送信ボタンを押したあとに「しまった、伝え忘れた!」と気づくことは、誰にでもあるものです。そんなとき、追ってメールを送るのは失礼なのではと迷う方も多いでしょう。しかし実際には、内容を正確に伝えることこそがビジネスマナーです。本記事では、ビジネスシーンで「追加でメールを送る」際の正しい書き方、件名や表現のポイント、Gmail・Outlookでの補足送信の実務テクニック、印象を良くする言葉遣いまで徹底解説します。これを読めば、慌てずにフォローでき、相手からの信頼を損なわない“できるメール対応”ができるようになります。
追加でメールを送るのは失礼?状況別に考えるビジネスマナー
追ってメールを送るのは「失礼」ではなく「誠実」
一度送ったあとに再度メールを送ると「何度も連絡して申し訳ない」と感じる方もいますが、誤解を防ぐための補足連絡はむしろ誠実な行為です。特に取引先や上司とのやり取りでは、「正確な情報を早く共有してくれた」と好印象になるケースが多いです。
一方で、次のようなケースでは注意が必要です。
- 1時間以内に3通以上を立て続けに送る
- 内容の修正や追加が細切れでわかりにくい
- 件名や冒頭で“追加連絡”だとわからない
こうした場合、相手が「整理しづらい」「どれが最新なのかわからない」と感じる恐れがあります。
**「必要な補足を一度に」「理由を添えて」**伝えることがポイントです。
追加メールを送るシーンは意外と多い
たとえば以下のようなケースは、実務ではよくある「追って連絡」の場面です。
- 添付ファイルを付け忘れた
- 送信後に日程・金額・リンク先などの誤りに気づいた
- 会議や依頼内容に変更が生じた
- 共有漏れが発覚した
- 相手がまだ開封していないタイミングで修正が必要になった
どれも“気づいたらすぐ対応する”のがマナー。
特に送信後10〜30分以内のフォローなら、相手の受信箱でも混乱しにくくなります。
件名と冒頭で伝わる「補足メール」の正しい書き方
件名は「補足・追記・再送」を入れて一目で目的を伝える
件名はメールの“顔”です。ここに「補足」「追記」「再送」「追加」などのキーワードを入れることで、相手が内容を瞬時に理解できます。
具体例:
- 【補足】先ほどのご案内について
- 【追記】会議日程のご連絡
- 【再送】添付ファイル漏れのため再送いたします
- 【追加連絡】お見積もりの内容変更について
特に社外メールでは、前回との関連性がわかる件名にすることが重要です。件名だけで「これは二通目だ」と気づけるようにしましょう。
冒頭文では「理由+お詫び+目的」を簡潔に伝える
冒頭でいきなり本文に入るのはNGです。なぜ追加で送っているのかを一言添えると印象が大きく変わります。
例文:
先ほどのメールに補足がございます。
ご確認いただけますようお願いいたします。
先ほどのメールに添付ファイルを付け忘れておりました。
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。改めてお送りいたします。
このように、「なぜ送るのか」と「お詫び・配慮の言葉」をセットで書くことで誠意が伝わります。
結びの言葉は「恐縮+お願い」でやわらかく締める
最後は“相手への配慮”で締めましょう。
おすすめの表現は以下の通りです。
- 重ねてのご連絡となり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、ご確認のほどお願いいたします。
- ご不明な点がございましたらお知らせください。
こうした一文があるだけで、「連絡が続いて申し訳ない」という気持ちが伝わり、丁寧な印象を残せます。
Gmailで自分が送ったメールに追加で送るときの操作と注意点
Gmailのスレッド機能を上手に使う
Gmailは「スレッド形式(会話表示)」が特徴です。同じ件名のメールは自動的にまとめられるため、返信機能を使って追記する方がわかりやすいケースが多いです。
手順
- 「送信済み」から該当メールを開く
- 「返信」または「全員に返信」をクリック
- 冒頭に「先ほどのメールに補足がございます」と記入
- 追記内容を簡潔に書き、必要なファイルを添付して送信
同じ件名で送信すると、受信側のスレッド内にまとまるため、相手も確認しやすくなります。
Gmailでの注意点
- 「送信取り消し」は最大30秒以内しか有効ではないため、取り消せない場合は必ず新規で補足メールを送る
- スレッドが長くなると見落とされやすいので、場合によっては件名を変える(例:【補足】〇〇の件)
- 添付ファイル名には日付や内容を明記(例:「見積書_2025年12月版.pdf」)
また、Gmailの自動署名機能を設定しておくと、追って送る際も手早く丁寧な印象を保てます。
Outlookで追加で送る場合の実務フローとミス防止策
Outlookは「転送」機能を活用すると効率的
Outlookでは、「返信」だけでなく「このメッセージを転送」を使うことで、本文を再利用しながら新たに追記できます。件名を変更すれば、受信者にも新しい連絡であることが伝わります。
手順
- 送信済みフォルダを開く
- 対象メールを右クリック → 「転送」
- 件名に「【補足】」や「【再送】」を追記
- 冒頭に追加理由を簡潔に書き、内容・添付を追加して送信
Outlook利用時の注意点
- 「全員に返信」は慎重に。関係者以外に不要な情報を送らないようにする
- 件名が同じままだと混乱を招くため、再送の意図を示すキーワードを入れる
- 添付資料を上書きする場合は、「最新版を添付しております」と明記する
Outlookは社内外を問わず多人数とのやり取りが多いツールです。再送前に宛先とCCのチェックを徹底することで、情報漏えいや混乱を防げます。
先ほどのメールに補足したいときの例文集【状況別】
添付漏れの場合
件名:【再送】添付ファイル漏れのため再送いたします
先ほどのメールに添付ファイルが含まれておりませんでした。
ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
改めて添付いたしましたので、ご確認をお願いいたします。
情報追加・修正の場合
件名:【補足】先ほどのご案内に関する追加情報です
先ほどのメールに補足がございます。
以下の点をご確認ください。
重ねてのご連絡となり恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
内容訂正の場合
件名:【訂正】日程に関する誤りについて
先ほどお送りしたメールの内容に誤りがございました。
正しくは以下の通りです。お手数をおかけしますが、訂正のうえご確認ください。
連続送信のお詫びをしたい場合
件名:【お詫び】度重なるご連絡につきまして
連続でのご連絡となり申し訳ございません。
内容の確認漏れがございましたため、改めてご案内申し上げます。
ご理解賜りますようお願い申し上げます。
追加メールを送る際に印象を良くする言葉遣いとマナー
- 「申し訳ございませんが」よりも「恐縮ですが」の方が柔らかい
- 「追ってご連絡いたします」はフォロー予告、「補足で失礼いたします」は送信時に使う
- 「再送いたします」は機械的な響きになりやすいため、「改めてお送りします」も好印象
- 結びに「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」を添えると丁寧
これらの言葉選び一つで、メール全体の印象が格段に良くなります。
メールの追加送信を減らす業務効率化のコツ
送る前の「チェックリスト」を持つ
追加メールを防ぐには、送信前の確認を仕組み化することが重要です。
チェックポイント例:
- 件名・宛先・CC・BCCは正しいか
- 添付ファイルがあるか
- 日付・金額・リンクは最新か
- 要件が1通で伝わる構成か
テンプレートを社内で共有しておくと、ミスを大幅に減らせます。
メールより効率的な連絡手段を使う
何度もメールを送るより、チャットや共有ツールでまとめてやり取りする方が早い場合もあります。
Slack、Teams、Google Chatなどを併用し、**「メールは確定情報」「チャットは速報」**と使い分けるのが理想です。
まとめ|「追加でメールを送る」は誠実さの表れにできる
追加でメールを送ることは、決して失礼ではありません。
むしろ、正しいタイミング・言葉遣い・件名設定を押さえれば、相手への誠実さや配慮が伝わる行動になります。
重要なのは、
- 件名で目的を明確にすること
- 理由を添えて丁寧に伝えること
- お詫びと感謝で締めくくること
この3つを守るだけで、連続送信でも印象を損なわず、ビジネスの信頼関係を保つことができます。
次に「追加でメールを送る」場面が訪れたときは、自信を持って“誠実なフォロー”を実践してみてください。




























