「相談したいことがある」と伝えるのは、意外と難しいですよね。上司にどう切り出せばいいのか、同僚に軽く話したい時はどうすべきか、あるいはLINEや電話などツール別でも言葉の選び方が変わります。
この記事では、ビジネスシーンで「相談したいことがある」と伝える際の正しい言い方・メール例文・件名・英語表現・心理的配慮までを網羅的に解説します。読むだけで、相手に好印象を与えながらスムーズに話を切り出せるようになりますよ。
「相談したいことがある」と伝える前に意識すべき3つの準備
「相談したい」と言葉にする前に、事前準備を整えておくと、話がスムーズに進みます。これは上司や同僚に限らず、社外や異性、英語の場面でも共通して大切なポイントです。
1. 相談の目的を整理する
まず、「なぜ相談したいのか」を明確にしておきましょう。
単なる愚痴や報告ではなく、相手に“どんな判断や意見を求めているのか”を自分の中で整理しておくことが大切です。
たとえば次のように分類するとわかりやすいです。
- 判断を仰ぐ相談:「A案とB案、どちらの方向性がよいかご意見を伺いたい」
- 助言を求める相談:「新しい企画の進め方について、経験者としてアドバイスをいただきたい」
- 共有・報告型の相談:「課題が発生しており、情報共有を兼ねてご相談したい」
相談の目的を整理しておくと、相手も判断しやすく、短時間で建設的な話ができます。
2. 相談のタイミングを見極める
「今話していいのか」を考えることも、社会人のマナーです。
上司が会議続きのときに突然話しかけるより、「今お時間よろしいでしょうか?」と一言添えるだけで印象が変わります。
メールやチャットなら、「お忙しい中恐縮ですが、5分ほどお時間をいただければ幸いです」と書くのが丁寧です。
3. 相談内容を要約しておく
相談内容は、箇条書きで整理しておくと相手が理解しやすくなります。
「背景 → 問題 → 希望」の順にまとめるとスムーズです。
例:
背景:新規顧客対応マニュアルの作成を担当しています。
問題:確認事項が多く、作業が遅れています。
希望:優先順位や進め方についてご相談したいです。
事前に整理しておくと、無駄のないやり取りができます。
社内で「相談したいことがある」と伝えるメール例文と件名のコツ
職場で「相談したい」と伝えるメールは、言葉の選び方と件名が重要です。
相手が上司・同僚・別部署の人など、立場によって微妙にトーンを変えるのが理想です。
上司に送る「相談したい」メール例文
件名:案件進行に関するご相談(〇〇プロジェクト)
〇〇部 〇〇課
□□課長
いつもお世話になっております。〇〇部の△△です。
〇〇プロジェクトの進行に関して、ご相談させていただきたくご連絡いたしました。
現在、A案とB案のどちらを採用すべきか判断に迷っており、課長のお考えを伺えればと思います。
お忙しいところ恐縮ですが、5分ほどお時間をいただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
――――
〇〇部 △△
内線:1234
メール:example@example.co.jp
――――
この例文では、「ご相談させていただきたく」と敬語を使い、依頼のトーンをやわらげています。
また、件名に「ご相談」と明記することで、メールを開いた瞬間に意図が伝わります。
同僚やチーム内に送る場合
件名:業務分担に関するご相談(週次タスク)
お疲れさまです。△△です。
今週のタスク分担について、ご相談したいことがありご連絡しました。
□□作業の進行が遅れており、分担を少し見直したく考えています。
お手すきの際に、少しお話しできる時間をいただけますか?
よろしくお願いします。
カジュアルですが、相手の時間を尊重する姿勢が伝わる柔らかい文面です。
社内メール件名の例
件名は、開封前に内容が一目でわかるようにします。
- ご相談のお願い(案件名:〇〇)
- ご意見を伺いたい件(納期調整の件)
- 打ち合わせのご相談(スケジュール確認)
「ご相談」「お願い」「件」などのキーワードを入れることで、相手がすぐに重要度を判断できます。
社外相手に「相談したいことがある」と伝える丁寧な書き方
取引先や外部パートナーに相談メールを送る場合は、社内よりも一段階丁寧な言葉遣いが求められます。
社外向けメール例文
件名:業務進行に関するご相談のお願い(株式会社〇〇 山田)
株式会社〇〇
営業部 □□様
いつもお世話になっております。株式会社ロロントの山田です。
現在進行中の〇〇案件に関し、ご相談させていただきたくご連絡いたしました。
作業工程の一部で不明点があり、御社のご確認をお願いしたい箇所がございます。
詳細を添付いたしましたので、ご確認のうえご意見をいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
――――
株式会社ロロント
山田太郎
メール:taro.yamada@example.com
――――
「相談させていただきたく」「お願い申し上げます」といった表現で、相手への敬意を示すのがポイントです。
「ご相談があります」はおかしい?自然な言い換え
「ご相談があります」は文法的に間違いではありませんが、ビジネスではやや直接的で硬い印象を与えます。
より柔らかくするなら以下の言い換えが自然です。
- 「ご相談させていただきたくご連絡いたしました」
- 「ご意見を伺いたい件がございます」
- 「少しご相談させていただければと思います」
メールや会話では、「あります」より「させていただく」を使うと角が立ちません。
「相談したいことがある」と言われた時の心理と対応法
あなたが「相談したい」と言われる側になることもあります。
その時の対応によって、信頼関係が深まるか、距離ができるかが決まります。
「相談したいことがある」と言われた時の第一声
多くの人が「何だろう?」と構えてしまいますが、最初に柔らかい返答をすると、相手が安心して話せます。
例:
- 「もちろん、大丈夫だよ。今少し話せる?」
- 「了解しました。少し時間を取りますね。」
- 「ざっくりでもいいので、どんな内容か聞かせてください。」
冷たい反応(「今忙しい」「後にして」など)は避け、話す場を整えるのが信頼の第一歩です。
相手が異性の場合に意識すべき距離感
「相談したいことがある」と言われると、特に異性間では“特別な意味があるのでは?”と感じてしまう人も少なくありません。
しかし、ビジネスシーンではまず仕事の延長線上の相談と考えるのが基本です。
必要以上に意識せず、「内容に集中する」「第三者を交える」「時間を区切る」ことで、誤解や余計なトラブルを避けられます。
LINEやチャットで「相談したい」と伝える時の注意点
社内や取引先とのLINE・チャットは、メールよりもカジュアルですが、礼儀を欠くと信頼を失うリスクがあります。
自然なチャット文例
〇〇さん、お疲れさまです。少しご相談したいことがあるのですが、お時間あるときにお話しできますか?
または、
「〇〇の件で方向性を一度確認させてください。」
と表現すれば、軽すぎず柔らかい印象です。
NGな書き方
- 「ちょっと相談〜」
- 「どうしたらいいと思う?」(唐突すぎる)
- 「話あるんだけど」(不安を与える)
チャットでは、まず“目的の明確化+相手への配慮”が大切です。
時間指定がある場合は、「午後3時ごろお話ししても大丈夫ですか?」と一文添えると親切です。
電話で「相談したいことがある」と切り出す時の言い方
電話は声のトーンが伝わる分、印象を大きく左右します。
最初の一言で「丁寧さ」と「目的」を同時に伝えるのがコツです。
電話での話し方例
- 「お忙しいところ恐れ入ります。少しご相談させていただきたくお電話しました。」
- 「〇〇の件で進め方を確認させていただきたく、ご連絡いたしました。」
いきなり本題に入るより、「今お時間よろしいでしょうか?」と一言添えるのが大人のマナーです。
英語で「相談したいことがある」と伝える表現
英語で「相談したいことがある」をそのまま “I have something to consult with you.” と言うと、少し不自然です。
ネイティブは以下のように表現します。
- I’d like to discuss something with you.(少しご相談したいことがあります)
- Can I get your advice on something?(アドバイスをいただけますか?)
- I’d appreciate your opinion on this matter.(この件についてご意見を伺えれば幸いです)
英文メール例
Hi [Name],
I hope you are doing well.
I’d like to discuss something regarding [Project name].
Would it be possible to have a short meeting this week?
Best regards,
[Your Name]
日本語の「ご相談させていただきたく〜」に相当する丁寧で自然な表現です。
「相談したい」メールでやりがちなNG表現
ビジネスメールでは、ちょっとした言葉の違いで印象が変わります。
以下は避けたいフレーズと改善例です。
| NG表現 | 改善例 |
|---|---|
| ご相談があります | ご相談させていただきたくご連絡いたしました |
| 見てください | ご確認いただけますと幸いです |
| 教えてください | ご教示いただけますでしょうか |
| すみませんが | 恐れ入りますが/恐縮ですが |
相手の立場に立った敬意ある言葉を選ぶことが、信頼を築く第一歩です。
相談しやすい職場をつくるためにできること
「相談したい」と言い出せない職場には、心理的な壁があります。
上司やチームリーダーが“相談を歓迎する雰囲気”を作るだけで、業務の質は大きく変わります。
相談しやすい職場の特徴
- 否定から入らず、まず受け止める
- ミスや課題を報告しても責めない
- 定期的な1on1を設けて会話の場を作る
- 感謝を言葉にして返す
このような環境では、社員同士が安心して意見を交換でき、生産性も上がります。
相談を「ミス報告」ではなく「改善のための対話」と捉える文化が大切です。
まとめ|「相談したいことがある」は信頼を生む言葉に変えよう
「相談したいことがある」という一言には、信頼・敬意・誠意が詰まっています。
大切なのは、“言葉選び”と“伝えるタイミング”です。
社内では簡潔でわかりやすく、社外では敬意を込めて。
LINEや電話、英語などツールごとにトーンを調整するだけで、印象は大きく変わります。
そして、誰かに相談された時は、受け止める姿勢を忘れないこと。
「話してよかった」と思える関係を積み重ねていくことが、信頼されるビジネスパーソンへの第一歩です。




























