YouTubeやスマホアプリで何度も表示されるHero Warsの広告に、思わず「またか…」と感じたことはありませんか？ 英雄たちが罠にかかって溶岩に落ちる、宝を手にできず失敗する、そんな短いストーリー仕立ての広告に見覚えがある方も多いはずです。この記事では、Hero Warsの広告がなぜ不快に感じられやすいのか、その裏にある狙いや戦略を読み解きつつ、具体的な非表示方法までをプロの視点で詳しく解説します。
Hero Warsとはどんなゲームか？広告とのギャップを検証
Hero Warsは、株式会社ネクスターズ(Nexters Global Ltd.)が提供するファンタジー系アクションRPGで、複数のヒーローを育成して戦う形式のゲームです。ギルドバトル、PvP（対人戦）、イベント戦など、やり込み要素が豊富に用意されています。
しかし、その広告では「キャラが選択を間違えて死ぬ」「ドアを開ける順番を間違える」「スイッチ操作で溶岩に落ちる」など、謎解き風のストーリーが中心となっており、実際のゲームプレイとは一致しません。この過剰な広告頻度と演出、実際のギャップこそ、視聴者に「うざい」と感じさせる最大の要因です。
なぜHero Warsの広告はうざく感じるのか？
何度も繰り返される同じパターン
Hero Warsの広告は、YouTubeやゲームアプリ内で非常に高頻度で表示されます。特に広告クリエイティブはパターンが少なく、ユーザーが1日に何度も同じ構成のCMを見ることで、飽きとストレスが蓄積します。
意図的に「間違える」演出が不快感を誘う
広告内では、プレイヤーが明らかに失敗するルートを選び、キャラクターが毎回ひどい目に遭います。これに対して「自分なら正解できる」と思わせる心理誘導を狙っているのですが、逆に「わざとバカな行動をする広告を何度も見せられる」ことで不快に感じるユーザーも少なくありません。
実際のゲームと全く違う
前述の通り、Hero Warsは育成型RPGなのに、広告はパズルや謎解き風のコンテンツで構成されています。「広告詐欺では？」と疑われるような乖離が、ユーザーの信用を損ねているのです。
Hero Warsのマーケティング戦略の狙いとは？
1. エモーショナルな「疑似ゲーム体験」で興味を引く
広告はあくまで“体験誘導型”で設計されています。「自分ならうまくできる」という挑戦意欲を喚起し、クリックやインストールに結びつける仕掛けです。あえて失敗させる演出やイライラを誘う構成は、いわば戦略的な“逆張り”の表現手法です。
2. ABテストで勝ち残った広告だけが生き残る
Hero Warsでは、数十～数百本の広告を同時に回し、クリック率・CVR（コンバージョン率）などのデータで絞り込むABテストを実施しています。不快に感じる広告であっても、成果が出ていれば残される。これが“うざい広告が延々と表示され続ける”構造の正体です。
3. 「悪目立ち」でも印象に残れば勝ちという発想
Hero Warsの広告がよく言われるのは「嫌でも記憶に残る」。企業側はむしろ、炎上ぎみでも「記憶に残るほうがCVが取れる」と判断している節があり、広告におけるエンタメ性や刺激性を優先しています。
Hero Warsの広告を消す方法｜実践ガイド
YouTubeで広告を減らす設定
- 広告再生中に右上の「×」や「i」アイコンをタップ
- 「この広告を表示しない」を選択
- 「興味がない」などの理由を選択
この操作によって、Googleのレコメンドから外れる可能性があります。
Google広告設定で「興味関心」から除外する
Googleアカウントにログインして「広告設定（https://adssettings.google.com）」
へアクセスし、「Hero Wars」や「ゲームカテゴリ」の関心をオフにすることで、広告出稿の対象から外れる確率を下げられます。
広告ブロッカーを利用する（PC・スマホ）
- PCの場合：ブラウザ拡張機能（例：uBlock Origin, AdGuardなど）
- スマホの場合：広告非表示ブラウザ（Braveなど）を利用
ただし、無料アプリやWebサービスは広告収入で運営されているため、全体の体験として広告ブロックが最適とは限りません。
Hero Wars広告が象徴する“次世代型の広告設計”とは？
Hero Warsの広告が“うざい”とまで言われながらも結果を出し続けている背景には、現代の広告業界における新しい常識があります。
「クリックされること」で評価される広告設計
広告は“クリックされるかどうか”が重要指標になりリーチの伸びやすさが変わります。
そのため、いかに視聴者の感情を動かすかが鍵になります。Hero Warsは「怒り」「呆れ」「疑問」など、ポジティブでなくても感情を動かす広告として最適化されているのです。
ユーザーの“リテラシー”を前提とした戦略
Hero Warsのような広告は、ある意味で「ユーザーは広告を見抜ける」と前提にしています。逆に「分かっていても釣られる」体験を提供することで、ゲームへの導入を自然に演出しているのです。
この先もHero Warsの広告は流れ続けるのか？
Hero Warsの広告がここまで大量に出稿され続けているのは、それだけ「費用対効果が合っている」からです。広告単価よりもインストール数と課金率が上回っており、ビジネスとして成功している構造になっています。
ゲーム業界では、このような「成功モデル」は他タイトルにも真似されやすく、一時的に炎上してもインストール数が増える限りは、広告出稿が止まる可能性は低いと考えられます。
特にHero Warsは、世界的にサービス提供されており、広告クリエイティブの“量産と自動出稿”をAIで最適化しているとされます。この手法は今後ますます進化する可能性があり、広告の表示数が“自然に減る”ことは、ユーザーの視点ではほぼ期待できないのが現実です。
つまり、ユーザー側がブロックや広告設定で能動的に対処しない限り、今後もこの広告に触れる機会は続いていくと考えておいた方がいいでしょう。
Hero Warsの広告戦略に潜むデメリット
Hero Warsのような“釣り型広告”は一見うまく機能しているように見えますが、マーケティング戦略として長期的には致命的なデメリットも抱えています。
ユーザーの離脱率が高い
誤解を招く広告でダウンロードしたユーザーは、「思ってたゲームと違った」と感じて即アンインストールするケースが非常に多く、LTV（顧客生涯価値）が短くなりがちです。継続率が低いと、獲得コストに対しての回収効率が悪化していきます。
ブランド信頼が損なわれる
短期的には数字が出ても、「うざい」「詐欺っぽい」という印象がネット上に蓄積すれば、ブランドイメージが長期的に悪化していきます。Hero Warsというタイトルそのものへの信頼が失われ、次回作や他製品にネガティブな印象を波及させるリスクも無視できません。
広告プラットフォームからの制限リスク
Google広告やYouTubeは、最近「誤解を招く広告」や「低品質クリエイティブ」への監視を強めています。Hero Warsのようなギャップの大きい広告表現が規制対象にされれば、出稿停止やアカウント凍結といった措置が取られる可能性もゼロではありません。
まとめ：広告が“うざい”のは設計された現象である
Hero Warsの広告が繰り返し目に入り、不快感を覚える理由には明確な戦略があります。それは、単なる悪質な広告ではなく、クリック数を最大化するためのマーケティング設計と広告費用の大量投入に基づいています。
とはいえ、ユーザー側としてはストレスのない体験を重視したいもの。今回紹介した方法を活用し、自分に合った広告との付き合い方を見つけましょう。
