せっかく独自ドメインを取得して、自分だけのWebサイトやブログを立ち上げようと意気込んでいるときに、画面に「このドメインは お名前.com から取得されました。」という無機質なページが表示されると、誰でも不安になってしまいますよね。設定を間違えたのか、それとも故障なのかと焦るかもしれませんが、実はこれはドメイン取得直後にはよくある「初期状態」なのです。この記事では、このページが表示される具体的な原因から、自分のサイトを正しく表示させるための対処法、での必須設定までを網羅して解説します。この記事を読めば、専門用語に惑わされることなく、最短ルートでWebサイトを公開できるようになりますよ。
「このドメインは お名前.com から取得されました。」と表示される原因とは?
ブラウザにドメイン名を入力した際、のロゴが入った案内ページが表示されるのには、明確な論理的理由があります。これを「パーキングページ」や「初期ページ」と呼んだりしますが、簡単に言えば「ドメインの名前は確保できているけれど、その行き先(データを置いているサーバー)がまだインターネットの世界に浸透していない状態」を指しているのですよ。ドメインを取得したばかりの同僚が同じ画面を見て困っていたら、まずは「ドメインとサーバーを繋ぐ道路がまだ工事中なんだよ」と優しく教えてあげてくださいね。
お名前.comでドメインを買った直後は、お名前.com側のシステムが「とりあえずこのドメインはうちの管理下ですよ」という目印として、このデフォルトページを表示させています。本来であれば、ここからネームサーバーやDNSといった設定を自分で行い、自社で契約したサーバーへと通信を誘導しなければなりません。この設定が漏れていたり、設定したばかりで世界中のコンピューターに情報が伝わっていなかったりすることが、主な原因となるのです。
ここでは、なぜこの画面が出てしまうのかという背景を3つの視点から深掘りしていきます。原因を特定できれば、対処法も自ずと見えてきますよ。一つずつ、自分の状況に当てはめてチェックしていきましょう。
ネームサーバー(NS)の設定が正しく反映されていない場合
ドメインを取得した際、最も最初に行うべき大切な作業がネームサーバー(名前解決サーバーという意味です)の設定変更です。ネームサーバーとは、インターネット上の住所録のようなもので、「このドメインのサイトを見たい人は、このサーバーへ行ってください」と案内する役割を担っています。お名前.comでドメインを取得した直後は、の標準サーバーを向いているため、あの初期ページが表示されてしまうのですよ。
ネームサーバーの設定ミスでよくあるパターンをまとめました。
- エックスサーバーやConoHa WINGなど、外部のレンタルサーバーを使っているのに、お名前.com標準のネームサーバーのままになっている。
- サーバー会社から指定された5つ程度のネームサーバー情報を、入力欄に正しく反映できていない。
- 1文字でもスペルが間違っている、または順番を間違えて登録してしまっている。
ビジネスでWebサイトを運用する場合、このネームサーバーの設定が間違っていると、いつまで経ってもサイトが公開されません。お名前.comの管理画面(お名前ナビ)にログインし、「ネームサーバーの変更」という項目を確認してみてくださいね。ここで利用するサーバー会社専用の番号(例:ns1.xserver.jpなど)に書き換えることで、ようやくドメインが正しい目的地へと歩き出し始めるのです。
また、設定を変えた直後に「まだ反映されない!」と慌てるのも禁物です。世界中のサーバーにある住所録を書き換えるには、どうしても物理的な時間が必要になるからです。このあたりの事情についても、後の章で詳しく解説しますね。
サーバー側でドメインの追加・紐付け設定が完了していない場合
ドメイン側の設定が完璧でも、受け入れ先であるサーバー側の設定が漏れていると、やはり「お名前.com」のページが表示され続けることがあります。これをドメインの「紐付け設定」と呼びます。ドメインはお客様をサーバーの玄関まで連れてきてくれますが、サーバー側が「このドメインのお客様は、ここの部屋(フォルダ)に入れてください」というルールを用意しておかないと、案内は成立しないのですよ。
サーバー側の設定で確認すべきポイントは以下の通りです。
- レンタルサーバーのコントロールパネル(管理画面)で、「ドメイン追加」の操作を完了させているか。
- 追加したドメインに対して、適切な公開フォルダ(public_htmlなど)が割り当てられているか。
- サーバーアカウント自体の支払いや有効期限が切れておらず、稼働している状態か。
例えば、人気のエックスサーバーなどを使っている場合、ドメインパネルから取得したドメイン名を入力して登録する作業が必須になります。この作業を行わずに放置していると、ドメインがサーバーまで辿り着いても「追い返されて」しまい、結果としてブラウザが以前の記憶(キャッシュ)のページを出してしまうことがあるのですね。
ドメイン側の「送り出す設定」と、サーバー側の「受け入れる設定」。この両方がガッチリと噛み合って初めて、あなたのサイトは日の目を見ることになります。自分で行った設定をもう一度振り返り、サーバーパネルにドメイン名がしっかりと登録されているかを指差し確認してみましょう。
DNSレコード(Aレコード)の記述ミスや反映待ちの状態
少し高度な設定になりますが、ネームサーバーを直接書き換えるのではなく、DNSレコード(特定の通信先を個別に指定する仕組みのことです)を設定している場合も注意が必要です。特に、お名前.comの「DNS設定」メニューから、サーバーのIPアドレス(数字の羅列で表されるネット上の住所です)を直接指定する「Aレコード」を使っているケースですね。
DNSレコードの設定で不具合が起きる主な理由は以下の通りです。
- サーバーのIPアドレスを1つでも打ち間違えている。
- 以前の設定(お名前.comの初期値)が残ったままになっており、新しい設定と干渉している。
- レコードのTTL(情報の保持期間という意味です)が長く設定されており、古い情報が消えていない。
DNSレコードの設定は、ネームサーバーの変更よりも反映が早いことが多いですが、その分ミスをすると影響が即座に出やすいという側面もあります。お名前.comのDNS関連メニューで、自分が入力した数字が、レンタルサーバー会社から通知された「サーバーIPアドレス」と完全に一致しているかを再確認してみてください。
また、このレコード情報は全世界に散らばっている「DNSキャッシュサーバー」という中継地点をバケツリレーのように伝わっていきます。そのため、あなたのパソコンでは設定が反映されたように見えても、他の地域や違う回線を使っている人には、のページが見えている……ということも起こり得るのですよ。こればかりはテクノロジーの仕組み上、少しだけ待つ姿勢が必要になりますね。
ドメイン設定後にサイトが表示されない問題を解決する方法
原因が整理できたところで、次はいよいよ具体的な解決に向けた「対処法」を実行していきましょう。もし、あなたが設定を終えたばかりなら、まずは落ち着いてコーヒーでも飲みながらこの記事を読み進めてくださいね。なぜなら、Webサイトの設定において最大の敵は「焦り」だからです。間違った設定を何度も繰り返すと、情報の反映がさらに遅れてしまうこともあるのですよ。
対処法の基本は、上流(ドメインの管理元)から下流(表示されるブラウザ)へと順番に確認していくことです。お名前.com側の設定が正しいか、次にサーバー側の受け入れ態勢は万全か、そして最後に自分のPCの環境が古くないか。このステップを踏むことで、闇雲にボタンを連打するよりもずっと早く、確実に解決へと近づけます。
ビジネスの現場では、Webサイトの公開が遅れることは機会損失にも繋がりますよね。ここでは、明日からプロとして恥ずかしくない知識を持って対処できるように、一つひとつの手順を論理的に、かつ分かりやすく解説していきます。それでは、まずは最も重要なネームサーバーの切り替え手順から見ていきましょう。
お名前.comの管理画面でネームサーバーを切り替える手順
お名前.comでドメインを管理し、他社のサーバー(エックスサーバー、ロリポップ、ConoHa WINGなど)を利用する場合、ネームサーバーの変更は必須の作業です。お名前.comの管理画面である「お名前ナビ」は多機能ゆえに迷いやすいですが、以下の手順を辿れば迷うことはありませんよ。
ネームサーバー変更の確実なステップは以下の通りです。
- お名前ナビにログインし、上部メニューの「ドメイン」から「利用ドメイン一覧」を選択します。
- 該当するドメインの右側にある「ネームサーバー」という項目(になっています)をクリックします。
- 画面が切り替わったら、「他のネームサーバーを利用」というタブを選択してください。
- ネームサーバー1、ネームサーバー2……という入力欄に、レンタルサーバー会社から指定された情報を上から順番に入力します。
- 最後に「確認」ボタンを押し、内容に間違いがなければ「保存」をクリックします。
注意したいのは、サーバー会社によってネームサーバーの数が2つの場合もあれば、5つの場合もあるという点です。指定されたものはすべて埋めるようにしましょうね。
保存ボタンを押した直後に「完了」のメッセージが出れば、ドメイン側からの指示出しは終了です。これで、インターネットの世界に対して「このドメインの正体は、このネームサーバーが知っていますよ」という宣言がなされました。お名前.comからの設定完了通知メールも届くはずですので、大切に保管しておきましょう。この設定が反映されれば、あの「このドメインは お名前.com から取得されました。」というページは自然と消えていくはずですよ。
レンタルサーバーのコントロールパネルでドメインを追加するコツ
ドメインを送り出したら、次はサーバー側の受け入れです。サーバー側でドメインの登録が完了していないと、ドメインがせっかくサーバーを訪ねてきても「そんなドメインのデータは持っていません」と門前払いされてしまいます。ここでは、多くの人が使っているレンタルサーバーを例に、追加設定のコツをお伝えしますね。
ドメイン追加時に意識すべきポイントはこちらです。
- ドメイン追加メニューを探す:多くのサーバーでは「ドメイン設定」や「アドオンドメイン」といった名前のメニューにあります。
- 正確なドメイン名を入力する:wwwの有無は後で選べることが多いため、まずは「example.com」のような本体の形だけで登録するのが一般的です。
- 無料独自SSL設定を同時に行う:最近のサーバーは追加と同時にSSL化(通信を暗号化することです)をしてくれる機能があります。これを有効にしておくと、後の作業が楽になりますよ。
例えば、ConoHa WINGなどを使っている場合は、ドメインを追加した瞬間に「反映待ち」というステータスになります。このステータスが「稼働中」に変わるまでは、サイトは表示されません。
また、意外と忘れがちなのが「初期ドメイン」との混同です。サーバー契約時にもらった「〇〇.xserver.jp」のようなドメインと、お名前.comで取得した独自ドメインは全くの別物です。独自ドメインをメインで使いたいなら、必ずそのドメイン名をサーバーパネルに新規追加する必要があるのですよ。ここをしっかり設定しておけば、ドメインとサーバーがガッチリと手を組み、あなたのサイトを世界へ発信できるようになります。
DNSプロパゲーション(反映待ち時間)の確認と待ち方の目安
設定をすべて終えても、すぐにはサイトが表示されないことがよくあります。これを専門用語で「DNSプロパゲーション(世界中に情報が伝搬していくことという意味です)」と呼びます。インターネット上の全ての住所録が同時に更新されるわけではないため、地域や通信会社によって、新しいサイトが見られるようになるまでタイムラグが生じるのですよ。
反映待ち時間の目安と過ごし方をご紹介します。
- 反映時間の目安:早ければ数分、一般的には数時間から24時間、遅い場合は最大72時間ほどかかります。
- 進捗を確認するツール:「DNS Checker」や「Who.is」といったWebサービスを使うと、世界各国のネームサーバーが現在どこを向いているか視覚的に確認できます。
- スマホ回線で試す:PCのWi-Fi回線は古いキャッシュが残りやすいため、スマホの4G/5G回線(Wi-Fiオフ)でアクセスしてみると、先に反映されていることが確認できるかもしれません。
ビジネスにおいてこの待ち時間は非常にもどかしいものですが、無理に設定をいじくり回すのは逆効果です。「設定は正しいはずだ」という確信があるなら、一晩寝て待つのが一番の特効薬になることも多いのですよ。
お名前.comでドメインを取得した際の初期設定一覧
ドメインを取得して、ひとまずネームサーバーの設定を終えたからといって、安心してはいけませんよ。お名前.comは日本最大級のレジストリ(ドメイン登録業者という意味です)ですが、その分、初期設定のままにしておくと不便だったり、時にはプライバシー上のリスクがあったりする項目も含まれているのです。ビジネスでドメインを運用するなら、安全でコストパフォーマンスの良い状態を早めに整えておくべきですね。
お名前.comの管理画面(お名前ナビ)は、慣れないうちは迷路のように感じるかもしれません。しかし、ここで行う「初期設定の最適化」は、あなたのWebサイトという資産を守るための重要なメンテナンスなのですよ。設定を放置したばかりに、知らないうちに高額な自動更新が発生したり、個人の住所がインターネット上に公開されてしまったりするのは避けたいですよね。
ここでは、ドメイン取得後に必ずチェックしておくべき必須の設定を3つのカテゴリーに分けて解説します。これらを整えることで、余計なトラブルに振り回されることなく、コンテンツ制作や集客といった「本来のビジネス活動」に専念できるようになりますよ。それでは、まず最も重要なネームサーバー設定の全体像から確認していきましょう。
外部サーバー(エックスサーバーやConoHa等)を利用する際のネームサーバー変更
お名前.comでドメインを買った人の多くは、サーバーは別の会社で契約しているのではないでしょうか。お名前.com自身もレンタルサーバーを提供していますが、エックスサーバーやConoHa WING、ロリポップといった他社の人気サーバーを使いたい場合は、ドメインの「案内係」をそれらのサーバー会社に任せるように設定を切り替えなければなりません。
ネームサーバー変更における実務上の注意点は以下の通りです。
- サーバー会社から届く「サーバー設定完了メール」に記載されているネームサーバー(例:ns1.conoha.jpなど)を正確にメモする。
- お名前.comの「ネームサーバー変更」メニューで、必ず「他のネームサーバーを利用」を選択する。
- 以前の設定(お名前.comの初期値)をすべて削除してから、新しい情報を入力する。
これを忘れると、冒頭でお話しした「このドメインは お名前.com から取得されました。」というページから永遠に抜け出すことができません。
また、設定を変更した後は、お名前.com側のステータスが「完了」になっているかを確認するだけでなく、サーバー側のコントロールパネルでも「ドメイン追加」が正常に処理されているかを確認してください。ドメインとサーバーは、いわば「発信元」と「受信元」の関係です。両方のチャンネルを合わせることで、ようやく通信という電波が繋がり、あなたのサイトが表示されるようになるのですよ。
WHOIS情報公開代行設定を有効にして個人情報を守る手順
ドメインを取得すると、その持ち主の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった情報を、誰でも検索できる「WHOIS(フーイズ)」というデータベースに登録することが国際ルールで決まっています。しかし、これをそのまま個人の情報で登録してしまうと、世界中にプライバシーが公開されてしまい、営業電話やスパムメールが届く原因になってしまうのですよ。そこで活躍するのが「WHOIS情報公開代行設定」です。
この設定を有効にすることで得られるメリットと手順を整理しました。
- 役割:登録者の情報の代わりに、お名前.comの情報を公開してくれるので、個人の特定を防げる。
- 費用:ドメイン新規登録時に同時に申し込めば無料になるキャンペーンが多いですが、後から設定すると年額料金がかかる場合があるため注意が必要。
- 設定確認:お名前ナビの「ドメイン設定」から「WHOIS情報公開代行」の項目を確認し、自分のドメインが「設定済み」になっているかチェックする。
ビジネスで法人として運営している場合は自社情報を公開しても問題ないこともありますが、自宅を事務所にしている個人事業主やブロガーの方にとっては、この設定は死活問題ですよね。
もし設定が「未設定」になっていたら、今すぐ公開代行を申し込むことをお勧めします。お名前.comではドメイン登録画面でチェックを入れ忘れると、後からの変更に手数料が発生することもありますが、それでも個人情報を守るコストとしては安いものです。情報を公開することは、デジタル社会において「鍵をかけずに家を出る」のと同じくらいのリスクを孕んでいる、ということを忘れないでくださいね。
ドメインの自動更新設定を有効にして更新忘れを防ぐメリット
独自ドメインは、一度買えば一生使えるものではありません。通常は1年ごとに更新料を支払って、利用期間を延長していく必要があります。もしこの更新を忘れてしまうと、ドメインは失効し、あなたのサイトはある日突然見られなくなってしまいます。それだけでなく、他人にそのドメインを再取得されてしまい、これまでの努力が水の泡になる……という、ビジネスにおける悪夢のような事態を招きかねないのですよ。
更新忘れを防ぐための最強の対策は、自動更新を「有効」にしておくことです。
- クレジットカード情報の登録:自動決済ができるように、有効なカード情報を登録しておきましょう。
- 自動更新のスイッチをオンにする:ドメイン一覧画面から、自動更新が「設定済み(有効)」になっているか確認します。
- 更新通知メールのチェック:お名前.comから届く更新期限の案内メールを、絶対に見逃さないようメールアドレスを正しく設定しておく。
特に仕事で複数のドメインを扱っていると、どれがいつ更新か管理するのは非常に大変です。
「自動更新にすると勝手にお金が引かれるから嫌だ」と感じる方もいるかもしれませんが、ドメインを失うリスクに比べれば、それは非常に小さな管理コストですよ。もしそのドメインをもう使わないと決めたときだけ、数ヶ月前に自動更新をオフにすれば良いのです。安定したサイト運営は、こうした足元の「守りの設定」から始まります。あなたのドメインという貴重な資産を守るために、今一度自動更新の状態をチェックしてみてくださいね。
設定したのにサイトが表示されないときの対処法
「お名前.comの設定も変えたし、サーバー側も登録した。それなのに、まだあの初期ページが出続けるのはどうして?」……そんな壁にぶつかってしまうと、自分のPCスキルのなさを責めたくなってしまいますよね。でも、安心してください。設定が正しくてもサイトが見られない現象には、ブラウザや通信機器といった「閲覧環境」に起因する原因が隠れていることが多々あるのですよ。
インターネットの仕組みは意外とアナログな部分があり、古い情報を大事に抱え込んでしまう性質があります。あなたが設定を変えたという最新のニュースが、あなたの目の前のPCにまだ届いていないだけかもしれません。この状態を解消するには、システムに「もう古い情報は忘れて、新しい情報を探しに行って!」と促してあげる必要があります。
ここでは、設定ミス以外でサイトが表示されない際の代表的な対処法を3つお伝えします。どれも明日からの業務に活かせる、Web担当者必須のテクニックばかりですよ。焦ってサーバーを初期化したりする前に、まずは手元の環境をリフレッシュ(新しくすることです)することから始めてみましょう。
ブラウザのキャッシュクリアやシークレットモードでの確認
サイトが表示されない原因の筆頭は、ブラウザが保存している「キャッシュ」です。キャッシュとは、一度見たページを速く表示するためにブラウザが保存している古い画像やデータの残骸のことですね。あなたのブラウザが「あ、このドメインのページなら、お名前.comのあのページだよね」と勘違いして、古い情報を画面に出し続けているのですよ。
これを打破するための最も簡単な手順は以下の通りです。
- シークレットモード(プライベートブラウズ)を試す:キャッシュやクッキーの影響を受けない真っさらな状態でサイトを確認できます。
- キャッシュを完全に削除する:ブラウザの設定(履歴の消去など)から、キャッシュされた画像とファイルを削除し、ページを再読み込み(F5キーなど)します。
- スーパーリロードを実行する:Windowsなら「Ctrl + F5」、Macなら「Command + Shift + R」を押すことで、キャッシュを無視して強制的にサーバーから最新データを取得させることができます。
特に、設定を何度もいじっている間に、お名前.comの初期ページを何度も読み込んでしまうと、ブラウザがその情報を「お気に入り」として強く保持してしまうことがあります。
シークレットモードで自分のサイトが正常に見えるなら、あなたの設定は100パーセント成功しています。あとは、普通のブラウザで見ている人たちにも情報が伝わるのを待つだけです。この「見えている世界が自分の設定とズレている」という感覚に慣れることが、Web運営のストレスを減らすコツですよ。同僚から「サイトが見れないよ」と言われたら、まずは「シークレットモードで見てみて」とアドバイスしてあげてくださいね。
お名前.comの「DNS設定」と「ネームサーバー設定」の違いを再確認
混乱しやすいのが、お名前.comにある「DNS設定」と「ネームサーバー設定」の使い分けです。どちらも似たような用語ですが、実は設定の優先順位や役割が全く異なるのですよ。ここを両方いじってしまうと、設定が矛盾してしまい、通信が迷子になってあの初期ページに戻ってしまうことがあるのです。
正しい使い分けを整理すると、以下のようになります。
- ネームサーバー設定(推奨):サーバー会社が指定する「住所録の管理者」そのものを変更する方法。レンタルサーバーを使うなら、こちらを設定するのが一般的で、DNS設定をいじる必要はありません。
- DNS設定:お名前.comが管理者を務めたまま、個別の通信先(AレコードやMXレコードなど)を細かく指示する方法。自社サーバーを立てたり、特殊なシステムと連携したりする場合に使います。
もし、ネームサーバーを他社(エックスサーバーなど)に変えたのに、お名前.comのDNS設定メニューで色々と数値をいじっているなら、それは「案内係を変えたのに、元の案内係の机の上を片付けている」ようなもので、全く意味がないばかりか不具合の元になります。
解決のコツは、「一つに絞る」ことです。レンタルサーバーを利用しているなら、ネームサーバーを変更した後は、DNS設定の方は一切触らないようにしましょう。逆に、お名前.comのDNS設定機能を使ってサーバーのIPアドレスを直打ちしたなら、の標準(初期値)に戻しておく必要があります。この「主導権の所在」を明確にすることが、迷える通信を正しく導くための第一歩なのです。
支払状況やドメインのステータスが「有効」になっているかチェック
あらゆる技術的な設定を試してもダメな場合、灯台下暗しというか、意外な「事務的ミス」が原因かもしれません。お名前.comでドメインを取得した際の支払いが未完了だったり、カードの承認が降りていなかったりすると、ドメインは一時的に「利用制限(ホールド状態)」に置かれてしまいます。この状態では、ネームサーバーをいくら設定しても、お名前.comによって通信が強制的に初期ページへ飛ばされてしまうのですよ。
お名前ナビで確認すべきステータス項目は以下の通りです。
- ドメインの状態:利用ドメイン一覧で、ステータスが「稼働中」や「有効」になっているか。「制限中」や「未決済」になっていないかを確認しましょう。
- 支払い履歴:お支払いメニューから、対象のドメインの決済が正常に完了しているか履歴を確認してください。
- 認証メールの確認:ドメイン取得直後に届く「ドメイン情報認証」のメール内のリンクをクリックしましたか?これを放置すると、ドメインの利用が停止されることがあります。
特に、ドメイン情報認証は、ICANNという国際機関のルールで定められた非常に重要な手続きです。これを無視していると、ある日突然、あなたのドメインはインターネットから切り離されてしまうのですよ。
もし、支払いなどの事務的な問題が見つかったら、速やかに決済を済ませ、認証手続きを完了させましょう。これらの手続きが終われば、数時間以内にドメインの制限が解除され、あなたのWebサイトが息を吹き返しますよ。技術的な問題ばかりに目を奪われがちですが、ビジネスの基盤はこうした「契約」や「支払い」といった基本の上に成り立っている、ということを再認識する良い機会かもしれませんね。
お名前.comのドメイン運用で失敗しないコツ
さて、ここまでの対処法で、の初期ページから卒業できそうでしょうか。せっかく手に入れた独自ドメインは、いわばあなたのインターネット上の「城」です。一度サイトが表示されるようになれば一安心ですが、長く、そして健やかに運営を続けていくためには、ドメインにまつわる周辺知識も少しずつ蓄えていくことが大切ですよ。
ドメインの運用で「失敗しない」とは、単にサイトが見える状態を保つことだけではありません。セキュリティを強固にし、メールを正しく送受信でき、そして将来的な環境変化にも柔軟に対応できる状態を作っておくことを指します。ビジネスが成長するにつれて、ドメインの価値(ドメインパワーといいます)はどんどん上がっていきますから、早いうちから正しい運用ルールを決めておきましょう。
ここでは、プロのWebコンサルタントも実践している、ドメイン運用における3つの成功の秘訣をお伝えします。これを知っておけば、後になって「もっと早くやっておけば良かった」と後悔することを防げます。あなたのビジネスの顔であるドメインを、最高のコンディションで育てていくためのヒントにしてくださいね。
サブドメインや独自ドメインのメールアドレスを正しく設定する方法
Webサイトが表示されるようになったら、次に欲しくなるのが自分専用のメールアドレス(例:info@example.com)ですよね。無料のフリーメールも便利ですが、ビジネスでの信頼性を考えるなら、独自ドメインのメールは必須アイテムです。お名前.comで取得したドメインを使ってメールを運用するには、メールサーバー(多くはレンタルサーバーに含まれています)との連携設定が必要になりますよ。
メール設定をスムーズに進めるための手順をまとめました。
- MXレコードの設定:メールの配送先をどこにするかを決める設定です。ネームサーバーを他社サーバーに変えていれば、そのサーバーパネル側でメールアカウントを作成するだけで自動的に整います。
- Webメールの活用:サーバー会社が提供するWebメール機能を使えば、ブラウザから簡単に送受信が始められます。
- 署名やSPF設定:メールの信頼性を高め、迷惑メール扱いされないための設定(なりすまし防止の意味です)も、サーバーパネルから設定しておくのが最近のビジネスマナーです。
また、サブドメインを使って、新しいプロジェクトを展開したくなることもあるでしょう。
サブドメインの作成も、基本的にはレンタルサーバーの管理画面で行います。サーバー側でサブドメインを追加すれば、親ドメイン(元のドメイン)と同じ設定が引き継がれるため、お名前.com側での追加設定は不要なケースがほとんどですよ。このように、ドメインの機能をフル活用して、あなたのビジネスの枝葉をどんどん広げていきましょうね。
サイトのSSL化(HTTPS)設定が正常に完了しているか確認
2025年のWebサイト運営において、SSL化(URLを http から https に変えることです)はもはやオプションではなく、避けて通れない「義務」に近いものになっていますよ。SSL化されていないサイトは、ブラウザから「保護されていない通信」という恐ろしい警告が出てしまい、せっかく訪れてくれたお客様を一瞬で追い返してしまうことになりかねません。
SSL化設定の際にチェックすべき3つのポイントです。
- 無料独自SSL(Let’s Encryptなど)の申し込み:多くのレンタルサーバーで無料で提供されています。コントロールパネルからワンクリックで有効にできます。
- 内部リンクの修正:サイト内の画像やリンクがすべて https になっているか確認します。混在していると、ブラウザの鍵マークが完全な形になりません。
- 常時SSL化(301リダイレクト):http でアクセスしてきた人を、自動的に https へ転送する設定(.htaccessというファイルを編集します)を行い、通信の安全性を徹底します。
お名前.comの初期ページから自分のサイトに切り替わった直後は、まだこのSSL設定が反映されていないことがよくあります。
SSLの証明書が発行されるまでには、ドメインの設定が完了してからさらに数十分〜数時間の待ち時間が発生することもあります。「サイトは見えたけど『危険なサイト』と出る!」と焦る前に、サーバー側のSSLステータスを確認してみてくださいね。セキュリティはユーザーからの信頼そのものです。最初の一手で完璧にガードを固めておくことが、長く愛されるサイトを作るコツなのですよ。
他社サーバーへの移管が必要な場合の注意点と手順
もし、お名前.comでのドメイン管理に不便を感じたり、料金プランの変更などでドメインとサーバーを一つの会社にまとめたいと思ったりしたときは、「ドメイン移管(レジストラ変更という意味です)」を検討することになります。しかし、ドメインを別の会社へ引っ越す作業は、Webサイトの引っ越しの中でも最も慎重に行うべき工程の一つなのですよ。
移管をスムーズに行うための必須チェックリストです。
- ドメイン取得から60日が経過しているか:ICANNのルールで、取得直後の移管は制限されています。
- AuthCode(認証コード)の取得:お名前ナビから、移管に必要な「パスワード」のようなものを発行してもらう必要があります。
- WHOIS公開代行の解除(または代行解除料の確認):お名前.comでは代行設定がオンのままだと移管できない場合があるため、一時的に解除する手順が必要になることがあります。
最も気をつけてほしいのは、「移管の最中にサイトが見れなくなってしまう」リスクです。
基本的には、移管作業中もネームサーバーの設定は維持されるため、サイトが消えることはありません。しかし、手続きの途中で契約が切れてしまったり、連絡メールを放置したりすると、トラブルの元になります。移管には1週間程度の時間がかかることを見越して、スケジュールに余裕を持って取り組むのがプロのやり方です。もし不安であれば、無理に移管せず、お名前.comでドメインを、他社でサーバーを使い続ける現状のままでも、実務上のデメリットはほとんどありませんから、安心してくださいね。
まとめ:お名前.com のドメイン運用は放置せず適切なメンテナンスを行うべき
ここまで、お名前.comでドメインを取得した際に表示される「あのページ」の原因と、それを打破するための具体的な手順について詳しく解説してきました。画面に表示される案内は、ドメインがまだ自分の管理下にあるという「最初の挨拶」のようなものです。それを一歩進めて、自分だけのサーバーと繋ぎ合わせることで、あなたのビジネスは初めてインターネットという大海原へ漕ぎ出すことができるのですよ。




























