スプレッドシートでパスワード管理は危険?安全な使い方から代わりになるパスワード管理ツールを紹介

Googleスプレッドシートは手軽に共同編集ができる便利なツールですが、パスワードを管理する用途で使うとなると話は別です。実は、スプレッドシートでのパスワード管理には思わぬ落とし穴が多く、個人情報や機密データの漏洩につながるリスクも。この記事では、スプレッドシートでパスワードを管理する際の注意点、安全な運用方法、さらに代替となる本格的なパスワード管理ツールまで解説します。


目次

なぜスプレッドシートでのパスワード管理は危険なのか?

スプレッドシートでのパスワード管理が危険とされる理由は、大きく以下の3点に集約されます。

URLさえあれば誰でもアクセスできる危険性

Googleスプレッドシートは「リンクを知っている人が閲覧可」になっていると、URLが漏れただけで誰でも閲覧できる状態になります。セキュリティ意識の低い運用をしていると、機密情報が外部に流出する恐れがあります。

自動保存と編集履歴による情報漏洩リスク

クラウドで自動保存される仕様上、誤って入力・削除しても履歴に残る可能性があり、他ユーザーに編集履歴が見られることも。

閲覧制限やパスワード要求の誤解

Googleスプレッドシートには「ファイルにパスワードをかける」機能はなく、Excelのようにファイルを開くときにパスワードを求めることはできません。googleスプレッドシート パスワード要求は誤解されがちですが、実際には「閲覧権限設定」による制限しかありません。


スプレッドシートで安全にパスワード管理するための工夫

どうしてもスプレッドシートを使いたいという場合は、以下の工夫をすることである程度の安全性を確保できます。

閲覧権限を限定する

共有設定で「閲覧可能なユーザーを明示的に指定」し、「リンクを知っている人全員に公開」は必ずオフにしましょう。

シート保護とセル保護の活用

グーグルスプレッドシート 鍵をかけるような感覚で、シート単位・セル単位の保護を行うことで、誤操作や編集を制限できます。

GASによる入力ロック(簡易的な制御)

googleスプレッドシート パスワード gasという方法もあります。Apps Scriptを使って、パスワード入力を促す処理を入れることが可能です。

function onOpen() {
  var ui = SpreadsheetApp.getUi();
  var response = ui.prompt('パスワードを入力してください');
  if (response.getResponseText() !== 'your_password') {
    SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet().hideSheet();
    ui.alert('パスワードが間違っています');
  }
}

※この方法も“本当のセキュリティ”ではないため、重要情報の長期保管には非推奨です。

スマホでの運用制限に注意

スマホでスプレッドシートを開く場合でも、スプレッドシート パスワード スマホのようにセキュリティを求める人がいますが、スマホアプリからGAS処理が動かないことがあり、パスワード制御の信頼性は低下します。


パスワード管理テンプレートを使うのは安全?

スプレッドシート パスワード管理 テンプレート」と検索して無料テンプレートを利用する人もいますが、これにもリスクがあります。

  • テンプレートに仕込まれたスクリプトが悪用されるリスク
  • 配布元が不明な場合、ファイル内にURLトラップなどが仕込まれている可能性
  • テンプレート共有先を制御しきれず、他人とデータが混在することも

テンプレートを使うなら、自分で構成を見直し、誰が閲覧・編集できるのかを厳密に設定することが前提です。


スプレッドシートで作ったパスワード管理表の解除・編集法

設定した閲覧制限やスクリプト制御は、後から解除・修正することが可能です。

GASのパスワード制御を解除する

  1. スプレッドシートの「拡張機能」→「Apps Script」へ
  2. 該当する関数(onOpenなど)を削除またはコメントアウト
  3. 保存して閉じる

シート・セル保護の解除方法

  1. 「データ」→「保護された範囲」を開く
  2. 対象の範囲を選択し、「削除」や「アクセス権の変更」を行う

スプレッドシートの代わりに使えるパスワード管理ツール

パスワードは、本来「管理すること自体がリスク」になる情報です。よって、専門の管理ツールの利用がもっとも安全・効率的です。

おすすめのパスワード管理ツール3選

1. Bitwarden

  • オープンソースで信頼性が高い
  • 無料でも多機能(共有、クラウド同期など)
  • 2FAや生体認証にも対応

2. 1Password

  • UIがシンプルで初心者にも使いやすい
  • 複数デバイス間での同期がスムーズ
  • ファミリープランやチーム利用にも対応

3. KeePass(ローカル保存型)

  • オフラインで完結、クラウドを避けたい人向け
  • 無料で利用可能、プラグインで拡張性あり

パスワード管理を“他人任せ”にするのではなく、どのツールをどう使うかを自分で選ぶことが重要です。


まとめ:スプレッドシートでのパスワード管理は「一時的」ならOK、長期保管は避けるべき

スプレッドシートを使ったパスワード管理は、「とりあえず今だけ」「チーム内で一時的に共有したい」といった用途であれば、設定次第である程度安全に運用できます。

ただし、

  • 鍵をかけたつもりでもURLが漏れれば危険
  • パスワード要求やロックは本格的な保護ではない
  • 長期的な保管や大規模管理には不向き

といったリスクを理解したうえで、必要に応じて専用のパスワード管理ツールへの移行を検討すべきです。

情報漏洩は一度起きると取り返しがつきません。信頼性と安全性を両立させるなら、「便利さ」よりも「守ること」に目を向けるべき時代です。

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