Windows11の要件緩和でCore i 第7世代CPUはどこまで対応? 対象モデル解説

Windows11の導入条件は、リリース当初から「厳しい」と言われてきました。その中でも特に注目されたのがCPU要件です。Core i 第7世代以前のCPUは非対応とされ、多くのノートPC・デスクトップユーザーが悩みを抱えました。しかし、その後の要件緩和によって一部の第7世代CPUが正式サポート対象に加わっています。本記事では、対応する具体的なモデルやインストール方法、緩和の背景、さらに第6世代ユーザーへの影響までわかりやすく解説します。これを読めば、自分のPCがWindows11を導入できるのか、そして業務で安心して使えるのかを判断できるようになりますよ。


目次

Windows11で第7世代CPUが当初非対応だった理由

Windows11のリリース時に多くのユーザーを驚かせたのが「第7世代Core iまで非対応」という発表でした。なぜ、性能的には十分使えるCPUが除外されていたのでしょうか。

考えられる背景は主に次の3つです。

  • セキュリティ機能への対応不足
    Windows11は「TPM 2.0」や「セキュアブート」など最新のセキュリティ基盤を重視しています。第7世代CPUの多くは仕様的には対応できても、安定動作の保証が難しかったのです。
  • ドライバや検証コストの問題
    Microsoftは長期にわたる安定動作を重視します。古いCPUすべてを検証すると膨大なコストがかかり、非対応にすることでサポート範囲を絞ったとも考えられます。
  • 将来のアップデートを見越した判断
    Windows11は長期的にセキュリティアップデートが続くOSです。古いCPUを含めすぎると将来的に制約になるため、早い段階で切り分けを行った可能性があります。

つまり「性能的に遅いから」ではなく「セキュリティ・安定性・検証コスト」という観点から除外された、というのが実情です。


要件緩和で追加された第7世代対応CPU

その後、Microsoftはユーザーからの声を受け、一部の第7世代CPUを正式サポートに加えました。特にビジネス用途や高性能なノートPCに搭載されていたモデルが中心です。

対応が追加された代表的な第7世代CPU

  • Intel Core i7-7820HQ(Surface Studio 2などに搭載)
  • Intel Core Xシリーズ(第7世代の一部ハイエンドモデル)
  • Intel Xeon Wシリーズの一部

このように、全ての第7世代が対象になったわけではなく「法人・クリエイター向けの高性能CPU」に限られています。一般的なCore i5やCore i3の第7世代モデルは依然として正式サポート外です。

ノート用CPUでの対象例

特に注目されるのがノートPCユーザーです。例えばビジネス向けモバイルワークステーションや一部のハイエンドノートではCore i7-7820HQが搭載されており、このモデルは緩和後にWindows11へアップデート可能になりました。

一方で、一般的な第7世代ノート用CPU(Core i5-7200Uなど)は対象外のままです。ここを誤解して「全ての第7世代が対応」と勘違いすると、後で困ることになりますので注意してください。


第7世代CPUでWindows11をインストールする方法

では、自分のPCが該当CPUを搭載している場合、実際にWindows11をどうインストールすればよいのでしょうか。

アップデート手順の流れ

  1. Windows Updateで対象として認識される場合は、そのまま更新可能
  2. Microsoftの「インストールアシスタント」を利用してアップデート
  3. 認識されない場合は「クリーンインストール」を行う必要あり

クリーンインストールの注意点

クリーンインストールとは、PCの中身を一度初期化してOSを入れ直すことです。データやアプリが消えるため、必ずバックアップをとることが必須です。特に業務利用のPCでは、会社のポリシーに従ってIT担当者に確認を取るのがおすすめですよ。

アップデートとクリーンインストールの違い

  • アップデート:既存環境を残したまま更新できる(手軽だが不具合のリスクあり)
  • クリーンインストール:動作は安定しやすいが、準備が大変

状況に応じて選択するのが現実的です。業務で長く使うなら、少し手間でもクリーンインストールの方が安心かもしれません。


第6世代CPUは今後も緩和されるのか

気になるのが「第6世代CPUも緩和されるのか?」という点です。現時点では公式に第6世代を追加する発表はされていません。

その理由

  • 第6世代は第7世代よりもさらにセキュリティ基盤が弱い
  • ビジネス現場での利用寿命がすでに終わりつつある
  • Microsoftが長期サポート対象にする優先度が低い

したがって、第6世代ユーザーは「非公式の回避方法を使う」か「PCの買い替え」を検討する必要があります。

ただし、2025年のWindows10サポート終了を前に「要件緩和2025」の可能性が噂されています。これは、サポート切れを前にユーザー離れを防ぐためにMicrosoftが妥協するシナリオです。とはいえ、確実な情報ではないため、あくまで参考程度にとどめておくのが賢明です。

2025年以降の要件緩和の可能性

Windows10の公式サポートは2025年10月に終了予定です。つまり、それ以降も第7世代CPUや非対応CPUを使い続けたいユーザーは「Windows11に移行するか」「サポート切れOSを使うか」という選択を迫られることになります。

緩和の可能性が高い理由

  • 依然として第7世代や第6世代を搭載したPCが市場に多く残っている
  • 法人契約や教育機関向けに長期利用されているケースがある
  • Microsoftがユーザー離れを避けたい思惑がある

緩和の可能性が低い理由

  • セキュリティリスクを容認することになる
  • ハードウェアメーカーとの調整が難しい
  • 新規PC販売を促す戦略上、古いCPUは切り捨てたい

このように、両方の見方があります。ただし、過去にWindows7やWindows8でも「延長サポート」や「例外的な緩和」があったことを考えると、2025年以降に追加対応CPUが出てくる可能性はゼロではありません。


第7世代CPUを業務で使うリスクと対策

第7世代CPUが要件緩和で一部サポート対象になったとはいえ、すべてのビジネス利用に安心して使えるわけではありません。

想定されるリスク

  • 今後の大型アップデートで非対応になる可能性
  • ドライバやセキュリティ更新が十分に提供されない可能性
  • 動作はするが「保証外」の扱いとなり、業務利用でトラブルが起きた際にサポートを受けにくい

対策のポイント

  • 業務で使うPCは、必ずデータのバックアップを定期的に行う
  • アップデート適用前にテスト用PCで動作確認する
  • 非対応CPUのPCは、長期的には買い替えを前提に計画する

「今は使えるから大丈夫」と油断していると、突然のサポート終了や不具合に直面して業務が止まるリスクがあります。特に会社全体のIT環境を管理する立場であれば、計画的に代替案を準備しておくのが賢明ですよ。


ビジネス現場での最適な判断

ここで改めて考えるべきなのは「第7世代CPUを無理にWindows11で使い続けるべきかどうか」です。

ケース1:個人利用や検証用

メール、ブラウジング、資料作成程度であれば第7世代CPUでも十分に使えます。コストを抑えつつ利用を継続するのは合理的といえるでしょう。

ケース2:業務のメイン端末

営業資料の作成や、社内システムへのアクセスなど「止められない仕事」であれば、保証外のCPUを使い続けるのはリスクが大きいです。特にクライアント先でのプレゼンや大規模データ処理に使う場合は、新しいCPU搭載のPCへの移行を計画した方が安心です。

ケース3:企業全体のシステム運用

企業規模でPCを管理している場合、第7世代CPUのサポート状況は大きなリスク要因です。仮に数百台を運用していて、後から「サポート外」となった場合、更新コストやセキュリティリスクが一気に膨らみます。そのため、2025年を見据えて「第8世代以降への移行計画」を進めるのがベストです。


まとめ

この記事では、Windows11の要件緩和によって一部の第7世代CPUが対応となった背景や対象モデル、実際のインストール方法、さらに業務利用でのリスクと判断基準を解説しました。

  • 第7世代CPUは一部のみ正式対応(特にi7-7820HQやXeon Wなど)
  • 一般的なノート用第7世代CPUは依然として非対応
  • 業務利用では「保証外のリスク」を常に意識する必要がある
  • 2025年以降の要件緩和は可能性ありだが確実ではない
  • ビジネス現場では「短期利用なら可、長期なら買い替え前提」で考えるのが安心

結論として、第7世代CPUを使うなら「今後のリスクを踏まえて一時的に使う」ことは可能ですが、長期的な業務利用では新しい世代のCPUを搭載したPCに移行するのが最適解です。

あなたのPCが「まだ使える」からこそ、移行のタイミングを自分でコントロールすることが重要ですよ。

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