「Webアプリ開発に興味があるけど、どのフレームワークを選べばいいかわからない」「業務改善のために自社ツールを作りたい」そんな方に選ばれているのがRuby on Railsです。
この記事では、Ruby on Railsとは何か、Railsを使うことでどんなことができるのか、業務効率化に役立つ活用事例を交えながら解説します。Railsは「オワコン」と言われることもありますが、それでも選ばれ続ける理由も含めて、今の開発現場におけるリアルをお伝えします。
Ruby on Railsとは何か?
フレームワークの基本構造と特徴
Ruby on Railsは、プログラミング言語Rubyで構築されたWebアプリケーションフレームワークです。
「Rails」と略して呼ばれることも多く、MVC(Model-View-Controller)という設計思想に基づいて構成されており、開発の生産性が非常に高いことが特徴です。
- コーディングルールが統一されており、複数人でも開発しやすい
- ルールに従えば、自動でルーティングやデータベース設計が進む
- 「同じことを繰り返さない(DRY)」「設定より規約(Convention over Configuration)」といった思想が浸透している
このような特徴により、少人数・短期間でプロダクトを立ち上げたいチームに選ばれ続けてきました。
RubyとRailsの違いとは?
Rubyはプログラミング言語そのもの、Railsはその言語で動くWebアプリ開発のフレームワークです。
たとえば:
分類 | 内容 |
---|---|
Ruby | 言語(単体でスクリプトやツール開発にも使える) |
Ruby on Rails | RubyベースのWebアプリ開発用フレームワーク |
Rubyだけでも簡単なツールやスクリプトは作れますが、本格的なWebシステムを構築するならRailsの知識はほぼ必須といえます。
Ruby on Railsでできること|実践例とユースケース
1. 業務支援ツールの内製化
- 社内の進捗管理・日報管理・問い合わせ管理など
- 業務フローに最適化されたツールが自作できる
- SaaSツールに依存せず、自社要件に完全対応したアプリが可能
バックオフィス部門のDXに貢献しやすいのが大きな魅力です。
2. Webアプリケーションの立ち上げ
- マッチングサービス、SNS、タスク管理アプリ
- ECサイト、掲示板、予約システムなど
- MVP開発(最小限の機能で検証)に最適
スタートアップや新規事業に最も選ばれているのがこの領域です。
3. API開発・外部連携の自動化
- モバイルアプリや他サービスとのデータ連携
- バックエンドAPIの構築
- 外部APIとの接続による業務自動化
業務の一部を自動化する中間処理としてRailsを活用するケースも増加しています。
Ruby on Railsのサンプルコード紹介
ここでは簡単なサンプルとして、Railsで「お問い合わせフォーム」を作る場合のコードの一部を紹介します。
rubyコピーする編集する# app/controllers/contacts_controller.rb
def new
@contact = Contact.new
end
def create
@contact = Contact.new(contact_params)
if @contact.save
redirect_to root_path, notice: "送信されました"
else
render :new
end
end
これだけで、フォーム入力→バリデーション→保存→リダイレクトまでの基本構成が実現できます。
Railsは“書く量が少なく、できることが多い”のが魅力です。
業務効率化につながるRails活用の強み
カスタマイズ性の高さ
SaaSのように機能が固定されていないため、自社業務に完全フィットしたツール設計が可能です。
「あと1ステップ欲しい」「既存システムとつなげたい」などの要求にも柔軟に対応できます。
社内エンジニアでも保守・改修しやすい
Railsの構造は分かりやすくドキュメントも豊富。エンジニアが中途採用されても、コードの可読性が高く、引き継ぎやすいメリットがあります。
Ruby on Railsの将来性は?
「オワコン」と言われる理由
一部で「Ruby on Rails オワコン」と言われる背景には以下のような要因があります。
- モダンなフロントエンド(React/Vue)との分離がトレンドになってきた
- PythonやJavaScript系フレームワーク(Next.js等)の台頭
- 新興エンジニアにとって“古く感じる”印象
しかし、これはトレンドの変化であり、Railsが劣っているという話ではありません。
それでも選ばれる理由
- 圧倒的な開発スピード
- コミュニティが成熟していてトラブル対応もしやすい
- 小規模チームでも大規模な機能を実現可能
とくにコスト意識の高い企業や、早く市場検証したいスタートアップでは今も最有力選択肢として採用されています。
Ruby on Rails入門として何から始める?
学習ステップ
- Ruby言語の基礎を学ぶ(Progateやドットインストールなど)
- Railsのインストールと基本構造理解(MVC)
- 簡単なCRUDアプリを作成
- Railsチュートリアルで本格的なWebアプリを構築
「Ruby on Railsチュートリアル」は公式に近い形で提供されており、認証機能やテストも含んだ実践的な教材として高評価です。
Ruby Webアプリのサンプル事例
- Qiita(エンジニア向け技術共有サイト)
- クックパッド(レシピ投稿・検索サービス)
- GitHub初期版(一部でRails使用)
- BASE(ネットショップ開設支援)
こうしたサービスの立ち上げ初期を支えてきたのがRailsです。
多機能かつ運用に強い実績あるWebアプリを、スピーディに構築できる点が多くの事業者に支持されています。
まとめ|Railsは“業務効率を高める武器”として現役
Ruby on Railsは、確かに新興技術の影に隠れつつあるかもしれません。
ですが、実際の開発現場では今も**「短期間で、低コストで、質の高いWebアプリを作る」ための有力な選択肢**として根強く使われています。
- 自社業務に合ったシステムを作りたい
- 社内のフローを自動化したい
- 副業でWebアプリを納品したい
- MVPをすぐ形にして市場をテストしたい
こういったニーズがあるなら、Railsは今でも十分に“勝てる技術”です。
まずは簡単なWebアプリから、Railsで構築してみてはいかがでしょうか?
その一歩が、業務効率化とビジネスの成長を大きく後押ししてくれるかもしれません。