Yandexは危険?検索エンジンとしてのリスクと安全な使い方を解説

2025年4月25日

検索エンジンといえばGoogleやBingが主流ですが、ロシア発の検索エンジン「Yandex（ヤンデックス）」も世界的に利用者を増やしています。その一方で、「Yandexは危険？」「情報を抜かれるって本当？」「安全に使う方法は？」といった不安の声も多く聞かれます。本記事では、Yandexの概要やリスク、安全な使い方をわかりやすく解説します。

Yandexとは？

ロシア発の総合テック企業

Yandexはロシア最大のIT企業であり、検索エンジン・地図・翻訳・音声認識・広告配信・クラウドサービスなどを展開しています。Googleに対抗する形でロシア国内では圧倒的なシェアを誇っており、近年は東ヨーロッパや中東などでもユーザーを拡大しています。

検索精度は？

検索精度については、ロシア語圏においてはGoogleと並ぶ評価を得ていますが、日本語対応は限定的。検索結果に表示されるサイトの品質や信頼性にバラツキがあるため、英語圏外での利用には注意が必要です。

Yandexの危険性とは？

プライバシーへの懸念

Yandexはユーザー情報をサーバー側に広範囲に収集しているとされています。検索履歴、位置情報、デバイスの識別情報、IPアドレスなどが対象で、これらの情報がロシアの法律下で管理されることに不安を感じるユーザーが増えています。

政府との関係性

Yandexはロシア政府との関係性が指摘されており、情報提供義務のあるプラットフォームとされています。これは特に欧米諸国からの懸念材料となっており、一部では”国家による監視ツールの可能性”として警戒されています。

セキュリティ面での不安

Yandex製ブラウザやアプリの一部が、過去にマルウェアやスパイウェアの疑いをもたれた事例もあります。公式アプリではない偽Yandexアプリの存在も確認されており、これらのアプリをインストールしたユーザーが個人情報を抜かれたケースも。

なぜYandexは一部で使われ続けているのか？

検索エンジンとしての軽さと速度

Yandexは動作が軽快で、低スペックの端末でもサクサク動くことが特長です。特にロシア語やカザフ語、ウズベク語などを検索する際の精度が高く、Googleよりも地域に特化した検索ができるというメリットもあります。

VPN・匿名性ツールとしての利用

一部のユーザーはYandexをVPNやTorと併用して利用しています。Googleではブロックされるような情報を取得する目的で使われることもあり、言論統制の厳しい地域では重要な代替手段ともなっています。

Yandexを安全に使うための方法

1. ブラウザではなく検索エンジンだけを利用する

Yandex Browserは追加機能が多く、情報収集の範囲が広いとされています。リスクを減らすためには、ブラウザはChromeやFirefoxを使用し、検索エンジンとしてのみYandexを利用する形が望ましいです。

2. ログインせずに使う

アカウントにログインした状態で検索を行うと、履歴や関心分野が個人に紐づいて保存されます。匿名性を保つためにはログインを避け、必要に応じてシークレットモードでの利用が効果的です。

3. パーミッション（権限）の管理

スマホアプリ版のYandexを使う場合、アプリが要求する権限（位置情報、連絡先、カメラなど）を最小限に抑えることで、情報漏洩のリスクを軽減できます。

4. セキュリティソフトで監視

Yandexを使う場合でも、ウイルス対策ソフトを常に最新に保ち、スパイウェア検知機能があるソフトを使うことを推奨します。特に無料のセキュリティアプリでも、Yandex系の挙動を警戒する動きがあるため確認が重要です。

使用を避けたほうがいいケース

ビジネス用途で機密情報を扱う場合
政治的発言や報道活動に関わる職種の人
Google WorkspaceやMicrosoft 365との連携が必要な場合
海外の規制対象サービスとの連動が必要な場面

Yandexのプライバシーポリシーやデータの取り扱い方針は、欧米基準とは異なるため、慎重な判断が求められます。

他の安全な検索エンジンとの比較

サービス名	プライバシー保護	広告表示	検索精度（日本語）	運営国
Google	△（データ収集あり）	多い	◎	アメリカ
Bing	△（Microsoftによる）	中	◯	アメリカ
DuckDuckGo	◎（追跡なし）	少ない	△（海外情報中心）	アメリカ
Brave Search	◎（分散型インデックス）	少ない	◯	アメリカ
Yandex	×（国家管理の懸念）	多い	△（非日本語に強い）	ロシア