GASのreplaceを活用した文字列置換方法!replace・範囲指定・一括処理まで解説

Google Apps Script(GAS)でデータ処理をしていると、文字列の置換が必要になる場面は非常に多いです。例えば、スプレッドシート内の顧客名を統一したいときや、メール本文から不要な文字列を削除したいときなどです。こうした作業を「replace」で自動化すれば、手作業による確認や修正を減らし、業務効率が格段に向上します。本記事では、正規表現や複数条件への対応、範囲指定や一括置換のテクニックまで、実務に直結する方法をまとめて解説していきます。


目次

GASで文字列を置換する基本の方法を理解する

replaceメソッドの基本構文

GASで文字列を置換するときの基本はreplaceメソッドです。JavaScriptと同様に利用できます。

let text = "株式会社ロロント";
let result = text.replace("株式会社", "(株)");
Logger.log(result); // (株)ロロント

このように、置き換えたい文字列と新しい文字列を指定するだけで簡単に置換できます。

業務現場での具体例

人事部門では、従業員名簿に「株式会社」という表記と「(株)」という省略表記が混在していました。これを統一しないと検索が効かず、照合作業に時間がかかっていたのです。GASのreplaceを使い、自動で表記を統一する処理を導入したところ、毎回1時間以上かかっていた作業が数秒で終わるようになりました。

使い方のメリットとデメリット

  • メリット:短いコードで置換が可能、スプレッドシートやGmailなど幅広い業務に応用できる
  • デメリット:単純な置換では部分一致や複数条件への対応が難しい

つまり、単発での修正には便利ですが、複雑なケースでは後述する正規表現や複数条件処理を組み合わせる必要があります。

注意点と失敗事例

初心者によくある失敗は、大文字小文字の違いを考慮しないことです。例えば「Apple」を「Orange」に置換しても「apple」は置換されません。この違いを理解していないと、置換漏れが発生します。業務上の重要データでは大きなトラブルにつながるため、正規表現を利用して大小文字を無視する仕組みを作るのがおすすめです。


正規表現を活用して柔軟に置換する方法

正規表現でできること

「gas replace 正規表現」で検索する方は、単純な文字列置換では対応できない複雑なパターンに困っているケースが多いです。正規表現を使えば、文字列のルールに基づいて置換が可能です。

例えば、郵便番号形式「123-4567」を「〒123-4567」に変える場合は次のように書きます。

let text = "住所: 123-4567 東京都";
let result = text.replace(/(\d{3}-\d{4})/, "〒$1");
Logger.log(result); // 住所: 〒123-4567 東京都

ここで$1は正規表現でキャプチャした部分を再利用する記号です。

実務での利用事例

経理担当者は、請求書から金額を抽出して「円」を付ける処理を自動化しました。請求書の金額は「150000」と数字だけのケースもあれば「150,000」とカンマ付きのケースもありました。これを正規表現で一括処理することで、すべて「150,000円」の形式に揃えられるようになり、集計の手間が大幅に削減されました。

海外の事例との比較

海外では日付表記の違いが問題になることが多いです。アメリカ式「MM/DD/YYYY」をヨーロッパ式「DD/MM/YYYY」に変換する際も正規表現が使われています。こうしたグローバルな業務に携わる企業にとって、正規表現は不可欠な技術です。

注意点と失敗事例

正規表現は強力ですが、学習コストが高いという課題があります。例えば「全ての数字を置換したい」と考えた人が\dではなく「d」と書いてしまい、全く置換されないという失敗もよくあります。実務ではテストデータを用意し、必ず小さく確認してから本番データに適用することが重要です。


複数条件を同時に置換する方法

複数条件に対応する理由

「gas replace 複数条件」や「GAS replace 複数」という検索が多いのは、一度に複数の文字列を置換したいニーズが多いからです。例えば「㈱」を「株式会社」に、「㈲」を「有限会社」に変えるなどです。手作業なら時間がかかりますが、GASで一括処理すれば効率的に対応できます。

実装の仕組み

複数条件を処理するには、オブジェクトや配列を活用します。

let text = "㈱ロロントと㈲テック";
let rules = {
  "㈱": "株式会社",
  "㈲": "有限会社"
};
for (let key in rules) {
  text = text.replace(new RegExp(key, "g"), rules[key]);
}
Logger.log(text); // 株式会社ロロントと有限会社テック

このように「辞書」のようにルールを定義し、ループでまとめて置換するのが定石です。

業務での活用事例

マーケティング部門では、広告文の中に禁止ワードが混じっていないかをチェックし、必要に応じて言い換える処理をGASで自動化しました。複数条件をまとめて処理する仕組みを作ることで、校正作業が一気に楽になったのです。

注意点と失敗事例

複数条件を扱うときの注意点は「置換の順番」による影響です。例えば「株式会社」を「(株)」に変えた後、「株」を別の文字に置換すると意図せぬ結果になります。処理の順序を意識し、影響範囲を事前に確認することが大切です。

範囲指定で必要な部分だけ置換する方法

なぜ範囲指定が必要なのか

大量のデータを処理していると「文字列全体ではなく、一部の範囲だけ置換したい」というシーンが出てきます。例えば、商品名の中の「限定版」という文字列だけを消したいが、他の列のデータには手を加えたくないといった場合です。これが「gas replace 範囲指定」と検索される理由でもあります。

実装の仕組み

範囲指定で置換する方法はいくつかありますが、代表的なのはスプレッドシートで「特定セル範囲を取得して処理する」形です。

function replaceInRange() {
  let sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  let range = sheet.getRange("A1:A10");
  let values = range.getValues();

  for (let i = 0; i < values.length; i++) {
    values[i][0] = values[i][0].replace("限定版", "");
  }

  range.setValues(values);
}

この例では、A1からA10までの範囲だけを対象に置換しています。

実務での利用事例

ある出版社の営業チームは、スプレッドシートで新刊リストを管理していました。書籍タイトルの末尾に「試読版」や「限定版」といった注釈がついており、販売用リストではそれを削除する必要がありました。範囲指定を使ったGASスクリプトを導入することで、販売部門が必要とするクリーンなデータを数秒で生成できるようになり、部門間の連携がスムーズになったのです。

注意点と失敗事例

範囲指定の際によくある失敗は「範囲外のセルにまで影響してしまう」ことです。全体のシートを処理してしまい、必要なデータまで置換されてしまった例があります。こうしたトラブルを避けるためには、対象範囲をしっかり確認し、テストを重ねることが大切です。


replaceができないときの原因と対処法

よくある「できない」ケース

「GAS replace できない」で検索される方の多くは、思った通りに置換されないケースに悩んでいます。典型的な原因は以下の通りです。

  • 大文字小文字が違っている
  • 正規表現の記法ミス
  • 対象セルが数値や日付で文字列扱いされていない
  • replaceを一度しか実行していないため複数回出現する部分が置換されない

対処法の実例

例えば「2024/01/01」という日付データを置換したい場合、セル上では文字列に見えても内部的には日付型になっていることがあります。この場合、まず文字列に変換する必要があります。

let value = sheet.getRange("A1").getValue().toString();
value = value.replace(/\//g, "-");

このように型を確認し、正しい形で処理することが大切です。

実務での失敗事例

ある企業では、社員の勤怠データから「AM」「PM」という表記を置換して24時間表記に変換しようとしました。しかしセルが数値型だったため、置換が効かず「置換できない」と悩んでいました。型を文字列に変換することで問題は解決し、勤怠データが正しく集計できるようになりました。


ワイルドカードを活用した柔軟な置換

ワイルドカードとは

「gas replace ワイルドカード」で検索する方は、「任意の文字列をまとめて置換したい」と考えているケースが多いです。ワイルドカードは、特定の文字列パターンを簡易的に表現できる記号のことです。

GAS自体にワイルドカードという構文はありませんが、正規表現を使うことで同じことが実現できます。例えば「商品A-01」「商品B-02」などの末尾の番号だけを置換する場合です。

let text = "商品A-01";
let result = text.replace(/-\d+$/, "-XX");
Logger.log(result); // 商品A-XX

実務での利用事例

物流会社では、出荷コードの末尾に枝番がついているデータを扱っていました。この枝番をまとめて「XX」に置換する処理を組むことで、コードごとの出荷数量を簡単に集計できるようになりました。

注意点と失敗事例

ワイルドカードを使うときに注意すべきは「対象が広すぎて意図しない置換をしてしまう」ことです。ある開発チームでは「.*」を使ってしまい、文字列全体が置換されてしまうトラブルが起きました。パターンはできるだけ具体的に指定することが重要です。


すべてを一括置換する方法とショートカット

一括置換の基本

「gas 文字列 置換 すべて」や「gas 一括置換 ショートカット」と検索する方が求めているのは、一度にすべての対象を置換する方法です。replaceは通常最初の1件しか置換しませんが、正規表現の「g」フラグを使うことで全件置換が可能です。

let text = "テスト, テスト, テスト";
let result = text.replace(/テスト/g, "確認");
Logger.log(result); // 確認, 確認, 確認

実務での活用事例

営業部門では、メール本文に頻繁に出てくる「仮登録」という表記をすべて「正式登録」に置換する必要がありました。GASで一括置換を実装したところ、数百件のメール修正が一瞬で完了。顧客対応のスピードが飛躍的に改善されました。

ショートカット的な実装

複数条件をまとめて一括置換する際には、先ほど紹介した「辞書形式のループ処理」と正規表現の組み合わせが便利です。これにより、管理コストを減らしながら、大量の文字列を効率的に置換できます。

注意点と失敗事例

一括置換は強力ですが「必要な情報まで置換してしまう」リスクがあります。ある企業では、「担当者」という文字列を「社員」に一括置換した結果、「担当者名」列まで「社員名」になり、既存のシステムと不整合が発生しました。必ず範囲を絞って処理することが大切です。


まとめ

GASのreplaceを活用すれば、日常業務での文字列処理を大幅に効率化できます。

  • 基本的な置換はreplaceメソッドで簡単に実現できる
  • 正規表現を使えば複雑なパターンやワイルドカード的な処理も可能
  • 複数条件や一括置換はループ処理やフラグを組み合わせるのが効果的
  • 範囲指定や型変換を意識すれば「できない」問題も解決できる

人事、経理、マーケティング、物流など、あらゆる業務部門で文字列の置換は役立ちます。手作業で数時間かかる処理を数秒に短縮できるのですから、導入しない理由はありません。ぜひこの記事を参考に、業務に即した置換処理をGASで実装してみてください。

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