「違和感を感じる」は間違い？正しい使い方とビジネスで使える言い換え表現集

2025年12月5日

会議で「なんか違和感を感じる」と言ったら、上司に「それは重言（じゅうげん）だよ」と指摘された経験はありませんか？
「違和感を感じる」という表現は、ビジネスの場でよく使われる一方で、言葉の正確さを重んじる人には不自然に聞こえることがあります。とはいえ、完全に誤りというわけでもなく、現代では自然な会話表現として浸透しています。
この記事では、「違和感を感じる」は本当に間違いなのかを明確にしながら、ビジネスで使えるスマートな言い換え表現や例文を紹介します。丁寧に伝えたい場面や、ポジティブに指摘したいときの言葉選びの参考にもなりますよ。

「違和感を感じる」は間違いなのか？正しい使い方を整理しよう

「違和感を感じる」はビジネスでも日常会話でも多く使われますが、「それって日本語的におかしい」と指摘されることがあります。
まずは、この表現がどのような構造になっていて、なぜ「間違い」とされるのかを理解しましょう。

「違和感」と「感じる」は意味が重なっている

「違和感」は、「何かがしっくりこない感覚」「普段と違う印象を受けること」という意味を持ちます。
つまり、すでに“感覚”や“感じ”という要素を含んでいる言葉です。
一方で「感じる」も、「感覚として受け取る」「気づく」という意味を持ちます。
したがって「違和感（＝感じ）を感じる」と言うと、同じ意味の言葉を重ねてしまう「重言」になるわけです。

文法的には、「違和感がある」や「違和感を覚える」がより正確な表現です。
たとえば次のように置き換えられます。

誤りとされがちな表現：「彼の発言に違和感を感じた」
自然で正しい表現：「彼の発言に違和感を覚えた」
より口語的な表現：「彼の発言に違和感があった」

このように、「感じる」を「覚える」「ある」と言い換えると自然になります。

ただし会話では「違和感を感じる」も許容される

一方で、文化庁の「言葉に関する問答集」では、「違和感を感じる」は現代では広く使われており、意味が通じる表現として“許容範囲”に入るとされています。
特にビジネス現場では、「違和感を感じます」のほうが柔らかく、直感的な印象を与えるため、口頭コミュニケーションでは自然です。

つまり、厳密な文法的にはやや冗長ですが、実務的には相手に伝わりやすい言葉として定着しているということです。
書面では「違和感を覚える」、会話では「違和感を感じる」と使い分けるのが賢明です。

ビジネスでの使い分け方まとめ

シーン	適した表現	理由
会話・打ち合わせ	違和感を感じます	柔らかく伝わる。相手に抵抗を与えない
ビジネスメール・文書	違和感を覚えます／違和感があります	文法的に自然で正確。書面向き
公式文書・報告書	違和感がございます	敬語・丁寧語に適する

状況に合わせて言葉を選ぶことで、相手に伝わりやすく、印象の良い表現ができます。