「なお」の正しい使い方とは?ビジネスメールや報告書で失礼にならない表現集

ビジネスメールや報告書を書くときに便利な接続詞が「なお」です。しかし、便利だからといって多用すると、堅苦しくなったり、上司や取引先に「事務的すぎる」と受け取られることもあります。この記事では、「なお」の意味や正しい使い方、ビジネスでの自然な使い分け、さらに失礼にならない表現の工夫を具体例とともに紹介します。読み終える頃には、あなたの文章がより読みやすく、信頼感のあるものに変わりますよ。


目次

「なお」の意味と正しい使い方を理解する

「なお」は接続詞の一種で、「付け加える」「補足する」という役割を持っています。つまり、文章の流れに追加情報を添えるときに使う言葉です。

例えば、会議の案内メールで「会議は10時からです。なお、資料は前日までにご提出ください」と書くと、メインの情報に加えて補足事項を伝えています。

「なお」の基本的な意味

  • 補足を加える(例:「出張は予定通り行います。なお、同行者は2名です」)
  • 注意を追加する(例:「試験は来週です。なお、欠席者には再試験はありません」)
  • 強調や念押し(例:「この件は極秘です。なお、外部に口外しないでください」)

このように「なお」は、情報を補足するときに便利ですが、使い方を誤ると「堅苦しい」「上から目線」と受け取られる場合があります。とくにビジネスでは、相手との関係性を意識した使い分けが欠かせません。


「なお」の使い方をビジネスシーンで押さえる

ビジネスメールや報告書で「なお」を使うときには、以下の3つのポイントを意識すると自然な表現になります。

1. メイン情報と補足情報を明確に分ける

「なお」は追加情報を示すので、メインとなる伝達事項をまず書き、その後に補足を続けるのが基本です。

例文:
「本日の会議は13時から開始します。なお、参加者はオンラインでの出席も可能です。」

このように構成すると、読み手は「重要情報」と「補足情報」を区別しやすくなります。

2. 報告や案内で多用しすぎない

「なお」を多用すると、文章全体が事務的で冷たい印象になってしまいます。2〜3文ごとに「なお」を入れると、読み手がくどく感じることもあります。代わりに「ちなみに」「参考までに」と言い換えるのも効果的です。

例文:
「今回のイベントは無事終了しました。なお、参加者は150名でした。」
→「今回のイベントは無事終了しました。参加者は参考までに150名でした。」

同じ情報でも、表現を変えることで柔らかさが出ます。

3. 相手との関係性に応じて使い分ける

上司や取引先に対しては、形式的な「なお」が適しています。一方で同僚や部下へのメールでは、少し柔らかい言い換えを使うとフレンドリーさが出ます。

例文:
上司への報告:「会議は予定通り行います。なお、参加者は5名です。」
同僚への連絡:「会議は予定通り行います。ちなみに、参加者は5名だよ。」

このように、文体を変えるだけで受け取る印象は大きく変わります。


「なお」を使った例文集と状況別の言い換え

「なお」を使う場面はビジネスメールだけでなく、報告書や日常の文章にも広がります。ここではシーン別に例文と使い分けのコツを紹介します。

ビジネスメールでの例文

  • 「会議は14時から始まります。なお、出席者は事前に確認をお願いします。」
  • 「新製品の発表は来週です。なお、詳細は追ってご案内いたします。」

報告書での例文

  • 「売上は前年比120%を達成しました。なお、来期は更なる成長を見込んでいます。」
  • 「不具合は修正済みです。なお、再発防止のためマニュアルを更新しました。」

日常会話やネットでの例文

  • 「試験は明日だよ。なお、開始時間は9時だから気をつけて。」
  • 「ランチ会やるよ。なお、参加できる人はLINEで教えてね。」

言い換えで柔らかくする例

「なお」を連発すると固い印象になるため、以下のような表現に置き換えると自然です。

  • 「ちなみに」
  • 「参考までに」
  • 「加えて」
  • 「そのうえで」

例文:
「会議は予定通り行います。なお、資料は共有済みです。」
→「会議は予定通り行います。ちなみに、資料は共有済みです。」

このように言い換えるだけで、親しみやすさが加わります。


「なお」と「また」の違いと正しい使い方

「なお」と似た言葉に「また」がありますが、両者はニュアンスが少し異なります。

「なお」と「また」の違い

  • 「なお」…補足や注意を加えるときに使う
  • 「また」…新しい情報を並列的に加えるときに使う

例文:
「明日の会議は13時からです。なお、会場は変更になりました。」
(会議の情報に補足を加えている)

「明日の会議は13時からです。また、来週の予定も決まりました。」
(会議とは別の新しい情報を追加している)

ビジネスでの使い分け方

上司への報告では「なお」を使うと正確さが伝わりやすく、提案資料や社内共有文書では「また」を使うと並列的に情報を整理できます。

つまり、「なお」は注意書きや補足、「また」は新しい情報の追加というイメージで使い分けると自然です。

「なお」をメールで使うときの注意点

ビジネスメールで「なお」を使うと、文章全体にかっちりとした印象を与えることができます。ただし、便利だからといって多用すると、冷たさや上から目線に受け取られる危険もあります。特に取引先や目上の人に送るメールでは、言葉選びに注意が必要です。

多用を避ける

1通のメールに「なお」を何度も入れると、機械的で読みにくい文章になりやすいです。補足事項が複数ある場合は、「また」「加えて」「ちなみに」と言い換えを組み合わせましょう。

相手に配慮した表現にする

たとえば、「なお、必ず提出してください」と書くと命令的に響くことがあります。この場合は「ご提出をお願いいたします」「ご対応いただけますと幸いです」といった丁寧表現に置き換える方が無難です。

読み手の立場を意識する

上司や取引先向けには「なお」を使った方がフォーマルに感じられる場合がありますが、社内の同僚や部下に送るメールでは「参考までに」「ちなみに」などの柔らかい言葉を使うと関係性が保ちやすいです。


「なお」の改行ルールと読みやすい書き方

メールや報告書で「なお」を使うときは、文の構造や改行に注意するだけで読みやすさが大きく変わります。

改行のコツ

  • 「なお」で始まる文は、ひとつの段落を区切るサインとして使う
  • 補足情報を長く書かず、1〜2文程度にまとめる

例文:
「会議は13時から行います。
なお、資料は前日までにご提出ください。」

このように改行を入れると、読み手は「ここから補足が始まる」と直感的に理解できます。

長文の中での工夫

報告書や提案書の中で「なお」を使うときは、一文を短く切ることが大切です。だらだらと書くと、補足がどこまでなのか分かりづらくなってしまいます。


ネットやカジュアルな場面での「なお」の使い方

最近では、SNSやチャットなどのカジュアルな場面でも「なお」が使われています。ただしビジネスでの硬い印象とは異なり、ネットでは少しユーモラスに使われることが多いです。

ネットでの例

  • 「今日は残業なし。なお、上司はまだ会社にいます」
  • 「ダイエット中。なお、夜食にラーメンを食べました」

このように、メイン情報に対して「皮肉」「オチ」として補足する使い方が広まっています。

ビジネスとの違い

ネットでは笑いを誘うニュアンスで使われますが、ビジネスでは信頼性や誠実さを重視する必要があります。SNS的な「なお」の使い方をそのままメールに持ち込むと、場違いな印象になるので要注意です。


「なお」の漢字表記の正しい理解

「なお」はひらがなで書くのが一般的ですが、文語的な表現として漢字で「猶」と書く場合もあります。ただし現代のビジネス文章では、ひらがな表記が圧倒的に多く、漢字にすると古風すぎる印象を与えかねません。

漢字「猶」の使われ方

古い文献や法律文書では「猶(なお)」と漢字で表記されることがあります。意味は同じですが、形式的で古典的な雰囲気を持ちます。

ビジネスでの適切な表記

報告書やメールでは、読みやすさを優先して「なお」とひらがなで書くのが無難です。漢字にする必要はほとんどなく、相手に余計な違和感を与えないことが大切です。


まとめ

「なお」は補足や注意を加えるときに便利な接続詞ですが、多用すると冷たく感じられたり、命令的に受け取られるリスクがあります。

  • ビジネスメールでは相手や状況に応じて「なお」を使い、必要に応じて「ちなみに」「加えて」といった表現と使い分ける
  • 改行を上手に取り入れて、補足部分を読みやすく整理する
  • ネットやカジュアルな場面での「オチ」としての使い方は、ビジネスでは避ける
  • 表記は基本的に「なお」とひらがなを用いるのが適切

このようなポイントを押さえることで、ビジネスでも自然で失礼のない文章が書けるようになります。文章の印象は信頼につながりますから、ぜひ日々のメールや報告書に活かしてみてくださいね。

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