データ管理や集計を効率化したいときに役立つのが「UNIQUE関数」です。特にExcelやスプレッドシートで大量の顧客リストや売上データを扱うビジネス現場では、重複を取り除いた一覧を瞬時に作れるだけで業務効率が格段に上がります。本記事では、UNIQUE関数の基本的な使い方から「複数列」「複数条件」への応用、さらに「使えないときの代用方法」までを徹底的に解説します。これを読めば、日々の業務でUNIQUE関数を安心して活用できるようになりますよ。
UNIQUE関数の基本的な使い方を理解する
UNIQUE関数とは何か
UNIQUE関数とは、ExcelやGoogleスプレッドシートで使える「重複を自動で取り除き、ユニークな値だけを抽出する関数」です。例えば顧客リストに同じ会社名が何度も出てくるときに、1回ずつだけ表示して一覧を整理できます。従来は「フィルター」や「重複の削除」機能を使っていましたが、UNIQUE関数ならセルに式を入れるだけで自動更新されるため、データ追加にも強いのが特徴です。
実務での活用場面
営業チームでは、顧客ごとの商談履歴が何度も登録されている場合があります。従来はフィルターで重複を除外して顧客リストを整備していましたが、担当者によってやり方が異なり、毎回手作業が発生していました。UNIQUE関数を導入したことで「顧客名一覧」を自動抽出でき、全員が同じリストを使えるようになったのです。これにより入力の重複確認もスムーズになり、情報共有の質も上がりました。
実践的な手順
例えば、顧客名がA列に並んでいる場合にユニークな一覧を出すには次のように入力します。=UNIQUE(A2:A100)
これで重複が自動的に除外され、ユニークな顧客名だけが一覧化されます。もし空白が含まれる場合は、「=UNIQUE(FILTER(A2:A100,A2:A100<>””))」のようにFILTER関数と組み合わせると、空欄を省いたクリーンな一覧が作れますよ。
メリットとデメリット
メリットは、自動更新されるためデータが追加されても即時反映される点です。一方でデメリットとしては、古いバージョンのExcelでは使えないことが挙げられます。Microsoft 365やGoogleスプレッドシートのように動的配列に対応した環境が必要です。
注意点と失敗例
実際の失敗事例として「Excel 2016でUNIQUE関数を入力したがエラーになった」というケースがあります。これはそもそもそのバージョンが対応していないためです。対処法としては「重複の削除機能」や「COUNTIFとIF関数の組み合わせ」で代用するしかありません。環境に応じて使い分けが必要です。
UNIQUE関数が使えないときの原因と代用方法
使えないときによくある原因
「unique関数 使えない」と検索する方の多くは、Excelのバージョンが古いか、Googleスプレッドシートではない環境を利用している場合がほとんどです。Excel 2019以前や一部の法人向けライセンスではUNIQUEが未対応なことが多いです。また、セルの範囲指定を誤っている場合もエラーの原因となります。
実際の事例
ある企業の経理部では、Excel 2016を使用しており、UNIQUE関数を使おうとすると「#NAME?」エラーが表示されました。解決方法を調べたところ、環境自体が対応していないことが判明。最終的に「重複の削除」機能をマクロに登録して代替しました。結果として一度のクリックで重複を取り除けるようになり、UNIQUEが使えなくても業務効率は改善されました。
代用方法
UNIQUE関数が使えない場合の代表的な代替手段は以下のとおりです。
- 重複の削除機能を使う(データタブから実行可能)
- COUNTIF関数とIF関数を組み合わせてユニーク判定をする
- ピボットテーブルで項目を一覧化する
特にピボットテーブルは、重複を自動的にまとめられるため、UNIQUEの代替として実務で重宝します。
海外企業での比較
海外ではGoogleスプレッドシートを標準ツールとして導入している企業が多いため、UNIQUE関数は一般的に使えます。しかし日本の企業ではExcelの旧バージョンを利用し続けていることが多く、代用方法を知っているかどうかが業務効率に直結しています。
注意点
代用手段は便利ですが、UNIQUE関数のように「自動更新」はされません。そのため、毎回最新のリストに更新する必要があり、タイムリーな情報活用には限界があることを理解しておく必要があります。
UNIQUE関数を複数列で使う方法
複数列が必要になる背景
顧客名だけでなく「顧客名+住所」「社員番号+部署名」のように複数の項目を組み合わせてユニークにしたい場面は多いです。例えば同姓同名の顧客がいた場合、名前だけではユニーク化できません。複数列を対象にすることで、正確にユニーク判定が可能になります。
実践的な手順
Excelやスプレッドシートで複数列を対象にする場合は、次のように範囲を広げて指定します。=UNIQUE(A2:C100)
これで「名前」「部署」「役職」など複数列をセットでユニーク化できます。つまり同じ名前でも部署が違えば別行として扱われる仕組みです。
実務での事例
人事部門で「社員番号+年度」を組み合わせてUNIQUE関数を使ったケースがあります。同じ社員が複数年分データを持っている場合でも、社員番号と年度の組み合わせで正しく抽出できました。これにより、年ごとの社員一覧を自動生成できるようになり、評価資料の作成効率が大幅に向上しました。
メリットとデメリット
複数列に対応できることで正確なユニーク判定が可能になる点は大きなメリットです。しかしデメリットとしては、列数が増えると視認性が下がることです。抽出結果をそのまま報告資料に使う場合は、列の整理や書式調整が必要になるかもしれません。
注意点と失敗例
実際の失敗例として「列の順序を変えたら結果が異なった」というケースがあります。UNIQUE関数は指定した範囲をそのまま比較するため、列の順番が違うだけで別のデータと認識されてしまうのです。複数列を使うときは、どの列を基準にユニーク化するかをチームでルール化することが重要です。
UNIQUE関数を複数条件で使う方法
複数条件が必要になる背景
ビジネスの現場では「顧客名は同じでも担当部署が違う」「商品コードは同じでも販売エリアが異なる」といったケースが多々あります。このような場合、単純なUNIQUE関数だけでは条件を加味できず、正確な一覧を作れません。そのため複数条件を組み合わせた形でユニーク抽出を行う必要があるのです。
実践的な手順
Excelでは直接「UNIQUE関数 複数条件」として使えませんが、工夫次第で可能です。例えば顧客名(A列)とエリア(B列)の組み合わせでユニークにしたい場合は、まず両者を結合してからUNIQUEを使います。
=UNIQUE(A2:A100 & "-" & B2:B100)
こうすることで「顧客名-エリア」という一意のキーを作り出せます。その後、必要に応じてSPLIT関数で分解すれば個別の列に戻せます。
実務での事例
営業部では、同じ顧客が東京支店と大阪支店の両方で契約しているケースがありました。単に顧客名だけでUNIQUEをかけると、1件しか抽出されず不正確でした。しかし上記の方法で「顧客名+支店」をキーにすることで、支店ごとに正確に抽出でき、契約数を正しくカウントできるようになりました。
注意点
結合文字として「-」や「/」などを使う場合、元のデータに同じ記号が含まれると混乱を招くことがあります。チーム内で結合ルールを共有しておくと安心です。
UNIQUE関数をスプレッドシートで活用する方法
スプレッドシートならではの強み
Googleスプレッドシートはクラウドベースであり、複数人が同時編集できるのが大きな特徴です。そのため、UNIQUE関数を組み込んだシートは常に最新の状態が共有され、営業会議やチームでの進捗管理に非常に便利です。
実践手順
スプレッドシートでのUNIQUE関数はExcelと同様に記述できます。例えば、売上担当者一覧を重複なしで出す場合:
=UNIQUE(A2:A500)
さらに条件を加えたい場合は、FILTER関数と組み合わせて使います。
例:売上が10万円以上の顧客だけを抽出する場合=UNIQUE(FILTER(A2:A500, B2:B500>=100000))
実務での事例
マーケティングチームでは、キャンペーンごとに応募者リストを集めています。複数の担当者が同じ応募者を登録することも多く、重複確認に時間がかかっていました。そこでスプレッドシートにUNIQUE関数を導入し、応募者リストを一元化。全員が同じ情報をリアルタイムで確認できるようになり、工数削減とミス防止につながりました。
UNIQUE関数を複数シートにまたがって利用する方法
複数シートが必要になる理由
大規模なプロジェクトや月ごとのデータ管理では、シートを分けて運用することがよくあります。しかし「シートを跨いでユニークな顧客一覧を出したい」というニーズが出てくるのです。
実践的な手順
Excelやスプレッドシートでは、直接複数シートを範囲指定することはできません。そのため、まずは複数シートのデータを1つにまとめ、その上でUNIQUE関数を使う必要があります。
- ExcelではPower Queryを利用して複数シートを統合し、その後UNIQUEを適用
- スプレッドシートでは
{シート1!A2:A100; シート2!A2:A100}
のように範囲をまとめ、そこにUNIQUEをかける
例:=UNIQUE({Sheet1!A2:A100; Sheet2!A2:A100})
実務での事例
営業チームが支店ごとにデータを入力していたケースでは、各支店シートを統合してUNIQUEをかけることで、全国レベルの重複なし顧客リストを作成できました。これにより本社での顧客管理が容易になり、支店間での重複営業を避けられました。
UNIQUE関数を条件付きで活用する方法
条件付き利用のニーズ
単にユニークを出すだけでなく、「特定の条件を満たす場合のみユニークにしたい」というケースもあります。例えば「売上が一定以上の顧客」「特定の部署に属する社員」などです。
実践的な手順
条件付き利用にはFILTER関数との組み合わせが必須です。
例:売上10万円以上の顧客をユニーク抽出=UNIQUE(FILTER(A2:A500, B2:B500>=100000))
例:部署が「営業」の社員をユニーク抽出=UNIQUE(FILTER(A2:A500, C2:C500="営業"))
実務での事例
人事部が社員の異動データを整理する際に、「営業部に所属したことがある社員」を一覧化するために利用しました。異動履歴が重複していても、UNIQUE関数で重複を除外し、条件で「営業」を指定することで、必要な人材リストが瞬時に完成しました。
業務効率を高める応用事例
営業リスト作成
顧客名をユニーク抽出して、営業リストを瞬時に作成。これにより二重営業を防ぎ、効率的に訪問計画を立てられるようになった。
在庫管理
商品コードの重複を取り除くことで、正しいSKU数を把握。過剰在庫のリスクを軽減できた。
マーケティング分析
キャンペーン応募者リストの重複削除に利用。応募数を正確にカウントし、分析データの信頼性を高めた。
トラブルを未然に防ぐためのポイント
- バージョン確認を必ず行う
Excel 2019以前ではUNIQUE関数は利用できません。利用環境を確認しましょう。 - 列の結合ルールを統一する
複数条件を扱う場合、結合方法がバラバラだと結果が正しく出ません。 - 空白やエラーデータを除外する
空欄が多い場合はFILTERと組み合わせて整理してから使うのが安全です。 - 複数人で使う場合は共有ルールを作る
特にスプレッドシートではチーム全体で統一ルールを決めることが重要です。
まとめ
UNIQUE関数は、データの重複を取り除き、ユニークな一覧を簡単に作成できる便利な関数です。基本的な「単一列での利用」から、「複数列」「複数条件」「スプレッドシートでの活用」「複数シートにまたがる応用」まで、幅広い場面で役立ちます。特にビジネスの現場では、顧客リストの整理、在庫管理、マーケティング分析などに直結するため、業務効率化の強力な武器になりますよ。
一方で、Excelのバージョンによっては利用できないなどの制限もあるため、環境に応じて代用方法を知っておくことも大切です。ぜひ本記事の内容を参考に、自分の業務に合わせた最適な使い方を取り入れてみてください。