日常会話で自然に使う「すると」ですが、ビジネスの場やレポート、エントリーシートなどの文章に多用すると、子どもっぽさやカジュアルさが目立ち、評価を下げてしまうことがあります。言い換えを工夫すれば、文章の流れはぐっと滑らかになり、説得力や信頼感が高まりますよ。本記事では、「すると」のビジネスでの言い換え表現を網羅的に紹介し、レポート・小論文・敬語・ES・英語など場面別に活用できる方法を具体例とともに解説します。
ビジネスで「すると」を言い換える表現
「すると」は便利な接続詞ですが、ビジネス文章では少し砕けすぎた印象を与えることがあります。報告書やメールでの使用は避け、よりフォーマルな表現を選ぶのがポイントです。
ビジネス文書で適切な言い換え例
- その結果
- よって
- このため
- そこで
例文:
「調査を行った。すると新たなニーズが見つかった。」
→「調査を行った。その結果、新たなニーズが見つかった。」
「すると」を「その結果」に置き換えるだけで、論理の流れがすっきりし、読み手にとって理解しやすい文章になります。特に提案書や報告書では、「よって」「このため」などの表現が相性が良いです。
レポートで「すると」を言い換えるコツ
大学や仕事のレポートでは、論理性や客観性が求められます。「すると」は口語的すぎるため、避けるのが無難です。
レポートに適した表現
- したがって
- 結果として
- それにより
例文:
「実験を繰り返した。すると予想と異なる結果が出た。」
→「実験を繰り返した。結果として予想と異なる結果が出た。」
レポートでは「因果関係」を明確に示すことが大切です。「したがって」や「それにより」を使えば、文章全体が論理的で信頼性の高いものになります。
敬語で「すると」を言い換える方法
取引先や上司に向けたメールに「すると」を使うと、やや幼い印象になってしまいます。敬語を意識した言い換えで、相手に失礼のない文章に整えましょう。
敬語での言い換え例
- その結果
- それに伴い
- その際には
- それによりまして
例文:
「ご説明を伺いました。すると理解が深まりました。」
→「ご説明を伺った結果、理解が深まりました。」
ビジネス敬語では「それによりまして」といった少し堅めの表現も有効です。特に公的なメールや公式文書でよく使われます。
書き言葉で「すると」を自然に変える方法
書き言葉では、口語的な「すると」をそのまま使うと違和感があります。形式に合った言葉を選ぶことで、文章全体が引き締まります。
書き言葉に適した表現
- その結果
- したがって
- これにより
- それゆえに
例文:
「データを検討した。すると新しい仮説が浮かび上がった。」
→「データを検討した。これにより新しい仮説が浮かび上がった。」
フォーマルな文章では「これにより」や「それゆえに」が相性抜群です。
小論文で「すると」を言い換えるテクニック
小論文では論理展開を重視されるため、「すると」のような口語表現は不適切です。よりアカデミックな表現を選ぶ必要があります。
小論文に適した言い換え例
- よって
- したがって
- このことから
- それゆえに
例文:
「社会調査を行った。すると高齢化の影響が浮き彫りになった。」
→「社会調査を行った。このことから、高齢化の影響が浮き彫りになった。」
論文的な文章では「このことから」という表現が特に有効です。根拠から結論を導き出す姿勢を示せます。
英語で「すると」を表現する方法
「すると」を英語に訳す際も、文脈に応じて適切な接続詞を選ぶ必要があります。
英語での代表的な言い換え
- As a result
- Therefore
- Thus
- Consequently
例文:
「We examined the issue. すると, a new solution emerged.」
→「We examined the issue. As a result, a new solution emerged.」
ビジネス英語では「As a result」や「Therefore」がもっとも一般的です。「Consequently」は契約書やレポートなどでよく使われます。
エントリーシートで「すると」を言い換える方法
就活のエントリーシートでは、文章力そのものが評価対象です。「すると」を多用すると稚拙に見られることがあるため、適切な言い換えを使うのが鉄則です。
ESに適した言い換え
- その結果
- よって
- このことから
- それに伴い
例文:
「アルバイトで責任ある役割を任された。すると自信がついた。」
→「アルバイトで責任ある役割を任された。その結果、自信がついた。」
エントリーシートでは、論理的に成果や学びを示すことが重要です。「その結果」や「このことから」で流れを整理すると、読み手に誠実さが伝わります。
「すると」を使いすぎた文章のNG例と改善例
「すると」を連続して使うと、幼い作文のように感じられてしまいます。
NG例
「説明を受けた。すると理解できた。すると次の課題が見つかった。」
改善例
「説明を受け、その結果理解が深まった。さらに、それにより新たな課題が見つかった。」
このように表現を分散させることで、文章のリズムが整い、知的で洗練された印象になります。
使用例集|場面ごとの「すると」言い換え
ビジネスメール
「ご提案をいただきました。すると社内で前向きな意見が多く出ました。」
→「ご提案をいただいた結果、社内で前向きな意見が多く出ました。」
レポート
「分析を進めた。すると地域差が浮き彫りになった。」
→「分析を進めた結果、地域差が浮き彫りになった。」
小論文
「調査を行った。すると若年層の意識変化が確認できた。」
→「調査を行った。このことから、若年層の意識変化が確認できた。」
英語
「We tested the hypothesis. すると, the data supported our assumption.」
→「We tested the hypothesis. Therefore, the data supported our assumption.」
まとめ
「すると」は便利ですが、ビジネスやフォーマルな文書では避けた方が良い場面が多い表現です。レポートでは「結果として」や「したがって」、敬語では「それによりまして」、小論文では「このことから」、ESでは「その結果」、英語では「As a result」「Therefore」などに置き換えると文章の格が上がります。
言葉選びは小さな工夫で大きな差を生みます。今日から「すると」を意識的に言い換えて、洗練された文章力を身につけてみてください。