打ち合わせや訪問予定の相手が、約束の時間になっても現れない——そんなとき、怒りや不安を抱えながらも、冷静で丁寧な対応が求められるのがビジネスシーンです。本記事では「約束の時間に来ない相手」への適切なビジネスメール・電話対応を、例文付きで紹介します。トラブルを円滑に収め、信頼関係を保つための文章マナーを学びましょう。
約束の時間に来ないのは失礼?まずは冷静な対応を
遅刻・すっぽかしの背景はさまざま
交通トラブルやダブルブッキングなど、相手にも事情があることがあります。まずは憶測で批判せず、事実確認を優先しましょう。
怒りや不信感は文面に出さない
感情的なメールや電話は、関係悪化を招きます。冷静かつ簡潔に、状況確認と次のアクションを提案する文面が理想です。
ビジネスメールの基本構成と使える例文
状況確認+気遣いを含めた例文(訪問者が来ない場合)
件名:本日◯時のお打ち合わせについて
〇〇様
お世話になっております。株式会社◯◯の△△です。 本日◯時よりお約束させていただいておりました件につきまして、現在ご到着の確認が取れておりません。 交通事情などもあるかと存じますが、何かございましたらご一報いただけますと幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。
リスケジュールを提案する丁寧な文面
件名:本日のご予定についてのご確認と再調整のお願い
〇〇様
お世話になっております。△△です。 本日お約束しておりましたお打ち合わせですが、現時点でご到着の確認ができておらず、ご都合が変わられたのかと案じております。
差し支えなければ、改めて別日程をご提案させていただければと存じます。 ご多忙のところ恐れ入りますが、ご都合の良い日程をお知らせくださいませ。
予約時間に来ない顧客への対応と例文
ショップ・クリニック・サービス業での定型文
件名:ご予約時間を過ぎてのご連絡について
〇〇様
本日は◯時にご予約を頂いておりましたが、現在ご来店(ご来院)の確認が取れておりません。 お時間に遅れていらっしゃる場合や、キャンセル等ございましたら、お電話もしくは本メールにてご一報いただけますと幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
無断キャンセルが続く場合の対応例
件名:ご予約に関するお願い
〇〇様
いつもご利用ありがとうございます。 最近、予約時間にご来店(ご来院)いただけない事例が続いており、他のお客様への対応に影響が出ている状況です。 つきましては、今後のご予約につきましては事前連絡の徹底をお願い申し上げます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
電話での対応マナーと文面との使い分け
急ぎの場合は電話対応が有効
メールの返信を待つ余裕がないときは、丁寧な口調での電話確認がベターです。
<電話の言い回し例> 「お忙しいところ恐れ入ります。本日◯時よりお約束させていただいていた件でご連絡いたしました。ご都合など問題ございませんでしょうか?」
電話後にフォローするメール文例
件名:先ほどのお電話について(再確認)
〇〇様
先ほどはお電話にてご対応ありがとうございました。 念のため、改めて本日のお打ち合わせについてご確認させていただきます。 次回の日程について、ご都合のよろしい日時をご教示いただけますと幸いです。
感情的な文面にならないための言い換えポイント
不快感を与えやすい表現
- 「来ていないようですが」→「ご到着の確認が取れておりません」
- 「連絡がないのは困ります」→「ご一報いただけますと幸いです」
- 「時間を無駄にしました」→(言及せず、今後の予定に話題を移す)
ビジネスにふさわしい柔らかい敬語
- 恐れ入りますが…
- ご都合がよろしければ…
- 差し支えなければ…
- ご確認いただけますと幸いです
信頼関係を維持するための配慮
すぐに責めない・疑わない
相手にとってやむを得ない事情の可能性もあるため、確認と提案を中心に据えた対応が大切です。
継続的な関係がある場合の対処法
- 1度目:軽く状況確認+再提案
- 2度目以降:連絡の徹底を依頼+仕組みで対応(リマインドメールなど)
- 悪質・繰り返し:社内判断で対応を見直す
まとめ|トラブル時こそ、対応の質で差がつく
「約束の時間に来ない」といったトラブルは、ビジネスにおいて避けられないケースの一つです。しかし、そこでのメールや電話の対応こそが、信頼や印象を左右します。冷静に、配慮ある言葉でやりとりを進めることで、トラブルさえも信頼強化の機会に変えることができます。