業務中にMicrosoft EdgeのアドレスバーにURLを直接入力したはずなのに、意図せずBing検索に切り替わってしまった──そんな経験をした方は少なくないでしょう。特にWindows 10や11環境で見られるこの現象は、sysredirector.comへのリダイレクトを伴うケースもあり、セキュリティ面でも不安を感じるユーザーも増えています。本記事では、Edgeのアドレスバーで発生するBing検索への強制遷移の原因と、検索動作を無効化するための具体的な対処法を解説します。
アドレスバーでURLを入力したのに検索になる理由
Edgeの検索優先設定の影響
Edgeでは、アドレスバーに入力された文字列をURLではなく検索キーワードと解釈してしまうことがあります。これは、既定の検索エンジンとしてBingが設定されている状態で、URLの形式(https://など)を省略すると、検索として処理されやすくなるためです。
sysredirector.comへのリダイレクト問題
一部のユーザーは、検索時に”sysredirector.com”を経由する現象に悩まされています。これは検索動作時のリダイレクト処理の一環としてMicrosoftが利用しているもので、ウイルスではありませんが動作に違和感を覚える原因となっています。
URLと判断されないケースの特徴
- 入力に「www」や「https://」が含まれていない
- ドメイン末尾(.comや.jpなど)がない
- 間違ったスペル これらに該当すると、URLと認識されず検索扱いになります。
Bing検索を無効化する方法
Edgeの設定から検索エンジンを変更する
- Edge右上の”・・・”メニューから[設定]を開く
- [プライバシー、検索、サービス]を選択
- ページ下部の[アドレスバーと検索]をクリック
- [検索エンジンの管理]でGoogleやYahoo!などに変更する
これにより、検索される場合でもBingではなく指定した検索エンジンが使用されます。
アドレスバー動作の挙動を確認・調整する
- アドレスバーの候補表示をオフにする
- Edgeのアドレスバーの補完機能を限定的に設定することで、意図しない検索処理を回避できます
ホスト名解決の設定を見直す
社内ネットワークやVPN接続時に、EdgeがURLを解決できないケースがあります。DNSの設定やプロキシ設定が関与している場合は、ネットワーク管理者と調整が必要です。
sysredirector.comを経由しないようにするには
Microsoftの仕様を理解して対応する
sysredirector.comは、Edgeのセーフブラウジングや検索機能強化のために使われているリダイレクトドメインです。URLバーに入力された文字列を一度経由して適切なページや検索結果に導くための処理とされています。
サードパーティ製のDNSやセキュリティソフトを導入
Pi-holeやAdGuardなどのDNSベースの広告・トラッカー遮断ツールを導入することで、sysredirector.comをブラックリストに登録し、アクセスを回避することも可能です。
Edgeのセキュリティ強化機能を一部オフにする
- Edgeの[セキュリティで強化されたブラウジング]を無効にする
- 一部のスマート検索候補を制限する これにより、リダイレクト回数や強制検索の挙動を抑えられる可能性があります。
業務への影響と対策ポイント
Edgeが意図せず検索に遷移してしまうことで、以下のような業務上のロスが発生します:
- 社内ツールやイントラ用URLの読み込み失敗
- 不要な検索遷移による時間ロス
- セキュリティ誤検知によるユーザー混乱
これを防ぐためには、IT部門によるポリシー設定やグループポリシーでのEdgeカスタマイズが有効です。また、業務用端末に関してはChromeやFirefoxなど他のブラウザの併用も検討に値します。
iPhone・Androidでも似た挙動に注意
スマートフォンのEdgeアプリでも同様の動作が報告されており、特にURLの省略入力時には検索処理が優先される傾向があります。URLを正確にフル入力することで、リダイレクトや検索を回避できます。
まとめ:Edgeのアドレスバー検索挙動は設定で改善できる
Edgeのアドレスバーが勝手にBing検索になる問題は、設定の見直しや検索エンジンの変更、リダイレクトの理解と対策によって回避可能です。ビジネス利用においては、無駄な遷移を避けて効率的に作業を進めるためにも、初期設定のままではなく、自社業務に合ったカスタマイズが求められます。
ロロント株式会社では、こうしたIT環境の最適化に関する実践的な情報を引き続き発信してまいります。