業務でエクセルを使っていると、チェックリストや評価シートなどに「〇」や「◎」といった記号を入力し、それらの数を集計したくなる場面があります。手作業で数えるのはミスの元ですし、作業効率もよくありません。この記事では、COUNTIF関数を活用して、エクセル上の丸印(〇や◎)を正確に数える方法を解説します。複数条件、飛び飛びの範囲、記号がうまくカウントできない場合の対処法まで、現場で使える実用的な内容をお届けします。
エクセルで丸の数を数える基本|COUNTIF関数の使い方
COUNTIF関数の基本構文とは
COUNTIF関数は「指定した範囲の中で、条件に合うセルの数を数える」ための関数です。構文は以下の通りです。
=COUNTIF(範囲, 条件)
たとえば、A1:A10の中で「〇」が何個あるかを調べたい場合は以下のようになります。
=COUNTIF(A1:A10, "〇")
○と◎をそれぞれ数える場合
それぞれ個別にCOUNTIF関数を使ってカウントします。
=COUNTIF(A1:A10, "〇")
=COUNTIF(A1:A10, "◎")
もし両方の合計を出したい場合は、単純に足し算をすればOKです。
=COUNTIF(A1:A10, "〇") + COUNTIF(A1:A10, "◎")
複数の丸をカウントする方法|飛び飛びのセルにも対応
飛び飛びの範囲にある丸をカウントする
エクセルで複数の離れたセル範囲(例:A1:A5とC1:C5)に入力された「〇」の数を合算したい場合は、複数のCOUNTIFを組み合わせます。
=COUNTIF(A1:A5, "〇") + COUNTIF(C1:C5, "〇")
このように複数の範囲を個別に指定し、合算するのが基本的な考え方です。
丸が含まれる複数の列や行に対応するには
例えば、A列・C列・E列など特定の列に丸が散在している場合も、上記のようにCOUNTIFを並べて使う形が推奨されます。動的な範囲指定をしたい場合は、SUMPRODUCT関数を応用することも可能です。
=SUMPRODUCT(COUNTIF(INDIRECT({"A1:A10","C1:C10","E1:E10"}), "〇"))
COUNTIF関数がうまく機能しないときの原因と対処法
〇をカウントできない理由
意外と多いのが「見た目は〇なのにカウントされない」というトラブルです。主な原因は以下の通りです。
- 全角と半角の違い(〇は全角、oや0と混同)
- コピー&ペーストで別の文字コードが使われている
- 見た目が記号でも実際は図形や画像(オブジェクト)
対処法とチェックポイント
- 「F2」でセルを編集して直接確認し、全角の〇であることを確認
- 半角oや0との違いを明確にする
- データ入力時にドロップダウンリストやデータ検証機能を使って統一する
複数条件で丸の数を数える方法
AND条件の処理(たとえば〇かつ◎)
COUNTIF関数は単一条件しか処理できないため、AND条件を扱う場合はCOUNTIFS関数を使います。ただし「〇かつ◎」のように相反する値を同時に求めることはできません。そのため、複数条件の合計が必要な場合は以下のように個別にカウントして合算します。
=COUNTIF(A1:A10, "〇") + COUNTIF(A1:A10, "◎")
OR条件の処理(〇または◎)
OR条件で〇または◎をカウントする場合も、COUNTIF関数の合算で対応可能です。
1と2の数を数える場合も同様
以下のように数値に対してもCOUNTIFでカウントできます。
=COUNTIF(A1:A10, 1) + COUNTIF(A1:A10, 2)
数値と記号が混在する場合でも、関数の中で型(文字列か数値か)を明確に指定すれば処理可能です。
複数の記号の数をカウントしたいときのテクニック
COUNTIFと配列を組み合わせる応用技
複数記号(例:〇、◎、△など)を一括でカウントするには、SUM関数とCOUNTIFを組み合わせるのが便利です。
=SUM(COUNTIF(A1:A10, {"〇", "◎", "△"}))
この書き方で、それぞれの記号を同時に集計することができます。関数の動作確認をしながら使うことで、集計ミスを減らせます。
関数で数を数える仕組みを理解する
COUNTとCOUNTAとの違い
- COUNT関数は「数値」だけをカウントします
- COUNTA関数は「空白以外のすべて」をカウントします(文字列や記号も含む)
記号を数えるにはCOUNTIFが最も適しており、用途に応じて関数を使い分けることがポイントです。
ビジネスでの実用例
- 社内の進捗チェック表で〇や◎の数を日次で自動集計
- 評価シートで◎=3点、〇=2点、△=1点などスコア変換の起点にする
- 出席管理やアンケート集計で記号ベースの分析を自動化
まとめ:記号のカウントは関数を使えば簡単に自動化できる
エクセルで〇や◎などの丸印を数える作業は、COUNTIF関数を使えば確実かつ効率的に処理できます。特にビジネスの現場では、手作業による数え間違いを防ぎ、進捗管理や評価集計の精度を高めるうえでも重要です。複数範囲・複数条件・飛び飛びのデータにも対応できるよう、今回紹介した関数テクニックを活用して、作業の自動化とミス削減を実現しましょう。