仕事のメールで「お休みをいただいており返信が遅くなり〜」と書くこと、ありますよね。
でも、この表現が「失礼ではないか」「おかしく聞こえないか」と悩んだ経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、このフレーズの正しい使い方や、より自然で印象の良い言い換え、社内外メールの書き方、英語表現までを詳しく解説します。
読めば、「休暇中で返信が遅れた」ことを誠実かつスマートに伝えられるようになりますよ。
「お休みをいただいており返信が遅くなり」は正しい?文法と敬語の観点から解説
まず最初に多くの人が気になるのが、「お休みをいただいており返信が遅くなり」は正しい敬語かどうか、という点です。
結論から言うと 文法的には正しいが、やや不自然に聞こえる場合がある 表現です。
ここでは文の構造と敬語の使い方を分解して見ていきましょう。
敬語の構造を理解する:「いただく」は謙譲語
「お休みをいただく」は、「休む」という自分の行為をへりくだって表現する謙譲語です。
つまり「上司や取引先など、目上の相手に対して自分が休みを取ったことを伝える」際に使える正しい敬語です。
一方で、「返信が遅くなり」は単なる事実を述べる丁寧語です。
したがって「お休みをいただいており返信が遅くなり」は、構造的には問題ありません。
ただし、文章のリズムがやや硬く、受け取る側にとって少し回りくどく感じられることがあります。
そのため実際のメール文面では、より自然に感じられるよう 接続語や助詞の整え方 が重要になります。
たとえば:
- 「お休みをいただいており、返信が遅くなり申し訳ありません。」
- 「休暇をいただいておりましたため、ご返信が遅くなり大変失礼いたしました。」
これらのように「、」で区切ることで流れが整い、自然で柔らかい印象になります。
「お休みをいただいておりまし たため 返信が遅くなり大変失礼いたしました」はフォーマルな言い方
特に社外メールでは、「お休みをいただいておりましたため、返信が遅くなり大変失礼いたしました。」という表現が定番です。
これは「過去に休暇を取っていたため返信が遅れた」ことを明確に伝える、非常に丁寧で安全な言い方です。
文法的にも、敬語としても完璧に成立しています。
一方で、同じ内容でも「お休みをいただいており返信が遅くなり〜」と書くと、現在進行形に近いニュアンスになるため、
「まだ休んでいるのかな?」と誤解される場合があります。
そのため、 休暇がすでに終わっている場合は「お休みをいただいておりました」と過去形にするのが自然 です。
不自然に感じられる原因:「いただく」の多用
ビジネスメールでは「いただく」を頻繁に使いすぎると、文章全体が硬くなり、読みにくくなる傾向があります。
たとえば以下のような文は形式的すぎる印象を与えます。
「お休みをいただいており、ご連絡をいただいていた件のご返信が遅くなり、申し訳ございません。」
一文の中に「いただく」が2回登場してしまうと、敬意を払いすぎてリズムが悪くなるのです。
この場合は、一部を別の表現に置き換えましょう。
- 「休暇中のため、ご連絡が遅くなり申し訳ございません。」
- 「休みをいただいておりました関係で、返信が遅くなり恐縮しております。」
このように、 「お休みをいただいており」は一度だけ使う ことで、より読みやすく自然な印象に整います。
「返信が遅くなり」「ご返信が遅くなり」の違いと使い分け
次に、「返信が遅くなり」と「ご返信が遅くなり」はどう違うのか、という点を整理しましょう。
どちらも似ていますが、 敬意の向け方 が異なります。
「返信が遅くなり」は自分主体、「ご返信が遅くなり」は相手主体
- 「返信が遅くなり申し訳ありません」
→ 自分の行動をへりくだって謝罪する場合。一般的な使い方です。 - 「ご返信が遅くなり申し訳ありません」
→ 相手の返信に敬意を込める、もしくは自分の返信行為をさらに丁寧に伝える場合。
文法的には後者の「ご返信が遅くなり」も間違いではありませんが、
「ご返信」はもともと相手の動作を敬う言葉なので、「自分が返信する」場面ではやや不自然と感じる人もいます。
そのため、社外メールでは基本的に「返信が遅くなり申し訳ありません」を使い、
上司や社内のやり取りなど少し柔らかい場面では「ご返信が遅くなり失礼しました」でも問題ありません。
フォーマル度別の使い分け例
| シーン | 表現例 | 備考 |
|---|---|---|
| 社外・取引先向け | 「返信が遅くなり申し訳ございません。」 | 最も無難で正式 |
| 社内・上司向け | 「ご返信が遅くなり失礼しました。」 | 丁寧ながら柔らかい |
| カジュアル社内メール | 「返信が遅くなってすみません。」 | 同僚や後輩向け |
たとえば、営業担当が取引先に送る場合は:
「休暇をいただいておりましたため、返信が遅くなり申し訳ございません。」
がベストです。
一方で、チーム内のSlackや社内チャットでは:
「お休みをいただいていて返信が遅れました、すみません!」
といった自然なトーンで問題ありません。
「返信が遅くなり申し訳ありません」の言い換えで印象を変える
同じ意味でも、言い方を少し変えるだけで印象が柔らかくなったり、誠実さが増したりします。
以下は代表的な言い換え例です。
- 「ご連絡が遅くなり申し訳ございません。」
- 「お返事が遅くなり失礼いたしました。」
- 「ご対応が遅れてしまい申し訳ございません。」
- 「ご連絡が遅くなりまして恐縮しております。」
「恐縮しております」は特に上品な印象を与える表現で、
取引先などフォーマルな場で使うと好感度が高いです。
休暇中の返信が遅れたときに使える自然なメール例文集
実際のビジネスでは、「休暇のため返信が遅れました」ことを伝える場面がよくあります。
ここでは、社外・社内・英語それぞれのケースに分けて、すぐ使える例文を紹介します。
社外メールの例文:「お休みをいただいておりましたため〜」が自然
件名:ご連絡の件について(返信遅延のお詫び)
○○株式会社 △△様
いつもお世話になっております。□□株式会社の××です。
お休みをいただいておりましたため、返信が遅くなり大変失礼いたしました。
ご連絡いただいておりました件、内容を拝見し、○○の件で対応を進めさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
このように、休暇理由を一言添えつつ、すぐに本題へ入ると印象が良くなります。
「大変失礼いたしました」はフォーマルな謝罪表現として安心して使える定番です。
社内メールの例文:「お休みをいただいており〜」で柔らかく伝える
件名:返信遅れのご連絡
○○さん
お疲れさまです。××です。
お休みをいただいており、返信が遅くなりました。すみません。
ご共有いただいた件、確認のうえで午後に対応いたします。よろしくお願いします。
社内では「すみません」でも問題ありません。
むしろ「申し訳ございません」よりも距離感が適度で、業務の流れを止めずに済みます。
「休暇のため返事が遅れました」メールをもう一段階丁寧にするなら
「休暇のため返信が遅れました。」
このままでも意味は通じますが、よりビジネス感を出したい場合は次のように書き換えられます。
- 「休暇をいただいておりましたため、返信が遅くなり申し訳ございません。」
- 「○月○日まで休暇をいただいており、返信が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。」
日時を明記することで誠実さが伝わりやすくなります。
英語で伝える「お休みをいただいており返信が遅くなり」
外資系企業や海外クライアントとのやり取りでは、休暇を理由に返信が遅れたことを英語で伝える場面もあります。
日本語のように「お休みをいただいており〜」と直接的に表現するよりも、英語では 休暇期間・感謝・対応意志 を添えて伝えるのが自然です。
英語メールの基本パターン
Subject: Apologies for the delayed reply
Dear Mr. Smith,
Thank you for your message. I was on leave last week, and I apologize for the delay in getting back to you.
I have reviewed your inquiry and will respond to the details shortly.Best regards,
[Your Name]
この文面は最も汎用的なビジネスメール例で、「I was on leave last week(先週は休暇を取っていました)」が直訳的に「お休みをいただいておりました」にあたります。
英語では “I was taking a vacation” よりも “I was on leave” の方がビジネス的で丁寧です。
シーン別の言い換え例
| シーン | 英文例 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 一般的な取引先への返信 | I was on leave and couldn’t check emails. Sorry for the delay. | 休暇中でメールを確認できず、返信が遅くなりました。 |
| 上司・社内向け | Sorry for the late reply. I was off last week. | 返信が遅れてすみません。先週お休みをいただいていました。 |
| 休暇期間を明示したい場合 | I was on leave from May 1st to May 5th. | 5月1日から5日まで休暇を取っていました。 |
| 丁寧な謝罪を強調したい場合 | I sincerely apologize for the delayed response due to my absence. | 不在のため返信が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。 |
英語では「delay(遅れ)」を名詞で使うよりも、「delayed response」や「late reply」といった自然な言い回しが好まれます。
また、「I apologize」や「I’m sorry」を加えるだけで十分丁寧な印象になります。
社外・社内での「お休みをいただいており」メールの違い
同じ「お休みをいただいており返信が遅くなり」という言葉でも、
社外(取引先・顧客)と社内(上司・同僚)では、求められるトーンがまったく異なります。
ここでは、それぞれの立場での正しい使い方と注意点を見ていきましょう。
社外メールでは「形式的+誠実さ」を重視
社外向けでは、休暇を理由にすること自体は問題ありません。
ただし、 「言い訳」と受け取られないような構成 がポイントです。
具体的には、「謝罪 → 理由 → 対応」 の順番で伝えるのが理想です。
例:
「お休みをいただいておりましたため、返信が遅くなり大変失礼いたしました。
ご連絡いただいていた件、内容を拝見し対応を進めております。」
この順番なら、「休暇が理由」という説明があっても誠実に受け取られます。
逆に、理由を先に書くと「言い訳がましい」と感じられることがあるため注意が必要です。
また、社外向けでは「お休み」よりも「休暇」「不在」といった言葉の方がフォーマルです。
- ❌ お休みをいただいておりましたため
- ⭕ 休暇をいただいておりましたため
- ⭕ 不在にしておりましたため
どれも意味は同じですが、文章全体の印象が引き締まります。
社外メールのベスト例
件名:ご返信遅延のお詫び
○○株式会社 △△様
いつもお世話になっております。□□株式会社の××です。
休暇をいただいておりましたため、返信が遅くなり大変失礼いたしました。
ご連絡いただいておりました件につきまして、早速対応を進めております。今後ともよろしくお願いいたします。
ここでのポイントは「お詫び→対応の提示→前向きな締め」。
単なる謝罪で終わらせず、「すでに対応中」という一言を添えることで、
相手に信頼感を与えられます。
社内メールでは「簡潔さ+温かみ」を重視
社内では、形式よりもスピード感と人間味のあるコミュニケーションが求められます。
取引先ではなく同僚や上司相手なので、柔らかく、フランクすぎない程度の表現が好まれます。
社内での自然な例文
件名:返信遅れのご連絡
○○さん
お疲れさまです。××です。
お休みをいただいており、返信が遅くなってしまいました。すみません。
ご共有いただいた件、確認して対応を進めます。よろしくお願いします。
このように、社内メールでは「申し訳ございません」より「すみません」「失礼しました」などの方が自然です。
また、冒頭に「お疲れさまです」を入れることで、メール全体の印象が柔らかくなります。
社内チャット(Slack・Teams)ならもっと短くてOK
「昨日まで休みをいただいていて返信が遅れました、すみません!確認しました!」
この程度でも十分です。
スピードを優先しながらも、「一言謝罪+確認済み」をセットで伝えるのがマナーです。
「返信が遅くなり申し訳ありません」の自然な言い換え表現
「返信が遅くなり申し訳ありません」は非常に便利ですが、毎回同じ表現を使うと硬く感じることがあります。
ここでは、同じ意味で印象を変えられる言い換えを紹介します。
丁寧さを保ちながら印象を変える表現
- 「ご連絡が遅くなりまして、失礼いたしました。」
- 「ご返信が遅れましたこと、お詫び申し上げます。」
- 「ご対応が遅れまして申し訳ございません。」
- 「ご返信が遅くなりましたことを深くお詫び申し上げます。」
- 「返信が遅れましたことを心よりお詫び申し上げます。」
これらはどれもフォーマルな社外対応に適しています。
なかでも「〜申し上げます」はやや堅めですが、取引先や役職者に対しては好印象です。
柔らかく伝える社内向け表現
- 「返信が遅くなってしまい、すみません。」
- 「お返事が遅くなりました、申し訳ないです。」
- 「確認が遅くなってすみません、対応いたします。」
ビジネスメールのトーンを選ぶコツは、 相手との距離感と状況。
上司・取引先・同僚によって、丁寧さを段階的に調整する意識を持つと自然です。
「お休みをいただいており返信が遅くなり」を使うときの注意点
このフレーズ自体は正しいですが、以下のような点に注意するとより印象が良くなります。
1. 「休み」は具体的に書かない
「お休みをいただいておりました」まではOKですが、
「家族旅行のため」や「私用のため」は社外メールでは避けましょう。
理由を細かく書く必要はなく、簡潔に「休暇をいただいておりました」で十分です。
2. 謝罪と業務再開の一言をセットにする
「遅れてすみません」だけで終わらせると、印象が中途半端になります。
「今後は迅速に対応します」「確認のうえで進めます」など、
次の行動を添えることで誠実さが増します。
3. 過去形を使う
「いただいており」だと現在進行形になるため、
休暇が終わっている場合は必ず「いただいておりました」と過去形にします。
これを間違えると、「まだ休んでいるのでは?」という誤解を与えかねません。
「お休みをいただいており返信が遅くなり」を使わない方がいいケース
一見丁寧な表現ですが、全ての状況で使えるわけではありません。
以下のようなケースでは、別の言い方に変えた方が自然です。
緊急連絡や短期の遅れには不向き
たとえば「数時間返信が遅れただけ」の場合、
「お休みをいただいており」は大げさに聞こえます。
この場合は:
- 「確認が遅くなり失礼しました。」
- 「ご連絡が遅くなりまして申し訳ありません。」
など、シンプルな謝罪にとどめる方がスマートです。
社内のチャットでは硬すぎる
SlackやTeamsなどリアルタイムのやり取りでは、
「お休みをいただいており」はかえって距離を感じさせます。
社内では「昨日まで休みをいただいてました、返信遅れてすみません!」程度でOKです。
まとめ:誠実さは「理由」より「姿勢」で伝わる
「お休みをいただいており返信が遅くなり」という表現は、
文法的にも敬語としても正しい日本語です。
しかし、 言葉そのものよりも「どう伝えるか」が印象を左右します。
大切なのは、
- 理由を簡潔に
- 謝罪を明確に
- 対応を迅速に伝えること
この3点です。
たとえば、最もバランスの取れた一文は次のようになります。
「休暇をいただいておりましたため、返信が遅くなり申し訳ございません。
ご連絡いただいた件について、早急に対応させていただきます。」
この言い回しなら、社外・社内どちらでも通用し、
誠実で信頼感のある印象を与えることができます。
もしあなたが「返信が遅れてしまった」と感じたら、
まずは一言「すみません」「申し訳ありません」と添え、
そのあとに行動を伝えること。
それだけで、相手の受け止め方は大きく変わります。
メールの文面一つで、信頼は築けます。
ぜひこの記事の表現を参考に、あなたらしい誠実なメールを作ってみてください。




























