデルによって効きやすい単語が違うということです。例えば、リアルな写真風の画像を生成する場合と、イラスト調の画像を生成する場合では、優先すべきネガティブプロンプトが異なります。しかし、共通して入れておくべき「基本の型」は存在します。

ビジネス利用で特に意識したいのは「清潔感」と「整合性」です。

  • Low quality(低品質) これを指定するだけで、書き込みが雑な画像が除外されます。
  • Worst quality(最悪の品質) 上記とセットで使うことで、より強力に低クオリティな生成を防ぎます。
  • Deformed(変形) 人物や物体の形が崩れるのを防ぐための基本ワードです。

これらをベースにしつつ、作りたい画像のテイストに合わせて追加していくのが正しい使い方です。また、多くの生成ツールでは、ネガティブプロンプトの入力欄がポジティブプロンプトとは別に用意されています。「Advanced Settings(詳細設定)」などに隠れていることもあるので、使用しているツールのUIをよく確認してみてくださいね。

コピペで即戦力!ネガティブプロンプトのおすすめテンプレ一覧

「理屈はわかったけれど、いちいち単語を調べる時間がない」という方のために、ここではコピペしてすぐに使えるネガティブプロンプトのテンプレートを用意しました。用途に合わせて組み合わせたり、そのまま使ったりして、業務の効率化にお役立てください。

人物の崩れや指の異常を防ぐための必須セット

ビジネス資料に人物写真を使う場合、指が6本あったり、手足が変な方向に曲がっていたりすると、見る人に不信感を与えてしまいます。人物画像を生成する際は、以下のプロンプトを必ず入れておくことをおすすめします。これらは「身体の崩れ」を徹底的に防ぐための呪文です。

【人物・身体構造補正用テンプレ】

(worst quality, low quality:1.4), (bad anatomy), (bad hands), (text), (error), (missing fingers), (extra digit), (fewer digits), (cropped), (jpeg artifacts), (signature), (watermark), (username), (blurry), (missing arms), (missing legs), (extra arms), (extra legs), (mutated hands), (poorly drawn hands), (poorly drawn face), (mutation), (deformed), (bad proportions), (gross proportions), (malformed limbs), (missing limbs), (long neck)

このセットに含まれている要素を少し解説します。

  • bad anatomy / bad hands 解剖学的に誤った身体構造や、崩れた手を防ぎます。
  • missing fingers / extra digit 指が欠けたり、増えたりするのを防ぐ重要なワードです。
  • mutated hands / poorly drawn hands AIが最も苦手とする「手」の描写崩れを重ねて防止します。
  • missing limbs / extra limbs 手足が消えたり、余分に生えたりするホラーな現象を抑制します。

これらをセットしておくだけで、人物画像の成功率は格段に上がります。特に「指」に関しては、AIの進化が進んでもまだ失敗しやすい箇所なので、念入りに指定しておくと安心ですよ。

高画質でプロっぽい仕上がりにする品質系呪文

次に、画像の全体的なクオリティを底上げするためのテンプレートです。これは人物、風景、商品イメージなど、どんなジャンルの画像を生成するときにも使える万能なセットです。「なんとなく画像が眠い」「ピントが甘い」と感じるときに使ってみてください。

【高画質・クオリティアップ用テンプレ】

(worst quality:1.4), (low quality:1.4), (normal quality:1.4), lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, artist name, bad shadow, bad reflection, flat color, grayscale, monochrome

このプロンプトには、画質を悪くする要素を排除する意図が含まれています。

  • lowres(低解像度) 解像度が低い画像が生成されるのを防ぎます。
  • jpeg artifacts(JPEGノイズ) 画像圧縮時に発生するブロックノイズのような荒れを排除します。
  • blurry(ぼやけ) ピントが合っていない、ぼんやりした画像を回避します。
  • flat color(単色・のっぺり) 陰影のない、平坦な塗りになるのを防ぎ、立体感を出します。

特にプレゼン資料でプロジェクターに投影する場合、画像の粗さは目立ちやすいものです。このテンプレを使って、シャープでクリアな画像を生成しましょう。

余計な文字やロゴを排除してクリーンにする記述

ビジネス利用で特に気をつけたいのが、予期せぬ「文字」や「ロゴ」の混入です。AIは学習データに含まれていた看板の文字や、写真の隅にある署名(サイン)などを「画像の一部」として再現してしまうことがあります。これらは著作権的なリスクを感じさせたり、商用利用時のノイズになったりするため、徹底的に排除する必要があります。

【文字・ロゴ・透かし除去用テンプレ】

text, signature, watermark, username, artist name, title, date, footer, header, logo, copyright, trademark, brand name, barcode, qr code, watermark text

これらの単語を入れることで、画像内からテキスト要素を一掃できます。

  • text / signature / watermark 一般的な文字、署名、透かしを除外します。
  • username / artist name SNSのユーザー名や作家名のような文字列が入るのを防ぎます。
  • copyright / trademark コピーライトマーク(©)や商標マークが勝手に入るのを防ぎます。

特に、Webサイトの背景画像やバナー広告の素材を作るときなど、後から自分で文字を乗せたい場合には、この設定が必須になります。画像自体に謎の英語や記号が入っていると、デザインの邪魔になるだけでなく、修正の手間も増えてしまいますからね。

失敗しないネガティブプロンプトの書き方と設計ルール

おすすめのテンプレを紹介しましたが、プロジェクトによっては「もっとこうしたい」という調整が必要になる場面もあるでしょう。そんなときのために、自分でネガティブプロンプトをカスタマイズするための書き方と、設計のルールについて解説します。ただ単語を並べるだけでなく、ちょっとした記号の使い方で効果が大きく変わるんですよ。

英単語の並び順と重み付けで効果を変える方法

プロンプトは基本的に、先頭(左側)にある単語ほどAIに対する強制力が強くなる傾向があります。ですので、絶対に避けたい要素はリストの最初に書くのが鉄則です。

例えば、どうしても「低画質」だけは避けたい場合は、low quality を一番最初に記述します。

さらに、特定の単語の効果を強めたい場合には、カッコ () や数字を使った「重み付け(強調)」を行います。多くの画像生成AI(Stable DiffusionやPixAIなど)では、以下のような記述ルールが一般的です。

  1. 丸カッコで囲む: (word) 効果が1.1倍になります。重ねて ((word)) とすると1.21倍になります。
  2. 数値で指定する: (word:1.4) 効果を1.4倍にします。逆に弱めたい場合は (word:0.5) のように1未満の数値を指定します。

【記述例】

(worst quality:1.5), (low quality:1.5), bad anatomy, …

このように書くと、「最悪の品質」や「低品質」を除外する力が通常の1.5倍になり、より強力に高品質な画像を生成しようとします。ただし、数値を上げすぎると画像が破綻したり、逆にノイズが増えたりすることもあるので、1.21.5 程度に留めておくのが無難です。

ビジネスで使う場合、「絶対に指を失敗したくない!」というときは (bad hands:1.4) のように、懸念点だけをピンポイントで強調するのが賢い書き方です。

効かないときに確認すべき設定と記述ミス

「ネガティブプロンプトを入れたのに、全然反映されない…」という経験はありませんか?そんなときは、以下のポイントをチェックしてみてください。意外と単純なミスが原因かもしれません。

  • スペルミスがないか AIは英語ベースで学習していることが多いため、スペルが間違っていると認識されません。特に monochrome(モノクロ)や symmetrical(対称)などの長い単語は間違いやすいので注意が必要です。
  • カンマ , で区切っているか 単語と単語の間は必ず半角カンマとスペースで区切りましょう。繋がってしまうと、一つの長い造語として認識され、効果がなくなります。 × low quality bad anatomylow quality, bad anatomy
  • モデルとの相性 使用しているAIモデル(Checkpoint)によっては、特定のネガティブプロンプトが効きにくい場合があります。例えば、実写系のモデルに対してアニメ用のプロンプトを入れても効果が薄いことがあります。
  • ポジティブプロンプトとの矛盾 ポジティブプロンプトで「指輪をはめた手」と指定しておきながら、ネガティブプロンプトで「手」を強く除外しようとすると、AIが混乱して変な画像を出力することがあります。矛盾する指示がないか見直してみましょう。

プロンプトは「呪文」と呼ばれることもありますが、魔法ではなくプログラムへの指示出しです。正しい文法で伝えることで、AIはあなたの意図を正確に汲み取ってくれるようになりますよ。

PixAIや他ツールで役立つ実践的なネガティブプロンプト活用術

ビジネスの現場では、手軽に使えるスマホアプリから本格的なPCツールまで、様々な画像生成AIが導入され始めています。中でも、日本国内で人気が高まっている「PixAI」や、世界標準の「Stable Diffusion」など、ツールごとの特性に合わせたネガティブプロンプトの活用術をご紹介します。

PixAIでアニメ調やリアル系を使い分けるコツ

PixAIは、特にキャラクター生成やアニメ調の画像に強いAIツールですが、ビジネス向けのリアルな素材生成にも十分活用できます。PixAIを使う際のポイントは、モデルのプリセット設定をうまく活用しつつ、ネガティブプロンプトで微調整を行うことです。

【アニメ調・イラスト作成時のポイント】 社内報の挿絵や、親しみやすいプレゼン資料向けにイラストを生成する場合、線画の崩れを防ぐ必要があります。

(worst quality, low quality:1.4), 3d, photorealistic, realistic, nose, lips

ここで photorealisticrealistic をネガティブプロンプトに入れるのがコツです。これにより、中途半端にリアルな質感が混ざるのを防ぎ、パキッとしたアニメ塗りのイラストに仕上げることができます。

【リアル系・ビジネス素材作成時のポイント】 逆に、Webサイトのヘッダー画像など実写に近い画像が欲しい場合は、イラスト要素を徹底的に排除します。

(worst quality, low quality:1.4), illustration, 3d, sepia, painting, cartoons, sketch, anime

illustration(イラスト)、painting(絵画)、sketch(スケッチ)などをネガティブプロンプトに入れることで、写真のようなリアリティを追求できます。PixAIはデフォルトだと少しイラスト寄りになりがちなので、リアル系を作りたいときはこの指定が特に重要になります。

Stable DiffusionやMidjourneyとの違い

ツールが変われば、効果的なプロンプトの傾向も少し変わります。

  • Stable Diffusion 非常に詳細なコントロールが可能です。先ほど紹介した (word:1.5) のような重み付けがダイレクトに反映されます。「Embeddings(EasyNegativeなど)」と呼ばれる、ネガティブプロンプトをひとまとめにした学習ファイルを読み込ませる手法も一般的です。ビジネスで本格的に使うなら、「EasyNegative」などのキーワードを追加するだけで、長文のネガティブプロンプトを入力する手間が省け、品質が一気に安定します。
  • Midjourney Midjourneyは、プロンプトの記述方式が少し異なります。 --no というパラメータを使います。 例えば、文字を入れたくない場合は、プロンプトの末尾に --no text と記述します。 office meeting --no low quality, text, watermark のように、カンマ区切りで複数の要素を除外指定できます。Midjourneyは比較的短い言葉でも意図を汲んでくれる賢さがあるので、あまり長々と呪文を唱えなくてもきれいな画像が出やすいのが特徴です。

ツールごとの「癖」を理解しておくと、新しいツールを導入した際もスムーズに適応できるはずです。まずは普段使っているツールで、ここで紹介した単語を試してみてくださいね。

業務効率を最大化するネガティブプロンプトの管理と応用

ここまでは具体的な単語や書き方について見てきましたが、最後にこれらを日々の業務で効率よく運用するためのテクニックをお伝えします。毎回手入力していては時間がもったいないですよね。自分だけの「秘伝のタレ」として管理し、チーム全体で共有するための工夫です。

辞書登録を活用した時短テクニック

最も原始的ですが、最強の時短術は「辞書登録」です。PCやスマホのユーザー辞書に、よく使うネガティブプロンプトのセットを登録してしまいましょう。

例えば、

  • 読み:ねがてぃぶ
  • 単語:(worst quality, low quality:1.4), (bad anatomy), (bad hands), text, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry

このように登録しておけば、入力欄で「ねがてぃぶ」と打って変換するだけで、数百文字の呪文が一瞬で入力できます。「じんぶつねが(人物用ネガティブ)」「ふうけいねが(風景用ネガティブ)」のように、用途別にいくつか登録しておくとさらに便利です。

また、ブラウザの拡張機能やメモアプリ(NotionやEvernoteなど)にまとめておき、プロジェクトごとにサッとコピペできるようにしておくのも良いでしょう。数秒の短縮ですが、試行錯誤を繰り返す画像生成においては、この積み重ねが大きな時間の節約になります。

チームで共有する際のルール作り

会社やチームで画像生成AIを活用する場合、人によって生成される画像のクオリティにバラつきが出ることがあります。これを防ぐために、ネガティブプロンプトの「標準セット」をルール化することをおすすめします。

  1. ベースとなるプロンプトをマニュアル化する 「当社の資料で使用する画像には、必ずこのネガティブプロンプトを入れること」というルールを作ります。これにより、誰が作っても最低限の品質(指の崩れなし、文字混入なし)が担保されます。
  2. 禁止事項としての活用 企業のブランドイメージを守るために、特定の表現が出ないように制御します。例えば、明るいイメージで統一したい場合は dark, gloomy, horror(暗い、陰鬱、ホラー)などをネガティブプロンプトの共通ルールとして設定しておきます。
  3. 定期的なアップデート AIモデルは日々進化しています。半年前に必須だったプロンプトが、最新モデルでは不要になっていることもあります。チーム内で「最近この単語を入れると調子が良い」といった情報を共有し、定期的にテンプレートを更新していくのが理想的です。

まとめ

画像生成AIにおけるネガティブプロンプトは、単なる「除外リスト」ではなく、理想の画像を最短距離で手に入れるための強力なコントロールツールです。

  • 基本の3要素:低品質(Low quality)、身体の崩れ(Bad anatomy)、不要な要素(Text/Watermark)をまずは抑える。
  • コピペ活用:今回紹介したテンプレートをベースに、自分の用途に合わせて微調整する。
  • 書き方のルール:重要なものは先頭に書き、カッコや数値で重み付けを行う。
  • ツール別対応:PixAIやStable Diffusionなど、使う道具に合わせて「リアル寄り」「アニメ寄り」の除外設定を使い分ける。

これらを意識するだけで、生成される画像のクオリティは驚くほど向上します。「なかなか思い通りの画像が出ない」と悩んでいた時間も、クリエイティブな作業や本来の業務に充てられるようになるはずです。ぜひ、今日からご紹介したプロンプトをコピペして、サクサクと高品質なビジネス素材を生み出してくださいね!

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