情報セキュリティ業界で高く評価されるCISSP(Certified Information Systems Security Professional)。その一方で、「難しすぎる」「意味がない」「実務で使えない」といった声がネット上には散見されます。果たしてCISSPは本当に取得する価値があるのでしょうか?この記事では、CISSPの難易度や受験資格、勉強方法を整理しつつ、“意味がある資格”として業務でどう活かせるかまでをビジネス視点で徹底解説します。
CISSPとは?取得するメリットとビジネスにおける意義
CISSPは、情報セキュリティ分野で最も権威のある国際資格の一つで、(ISC)²(International Information System Security Certification Consortium)が認定しています。
取得する主なメリット
- セキュリティ専門職としての信頼性が高まる
- グローバル企業・外資系企業でのキャリアパスに有利
- セキュリティポリシー設計やマネジメントに強くなる
- 年収のベースアップにつながるケースがある
特に管理職やCISO(最高情報セキュリティ責任者)を目指す層にとっては、知識体系の整理と対外的な評価の両面で有効です。
CISSPの難易度はどれくらいか
CISSPは“世界一難しい情報セキュリティ資格”とまで言われることもあります。では、その難易度の実態はどうなのでしょうか。
出題形式と合格基準
- 試験時間:4時間(CAT方式)
- 問題数:100〜150問
- 合格点:700点以上(1000点満点)
- 出題範囲:8ドメインにわたる広範な内容
このように範囲が非常に広く、実務経験に基づく応用力が求められることが、難易度の高さに直結しています。
CISSPの難易度は他資格と比べてどうか
他の情報セキュリティ系資格との難易度比較も見てみましょう。
資格名 | 難易度 | 主な対象 |
---|---|---|
CISSP | 非常に高い | 管理職・グローバルIT人材 |
情報処理安全確保支援士 | 高い | 日本国内の実務担当者向け |
情報セキュリティスペシャリスト(旧) | 中〜高 | 技術系国家資格(日本) |
「CISSP 難易度 比較」「CISSP 難易度 情報セキュリティスペシャリスト」といった検索が多いのも納得です。国際資格であること、実務ベースの内容が多いことからも、CISSPは一段上のレベルと評価されています。
CISSPが「意味ない」と言われる背景
一部で「CISSP 意味ない」と言われる理由は、次のような現実にあります。
1. 実務と試験内容の乖離
実際の業務ではツール操作や手順対応が中心で、CISSPが重視する“管理者視点のセキュリティ原則”が役立つ場面が少ないと感じる人も。
2. 転職での即効性に欠けるケースも
一部の中小企業では、CISSPの価値を理解していないこともあり、「資格があっても面接に響かない」といったケースがあるのも事実です。
3. 実務経験が問われるため取得できない層が多い
後述するように、**受験資格が実務経験5年(条件付きで4年)**とハードルが高いため、「取れないなら意味がない」となることも。
しかし、これらの声はCISSPの価値を正しく理解していないことによる誤解であることが多く、中長期的なキャリア構築においては高い投資対効果がある資格です。
CISSPの受験資格と受験料について
受験資格(実務経験)
- 8つのセキュリティドメインのうち、2つ以上において5年の実務経験
- 下記の条件を満たせば1年分を短縮可能
- 大学卒業(4年制)や特定資格(例:CEH)の保有
- 経験不足でも「アソシエイトCISSP」として試験合格後に実務を積めば認定可能
「CISSP 実務経験なし」でも最終的に資格取得を目指すことは可能ですが、受験には厳格なルールがあることを理解しておくべきです。
受験料
- 約749ドル(2025年現在)
- 日本円で約11万円前後(為替により変動)
さらに、年会費や更新に必要な継続教育(CPE)の取得も必要なため、継続的なコストも視野に入れる必要があります。
CISSPの勉強方法|落ちた人が見直すべきポイント
「CISSP 勉強方法」「CISSP 落ちた」と検索する人が多いのは、一度目で不合格になるケースも少なくないためです。
合格に向けた勉強ステップ
- 公式CBK(Common Body of Knowledge)の理解
- 公式テキストを通読するのが基本
- 問題集の反復
- 英語版の問題集がメインだが、日本語対訳版も登場
- セキュリティマネジメントの全体像を把握
- テクニカルというよりは「リスク判断・ルール設計」の思考力が問われる
- 動画講座やBootcampの活用
- Udemy、Coursera、YouTubeでも対策コンテンツが豊富
落ちた人の特徴と対策
- 単なる暗記に頼った学習 → 事例ベースの思考訓練を重視
- 英語問題への耐性不足 → 毎日30分でも英文を読む習慣を
- 過去問だけで対応しようとする → CISSPは出題非公開。理解力重視
受験を検討する方は、3ヶ月〜6ヶ月の計画で日常業務と両立できる勉強計画を立てましょう。
CISSPは業務にどう役立つのか
CISSPは現場エンジニア向けというよりも、“セキュリティを経営的に理解・判断する人材”に求められる知識体系です。
業務で活かせるシーン
- セキュリティポリシー策定:社内ルールをグローバル標準に合わせて整備
- リスクマネジメント:セキュリティ投資や運用の優先順位づけに貢献
- ベンダーコントロール:外部委託先のセキュリティレベルを評価・監督
- 監査・インシデント対応:発生後の再発防止策立案に説得力が持てる
特に、情報セキュリティ責任者やITマネージャーにとっては、社内のセキュリティ文化を醸成する“共通言語”としての価値が大きいです。
まとめ|CISSPの難易度は高いが、得られる価値はそれ以上
CISSPは確かに簡単な資格ではありません。
ですが、「意味がない」と言われるような短期的な評価ではなく、長期的なキャリア形成や社内での役割を高める視点で捉えるべき資格です。
- 実務経験や受験資格に条件はあるが、計画的な準備で突破可能
- 広範な知識は業務の全体理解を深め、経営判断にも役立つ
- 取得後の市場価値や信頼性は高く、グローバル企業でも通用する
“セキュリティを語れるリーダー”を目指すなら、CISSPは間違いなく有力な一歩です。