Google Analytics 4(GA4)では、ウェブサイトやアプリのユーザー行動をより深く理解するために「エンゲージのあったセッション数」という新しい指標が導入されています。この指標は、単に訪問者数を測るだけでなく、どの程度ユーザーがコンテンツに関与しているかを示します。本記事では、エンゲージのあったセッション数の意味とGA4での見方、さらにその数値を改善するための具体的なアクションについて詳しく解説します。初心者の方にもわかりやすく、実践的な内容を提供しますので、ぜひご活用ください。
エンゲージのあったセッション数とは?
エンゲージのあったセッション数の定義
エンゲージのあったセッション数とは、GA4における「エンゲージメントの条件を満たしたセッション」を指します。以下の条件のいずれかを満たすと、セッションが「エンゲージのあったセッション」としてカウントされます。
- セッション時間が10秒以上。
- 1回以上のコンバージョンイベントが発生。
- 2ページ以上の閲覧が行われた。
この指標により、単にページを開いただけの訪問者と、実際にサイト内で行動を起こした訪問者を分けて分析できます。
この指標を使うメリット
- 訪問者の質を評価できる: ページビュー数だけでは把握できないユーザーの関与度を測定可能。
- 改善ポイントの発見: ユーザーが離脱するポイントや行動を促進できる部分を特定できる。
- ROIの向上: エンゲージの高いセッションに注力することで、投資対効果を最大化できる。
例えば、あるECサイトでエンゲージのあったセッション数を分析した結果、ユーザーが商品の詳細ページで長時間滞在することが購入率に直結していることが判明したケースがあります。
GA4でエンゲージのあったセッション数を確認する方法
GA4のダッシュボードで確認
- GA4の管理画面を開く。
- 「エンゲージメント」レポートをクリック。
- 「エンゲージのあったセッション数」または「エンゲージメント率」の項目を確認します。
エンゲージメント率との関係
エンゲージメント率とは、全セッションに対する「エンゲージのあったセッション数」の割合です。この数値が高いほど、ユーザーがコンテンツに興味を持っていることを示します。
例えば、エンゲージメント率が60%の場合、10回の訪問のうち6回がエンゲージメントのあるセッションであることを意味します。この数値を監視することで、サイト改善の方向性を見出せます。
セッションあたりの平均エンゲージメント時間
エンゲージメント時間は、ユーザーがサイト上でどれだけの時間を費やしたかを示します。GA4では、平均エンゲージメント時間も確認可能です。この指標を活用することで、ページの魅力やユーザーがどこで時間を費やしているかを把握できます。
例えば、ブログ記事が平均エンゲージメント時間の中で特に高い値を示している場合、記事の内容がユーザーにとって価値があると判断でき、同様のコンテンツを増やす戦略が有効です。
エンゲージのあったセッション数の目安と平均値
業界別の平均値
エンゲージのあったセッション数の平均値は、業界やサイトの目的によって異なります。
- ECサイト: エンゲージメント率は30%~50%が目安。
- 情報サイト: エンゲージメント率は20%~40%が目安。
- BtoBサイト: 10%~30%程度。
例えば、あるECサイトでは、エンゲージのあったセッション数が全体の45%を占めており、これは業界平均の範囲内であるため、現状維持を目指すべきと判断されました。
高い数値を目指すための基準
目標値を設定する際には、以下を考慮します。
- 現在の数値: 現在の数値が業界平均と比べて高いか低いかを確認。
- サイトの目的: 商品購入を目的とするECサイトであれば、高いエンゲージメント率が求められます。
エンゲージメント率を改善するための具体的アクション
サイト速度の改善
ページの読み込み速度が遅いと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。Google PageSpeed Insightsを使って速度をチェックし、画像の圧縮や不要なスクリプトの削除を行いましょう。
具体例として、画像のファイルサイズを圧縮することで、読み込み速度が平均2秒短縮され、エンゲージメント率が25%向上した事例があります。
魅力的なコンテンツの作成
ユーザーが求めている情報を提供することで、エンゲージメントを高めることができます。例えば、製品レビューやチュートリアル動画を追加すると、滞在時間が延びる傾向にあります。
行動を促すCTAの設置
「今すぐ購入」や「詳細を見る」など、明確な行動を促すボタンを設置しましょう。これにより、セッション内でのユーザー行動を増加させることができます。
例えば、特定の商品ページに「割引クーポンをゲット」というCTAを追加したところ、エンゲージのあったセッション数が40%増加した事例があります。
成功事例と失敗事例
成功事例
- 事例1: 商品ページの改善でエンゲージメント率が30%向上
あるECサイトが、商品画像を高画質化し、動画レビューを追加した結果、エンゲージメント率が20%から50%に上昇しました。 - 事例2: サイト速度の向上で離脱率が半減
情報サイトがページの読み込み速度を3秒短縮した結果、平均エンゲージメント時間が40秒から1分20秒に向上しました。
失敗事例
- 事例1: ポップアップ広告の過剰使用
ユーザーがポップアップ広告に苛立ち、エンゲージメント率が10%低下した事例です。広告の頻度やタイミングの調整が必要でした。 - 事例2: ナビゲーションのわかりにくさ
あるサイトで、主要なカテゴリが見つけにくく、ユーザーが早期離脱する原因となった事例です。メニューバーの整理と検索機能の強化が課題でした。
まとめ
エンゲージのあったセッション数は、サイトやアプリのパフォーマンスを評価する重要な指標です。この数値を分析し、具体的な改善アクションを実行することで、ユーザー体験を向上させ、最終的には収益の増加につなげることができます。GA4を活用しながら、エンゲージメントを高めるための施策を継続的に行い、目標達成を目指しましょう。