「会議で話がまとまらない」「チームで協力できない」——そんな悩みを抱える職場や教育現場で注目されているのが“コンセンサスゲーム”です。正解がない状況下でメンバー同士が合意形成を図ることで、論理的思考力や傾聴力、対話の質を鍛えることができます。本記事では、砂漠・無人島・雪山など人気のシナリオを用いた問題例を紹介しながら、実践的な活用法を解説していきます。
コンセンサスゲームとは?
コンセンサスゲームとは、架空のサバイバル状況などのシナリオをもとに、グループで「限られた選択肢の中から優先順位を話し合って決定する」体験型の合意形成ゲームです。
活用目的
- チームビルディング
- 論理的思考の訓練
- コミュニケーション研修
- ファシリテーショントレーニング
学校教育から企業研修まで幅広く導入されています。
コンセンサスゲームの基本ルール
- 仮想の危機的シナリオ(例:遭難、遭難地からの脱出)を共有
- 各自で与えられたアイテムの優先順位を個別に決定
- グループで話し合い、最終的な順位を合意形成
- 専門家の模範解答と比較しながら振り返り
正解ではなく「どう議論したか」「どう合意したか」が評価ポイントです。
コンセンサスゲーム厳選シナリオと問題例
1. 砂漠で遭難(定番シナリオ)
シナリオ概要
飛行機が墜落し、あなたたちは砂漠のど真ん中に取り残されました。生き延びるために15のアイテムの中から優先順位を決めましょう。
一部アイテム例
- 地図
- 懐中電灯
- 水(4リットル)
- コート
- コンパス
ポイント
「水が最優先」と思われがちだが、実際は“行動方針の合意”や“移動か待機か”という視点が重要。
2. 雪山での生存戦略
シナリオ概要
登山中に吹雪で遭難。救助が来るまでの間、生き延びるためのアイテム優先順位を決めます。
一部アイテム例
- マッチ
- 食料
- 銀紙シート
- ホイッスル
- 地図帳
ポイント
「寒さ対策」「救難信号の出し方」など、命を守る本質的な視点が必要。
3. 無人島からの脱出作戦
シナリオ概要
船が座礁し、無人島に漂着。助けが来る可能性は低い。生き残りと脱出を考えながらアイテムの優先順位を話し合います。
一部アイテム例
- ロープ
- ビニールシート
- 漂流物の木材
- 懐中電灯
- 釣り道具
ポイント
脱出・自給自足・SOS発信のバランスが問われます。
4. 聖夜のケーキ店(ビジネス向け)
シナリオ概要
クリスマスイブ当日、予約が集中したケーキ店で注文ミスが発生。5名のスタッフで限られたケーキを誰に優先的に提供するか話し合います。
登場する顧客例
- 小児病棟に届けるボランティア団体
- VIP企業の会長
- 長年通っている常連客
- SNSで話題になっているインフルエンサー
- 近隣住民
ポイント
“正しさ”と“納得感”のバランス、「ビジネスにおける価値判断」の可視化に効果的。
コンセンサスゲームはなぜ「おかしい」と言われるのか?
検索で多く見られる「コンセンサスゲーム おかしい」という声には、以下の理由があります。
- 模範解答が“理不尽”に感じられる
- 議論のプロセスより“点数”で評価される
- 現実離れした設定が共感を得にくい
対応策
- 正解探しではなく、対話のプロセスに注目する
- 意見の違いを「ズレ」として受け止め、違和感を言語化する
- 参加後に“問い返すワーク”を設けて多様な視点を尊重する
無料で使えるコンセンサスゲーム教材と配布元
以下は無料で配布されている定番教材例です。
タイトル | 内容 | 配布元 |
---|---|---|
砂漠で遭難 | サバイバル系の定番問題 | 多くの研修会社が公開中 |
雪山遭難ゲーム | 命を守る視点を養う | 大学・教育委員会など |
聖夜のケーキ店 | 倫理・優先順位を問う | ファシリテーター向け研修資料 |
宇宙遭難ゲーム | NASA監修の教材を翻訳 | 教材サイトなど |
教材を選ぶ際は「年齢層」「職種」「目的」に合わせた設計が重要です。
コンセンサスゲームの効果とビジネス活用例
1. 合意形成力を養う
“異なる意見”をすり合わせて「納得の着地点」を見つける力が養われます。
2. 多角的視点で物事を見る力がつく
多数決ではなく、「理由・背景・リスク」などから論理的に判断する練習になる。
3. チームの信頼関係を可視化できる
お互いの考え方や価値観の違いを共有することで、心理的安全性の醸成にも寄与。
4. 会議の質が上がる
実務にも応用できる“聞き方”“まとめ方”が学べ、チームの意思決定力が向上する。
まとめ|正解のない時代に必要な“合意形成力”を鍛える
変化が激しく「答えのない仕事」が増える中、正しさより「納得」を導く力が求められています。コンセンサスゲームは、その力を遊び感覚で体得できる有効なツールです。
個人の主張だけでなく、相手の視点や目的を尊重しながら共に答えを探す。このスキルが、信頼されるリーダーやファシリテーターの基礎力になります。
チームの成長や会議の活性化に悩む方は、ぜひ一度“対話を育てるゲーム”として取り入れてみてください。