上司から食事や会食、社内イベントに誘われたあと、返信画面を開いたまま「お誘いありがとうございます」でいいのか迷って止まること、ありませんか。短すぎると軽く見える気がするし、かといって「ご招待賜りまして」まで書くと、急に距離感がおかしくなる。送信前の数分で焦って、結局いつもの無難な言葉に逃げてしまう人も多いはずです。
結論から言うと、「お誘いありがとうございます」は目上の人に使っても基本的には失礼ではありません。ただし、社外の役員、重要な取引先、改まった会食、欠席連絡などでは、少しくだけて見えることがあります。その場合は「お誘いいただきありがとうございます」「お声がけいただきありがとうございます」に変えるだけで、かなり自然なビジネス文になります。
「お誘いありがとうございます」は上司や目上に使っても基本的に失礼ではない

ただし、ビジネスメールでは“正しいか”と“ちょうどいいか”が少し違います。たとえば、部署の上司から「今日の懇親会来られる?」とチャットで聞かれたなら、「お誘いありがとうございます。ぜひ参加させていただきます」で十分です。一方、取引先の役員から会食の案内が来た場面で同じ言い方をすると、少し軽く見えるかもしれません。
ロロメディア編集部でも、メール文を確認するときに見ているのは、言葉そのものよりも「相手との距離感に合っているか」です。社内チャットなら自然でも、社外メールでは一段だけ丁寧にする。その調整ができる人は、文章の印象で損をしにくいです。
失礼に見えない理由は「お誘い」が丁寧な表現だから
「お誘い」は、相手が誘ってくれた行為を丁寧に表す言葉です。文化庁の敬語資料でも、敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語などの種類があり、相手や場面に応じて使い分ける考え方が示されています。
実務で考えるなら、難しく分類するよりも、「相手の行動を丁寧に受け止める言葉」と覚えるほうが使いやすいでしょう。上司が飲み会に誘ってくれた。取引先が会食の場を用意してくれた。その行為に対して「お誘いありがとうございます」と返すのは、感謝の方向として自然です。
ただ、少しだけ注意したいのは、文全体が短すぎると素っ気なく見えることです。「お誘いありがとうございます」だけで送ると、参加するのか、日程を確認するのか、断るのかが伝わりません。感謝のあとに、次の行動まで書くのがビジネスメールの基本になります。
目上には「お誘いいただきありがとうございます」のほうが無難
上司や取引先に送るなら、「お誘いありがとうございます」より「お誘いいただきありがとうございます」のほうが無難です。「いただき」は、相手からしてもらったことをへりくだって表す言い方なので、少し改まった印象になります。
実際のメールでは、次のように使うと自然です。
「お誘いいただきありがとうございます。ぜひ参加させていただきたく存じます。」
これだけで、感謝、参加意思、丁寧さがそろいます。長くしすぎる必要はありません。丁寧なメールほど、余計な飾りを足さないほうが読みやすいですよ。
「お誘いありがとうございます」が軽く見えるケースと避けるべき場面

「お誘いありがとうございます」は便利ですが、どんな場面でも万能ではありません。特に社外向けのメールや、相手がかなり目上の場合は、もう少し丁寧な表現に置き換えたほうが安全です。
大事なのは、相手が誰か、誘いの内容が何か、返信が社内で済むのか社外に残るのかです。この3つを見れば、表現の強さを調整できます。
取引先や役員には少しカジュアルに見えることがある
特に会食、セミナー登壇、式典、表彰式、商談後の懇親会などは、単なる雑談の誘いではありません。相手が時間や場を用意してくれているため、「お誘いいただきありがとうございます」「ご案内いただきありがとうございます」のほうがしっくりきます。
使い分けるなら、次の感覚で十分です。
| 相手・場面 | おすすめ表現 |
|---|---|
| 社内の上司・先輩 | お誘いありがとうございます |
| 部長・役員 | お誘いいただきありがとうございます |
| 取引先 | お声がけいただきありがとうございます |
| 公式なイベント | ご案内いただきありがとうございます |
| 招待色が強い会食 | ご招待いただきありがとうございます |
表だけ見ると細かく感じますが、実際は「社内は少し柔らかく、社外は一段丁寧に」と考えれば大丈夫です。言葉選びに迷ったときは、少し丁寧なほうへ寄せる。この判断で大きな失敗は避けられます。
断るメールで「お誘いありがとうございます」だけだと雑に見える
欠席連絡では、「お誘いありがとうございます」だけでは足りません。断るときは、感謝、参加できない理由、次につながる一言を入れる必要があります。
実務では、次のように書くと角が立ちません。
この文なら、断っているのに関係を閉じていません。欠席メールで大切なのは、理由の細かさではなく、「誘ってくれたこと自体はうれしい」と伝えることです。
「お誘いありがとうございます」と似た表現の使い分け

ビジネスメールでは、「お誘いありがとうございます」以外にも似た表現があります。ここを使い分けられると、文章の印象がかなり変わります。
ただ、難しく考えすぎなくて大丈夫です。すべてを覚える必要はありません。実務では、「お誘い」「お声がけ」「ご案内」「ご招待」の4つを押さえれば、ほとんどの場面に対応できます。
「お声がけいただきありがとうございます」は幅広く使いやすい
一番使いやすいのは「お声がけいただきありがとうございます」です。飲み会、ランチ、面談、打ち合わせ、会食、イベント、どの場面でも大きく外しません。
「お誘い」より少し柔らかく、「ご招待」ほど重くない。この中間の距離感が便利なんです。特に、相手から何かの機会をもらったときには使いやすい表現になります。
「ご案内いただきありがとうございます」はイベントや説明会に向いている
セミナー、説明会、展示会、勉強会、社内研修などに誘われた場合は、「ご案内いただきありがとうございます」が合います。相手が“参加を呼びかけている”というより、“情報として知らせてくれている”場面だからです。
たとえば、取引先からウェビナーの案内メールが届いたとします。その返信で「お誘いありがとうございます」と書くと、少し個人的な誘いのように見えることがあります。ここでは「ご案内いただきありがとうございます」のほうが自然です。
使い方はシンプルです。
「ご案内いただきありがとうございます。内容を確認のうえ、社内で参加者を調整いたします。」
この文なら、感謝だけでなく次の行動も伝わります。ビジネスメールでは、この“次に何をするか”があるだけで、かなり仕事ができる印象になります。
「ご招待いただきありがとうございます」は特別な場に使う
「ご招待」は、相手が正式に招いてくれた場面で使います。会食、式典、レセプション、記念イベント、表彰式などが代表的です。
ただし、普通の飲み会やランチに「ご招待いただきありがとうございます」と書くと、少し大げさに見えることがあります。相手が「軽くご飯行きましょう」と言っているのに、こちらが格式高く返しすぎると、距離が開いてしまうんです。
判断に迷う場合は、相手のメール文を見てください。「ご招待」「ご案内」「ご参加いただけますと幸いです」といった表現が使われているなら、こちらも丁寧に返す。一方、「よかったら来ませんか」くらいなら、「お声がけいただきありがとうございます」で十分です。
参加するときのビジネスメール例文

参加の返信は、短くても失礼にはなりません。ただし、「行きます」だけではビジネスメールとして足りません。
予定表を見ながら返信しようとして、参加可否だけ先に送ってしまい、あとで集合時間や場所の確認をもう一度送る。これをやると、相手の手間が増えます。参加メールでは、感謝、参加意思、必要な確認の3つを一通にまとめるのがコツです。
上司から飲み会に誘われたときの例文
社内の上司から飲み会や懇親会に誘われた場合は、硬くしすぎなくて大丈夫です。ただし、上司相手なので、フランクすぎる表現は避けましょう。
例文は次のようになります。
件名:懇親会の件
〇〇部長
お誘いありがとうございます。
ぜひ参加させていただきます。
当日は〇時にお店へ伺えばよろしいでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
この文面は、社内メールやチャットでも使いやすいです。「参加します」ではなく「参加させていただきます」にすると、目上への返信として整います。
少し改まった場面なら、次のように変えてください。
件名:懇親会の件
〇〇部長
お誘いいただきありがとうございます。
ぜひ参加させていただきたく存じます。
当日の集合時間と場所について、改めて確認させていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
取引先から会食に誘われたときの例文
取引先からの会食は、社内飲み会より一段丁寧に書きます。相手が日程や場所を調整してくれているため、参加意思だけでなく、感謝も少し厚めに書くのが自然です。
例文は次のとおりです。
件名:会食のご連絡ありがとうございます
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
ロロント株式会社の〇〇です。
このたびはお声がけいただきありがとうございます。
ぜひ参加させていただけますと幸いです。
当日は〇月〇日〇時に、〇〇へ伺います。
お会いできますことを楽しみにしております。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
もし相手が「ご招待」と書いているなら、「ご招待いただきありがとうございます」に変えてください。相手の言葉の温度に合わせると、自然なメールになります。
断るときのビジネスメール例文

断るメールは、参加メールより難しいです。断る理由をどこまで書くか、次の機会をどう残すかで印象が変わります。
金曜の夕方、上司から急に会食へ誘われたけれど、すでに外せない予定がある。断らないといけないのに、「予定があります」だけだと冷たく見える気がして送信画面で止まる。こういう場面では、長い説明より、丁寧な順番が大切です。
断るときは、感謝、謝意、欠席理由、次回への意思。この流れで書けば、角が立ちにくくなります。
上司の誘いを断るときの例文
社内の上司に断る場合は、理由を詳しく書きすぎないほうがいいです。家庭の都合、先約、体調など、必要な範囲で伝えれば十分です。
件名:本日の懇親会の件
〇〇部長
お誘いいただきありがとうございます。
大変恐縮ですが、本日は先約があり参加が難しい状況です。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず申し訳ありません。
また次の機会がございましたら、ぜひ参加させていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
この文面なら、断りながらも関係を閉じていません。特に「また次の機会がございましたら」を入れると、誘い自体を拒否している印象を避けられます。
取引先の誘いを断るときの例文
取引先の誘いを断る場合は、社内よりも丁寧にします。特に会食や訪問の誘いを断るときは、代替案を出すと印象がかなり変わります。
件名:会食のお誘いについて
〇〇株式会社
〇〇様
このたびはお声がけいただきありがとうございます。
大変恐れ入りますが、ご提示いただいた日程は別件が入っており、参加が難しい状況です。
せっかくの機会にもかかわらず申し訳ございません。
もし可能でしたら、〇月〇日または〇月〇日で改めて調整させていただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
このメールでは、ただ断るのではなく、代替日を出しています。実務ではここが重要です。相手に再調整を丸投げしないだけで、断りの印象はかなり柔らかくなります。
お礼メールで使える「お誘いありがとうございます」の例文

参加したあとにも、お礼メールを送る場面があります。特に会食、商談後の懇親会、イベント参加後は、翌営業日までに一通送ると印象が残ります。
食事の翌朝、メールを開いて「昨日はありがとうございました」とだけ送るか迷う場面がありますよね。もちろんそれでも悪くはありませんが、少しだけ具体的に書くと、ただの定型文に見えません。
上司へのお礼メール例文
上司との食事や懇親会のあとなら、堅すぎないお礼で十分です。ただし、学びや感想を一言入れると、誘ってよかったと思ってもらいやすいです。
件名:昨日のお礼
〇〇部長
昨日はお誘いいただきありがとうございました。
普段なかなか伺えないお話を聞くことができ、大変勉強になりました。
特に、〇〇の進め方についてのお話は、今後の業務でも意識して取り組みたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
この文では、「楽しかったです」だけで終わらせていません。何が印象に残ったかを一言入れることで、相手にきちんと届く文章になります。
取引先へのお礼メール例文
取引先へのお礼は、翌営業日の午前中に送ると丁寧です。会食で話した内容に軽く触れると、関係づくりにもつながります。
件名:昨日のお礼
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
ロロント株式会社の〇〇です。
昨日はお誘いいただき、誠にありがとうございました。
貴重なお時間をいただき、〇〇について直接お話しできましたこと、大変ありがたく存じます。
取引先へのお礼では、「楽しかったです」よりも「今後の業務につながる一言」を入れると自然です。会食をただの食事で終わらせず、次の仕事につなげる文章になります。
チャットやLINEで使うときの自然な返し方

最近は、メールではなくSlack、Teams、LINEで誘われることも増えています。ここでメールのような硬い文を送ると、逆に距離感が変になることがあります。
たとえば、上司からチャットで「今日軽く飲みに行ける?」と来たときに、「このたびはお誘いいただき誠にありがとうございます」と返すと、ちょっと大げさですよね。チャットでは、丁寧さよりもテンポが大切です。
社内チャットでは短くても問題ない
社内チャットなら、次のくらいで十分です。
「お誘いありがとうございます。ぜひ参加します!」
「ありがとうございます!本日参加できます。何時に向かえばよろしいでしょうか?」
ただし、断る場合は短すぎないほうがいいです。
「お誘いありがとうございます。申し訳ありません、本日は先約があり参加が難しいです。またぜひお願いいたします。」
これなら、短いながらも感謝と断りが入っています。チャットでも、断るときだけは少し丁寧にする。この感覚が大事です。
社外チャットではメール寄りに整える
取引先とチャットでやり取りしている場合は、社内より丁寧にします。チャットでも社外の記録として残るためです。
「お声がけいただきありがとうございます。ぜひ参加させていただけますと幸いです。詳細を確認のうえ、改めてご連絡いたします。」
これくらいなら、堅すぎず、失礼にも見えません。
「お誘いありがとうございます」を使うときの注意点

「お誘いありがとうございます」は便利な言葉ですが、使い方を間違えると、雑な返信に見えます。特に注意したいのは、感謝だけで終わらせないことです。
メールを受け取る側は、「ありがとう」と言われたいだけではありません。参加するのか、断るのか、確認が必要なのかを知りたいんです。だから、感謝のあとに必ず次の行動を書きましょう。
返信では参加可否を必ず明確にする
誘いへの返信で一番困るのは、参加するのかどうかわからない文です。
たとえば、「お誘いありがとうございます。楽しそうですね」だけだと、相手は人数に入れていいのか判断できません。幹事側からすると、予約人数が決められず、もう一度確認しなければならなくなります。
実務では、次のように言い切るのが正解です。
「参加させていただきます。」
「今回は参加が難しい状況です。」
「日程を確認し、本日中にご連絡いたします。」
返信が遅れたときはお詫びを入れる
誘いへの返信が遅れた場合は、最初に軽くお詫びを入れます。特に会食やイベントは人数調整があるため、返信遅れは相手の作業に影響します。
例文は次のようになります。
「ご返信が遅くなり申し訳ございません。お誘いいただきありがとうございます。ぜひ参加させていただきます。」
この一文があるだけで、相手の印象は変わります。返信が遅れた事実をなかったことにしない。小さなことですが、仕事の文章ではかなり大事です。
「お誘いしていただき」は少し不自然に見える
文章は丁寧にしようとするほど、余計な言葉が増えがちです。でも、敬語は長ければよいわけではありません。
迷ったら、短く整える。
「お誘いいただきありがとうございます」
「お声がけいただきありがとうございます」
この2つを使えば、かなり多くの場面に対応できます。
そのまま使えるシーン別例文集

ここからは、実際にそのまま使える形で例文をまとめます。メール作成中に迷ったら、相手と場面に近いものを選んで少しだけ調整してください。
ただし、丸写しすると不自然になる場合もあります。相手の名前、日程、参加可否、次の行動だけは必ず自分の状況に合わせましょう。
カジュアルな社内の誘いに参加する例文
件名:本日の食事会の件
〇〇さん
お誘いありがとうございます。
ぜひ参加させていただきます。
本日は〇時ごろに向かいます。
よろしくお願いいたします。
社内の近い関係なら、このくらいで十分です。丁寧ですが、堅すぎません。
上司からの誘いに参加する例文
件名:懇親会の件
〇〇部長
お誘いいただきありがとうございます。
ぜひ参加させていただきたく存じます。
当日はご指定の時間に伺います。
どうぞよろしくお願いいたします。
取引先からの誘いに参加する例文
件名:会食のご連絡ありがとうございます
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
ロロント株式会社の〇〇です。
このたびはお声がけいただきありがとうございます。
ぜひ参加させていただけますと幸いです。
当日は〇時に伺います。
お会いできますことを楽しみにしております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
日程確認をしたいときの例文
件名:お誘いの件
〇〇様
お誘いいただきありがとうございます。
ぜひ前向きに参加を検討したく存じます。
恐れ入りますが、日程と開始時間を改めてご教示いただけますでしょうか。
確認でき次第、参加可否をご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
やむを得ず断るときの例文
件名:お誘いの件
〇〇様
お誘いいただきありがとうございます。
大変恐縮ですが、当日は別件があり参加が難しい状況です。
せっかくお声がけいただいたにもかかわらず申し訳ございません。
また機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
まとめ

「お誘いありがとうございます」は、上司や目上の人に使っても基本的には失礼ではありません。ただし、社外の相手、役員、改まった会食、欠席連絡では、「お誘いいただきありがとうございます」「お声がけいただきありがとうございます」にしたほうが安心です。
ビジネスメールで大切なのは、敬語の難しさよりも、相手が次に動ける文章にすることです。参加するなら参加意思を明確にする。断るなら感謝とお詫びを入れる。日程確認が必要なら、何を確認したいのかを書く。この3つができていれば、文章の印象で大きく損することはありません。
迷ったときは、社内なら「お誘いありがとうございます」、目上や社外なら「お誘いいただきありがとうございます」、少し幅広く使いたいなら「お声がけいただきありがとうございます」と覚えておくと便利です。たった一語の違いですが、受け取る側の印象は変わります。
メールは、仕事の中では小さな作業に見えます。でも、その小さな文面に、その人の距離感や配慮が出るんですよ。だからこそ、送信前に一度だけ「相手はこの返信で次に動けるか」を見てください。それだけで、かなり実務に強い文章になります。
参考記事















