Windows Defenderや一部のセキュリティソフトを使っていると、突然「Filereppup(ファイルレップアップ)」という名前の脅威が検出されることがあります。「これはウイルスなのか?」「誤検知では?」「削除して大丈夫?」と不安になる方も多いでしょう。
この記事では、Filereppupの正体と検出される背景を解説しながら、ウイルスか誤検出かを判断するポイント、安全な削除手順、無視してもいいケースをビジネス利用者向けにわかりやすくまとめました。
目次
Filereppupとは何か?正体と検出される仕組み
Microsoft Defenderが使う「不明ファイル」の分類名
- Filereppup は Microsoft Defender が未知の実行ファイル(.exe など)に対して付ける分類名のひとつ
- 明確なウイルス名ではなく、「信頼スコアが低い」「ダウンロード数が少ない」といった理由で自動的に分類される
他のセキュリティソフトでも類似の検出名が使われることがある
- Avast、AVG:FilerepMalware、Win32:Evo-genなど
- このような分類は、明確な悪意よりも“潜在的な危険性”を表すことが多い
Filereppupは本当にウイルス?それとも誤検知?
ウイルスである可能性のあるパターン
- 正規のインストーラやアプリケーションではなく、出所不明のサイトからダウンロードしたもの
- 起動直後に通信を行ったり、CPU使用率が急増するなど、不審な挙動がある場合
誤検出の可能性が高いケース
- 海外製の正規アプリや中小開発者のソフトウェアを使用している
- ファイル自体のダウンロード数やユーザー数が少なく、Defenderが信頼スコアを与えられない状態
判断のためのチェックリスト
チェック項目 | 確認方法 |
---|---|
ファイルの入手元は信頼できるか? | 正規サイトや公式ストアかを確認 |
インストーラの署名はあるか? | 右クリック→プロパティ→デジタル署名 |
実行後に異常動作はないか? | タスクマネージャーやファイアウォールログを確認 |
Filereppupが検出されたときの対処法
1. 信頼できるファイルの場合:一時的に許可
- Microsoft Defenderの「検疫」画面から「復元」または「除外設定」を行う
- ただし、企業環境では管理者判断の上で実施すべき
2. 不審な点がある場合:安全な削除
- 「脅威の履歴」から該当ファイルを削除
- PC全体のフルスキャンを推奨
- 他のウイルス対策ソフトでもスキャンしてダブルチェック
3. 判断が難しい場合:Virustotalで確認
- https://www.virustotal.com/ にファイルをアップロード
- 世界中のセキュリティベンダーによる判定が確認可能
Filereppupを放置するとどうなる?無視しても大丈夫なケース
無視して問題ない例
- 正規アプリのアップデート時に一時的に検出されるケース
- ファイルに問題はなく、Defenderの信頼スコアが不足しているだけの場合
注意が必要な例
- 同じファイルが再起動後も再び検出される
- 他のマルウェア名でも同時に検出が発生する
- 感染が進行してバックドアや情報漏洩のリスクがある
Filereppupが業務PCに出た場合の企業対応フロー
情報システム部門が取るべき手順
- 検出日時・端末情報を記録
- ファイルの出所を調査
- 該当ファイルを隔離し、他の端末への影響を確認
- 判定に迷う場合は、サンドボックス環境での動作検証や専門ベンダーへの連携
MDMやEDR導入済みの環境なら
- EDR(Endpoint Detection and Response)で挙動を追跡可能
- Defender for EndpointやCrowdStrike等で振る舞い検知と封じ込めが自動化されている環境では、事後対応も容易
まとめ:Filereppup検出時は慌てず冷静に判断を
Filereppupの検出は、必ずしもウイルス感染を意味するわけではありません。Microsoft Defenderが「未確認で信頼性の低いファイル」に自動でフラグを立てる仕組みの一部です。
- 入手元や署名、実行後の挙動をチェックし、総合的に判断することが重要
- 不安な場合は削除・スキャン・Virustotal確認を基本方針に
- 法人利用者はEDRや専門部門の判断を仰ぐのがベスト
今後もこうした“信頼スコアベース”の警告は増加すると予測されます。ITリテラシーを高め、過剰反応せず適切な判断ができる体制を整えておくことが、リスク管理上のカギとなるでしょう。