「迎えに行く」の正しい敬語と使い分け|上司・取引先に失礼にならない言い回し大全

ビジネスシーンでは、「迎えに行く」という表現を使う場面が意外と多くあります。たとえば「お客様を迎えに行きます」「上司を空港に迎えに行きます」など、社外・社内を問わず使う機会が多い言葉です。しかし、相手や状況によっては「迎えに行く」では少しカジュアルすぎたり、敬語として不十分な印象を与えることもあります。本記事では、「迎えに行く」の正しい敬語表現・言い換え方法をはじめ、英語・中国語での表現や、メール・会話での使い方まで徹底解説します。読むだけで、誰に対しても失礼のない自然な言葉づかいが身につきますよ。


目次

「迎えに行く」の意味と使い方を正しく理解する

まずは基本となる「迎えに行く」という言葉の意味を整理しておきましょう。日常的に使われる表現ですが、場面によってニュアンスが微妙に異なります。

「迎えに行く」の基本的な意味

「迎えに行く」とは、ある場所まで相手を出迎えに行くことを意味します。
単に「迎える」と言うと、その場で相手を出迎えるイメージですが、「迎えに行く」は“こちらから出向いて”相手を連れてくる行為を指します。

たとえば次のように使われます。

  • 「取引先を駅まで迎えに行く」
  • 「空港に上司を迎えに行く」
  • 「子どもを保育園に迎えに行く」

このように「迎えに行く」は、相手に対して一定の敬意を払いつつもフラットな表現です。そのため、ビジネスシーンでは、相手や文脈に応じてもう一段丁寧な表現に言い換えることが求められます。

「迎えに行く」がカジュアルに感じられる理由

「行く」という動詞が入っているため、敬語表現にするときは注意が必要です。
たとえば上司に「今からお迎えに行きます」と伝えるのは自然ですが、「迎えに行きますね」と言うと、やや軽く聞こえることもあります。
ビジネスでは「伺う」「参る」といった謙譲語を組み合わせることで、より丁寧な印象にできます。


「迎えに行く」の正しい敬語表現と使い分け

ここでは、上司・お客様・同僚など、ビジネスで想定される相手別に「迎えに行く」の正しい敬語表現を紹介します。

上司や取引先に使う「お迎えに上がる」「お迎えに伺う」

最も丁寧な表現が、「お迎えに上がる」または「お迎えに伺う」です。
これらは「迎えに行く」の謙譲語にあたります。自分が行動することをへりくだって表現することで、相手を立てる言い方になります。

たとえば以下のように使います。

  • 「◯◯様を空港までお迎えに上がります。」
  • 「明日の朝、ホテルまでお迎えに伺います。」
  • 「予定時刻に合わせてお迎えに参ります。」

どれもフォーマルな場面に適した言い方で、上司や顧客、来賓など目上の相手に対して使えます。

一方、同僚や社内メンバーに対しては「迎えに行きます」で十分です。
例えば「明日の会議、駅まで迎えに行きますね」など、距離の近い関係では自然に聞こえます。

「迎えに行く」の言い換え表現で印象を柔らかくする

ビジネスメールや案内文などでは、同じ表現を繰り返さないために、言い換え表現も使われます。

代表的な言い換えには以下のようなものがあります。

  • 「お出迎えいたします」:来社・来訪を迎える場面で丁寧に聞こえる
  • 「お迎えの手配をいたします」:タクシー・送迎車の手配をする場合
  • 「お迎え申し上げます」:式典やフォーマルな案内状などで使う
  • 「お出迎えに上がります」:口語よりも文書に適したやわらかい言い回し

たとえば、「本日は駅までお迎えに上がります」ではなく、「駅にてお出迎えいたします」とすれば、より柔らかく上品な印象を与えられます。

敬語で使う際の注意点

「迎えに行く」は、動作の主体が自分か他人かによって敬語の使い方が変わります。

  • 自分が行く場合 → 謙譲語(お迎えに伺う/上がる)
  • 他人が行く場合 → 尊敬語(お迎えに行かれる/お迎えにお越しになる)

たとえば、社内で「課長がお客様をお迎えに行かれます」と言うのは正しい使い方です。
一方、「私がお迎えに行かれます」と言うと誤りになります。自分を高めるような敬語は不自然に聞こえるため注意しましょう。


「迎えに行く」のメール・会話での正しい使い方と実例

実際のビジネスでは、口頭での連絡やメール文で「迎えに行く」を使う機会が多いですよね。ここでは、フォーマルなメール・会話で自然に使える文例を紹介します。

ビジネスメールでの例文

  • 「明日は10時にホテルまでお迎えに上がります。お荷物が多い場合は事前にお知らせください。」
  • 「本日はお忙しい中ありがとうございます。駅までお迎えの車をご用意しております。」
  • 「◯◯部長を会場までお迎えに伺う予定です。」

メール文では、句読点や接続詞を丁寧に使い、やや硬めの表現が好まれます。
「行く」「迎える」などの直接的な言葉よりも、「伺う」「ご案内する」といった間接的で丁寧な言葉を選ぶのがポイントです。

会話での自然な使い方

ビジネス会話では、かしこまりすぎず、かつ失礼にならないバランスを取ることが大切です。

  • 「これからお迎えに伺います」
  • 「駅に着かれましたらご連絡ください。すぐにお迎えに上がります」
  • 「お足元が悪いので、会社の車でお迎えに参ります」

ここでも「伺う」「参る」を組み合わせると自然で上品に聞こえます。
逆に、「迎えに行きますね」はやや軽く、取引先などには避けたほうが無難です。


車で迎えに行くときに使える丁寧な言い方と注意点

社用車で上司やお客様を迎えに行く場面では、言葉づかいと同時に行動の丁寧さも重要です。

車で迎えに行くときの適切な敬語

  • 「会社の車でお迎えに伺います」
  • 「運転手がホテルまでお迎えに上がります」
  • 「〇〇様を会場までお送りいたします」

このように、「車で迎えに行く」は「お迎えに伺う」「お送りする」とセットで使われることが多いです。
特に送迎業務を担当する総務・秘書職では、「送迎いたします」「ご案内いたします」といった自然な言い回しを覚えておくと便利です。

送迎時のマナー

敬語と同じくらい大切なのが、乗車時のマナーです。
お客様や上司を車に乗せる際は次のポイントを意識しましょう。

  • 乗車前にドアを開け、「どうぞ」と一言添える
  • 発車前に「シートベルトのご確認をお願いいたします」と伝える
  • 到着後は「お疲れ様でございました」と声をかける

丁寧な対応と言葉づかいの両方がそろってこそ、「迎えに行く」という行為が信頼につながります。


「子どもを迎えに行く」を丁寧に伝える言い方

ビジネスパーソンの中には、仕事終わりに保育園や学童に「子どもを迎えに行く」人も多いでしょう。
このとき、職場や連絡帳などでどのように伝えるのが適切かを見ていきます。

職場での言い方

社内で伝える場合は、カジュアルすぎず自然な言い方が好まれます。

  • 「今日は保育園に子どもを迎えに行くため、少し早めに失礼いたします」
  • 「学童のお迎えがありますので、退社時間を調整させてください」

「子どもを迎えに行く」というフレーズをそのまま使っても問題ありませんが、
「お迎え」や「お迎えの予定」など、名詞化するとより丁寧な印象になります。

連絡帳での言い方

連絡帳などでは、保護者同士や先生に伝えるため、柔らかい言葉を使うのがポイントです。

  • 「本日は祖母がお迎えに行きます」
  • 「父が車でお迎えに伺います」
  • 「いつもお世話になっております。本日は私が16時ごろお迎えに伺います」

このように、「行く」を「伺います」に置き換えるだけで、印象がぐっと丁寧になります。
先生への配慮が感じられる書き方になるのでおすすめです。


「迎えに行く」を英語・中国語で自然に伝える方法

ビジネスで海外の相手を迎えるシーンでは、英語や中国語での表現も押さえておくと便利です。

英語での「迎えに行く」

英語では「pick up」または「meet」が一般的です。
それぞれの使い方は次のとおりです。

  • I’ll pick you up at the airport.(空港までお迎えに行きます。)
  • We will meet you at the station.(駅でお迎えいたします。)
  • The driver will pick up our client at 9 a.m.(運転手が9時にお客様をお迎えします。)

ビジネスシーンでは、「I’ll pick you up.」の代わりに「We’ll have a car ready for you.(車を手配しております)」といった表現もよく使われます。
直接的な「行く」よりも、配慮のある言い方に聞こえます。

中国語での「迎えに行く」

中国語では「接(jiē)」という動詞を使います。
たとえば以下のように言います。

  • 我去机场接您。(空港へお迎えに行きます。)
  • 公司派车去接客户。(会社が車を派遣してお客様を迎えます。)

「接您(ジエ ニン)」という言い方は非常に丁寧で、ビジネス中国語としてもよく使われます。
取引先訪問や国際会議のアテンドで使うと好印象です。


「迎えに行く」の熟語的表現とニュアンスの違い

日本語には「迎えに行く」と同じような意味を持つ熟語や派生表現もあります。
シーンに合わせて使い分けると、より自然で豊かな日本語が使えます。

  • 出迎える:相手を到着地で待って迎える(例:空港で出迎える)
  • 送迎する:送ると迎えるの両方を指す(例:送迎バス)
  • 出向く:目的地へ行くことに重点(例:自ら出向く)
  • 出迎えに行く:ややフォーマルで、儀礼的な印象

たとえば「お客様を出迎える」はフォーマルな場面に適し、「迎えに行く」はより実務的な動作を示します。
ビジネスメールなどでは、相手との距離感に応じてこれらを言い換えるのが上級者の使い方です。


「迎えに行く」を丁寧に使いこなすためのコツ

最後に、「迎えに行く」をどんな状況でも自然に使いこなすためのポイントを整理します。

  • 相手が上司・顧客の場合は「伺う」「上がる」で謙譲語にする
  • 「迎える」「出迎える」「送迎する」などで繰り返しを避ける
  • メールでは「お迎えの手配」「お出迎え」など名詞表現を活用する
  • 送迎時の態度や声かけも敬語の一部と考える

言葉づかいと行動の両方を意識することで、相手に安心感と信頼を与えることができます。
「迎えに行く」という何気ない言葉も、使い方一つで印象を大きく左右するのです。


まとめ|「迎えに行く」は敬語で“思いやり”を伝える言葉

「迎えに行く」は単なる行動の表現ではなく、相手を思いやる気持ちが表れる言葉です。
上司や取引先には「お迎えに伺います」、同僚には「迎えに行きますね」、家庭では「お迎えに行くね」と、相手との関係性に合わせて変化させることが大切です。

また、英語・中国語でも相手に丁寧さを伝える言い方が存在します。
ビジネスシーンでは、言葉の選び方一つで印象が決まるもの。
「迎えに行く」を正しく使い分けられるようになることで、あなたのコミュニケーションはより洗練されたものになりますよ。

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