春の訪れを感じ始める3月は、年度の締めくくりや新たな門出の季節でもあります。ビジネスの現場でも、学校・園だよりでも、また友人や同僚とのやりとりでも、時候の挨拶を通じて心のこもった気遣いを伝えることが大切です。この記事では、3月中旬・下旬の気候や行事に合った自然な挨拶表現を、ビジネス・カジュアル・学校・卒業式などのシーン別にご紹介します。
3月の時候の挨拶とは？意味と特徴
季節の移り変わりと気温の変化を意識する
3月はまだ肌寒さが残るものの、日差しの温かさや梅・桜のつぼみが春の気配を感じさせる季節。卒業や異動など、別れと出会いが重なるタイミングでもあるため、感謝や応援の気持ちを込めた表現が好まれます。
3月によく使われる時候の挨拶キーワード
- 早春の候
- 春寒の候
- 春分の候
- 浅春の候
- 春暖の候
これらはビジネス文書に適した表現ですが、やわらかい言葉に言い換えることで、より親しみのある印象になります。
3月の時候の挨拶をやわらかい表現にするコツ自然にやわらかく伝えるには？
固い表現はやさしい言葉に置き換える
- 「ご清栄のことと〜」→「お元気でお過ごしでしょうか？」
- 「浅春の候」→「春の足音が聞こえてきましたね」
季節の描写＋気づかいを添える
- 「三寒四温の気候が続いております。体調など崩されていませんか？」
- 「日ごとに春の気配が感じられるようになりました。どうぞご自愛ください。」
卒業・新生活など行事に応じた一言を加える
- 「新しい環境でのご活躍をお祈り申し上げます」
- 「旅立ちの春に、たくさんの希望が花開きますように」
コツ①：「季語」＋「自然な語りかけ」で情景を伝える
3月は「三寒四温」「梅のつぼみ」「春の陽ざし」など、冬から春へと移ろう風景が豊かです。
硬い漢語（例：浅春の候、早春の候）を使わなくても、身近な季節の描写を使えばぐっと柔らかくなります。
▶ 使える描写例：
- 朝晩はまだ冷えますが、日差しに春らしさを感じるようになりましたね。
- 梅の花が咲き始め、春の足音が聞こえてきました。
コツ②：「語尾」を語りかけるように
相手との距離を縮めるには、「～でしょうか？」「〜ですね」など疑問・共感の語尾が効果的。
とくにカジュアルな文面や、保護者・取引先へのやさしい挨拶として好印象です。
▶ 硬い例（NG）
早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
▶ やわらかい表現（OK）
春めいた陽気が感じられるようになってきましたね。皆さまいかがお過ごしでしょうか？
コツ③：「年度末」「別れと出会い」「新生活」をさりげなく入れる
3月は「卒業・異動・引っ越し」などの節目が多い時期。
これらを挨拶文に少しだけ盛り込むことで、共感や応援の気持ちが伝わります。
▶ 使えるキーワード例：
- 新生活／春の旅立ち／新たな門出／出会いと別れ／別れの寂しさ／応援の気持ち
コツ④：「寒さの残り」＋「春の希望」を組み合わせる
3月はまだ肌寒さも残るため、「気遣い」と「前向きさ」の両方を含んだ挨拶がベスト。
▶ 例文テンプレート：
寒さの中にも春の兆しが感じられる季節となりました。
どうかあたたかくして、体調など崩されませんようご自愛ください。
シーン別｜やわらかい3月の時候の挨拶 例文
📧 ビジネスカジュアル（社外・社内メール）
春の日差しが心地よくなってきましたね。
年度末のご多忙の折とは存じますが、体調など崩されていませんか？
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
💌 おたより・学校通信・先生から保護者へ
三寒四温の気候が続いておりますが、日差しはだいぶ春めいてまいりました。
子どもたちも春の訪れを感じながら、元気に過ごしています。
年度末でお忙しい中とは存じますが、ご家庭でもどうぞご自愛ください。
🎓 卒業式・送別メッセージ
桜のつぼみがふくらみ始め、旅立ちの季節がやってきました。
別れの寂しさと新しい出発への期待が入り混じるこの時期。
新天地でのご活躍を心よりお祈りしております。
🧑🤝🧑 カジュアル（LINE・社内・友人への一言）
ぽかぽか陽気が増えてきたね。もうすぐ春本番！
花粉がつらい時期だけど、無理せず元気に過ごしてね！
✅まとめ｜やわらかい3月の挨拶は「春の兆し＋気づかい＋エール」
3月はフォーマルな挨拶でも、
- 春の自然描写
- 相手へのねぎらい・体調気づかい
- 新たな門出への応援
この3点を少しずつ盛り込むだけで、自然でやさしい表現に仕上がります。
文脈に合った温度感を意識しながら、書き出しや結びを整えると、印象の良い挨拶になりますよ。
3月のビジネスシーンで使える挨拶例文（目的別）
📧 ① 社外メール・書状の冒頭に使える時候の挨拶（フォーマル）
拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
拝啓 春分の候、貴社におかれましてはご健勝にてお過ごしのことと拝察いたします。
日頃よりご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
📄 ② 提案書・契約書などに添える文面例
拝啓 春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
さて、表題の件につきまして下記の通りご提案申し上げます。ご査収のほど、よろしくお願いいたします。
💌 ③ 年度末のご挨拶メール（カジュアルフォーマル）
いつも大変お世話になっております。
3月も半ばを過ぎ、春の気配が感じられる頃となりました。
本年度も格別のご支援を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
引き続き変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願いいたします。
🏢 ④ 社内通達・報告メールなどに使える一文
三寒四温の気候が続いておりますが、皆さま体調など崩されていませんか？
年度末に向けて業務も立て込みやすい時期ですが、どうぞ体調に留意しながら引き続きよろしくお願いいたします。
✅ ⑤ 結びの定番・使いやすいフレーズ（3月用）
- 季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
- 新年度に向け、さらなるご発展をお祈り申し上げます。
- 桜の便りが待ち遠しい季節、どうぞ良き春をお迎えください。
📝豆知識｜3月ビジネス文で使える季語・表現
| タイミング | 季語の例 | 主な意味 |
|---|---|---|
| 上旬〜中旬 | 早春の候／春寒の候 | 寒さが残る初春の頃合い |
| 中旬〜下旬 | 春分の候／浅春の候 | 春らしい陽気が感じられる頃 |
| 下旬 | 春暖の候／桜花の候 | 桜の開花や春本番を意識する表現 |
【時期別】3月上旬〜下旬の挨拶文例と書き出し
3月上旬に使える挨拶文｜時候の季語：早春の候／春寒の候 など
ビジネス向け（フォーマル）
拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
余寒なお残る中、皆さまにはお健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
拝啓 春寒の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
書類添え状や社内報告などにも使える一文
3月に入り、ようやく春の気配を感じられる日も増えてまいりました。
年度末のご多忙の折とは存じますが、ご自愛のうえお過ごしくださいませ。
カジュアル・社内・友人向け（やわらかい表現）
春の足音が少しずつ聞こえてくるような、やさしい陽ざしが心地よい季節になってきましたね。
まだまだ寒暖差もある時期ですが、体調など崩されていませんか？
3月に入りましたね。あっという間に春が近づいてきた感じがします。
花粉症にはつらい時期かもしれませんが、無理せず元気にお過ごしください！
学校通信・園だより・おたより向け
少しずつ日差しがあたたかくなり、春の訪れを感じる季節となりました。
子どもたちも元気いっぱいに新しい季節を迎える準備をしています。
使える結びの表現（3月上旬）
- 季節の変わり目、どうかご自愛くださいませ。
- 春の訪れとともに、皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
- 三寒四温の折、どうぞお身体にはお気をつけください。
3月中旬 時候の挨拶
ビジネス向け（フォーマル）
- 拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 春寒の折、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
カジュアル・やわらかい表現
- 日差しに春らしさが感じられるようになってきましたね。
- 三寒四温の気候が続いておりますが、お変わりありませんか？
3月下旬 季節の挨拶
ビジネス向け（フォーマル）
- 拝啓 春分の候、貴社におかれましては益々ご繁栄のことと拝察いたします。
- 桜の便りが各地より届く頃となりました。皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。
カジュアル・やわらかい表現
- 桜のつぼみもほころび始め、ようやく春らしい気配が漂ってきましたね。
- 日中はコートがいらないほどの陽気になってきました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
【用途別】3月の時候の挨拶と文例
3月の時候の挨拶 ビジネス向け
書き出し例
- 拝啓 浅春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 春分の候、貴社におかれましてはご健勝にてお過ごしのことと存じます。
結び例
- 花冷えの季節、どうぞご自愛のほどお願い申し上げます。
- 新年度も引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
3月の時候の挨拶 学校・おたより向け
書き出し例
- 春の足音がすぐそこまで近づいてきました。
- 暖かな日差しに、子どもたちの笑顔もより一層輝いています。
結び例
- 新年度に向けてご多忙のことと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。
- 保護者の皆さまには、1年間温かく見守っていただき感謝申し上げます。
3月の時候の挨拶 卒業式向け
書き出し例
- 桜のつぼみも膨らみ始め、卒業の季節がやってまいりました。
- 別れと旅立ちの春。皆さまにとって忘れがたい3月になりますように。
結び例
- 旅立ちの門出に、心からの祝福をお送り申し上げます。
- 次のステージでも輝かれることをお祈りいたしております。
3月 挨拶文 書き出し・結びカジュアル例
書き出し例
- ぽかぽかとした春の日差しがうれしい季節になりましたね。
- 花粉症がつらい時期になってきましたが、いかがお過ごしですか？
結び例
- 春の陽気とともに、よい日々をお過ごしください。
- 新生活を迎える方も多い季節、どうぞ体調には気をつけてくださいね。
3月の結婚式にぴったりな挨拶例文
友人代表スピーチ（カジュアル＋あたたかみ重視）
春の訪れを感じるこの佳き日に、こうしておふたりの門出に立ち会えることを、心から嬉しく思います。
桜の開花を待ちわびるような3月。新しい季節とともに、おふたりの人生もまた新たに始まります。
これからもどんな時も寄り添い、たくさんの春を迎えていってください。
本日は本当におめでとうございます。
司会者の冒頭あいさつ（フォーマル）
本日は、春の陽気を感じるこの良き日に、新郎新婦の晴れの門出をお祝いする場にご臨席いただき、誠にありがとうございます。
三寒四温の季節ではございますが、皆さまのあたたかい祝福に包まれて、おふたりの門出がより一層輝くことと存じます。
最後までどうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。
両親・親族からの謝辞（丁寧で心のこもった文面）
春の訪れを感じるこの佳き日に、多くの皆さまにご参列いただき、誠にありがとうございます。
本日ふたりが、新たな人生を歩み始めることができましたのも、ひとえに皆さまの温かいご支援とご縁の賜物と、心より感謝申し上げます。
花開く春のように、ふたりの未来が明るく穏やかなものでありますよう、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
3月の結婚式で使える「季節感ワード」リスト
- 春の訪れ／三寒四温／旅立ちの季節
- 桜のつぼみ／春風／新たな門出
- 柔らかな日差し／春らしい陽気／始まりの季節
【まとめ】3月は「春＋感謝＋応援」で伝える挨拶を
3月は、寒さの名残と春の兆しが混じり合う季節。年度末の節目や卒業、送別、新生活など、多くの「移り変わり」があるからこそ、やわらかく丁寧な挨拶が相手の心に届きます。ビジネスでもカジュアルでも、春らしい明るさと感謝・応援の気持ちを込めて、一言添えてみましょう。
ロロント株式会社では、こうした挨拶文やコミュニケーションコンテンツのライティング支援も行っています。ご相談やご依頼は、お気軽にお問い合わせください。
