ビジネスの現場では、スケジュール通りに物事が進まないことも少なくありません。しかし、対応が遅れるときに適切なメールでの連絡ができないと、信頼を損ねる原因になります。本記事では「遅れる可能性がある」と感じた時にどうメールで伝えるべきか、社外・社内向け、納期・遅刻連絡など具体的な例文とともに、相手に不快感を与えず信頼を守る伝え方を徹底解説します。
目次
遅れる可能性があるとき、まず意識すべきマインドと判断軸
迷ったら「早めの連絡」が鉄則
業務に支障が出る可能性がある場合、事実が確定していなくても「遅れる可能性がある段階」で先に共有することが信頼維持の鍵です。先延ばしにすると、相手側の調整ができず、かえって迷惑をかけるリスクが高まります。
「断定せず、可能性として伝える」表現を使う
確定していない段階で「遅れます」と言ってしまうと、必要以上に相手を焦らせてしまいます。ビジネスでは「遅れる可能性があります」「〇〇の影響で遅延の懸念が出ております」といった敬語・婉曲表現が重宝されます。
相手別|遅れる可能性があるときの伝え方(社外・社内)
社外(取引先や顧客)への伝え方
- 丁寧で誠意のある文章を意識する
- 原因を簡潔に述べ、今後の見通しを共有する
- 相手への影響を想定し、お詫び+代替案を示す
社内(上司や他部署)への伝え方
- 現時点のステータスと課題を明確に伝える
- 相談の姿勢を見せると信頼につながる
- 「一緒に打ち手を考えたい」と巻き込み型で提案
状況別の例文と件名テンプレート
納期に遅れる可能性があるとき
件名:納期に関するご報告
お世話になっております。
〇〇の制作を担当しております、ロロント株式会社の〇〇です。
現在、制作工程において一部想定外の遅れが発生しており、
納品スケジュールに影響が出る可能性がございます。
進行状況と今後の見通しについて、〇月〇日までに再度ご報告させていただきます。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
会議や訪問に遅刻しそうなとき(事前連絡)
件名:本日の会議への到着時刻について
お疲れ様です。
本日〇時より予定しております打ち合わせにつきまして、
交通状況の影響で、5〜10分ほど遅れる可能性がございます。
到着次第すぐに参加させていただきますので、
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
社内での進捗報告にて遅延の可能性を伝えるとき
〇〇の件、現在〇〇の要因により進捗が予定よりやや遅れております。
まだ調整可能な範囲ですが、影響が大きくなる前に共有いたします。
想定される影響とリカバリ案は以下の通りです。
...
敬語・表現例まとめ(相手の不安を和らげるフレーズ)
- 「遅れる可能性がございます」
- 「懸念されております」
- 「本日時点では未確定ですが」
- 「念のためご共有させていただきます」
- 「できる限り調整を図っておりますが」
英語での表現(グローバル対応)
英語メール例:納期遅延の可能性を伝える
Subject: Potential Delay in Delivery Schedule
Dear [Client Name],
I hope this message finds you well. I would like to inform you that there may be a slight delay in the delivery of [project/item], due to [reason].
We are currently working to minimize the delay and will provide a detailed update by [date].
Thank you for your understanding and continued support.
Best regards,
〇〇
よくあるNG例とその改善法
×「遅れます(断定)」→ ○「遅れる可能性がある」
断定すると、相手にとっては確定情報と受け取られ、印象が悪くなります。
×「申し訳ありません、遅れました」→ ○「可能性段階で先にお伝えします」
後手に回ると「報告が遅い」という印象を与えてしまいます。
まとめ|遅れそうなときほど、先に“信頼の芽”を仕込む
遅れる可能性があるときのビジネスメールは、「報連相」+「配慮」の積み重ねで信頼構築に変えるチャンスでもあります。早め・正直・丁寧な連絡を心がけることで、「この人は信頼できる」と評価される結果につながるのです。実際のメール文例をストックしておくことで、いざというときに慌てず、スマートな対応ができるようになります。