季節ごとに変化する自然や気候に合わせた「時候の挨拶」は、手紙やメール、社内外のコミュニケーションで相手に好印象を与える重要な一文です。この記事では、春夏秋冬それぞれの季節に使える時候の挨拶を一覧で紹介し、ビジネスでもカジュアルでも活用できる「やわらかい表現」と「結び言葉」のポイントを例文付きで解説します。時候の挨拶に悩む方も、この記事を読むだけで安心して使い分けられるようになります。
時候の挨拶とは?|意味と基本マナー
時候の挨拶の役割
時候の挨拶とは、季節に応じて書き出しに用いられる定型表現で、主に手紙やビジネスメールの冒頭に使われます。相手の健康や状況を気遣う役割を果たし、形式的でありながらも心を伝えるコミュニケーションツールです。
使用する場面
- 社外向けメールや文書
- 年賀状やお礼状
- おたより・学校通信
- ビジネス文書の冒頭と締めくくり
春夏秋冬|季節別 時候の挨拶 一覧とやわらかい表現
春(3〜5月)
書き出し例(フォーマル)
- 早春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
- 陽春の候、皆様におかれましてはますますご健勝のことと拝察いたします。
書き出し例(やわらかい表現)
- 日ごとに春らしさが増してまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
- 桜のつぼみがふくらみ始める季節となりましたね。
結びの例
- 新年度のご多忙の折、くれぐれもご自愛ください。
- 穏やかな春の訪れとともに、皆さまのご健康をお祈り申し上げます。



夏(6〜8月)
書き出し例(フォーマル)
- 初夏の候、貴社におかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 盛夏の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
書き出し例(やわらかい表現)
- 暑さが厳しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨の晴れ間がうれしい季節ですね。
結びの例
- 暑さ厳しき折、体調を崩されませんようご自愛ください。
- 夏バテに気をつけて、元気にお過ごしくださいね。



秋(9〜11月)
書き出し例(フォーマル)
- 秋涼の候、貴社いよいよご繁栄のことと拝察いたします。
- 仲秋の候、皆様には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
書き出し例(やわらかい表現)
- 朝晩がひんやりしてきましたね。秋らしい空気を感じます。
- 木々が色づき始め、季節の移ろいを実感します。
結びの例
- 実りの秋、どうぞ健やかにお過ごしくださいませ。
- 寒暖差が激しい時期ですので、ご自愛くださいませ。



冬(12〜2月)
書き出し例(フォーマル)
- 寒冷の候、貴社ますますご発展のことと拝察いたします。
- 厳寒の候、皆様におかれましては益々ご清栄のことと存じます。
書き出し例(やわらかい表現)
- 冬の寒さが身にしみる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
- 吐く息も白くなり、本格的な冬の到来を感じますね。
結びの例
- 寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
- 年末に向けお忙しいことと存じますが、ご無理なさいませんように。



ビジネスで使える季節の挨拶文のポイント
1. 形式を守りながらも「やわらかさ」を意識する
ビジネス文でも、硬すぎない表現にすることで、相手に好印象を与えます。
例:
- 「ご清栄のことと〜」 → 「お元気でお過ごしのことと存じます」
2. 季節感+相手への気遣いを必ず入れる
気候や行事への触れ方に「気遣い」を添えることで、心が伝わる挨拶になります。
例:
- 「朝晩の冷え込みが増してまいりました。どうかご自愛ください。」
3. 書き出しと結びのバランスをとる
硬すぎる書き出しには、やわらかい結びを合わせるなど、文全体で調整を図りましょう。
よく使われる「時候の挨拶 例文」一覧まとめ
季節 | フォーマル書き出し例 | やわらかい書き出し例 |
---|---|---|
春 | 陽春の候〜 | 桜の便りが届く頃となりましたね〜 |
夏 | 盛夏の候〜 | 暑さが増してきましたが〜 |
秋 | 秋涼の候〜 | 風が少しずつ涼しくなってきましたね〜 |
冬 | 寒冷の候〜 | 冬らしい寒さになってきましたね〜 |
【まとめ】時候の挨拶は“形式+気づかい”+“やわらかさ”が鍵
時候の挨拶は、ビジネス文書でもカジュアルなやりとりでも、相手を思いやる気持ちを短い言葉で伝える大切なツールです。春夏秋冬の移ろいを意識しながら、やさしい語り口や気遣いの一言を添えるだけで、文章の印象が大きく変わります。
ロロント株式会社では、こうしたコミュニケーション表現も含め、メールや記事コンテンツ、DM、広報物などの言葉設計からサポートを行っています。挨拶文や文例にお困りの方は、お気軽にご相談ください。
