「そろそろiPhoneにしてみようかな」そう思って機種変更を決意したものの、いざデータを移そうとしたら「あれ?このデータ移せないの?」と青ざめる。そんな経験、実は多くの人がしているんです。特に仕事でAndroidを使っていた場合、大切な連絡先や過去のやり取りが消えてしまったら、業務に大きな支障が出てしまいますよね。スマホは生活必需品であり、ビジネスパートナーでもあるからこそ、失敗は許されません。
この記事では、AndroidからiPhoneへの乗り換えで「移行できないもの」を徹底的にリストアップしました。LINEのトーク履歴やおサイフケータイの残高、アプリごとの引継ぎルールなど、事前に知っておけば対策できることばかりです。また、移行後に「使いにくい」と後悔しないためのポイントや、自分でできる安全なデータ移行手順も分かりやすく解説します。これを読めば、不安なくスムーズに新しいiPhoneライフをスタートできますよ。
AndroidからiPhoneへデータ移行できないもの完全リスト
長年使ってきたAndroidスマホには、写真や連絡先だけでなく、日々の生活や仕事に欠かせない様々なデータが蓄積されていますよね。iPhoneへの乗り換えはワクワクするイベントですが、OS(基本ソフト)が異なるため、どうしても「そのまま持っていけないデータ」が存在します。
移行作業を始めてから「えっ、消えちゃうの?」とパニックにならないために、まずは「何が移せて、何が移せないのか」を明確にしておきましょう。特に、お金に関わるものや、二度と取り戻せない思い出のデータについては、事前に対策を打つ必要があります。ここでは、ビジネスパーソンが特に注意すべきポイントを中心に解説します。
LINEのトーク履歴やコイン残高の引き継ぎルール
日本人のコミュニケーションインフラとも言えるLINE。仕事の連絡をLINEで行っている方も多いのではないでしょうか。実は、AndroidからiPhoneへ機種変更する際、LINEのデータ移行には大きな壁があります。
まず、最も重要な**「トーク履歴」**についてです。 以前までは、異なるOS間(Android⇔iPhone)でのトーク履歴の引き継ぎは一切できませんでした。しかし、現在は「かんたん引き継ぎQRコード」という機能を使うことで、直近14日間のトーク履歴に限って移行が可能になっています。
「たった14日分?」と思うかもしれませんが、ゼロになるよりはずっとマシですよね。ただし、それ以前の過去数年分のやり取りは、新しいiPhoneのLINEアプリ上には引き継げません。
- 対策: 仕事で重要なやり取りや、どうしても残しておきたい思い出のメッセージは、テキスト形式で保存(トーク設定から「トーク履歴を送信」)するか、スクリーンショットを撮って画像として保存しておく必要があります。あるいは、PC版LINEを併用していれば、PC上では過去の履歴が見られる場合があるので確認しておきましょう。
次に注意が必要なのが、「LINEコイン」や「コールクレジット」などの有償アイテムです。 これらは、AndroidのGoogle Playストアで購入した通貨という扱いになるため、AppleのApp Storeを利用するiPhoneには一切引き継ぐことができません。
- 対策: 機種変更をする前に、残っているコインを使い切るのが鉄則です。お世話になった人にスタンプをプレゼントしたり、着せかえを購入したりして、無駄なく消費してから移行作業を行いましょう。ちなみに、購入済みのスタンプや着せかえ自体は、新しいiPhoneでも再ダウンロードして使うことができますよ。
おサイフケータイの残高やアプリごとの独自マネー
「スマホだけで改札を通ったり、コンビニで買い物をしたりできる」というのは、Androidの大きな魅力の一つですよね。しかし、iPhoneのApple PayとAndroidのおサイフケータイは、仕組みが少し異なります。
まず、**「楽天Edy」や「WAON」「nanaco」**といった電子マネーの残高は、基本的にiPhoneへ直接移行することが難しい、あるいは非常に手間がかかるケースが多いです。iPhoneのApple Payが対応しているのは、主に「Suica」「PASMO」「ICOCA」などの交通系ICカードと、「iD」「QUICPay」などのポストペイ(後払い)型、そして一部の流通系電子マネーに限られます。
特に注意が必要なのが、モバイルSuicaです。 AndroidからiPhoneへSuicaを移行することは可能ですが、残高をそのまま「ポン」と移せるわけではありません。一度Android端末側で「カードを預ける(サーバーに退避させる)」操作を行い、その後iPhone側で同じSuicaアカウントでログインして「受け取る」という手順が必要です。これをやらずにAndroid端末を初期化してしまうと、残高が消滅するリスクがあります。
- 対策: 移行できない電子マネー(EdyやWAONなど)は、機種変更前にすべて使い切るのが一番安全です。どうしても使いきれない場合は、各サービスの公式サイトで「機種変更時の残高預かり」が可能か確認し、手続きを行ってください。
- アプリ内通貨: ゲームアプリの「石」や「ジェム」、漫画アプリの「ポイント」なども、異なるOS間では引き継げないことがほとんどです。これもLINEコイン同様、使い切ってから移行しましょう。
Android専用アプリやゲーム内課金通貨の扱い
Androidスマホを使っていると、Google Playストアにはあるけれど、App Storeには存在しないアプリがあることに気づくかもしれません。
Androidは開発の自由度が高いため、個人開発の便利なツールアプリや、システム設定を細かく変更できるウィジェットアプリなどが豊富です。しかし、iPhone(iOS)はセキュリティの観点からアプリの審査が厳しく、システム内部をいじるようなアプリは許可されていません。
そのため、**「Androidで愛用していたあの便利ツールが、iPhoneにはない!」**ということが頻繁に起こります。特に、通話録音アプリや、ホーム画面のアイコンを自由に変えるランチャーアプリなどは、iPhoneでは代替品が見つからないか、機能が制限されていることが多いです。
- 対策: 仕事で必須のアプリがある場合は、事前にApp Storeで同じアプリがあるか、あるいは同等の機能を持つ代替アプリがあるかを検索しておきましょう。「これがないと仕事にならない」というアプリがあるなら、iPhoneへの移行自体を再検討するか、Android端末をサブ機として残す判断も必要かもしれません。
また、ゲームアプリのデータ引き継ぎにも注意が必要です。 多くのゲームは、Facebook連携や独自のID・パスワード発行によってデータを引き継げますが、前述の通り**「課金通貨(魔法石やジュエルなど)」**はOSをまたぐと消滅する仕様になっているものが大半です。
- 確認事項: 必ずゲーム内の「お知らせ」や「ヘルプ」から「機種変更について」の項目を読み、異なるOS間での引き継ぎルールを確認してください。「引き継ぎコード」を発行する必要があるのか、SNS連携だけでいいのか、事前に把握しておかないと、数年間育てたキャラクターを失うことになります。
仕事で使うなら要注意!移行できるものとできないものの境界線
「できないもの」ばかり聞くと不安になってしまうかもしれませんが、安心してください。基本的なデータの多くは、AndroidからiPhoneへ移行することができます。特にビジネスで重要なメールやカレンダー、連絡先などは、クラウド(インターネット上の保管庫)を活用することで、驚くほどスムーズに同期できるのです。
ここでは、仕事の効率を落とさないために、確実に移行しておきたいデータの取り扱いについて解説します。何が自動で移り、何に手動の作業が必要なのか、その境界線をはっきりさせておきましょう。
Googleアカウント関連(メール、カレンダー、連絡先)の同期方法
Androidユーザーの多くは、Googleアカウント(Gmailアドレス)を活用しているはずです。実は、このGoogleアカウントこそが、iPhoneへの移行における最強の味方になります。
iPhoneにもGoogleのアプリ(Gmail、Googleカレンダー、Googleマップなど)が用意されており、これらをインストールしてログインするだけで、データは完全に同期されます。つまり、移行作業というよりも、新しい端末で「見るための窓」を開くだけの感覚です。
- メール(Gmail): iPhoneに「Gmailアプリ」を入れるか、iPhone標準の「メール」アプリにGoogleアカウントを追加すれば、過去のメールも含めてすべて閲覧・送受信できます。フォルダ分けやスターなどの設定もそのままです。
- カレンダー(Googleカレンダー): これまでAndroidで入力していたスケジュールは、Googleのサーバーに保存されています。iPhoneでGoogleカレンダーアプリにログインすれば、瞬時に予定が反映されます。仕事のアポも忘れることはありません。
- 連絡先(電話帳): Androidの連絡先をGoogleアカウントに保存設定していれば、iPhoneの「設定」→「コンタクト」→「アカウント」からGoogleアカウントを追加し、「連絡先」をオンにするだけで同期されます。
ただし、注意点として、連絡先が**「本体保存」や「docomoアカウント保存」**になっている場合は、Googleアカウントには同期されていません。機種変更前に、Android側の連絡先アプリで「インポート/エクスポート」機能使い、保存先をGoogleアカウントに変更しておくか、後述するドコモのデータコピーアプリなどを併用する必要があります。
写真や動画データを劣化させずに移すテクニック
仕事で撮影した現場の写真や、ホワイトボードのメモ、プライベートな思い出の動画。これらは容量が大きく、移行に時間がかかるデータです。
Appleが提供している公式アプリ**「iOSに移行(Move to iOS)」**を使えば、Android端末内の写真や動画をiPhoneへ直接転送することができます。これが最も標準的な方法ですが、データ量が多いと数時間かかることもあり、途中で通信が切れて失敗するケースも少なくありません。
そこで、ビジネスパーソンにおすすめしたいのが、**「Googleフォト」や「Amazon Photos」**といったクラウドストレージサービスを活用する方法です。
- Googleフォト: Android側でGoogleフォトに写真をバックアップしておけば、iPhoneでGoogleフォトアプリを開くだけですべての写真が見られます。iPhoneの本体容量を圧迫しないというメリットもあります。ただし、無料版の容量制限(15GB)を超えると保存できなくなるので注意が必要です。
- Amazon Photos: もしAmazonプライム会員なら、Amazon Photosを使えば写真は容量無制限・無圧縮で保存できます。動画は5GBまでですが、大量の業務写真を劣化させずに保存・移行するには最適です。
これらのクラウドサービスを使えば、「移行」というよりも「どこからでもアクセスできる状態にする」ことができるため、万が一iPhoneを紛失してもデータは安全です。
ドコモメールやキャリアメールの引き継ぎ設定
長年使っている「@docomo.ne.jp」や「@ezweb.ne.jp」などのキャリアメール。仕事の取引先や各種サービスの登録に使っている場合、アドレスが変わると大変な手間になりますよね。
現在は、携帯会社を乗り換えたとしても、月額330円程度を支払うことで同じメールアドレスを使い続けられる**「メール持ち運びサービス」**があります。これを利用すれば、iPhoneに変えても、キャリアを変えても、同じアドレスでメールの送受信が可能です。
- iPhoneでの設定: ドコモの場合、「iPhone初期設定ガイド」などに従い、iPhone標準のメールアプリでドコモメールを使えるようにする「プロファイル」という設定ファイルをインストールします。少し専門的に聞こえますが、ドコモのサイトからQRコードを読み込むだけで自動設定される仕組みになっているので簡単です。
ただし、**「Androidで保存していた過去の受信メール」**が、サーバーから消えてしまっている(端末内にしか残っていない)場合、それらはiPhoneには引き継げないことがあります。ドコモメールなどは基本的にクラウド(サーバー)に保存されていますが、保護したメールなどがローカル保存になっていないか、念のため確認しておきましょう。
アンドロイドからiPhoneにして後悔しないための操作性の違い
「みんなiPhoneを使っているし、きっと使いやすいはず」そう思って乗り換えたのに、数日後には「Androidに戻したい…」と嘆く人がいます。この「後悔」の正体は、機能の優劣ではなく、長年染み付いた**「操作のクセ」との不一致**であることがほとんどです。
仕事中にイライラしないためにも、iPhoneとAndroidの決定的な操作性の違いを事前に知っておきましょう。「違うものだ」と割り切って準備しておけば、ストレスは最小限に抑えられます。
「戻るボタン」がない!操作感の違いを乗り越えるコツ
AndroidユーザーがiPhoneにして最初に戸惑うのが、画面下部にあった**「戻るボタン(◁)」がない**ことです。
Androidでは、どのアプリを開いていても、右下や左下のボタンを押せば「ひとつ前の画面」に戻れました。しかし、iPhoneにはホームボタン(またはホームバー)しかありません。
- iPhoneでの「戻る」操作: 基本的には、画面の**左端から右へスワイプ(指を滑らせる)**操作が「戻る」に対応しています。または、画面左上にある小さな「<(戻る)」アイコンをタップします。
この「画面左上のボタン」が曲者です。最近のスマホは画面が大きいため、片手で操作していると親指が左上まで届かないのです。「Androidなら下の方で操作できたのに!」とストレスを感じる瞬間です。
- 乗り越えるコツ: 「スワイプで戻る」操作を指に覚え込ませましょう。ほとんどのアプリで対応しています。また、どうしても指が届かない時は、画面下部のバーを下にスワイプすると画面全体が下に下がる「簡易アクセス」という機能を使うのも手です。
ファイル管理やPCとの接続などビジネス利用の盲点
仕事でPDFやExcelファイルを扱う場合、Androidの感覚でいるとiPhoneの仕様に戸惑うかもしれません。
Androidは、パソコンのようにフォルダの中にファイルを自由に保存し、USBケーブルでPCに繋げば、エクスプローラー(ファイル管理画面)から直接データをドラッグ&ドロップでやり取りできました。まさに「小さなパソコン」としての使い勝手があります。
一方、iPhoneはセキュリティ重視のため、ファイルシステムがユーザーから見えにくくなっています。PC(特にWindows)に繋いでも、写真フォルダ以外は中身が見えず、ファイルを直接放り込むことはできません。
- 対策: iPhoneでファイルをやり取りするには、**「iCloud Drive」や「Googleドライブ」「OneDrive」**などのクラウドストレージを経由するのが基本になります。また、純正の「ファイル」アプリを使えばある程度の管理はできますが、Androidほどの自由度はありません。Windows PCとのデータ連携が多い仕事の場合、この「ひと手間」が地味に効いてくるので、クラウド運用のフローを確立しておくことが重要です。
指紋認証や顔認証の違いとセキュリティ設定
ロック解除の生体認証も、好みが分かれるポイントです。
最近のAndroidは、画面内指紋認証や、電源ボタン一体型の指紋認証が主流です。マスクをしていても、暗闇でも、指一本でサッと開く便利さがあります。
対して、最近のiPhone(ホームボタンがないモデル)は**「Face ID(顔認証)」**が基本です。精度は非常に高いですが、以下のような不便さを感じることがあります。
- 机に置いたままロック解除できない(顔を覗き込む必要がある)。
- 寝起きやマスク着用時(設定で対応可能ですが)に反応しづらいことがある。
- 横向きで反応しないモデルがある。
「いちいちスマホを持ち上げないと開かないのが面倒」と感じるAndroidユーザーは多いです。
- 心構え: Face IDは、通知の中身を「本人が見ている時だけ表示する」といった高度なプライバシー保護機能と連動しています。ビジネスでのセキュリティはiPhoneの方が強固だと割り切り、顔認証の作法に慣れていく必要があります。
自分で機種変更!AndroidからiPhoneへデータ移行する手順
「携帯ショップでやってもらうと手数料がかかるし、待ち時間も長い…」 最近は、自宅にいながら自分でデータ移行を行う人が増えています。AppleもAndroidからの乗り換えを歓迎しており、専用のアプリを使えば、誰でも簡単にデータを移せるようになっています。
ここでは、自分で機種変更を行う際の具体的な手順と、失敗しないためのポイントを解説します。事前の準備さえしっかりしていれば、休日の午前中だけで作業を完了させることも可能ですよ。
Apple公式アプリ「iOSに移行」を使った基本ステップ
AppleがAndroidユーザーのために提供している無料アプリ**「iOSに移行(Move to iOS)」**を使うのが、最も王道で確実な方法です。このアプリは、連絡先、メッセージ履歴、カメラロールの写真や動画、Webのブックマーク、メールアカウント、カレンダーなどを一括で転送してくれます。
手順:
- 準備:
- 両方の端末を充電器に繋いでおく(途中で電源が切れると最初からやり直しになります)。
- 両方の端末のWi-Fiをオンにする。
- Android端末にGoogle Playストアから「iOSに移行」アプリをインストールする。
- iPhone側の操作:
- 新しいiPhoneの電源を入れ、初期設定を進めます。「クイックスタート」画面が出たら「手動で設定」を選びます。
- 「アプリとデータ」の画面まで進み、**「Androidからデータを移行」**を選択します。
- 画面に6桁または10桁のコードが表示されます。
- Android側の操作:
- 「iOSに移行」アプリを開き、利用規約に同意して進めます。
- 「コードを検索」画面で、iPhoneに表示されたコードを入力します。
- しばらくすると、iPhoneとAndroidが専用のWi-Fiで直接接続されます。
- データ転送:
- 転送したいデータ(メッセージ、連絡先、カレンダー、写真など)にチェックを入れ、「次へ」をタップします。
- 転送バーがいっぱいになるまで、絶対にアプリを閉じたり別の操作をしたりしないでください。
- 完了:
- 転送が完了したら、iPhone側でApple IDの設定などを進めて初期設定を終わらせます。
注意点: アプリのダウンロードも提案されますが、これは「Androidで使っていたアプリと同じものがApp Storeにあれば、ダウンロードリストに追加する」という機能です。アプリ内のデータまで移行されるわけではないので注意してください。
ドコモデータコピーアプリを活用した連絡先・画像の移行
もしキャリアがドコモであれば、**「ドコモデータコピー」**というアプリを使うのも一つの手です。これはドコモユーザー以外でも使える便利なツールで、Wi-Fiを使って2台のスマホ間で直接データをコピーできます。
特に、「iOSに移行」アプリがうまく動作しない場合や、写真と連絡先だけ手早く移したい場合に重宝します。
手順:
- 両方の端末に「ドコモデータコピー」アプリをインストールします(iPhoneはApp Storeから)。
- Wi-Fiをオフにし、Bluetoothをオンにします(アプリの指示に従ってください)。
- 両方のアプリを起動し、「データ移行」を選択します。
- 「今までのスマートフォン(Android)」と「新しいスマートフォン(iPhone)」をそれぞれ選択します。
- QRコードを読み取ってペアリングし、移行したいデータを選んでスタートします。
このアプリの利点は、操作が日本語で分かりやすく、日本独自のガラケー文化から続く「電話帳移行」に強いことです。連絡先のフリガナが消えたり、グループ分けが崩れたりするトラブルが比較的少ないと言われています。
データ移行がうまくいかない時のトラブルシューティング
「転送エラーが起きて進まない」「残り時間がいつまで経っても減らない」 データ移行にはトラブルがつきものです。焦らず、以下の対処法を試してみてください。
- 機内モードを活用する: Android側で、Wi-Fiだけオンにした状態で「機内モード」に設定してみてください。モバイルデータ通信や他の着信が邪魔をして、転送が中断されるのを防げます。
- 不要なアプリやWi-Fi設定を削除する: Android側で、特定のWi-Fi自動接続設定(Smart Network Switchなど)がオンになっていると、iPhoneとの接続が切れることがあります。Wi-Fi設定画面から、不安定な接続を無効にする設定を確認しましょう。
- 端末を再起動する: 基本中の基本ですが、両方の端末を再起動するだけであっさり解決することが多いです。
- 容量を確認する: iPhoneのストレージ容量(64GB, 128GBなど)が、Androidから移そうとしているデータ量より少ない場合、当然入りきりません。Android側で不要な写真や動画を削除して整理するか、クラウドへの退避を検討しましょう。
初期設定が終わった後からでもデータ移行する方法はある?
「早くiPhoneを使いたくて、データ移行をスキップして初期設定を完了させちゃった…」 「後からAndroidの中に大事な写真があることに気づいた!」
そんな時、「もう手遅れ?」と絶望する必要はありません。初期設定時の「一括転送」ほど簡単ではありませんが、後からでもデータを移す方法はいくつか残されています。状況に合わせたリカバリー方法をご紹介します。
初期化せずに写真や連絡先を追加で移す方法
基本的に、Apple公式の「iOSに移行」アプリは、iPhoneが初期化状態(初期設定画面)でないと使えません。すでにホーム画面が表示されて使い始めている場合、このアプリを使うにはiPhoneを一度「リセット(工場出荷状態に戻す)」する必要があります。
しかし、せっかく設定したアプリやログイン情報を消したくないですよね。リセットせずにデータを移すには、各データごとに個別の移行手段を使います。
- 連絡先: Android側で連絡先アプリを開き、「設定」→「エクスポート」で「.vcf」ファイルを作成します。これを自分宛てのメールに添付して送るか、Googleドライブにアップロードします。iPhone側でそのファイルを開けば、連絡先に追加できます。
- 写真・動画: PCを持っているなら、Androidを繋いで写真をPCにコピーし、その後PCからiCloud経由でiPhoneに同期するか、Googleフォトなどのクラウド経由で移行します。枚数が少ないなら、AirDropのようなファイル転送アプリ(Send Anywhereなど)を使うのも便利です。
クラウドサービス(Googleフォト・Drive)を使った裏技
「後から移行」の救世主は、やはりクラウドサービスです。 物理的にデータを移すのではなく、クラウド上にデータをアップロードして、iPhoneからアクセスできるようにすれば、実質的な移行完了となります。
- Googleドライブ: Androidで移行したいドキュメントやPDFなどをGoogleドライブにアップロードします。iPhoneにGoogleドライブアプリを入れれば、すぐに閲覧・ダウンロード可能です。
- Googleフォト: Androidで「バックアップと同期」をオンにして、全ての写真をクラウドに上げます。iPhoneでGoogleフォトアプリにログインすれば、全ての写真が見られます。iPhone本体に保存したい写真だけを選んで「端末に保存」すれば、カメラロールに移すこともできます。
この方法は時間がかかりますが、iPhoneを初期化する必要がなく、バックグラウンドで作業を進められるので、仕事の合間に行うのに適しています。
移行漏れを防ぐための最終確認チェックリスト
最後に、古いAndroid端末を下取りに出したり処分したりする前に、本当に全てのデータが移行できているか確認しましょう。一度手放すと、二度と戻ってきません。
ビジネスマン向け最終チェックリスト:
- [ ] LINE: トーク履歴は消えてもいいか?(重要なやり取りはスクショしたか?)アカウント引き継ぎ設定はオンにしたか?
- [ ] 2段階認証アプリ: Google Authenticatorなどの認証アプリの移行手続きは済んだか?(これを忘れると、他のサービスにログインできなくなります!)
- [ ] おサイフケータイ: Suicaなどの残高は移行したか?Edyなどは使い切ったか?
- [ ] 独自のメモ帳アプリ: Android標準のメモ帳などに入力したアイデアやパスワードメモは移したか?(Google Keepなどにコピペしておくと安心です)
- [ ] ボイスレコーダー: 会議の録音データなどはPCやクラウドに退避させたか?
- [ ] ローカル保存のファイル: 「ダウンロード」フォルダに入ったままのPDF資料などを忘れていないか?
これらを一つ一つ確認し、「よし、このAndroid端末が今すぐ壊れても仕事に支障はない!」と言える状態になってから、初期化(リセット)を行ってくださいね。
まとめ
AndroidからiPhoneへの移行は、単なるスマホの買い替えではなく、仕事道具の環境を一新する大きなプロジェクトです。
- できないもの: LINEの全履歴、アプリ内通貨、一部の電子マネー残高。これらは使い切るか、スクショで保存するなどの割り切りが必要です。
- できるもの: 連絡先、写真、カレンダー、メール。これらはクラウドや専用アプリを使えば確実に移行できます。
- 後悔しないために: 「戻るボタンがない」「ファイル操作が違う」といった文化の違いを理解し、慣れるまでの期間を設ける心の余裕が大切です。
「できないこと」を事前に知っておけば、対策はいくらでも立てられます。万全の準備をして、新しいiPhoneでの快適なビジネスライフをスタートさせてくださいね!




























