12月は1年の締めくくりにふさわしい、静けさと温かさを感じる季節。街はイルミネーションに彩られ、年末の忙しさの中にもどこか特別な空気が流れています。そんな時期だからこそ、ビジネスでもカジュアルでも、心を込めた「時候の挨拶」で相手に丁寧な気持ちを伝えたいものです。本記事では、12月上旬・中旬・下旬の時期ごとの挨拶や、おたより・学校向け・カジュアルな表現まで、さまざまなシーンに対応できる例文をご紹介します。
12月の時候の挨拶とは?|冬の季節感と心遣いを伝える
12月に使われる代表的な時候の言葉
- 初冬の候
- 師走の候
- 寒冷の候
- 歳末の候
これらはビジネス文書などでよく用いられる形式的な言い回しで、「年末らしさ」や「寒さへの配慮」を込めることができます。
時候の挨拶を入れる理由
季節の移ろいを感じさせる言葉で始まる文章は、相手に柔らかい印象を与え、礼儀や配慮を示す手段となります。とくに12月は年末のご挨拶やお世話になった方への感謝を伝えるタイミングとしても最適です。
12月の時候の挨拶をやわらかくするコツ
「寒さ」だけでなく“冬の情緒”を描写に取り入れる
単に「寒いですね」ではなく、12月特有の風景や空気感を織り込むと、文章がぐっと親しみやすくなります。
例:
- 「街のイルミネーションがきらめく季節となりましたね」
- 「吐く息も白くなり、本格的な冬の訪れを感じます」
「ご清栄」などの漢語はやわらかい日常語に言い換える
フォーマルな表現も丁寧で良いですが、柔らかく伝えたいときは日常語に置き換えましょう。
例:
- 「ご清栄のこととお喜び申し上げます」
→「お元気でお過ごしでしょうか」 - 「ご多忙のことと存じますが」
→「何かと慌ただしい時期かと思いますが」
冷え込みや体調への“気づかい”を自然に添える
季節の挨拶は「相手を思いやる気持ち」を形にする場でもあります。
例:
- 「冷え込みが厳しくなってまいりました。どうぞあたたかくしてお過ごしください」
- 「忙しい時期かと思いますが、お身体にはくれぐれもお気をつけくださいね」
口調は“話しかけるように”を意識する
「〜ですね」「〜でしょうか」といった語尾で、丁寧かつ優しい印象に。
例:
- 「本格的な冬の訪れを感じる季節ですね」
- 「お変わりありませんか?」
年末ならではの感謝や締めくくりを加える
12月は“締めのご挨拶”にもなるタイミング。「1年の感謝」や「新年への期待」を少し添えるのも◎。
例:
- 「本年も大変お世話になりました。よいお年をお迎えください」
- 「寒さ厳しき折ですが、心あたたまる年末となりますように」
まとめ
12月の時候の挨拶をやわらかく仕上げるには、
季節の情景 × 相手への気遣い × 自然な語り口
この3つを意識するだけで、印象が大きく変わります。
12月の時候の挨拶|やわらかい表現の例文集
ビジネスカジュアル/社外にも使える丁寧なやわらか表現
年末らしい冷え込みが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
今年も残すところわずかとなりましたが、どうぞお身体にお気をつけてお過ごしください。
おたより・メルマガ・LINEなどにぴったりなやわらか挨拶
街のイルミネーションがきらめく季節となりましたね。
師走の慌ただしさの中にも、温かいひとときを大切に過ごしたいものです。
学校・園だよりにも使えるやさしい口調の例文
日ごとに寒さが増してまいりましたが、子どもたちは元気に過ごしています。
保護者の皆さまにおかれましても、体調を崩されませんようお気をつけください。
年末メール・チャット文の冒頭にも使える短文挨拶
今年もあっという間に12月となりましたね。
冷え込みが厳しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
柔らかくするポイント
- 「寒さ」だけでなく「灯り」「香り」「静けさ」など情景を入れる
- 「〜ですね」「〜でしょうか」で語りかけるように
- 「どうぞあたたかくして」「穏やかな年末を」など、気づかいの言葉で締める
さらに用途(社内報、個別営業メール、園通信など)を絞ったテンプレ化された挨拶文もすぐご用意できます。必要でしたらお申し付けください!
12月のビジネス向け挨拶例文
12月上旬の挨拶文
- 拝啓 初冬の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 冬の訪れを感じる季節となりましたが、皆さまにおかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。
12月中旬の挨拶文
- 拝啓 寒冷の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 年末のお忙しい折とは存じますが、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。
12月下旬の挨拶文
- 拝啓 歳末の候、本年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。
- 寒さ厳しき折、皆さまにおかれましてはご健勝で年の瀬を迎えられますよう、お祈り申し上げます。
社外メール・書状の冒頭(フォーマル)
拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
提案書・見積書の添え文に使える一文
拝啓 寒冷の候、貴社におかれましては益々ご繁栄のこととお喜び申し上げます。
さて、下記の件につきましてご提案申し上げます。
年末のお礼・ご挨拶メールに
本年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。
年の瀬も押し迫ってまいりましたが、どうぞ良いお年をお迎えください。
社内連絡・月初/月末の挨拶文に
今年も残すところわずかとなりました。何かと忙しい時期ではありますが、体調に気をつけながら元気に過ごしていきましょう。
12月も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
年末の返信や取引先対応メールに
年末のお忙しい中、ご丁寧にご連絡をいただきありがとうございました。
本年も変わらぬご愛顧を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
✅ ポイントまとめ(12月ビジネス挨拶)
用途 | 季語例 | トーン |
---|---|---|
書状・社外文書 | 師走の候/寒冷の候/歳末の候 | 丁寧・格式高め |
社内連絡 | 今年も残りわずか… | 柔らかめ+協力感謝 |
年末挨拶 | 本年もお世話になりました | 感謝+次年への期待感 |
カジュアルな12月の挨拶文|やさしく伝える書き方
書き出しの例(やわらかい表現)
- 寒さが本格的になってきましたね。お変わりなくお過ごしでしょうか?
- 街のイルミネーションが華やかに彩る季節となりましたね。
結びの例
- 年末に向けて何かと忙しい時期ですが、くれぐれもご自愛ください。
- 心せわしい時期ですが、どうぞ穏やかなひとときをお過ごしください。
12月のおたより・学校・学級通信向け挨拶文
学校・園だよりで使える例
- 寒さが日に日に厳しくなり、いよいよ本格的な冬を迎えました。
- 子どもたちは寒さに負けず、元気いっぱいに過ごしています。
保護者宛のやさしい挨拶文
- 12月に入り、今年も残すところわずかとなりました。ご家庭でも何かと慌ただしい時期かと存じますが、お体に気をつけてお過ごしください。
寒くなってきた季節に合うカジュアルな挨拶文
- 朝晩の冷え込みが強くなってきましたね。温かくしてお過ごしください。
- 年末の慌ただしさに追われる日々ですが、ちょっとひと息入れる時間も大切にしたいですね。
12月の時候の挨拶をやわらかくするコツ
1. 冬の情景を描写に取り入れる
例:
- 「吐く息が白くなり、本格的な冬の訪れを感じます」
- 「窓の外に舞う粉雪に、季節の移り変わりを感じます」
2. 相手の体調や生活に寄り添う一言を添える
例:
- 「冷え込む日が続きますが、どうか暖かくしてお過ごしください」
- 「体調など崩されていませんか?」
3. 定型句を崩して自然な語りかけにする
例:
- 「本年も大変お世話になりました」→「今年もたくさんのご協力をありがとうございました」
- 「ご清栄のこととお喜び申し上げます」→「皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?」
12月の結婚式で使える挨拶例文(シーン別)
友人・同僚代表スピーチ(カジュアル+情緒)
本日は、年の瀬が近づく中、このように温かな空間でおふたりの門出を祝えることを、大変うれしく思います。
冬は冷たい季節ですが、今日の新郎新婦の笑顔と、皆さまの祝福がこの場をぽかぽかとしたぬくもりで満たしてくれています。どうかこれからの人生も、今日のようにあたたかく、心を寄せ合う日々になりますように。心からお幸せを願っております。
司会者の冒頭挨拶(フォーマル+季節感)
本日は、お忙しい年末の中にもかかわらず、新郎新婦の晴れやかな門出にご参列いただき、誠にありがとうございます。
冷たい風が吹くこの季節ですが、おふたりの愛と皆さまの笑顔が、会場を何よりもあたたかく包んでおります。どうぞ最後まで心ゆくまでお楽しみくださいませ。
親族・両親からの謝辞(感謝+丁寧)
師走のお忙しい中、多くの皆さまにお集まりいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
年の瀬にふさわしく、今日という一日がおふたりにとって人生の節目となり、多くの祝福に恵まれたことを、家族としてこの上ない喜びとして受け止めております。
今後とも、ふたりを温かく見守っていただけますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
季節感を出すキーワード例(12月らしさの演出に)
- 年の瀬/師走/イルミネーション/雪/冬の澄んだ空気
- ぬくもり/静けさ/締めくくり/キャンドルの灯り
【まとめ】12月の挨拶は「温かさと気遣い」を伝える一文に
12月の時候の挨拶は、冷え込む季節の中でも「人と人の心を温かくつなぐ言葉」として機能します。フォーマルな場面では端正な表現を、カジュアルな場面では柔らかく語りかけるように工夫することで、印象がぐっと良くなります。
ロロント株式会社では、こうした時候の挨拶を含むメールマーケティングや顧客との関係構築を支援するコンテンツ企画・ライティングも承っております。文章で伝わる印象を大切にしたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

